やっとの思いで筆記試験を通過したあとに待ち受けている「面接試験」。
筆記試験日から一ヶ月後程度に行われることが多く(筆記試験合格発表日から約2週間後)、面接対策に十分時間をかけられない人が多いと思います。
ただ、率直に言って公務員の面接試験は、民間の面接に比べて簡単です。
公務員の面接試験の「コツ」をつかみ、正しい方法で効率良く練習すれば、短期間の対策でも十分合格レベルまでいけます。
この記事では、面接試験に受かるための「コツ」と実際の「想定質問+実際に聞かれた質問」を簡潔にご紹介します。
ぜひ、効率よく対策をして、最終合格を手に入れましょう!もうひと踏ん張りです!
大学4年時に「県庁」と滑り止めで「国」を、また県庁を退職してから「学校事務」で再受験し、全て一発合格しています。
- ○○県職員採用試験(大学卒業程度)(2008年)最終合格、採用
- 国家公務員採用試験(一般職)(2008年)最終合格、内定辞退(官庁訪問は林野庁)
- ○○県小中学校事務職員採用試験(2018年)最終合格、採用
公務員の面接試験に合格するコツ8選
それでは面接試験に合格するコツを8つ紹介します。
どれも大切なことなので、しっかり覚えてください。
コツ1 実は「面接カード」が超重要
面接試験は基本的に「面接カード」に沿って行われます。
ですので、面接カードを作成する際は、自分が質問されたい内容の要点を面接カードに書くことがポイントです。
見栄を張って格好いいことを書いたり嘘を書くと、質問されたときに自分が回答に困ることになるので止めておきましょう。
ひとつ気をつけてもらいたいことは、面接カード自体は採点の対象ではありません。
どんなにすごい内容を書いたとしても、面接カードは面接を効率良く行うための道具にすぎません。
気合を入れすぎて、面接カードに事細かに書きすぎると、面接時に質問されても書いてある内容を同じようにしゃべるだけになってしまうので注意してください。
コツ2 面接対策は筆記試験後からで十分
公務員試験は何よりもまずは筆記試験に合格することが最優先です。
そのため、面接対策は筆記試験後から始めてください、それまでは筆記試験対策に全力を注いでください。
ただし、後述しますが、面接対策は「場数」を踏むことが超重要です。
なので、可能であれば他の公務員試験や民間企業を併願して、何回か本番面接を受けることをおすすめします。
(私は国を併願して面接練習の場としました。)
模擬面接などが受けられない社会人向けに筆記試験後からの面接対策の方法をまとめた記事もありますのでよければご覧ください。
【公務員試験】1週間前からの具体的な面接対策の方法(社会人向け)
コツ3 志望動機の区分化
面接官から必ずといっていいほど聞かれる質問があります。
それは、県を受験した場合「なぜ民間ではなく、国でなく、市町村ではなく、他県ではなく、我が県を受験したのか」です。
この点を明確に区分して、回答案を準備しましょう。
志望動機をちぐはぐに回答してしまうと、面接官から「うちはただの併願先にすぎないかも」と不審に思われてしまいます。
コツ4 志望動機の具体性
あらかじめ受験する県の政策などをしっかり調べたうえで、自分がしてみたい業務、働いてみたい部署を具体的に回答できるようにすることが大切です。
志望動機を聞かれたとき、抽象的に「行政に携わりたい」と答えるのは止めましょう。
「〇〇県で行われているあの施策に携わりたい」、あるいは「〇〇県にはこのような課題があるため、大学で学んだ知識を生かし、こういった施策を行っていきたい」など、「具体性」を意識して回答するのがコツです。
具体性を示すことで面接官から「これだけ我が県のことを勉強してきている、よっぽどうちの県に入りたいんだな、ただの併願先ではないな」と思われ、印象が格段に良くなります。
コツ5 面接では面接官との会話のキャッチボールを意識
「私は口下手だから面接苦手」と思っている人、それは完全に勘違いです。
面接では、コミュニケーション能力が重要な採点項目となりますが、話上手な人が高評価というわけではありません。
なぜなら、コミュニケーション能力には「聞く力」が含まれています。
公務においては、説明する力ももちろん大切ですが、どちらかというと住民の意見や悩みを「聞く力」が求められます。
そのため、面接官から質問をされてから、だらだらと暗記してきた回答を一方的に数分間もしゃべり続けるのはやめましょう、これはかなり悪い評価となります。
当然キャッチボールですから無言・沈黙になる状況は極力避けます。
どんな質問もできれば数秒以内で答え始めてください、5秒以上も沈黙があると面接官に悪い印象を与えます。
また、質問された内容に全くとんちんかんな回答をすることもやめましょう、そのためにしっかりと質問を聞いてください、これこそが聞く力です。
質問がよく分からないと思った場合は、正直に聞き直したほうが得策です。
よく分からないまま、的はずれな回答をすると悪い印象を与えます。
コツ6 面接対策は場数が命
面接対策で何よりも大切なことは「場数」を踏むことです。
面接は経験値を積むと飛躍的に上手になります。
本命の面接試験までにできれば
- 1回以上の模擬面接(大学のキャリアセンター、教授、公務員予備校などを利用)
- 1回以上の本番面接(民間や国や他の自治体など)
と最低2回は面接を経験しておきましょう。
【面接対策の効果(私の経験談)】
- 模擬面接1回目は、あまりにもひどい状態、質問に対する回答や表情仕草などの振る舞いなどが散々で、面接官役の人からもかなり指摘され自信喪失。
- 模擬面接2回目、まだまだ駄目な状態。1回目に指摘されたことだけに集中してしまい、初めての質問にあたふたします。
- 模擬面接3回目、突然劇的に良くなってきます。1~2回目の反省から自分自身でセルフディベートを繰り返した結果が実を結び始めます。
- そして併願先の本番面接を一回やると、面接に対して相当自信がつきます。
- このように4回面接練習ができれば、本番の面接試験では自信をもって受けることができます。
【関連記事】
模擬面接を受けられる公務員予備校・施設・サービス(社会人向け)
コツ7 圧迫質問にはなんでもいいからとにかく答える
民間に比べて公務員試験では圧迫質問は少ないですが、それでも1回ぐらいはあると思っていてください。
私の場合は、最後の方に不意打ち的な感じで1発きました。
圧迫質問がきたときは、どんなに回答に困るものでも、必ず何かしら答えてください。
面接官は、受験生が答えにくい質問をされても、動揺しないか、あるいは動揺してもいかに早く立ち直ることができるか、イライラしないで粘り強く対処できるかを観察しています。
コツ8 メラビアンの法則
メラビアンの法則はすごく有名な法則ですが、人の第一印象はほぼ「視覚情報」から成っているというものです。
【メラビアンの法則】(人の第一印象を決める要素)
視覚情報(見た目・表情・しぐさ・視線等)55%
聴覚情報(声の質・話す速さ・声の大きさ・口調等)38%
言語情報(話の内容)7%
しかも、第一印象が決まるまでにはたった3~5秒と言われています。
極論、ノックして入室して挨拶をして着席するまでの間で既に第一印象が決まっているということです。
ノックをして入室したら、丁寧で落ち着いた動作、キープスマイル、そしてハキハキと大きく明瞭な声で面接官とアイコンタクトをとりながら挨拶をしましょう。
あと忘れては行けないのが、退室する際です。
試験はドアを閉めるまでが評価対象なので、最後まで気を抜かないようにお礼の言葉やお辞儀などをしっかりしましょう。
面接試験の質問内容(想定質問+実際に本番でされた質問)
私の受験した県庁の面接試験では、受験者1人に対して面接官3人でした。
面接官は、人事課の方が2人、試験区分に応じた担当部署の方1人でした。
事前に提出した面接カードにそって色々な質問をしてくるというパターンでした。
想定質問(共通してよく聞かれること)
どの面接試験でも共通して聞かれることとしては、
- 「志望した動機を教えてください」
- 「どうして民間ではなく、公務員なのですか」
- 「どうして国ではなく、地方なのですか」
- 「どうして市町村ではなく、県なのですか」
- 「どうして他県ではなく、うちの県なのですか」
- 「自己PRをしてください」
- 「あなたの失敗談を聞かせてください」
- 「最近関心を持ったことは何ですか」
- 「併願先はどちらですか」
- 「上司と意見が食い違ったときはどうしますか」
- 「最後に、あなたのほうから何か質問はありますか」
などです。
基本的に、序盤は面接カードの設問をそのまま聞いてきます。
そして、答えた内容について、1~2回深堀りしてきます。
ちなみに「あなたのほうから何か質問はありますか」と最後に聞かれることがよくありますので、必ず一つ準備しておきましょう。
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【公務員面接試験】想定質問リスト150選!合格には想定問答集作りが必須!
【回答のコツ・質問はありますか編】本気度・人間性を見ています。良質な質問を準備しよう!
実際に本番で質問された質問(私の受験した県の場合)
- 「我が県で今一番課題だと思っていることは?」
- 「うちの県に採用されない可能性もあるけど、その時はどうしますか?」
- 「大学時代、親友はいましたか?」
- 「人と意見が食い違った場合、どうしますか?」
- 「どうしてうちの県を志望したの?」
- 「勤務地が希望に添えない場合がありますが大丈夫ですか?」
- 「希望の職場に配属されない場合はどうしますか?」
などでした。
役立った面接対策の参考書
参考ですが、面接対策の際に私がものすごく頼りにした本を1冊(最新版)ご紹介します。
「2023年度版 現職人事が書いた面接試験・官庁訪問の本」大賀英徳 著 実務教育 出版
この本は国家公務員試験受験者向けに書かれた本ですが、都道府県受験者や市役所受験者でも十分参考になります。
私の周りの合格者は、ほとんどの人がこの本のお世話になっていました。
面接を実際に行う現職の人事課担当者が「こういう回答は高評価・低評価になりますよ」などかなり赤裸々にアドバイスをしてくださっています。
ちなみに、今回の記事もこの本の内容を参考にさせてもらっています。
毎年新しい本が出版されていますので、買われる方は最新版を購入するようにしましょう。
ちなみに、姉妹図書で、
「2023年度版 現職人事が書いた自己PR・志望動機・提出書類の本」 著 大賀英徳、実務教育出版
という本もありますので、面接カードがうまく書けないという人はぜひ参考にしてみてください。
まとめ~面接で逆転できるチャンスが十分ある~
面接試験は配点がとにかく高いです。
配点が高いということは、一次試験でうまくいかなかった人も十分逆転のチャンスがあるということでもあります。
大学受験などでもそうですが、最後の最後までギリギリまで諦めなかった人が最後に合格をもぎ取ります。
受験者の皆さん、合格までもう少しの辛抱です、ぜひ悔いのないように面接対策に万全を期してくださいね。
ほんとやればやっただけうまくなりますので!
ちなみに、出来上がった面接カードは「ココナラ」で添削サービスをしているプロが多数いるので、独学社会人は活用してみるのも良いと思います。
参考図書:「現職人事が書いた面接試験・官庁訪問の本」大賀英徳 著 実務教育 出版
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