公務員の面接試験で使われてる評価基準って公表されてるの?
国家公務員の面接での評価基準は人事院が公表しているよ。評価基準が分かれば面接対策もしやすくなるね!
※評価基準、採点基準、評定項目、評価項目など名称がたくさんあるので、この記事では「評価基準」に統一します。
(正式には評定項目です。)
記事の信頼性:執筆者は元県庁職員(約9年間)。公務員(県庁職員)から公務員(学校事務職)への転職経験あり。現在公務員試験アドバイザーとして活動中。
目次
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公務員面接試験の「評価基準」

面接試験の評価基準については、機関や自治体ごとで公表・非公表がわかれています。
ここでは一例として、「現職人事が書いた面接試験・官庁訪問の本 著 大賀英徳」や「現職採点官が教える!合格面接術 著 春日文生」でも紹介されている、人事院の評価基準(案)を紹介します。
これは国家公務員の個別面接時における評価基準ですが、県庁や市役所の受験生にも参考になる部分がたくさんありますのでぜひ知っておいてください。
私も「面接カード」や「想定問答集」作成時にこの評価基準も意識しながら作成しました。
面接官の評価シートは以下の項目からなっています。
- 評価基準 6項目
- プラス評定項目
- 自由記入欄
- 総合判定欄
評定項目は「優・普通・劣」の3段階で評定されます。
総合判定は5段階A~Eで評価されます。
それでは各評価基準とそのポイントを一気に紹介します。
評価基準1:積極性(意欲・行動力)
【ポイント】
- 自らの考えを積極的に伝えようとしているか
- 考え方が前向きで向上心があるか
- 目標を高く設定し、率先してことに当たろうとしているか
- 困難なことにもチャレンジしようとする姿勢が見られるか
評価基準2:社会性(他者理解・関係構築力)
【ポイント】
- 相手の考えや感情に理解を示しているか
- 異なる価値観にも理解を示しているか
- 組織や集団のメンバーと信頼関係が築けるか
- 組織の目的達成と活性化に貢献しているか
評価基準3:信頼感(責任感・達成力)
【ポイント】
- 相手や課題を選ばずに誠実に対応しようとしているか
- 公務に対する気構え、使命感はあるか
- 自らの行動、決定に責任を持とうとしているか
- 困難な課題にも最後まで取り組んで結果を出しているか
評価基準4:経験学習力(課題の認識・経験の適用)
【ポイント】
- 自己の経験から学んだものを現在に適用しているか
- 自己や組織の状況と課題を的確に認識しているか
- 優先度や重要度を明確にして目標や活動計画を立てているか
- 他者から学んだものを自己の行動や経験に適用しているか
評価基準5:自己統制(情緒不安定・統制力)
【ポイント】
- 落ち着いており、安定感があるか
- ストレスに前向きに対応しているか
- 環境や状況の変化に柔軟に対応できるか
- 自己を客観視し、場に応じて統制することができるか
評価基準6:コミュニケーション力(表現力・説得力)
【ポイント】
- 相手の話の趣旨を理解し、的確に応答しているか
- 話の内容に一貫性があり、論理的か
- 話し方に熱意、説得力があるか
- 話がわかりやすく、説明に工夫、根拠があるか
プラス評価項目
上記の6項目のほかに、これらの中で該当するものがあれば加点評価されます。
- 問題発見能力
- 企画力
- 決断力
- 危機への対応力
- リーダーシップ
- バランス感覚、視野の広さ
- 創造性・独創性
- 高い倫理性、社会的貢献への強い自覚
自由記入欄
ここは面接官ごとに書く内容は変わってくるので、私だったらこれを書くというものを示します。
- プラス面、マイナス面の一言コメント
- 併願状況
- 希望勤務地
- 異動が可能かどうか
- 持病
※持病については、公平性が保てなくなるため、面接官側から聞くことはありません。
面接官は「過去の行動・経験」から推察し評価する

ここまで、評価基準(積極性・社会性・信頼感・経験学習力・自己統制・コミュニケーション力)を紹介してきました。
この中で「積極性」・「社会性」・「信頼感」・「経験学習力」については、
「受験生の過去の行動から推察する」しかないため、
面接官は面接カードに書かれている内容を深堀りし、具体的な経験談を引き出そうとします。
そのため面接カードはかなり重要です。戦略的に作成しましょう!
見栄えを良くしようとして、偽りの内容を書いていたら、面接で深堀りされてソッコーバレるな
「自己統制」・「コミュニケーション力」については、試験本番まで磨くことができる項目、練習すれば上手になる項目です。
致命的なミスをしないことが大切
今回の記事で面接での評価基準が分かり、面接カードや想定問答集も作成しやすくなりました。
そして、そのうえで模擬面接や併願先の本面接などを重ね、面接スキルを本命の面接まで磨くことができれば合格も自ずと近づいてきます。
しかし、どんなに準備できたとしても、以下のような「致命的なミス」をすると不合格となりますので、十分気をつけて面接試験に臨んでください。
自分がしていないか、要チェックや!!
- 入退室マナーが悪すぎ(服装や髪型も含めて)
- 回答は良くても態度が悪い
- 緊張しすぎ(声が震える、手足が震え続けるなど)
- 挙動不審
- 目線を合わせようとしない
- 5秒以上の沈黙
- 聞いたことに的外れの回答連発
- 自信過剰、プライドが高い、自慢話だらけ
- 面接カードを盛っている(デタラメ・嘘を書いている)
- 公務員のこと、その自治体のことを全く勉強・理解していない
- 回答があまりにも長すぎ
- 極端に暗い、表情が乏しい、声が小さい
- 暗記したことをそのまま棒読みする
など。
これらについては、模擬面接をし、第三者から指摘してもらうことで改善しやすくなります。
最後にものを言うのは、自分を売り込む「営業力と熱意」

最初から完璧なんて人はいません。
- いくら評定基準が分かったからといって
- 出来栄えばっちりの面接カードができたからといって
- 模擬面接を散々やってきたからといって
- 併願先は全て合格できたからといって
本命の面接試験でうまくいく保障はどこにもありません。
逆に、自信がありすぎる、おごりすぎている人のほうがかえって足をすくわれるかもしれません。
最終的に面接で大切なのは、面接官に
「ぜひあなたと一緒に働きたい」
「その力を存分に住民のためにいかしてもらいたい」
と思わせることです。
そのために必要なものは、自分を売り込む「営業力」と「熱意」だと最近様々な受験生をみてきて痛感しています。
「本当に公務員として働きたいと思っている人は、面接対策をする過程で自然のこの2つの要素が培われていきます。」
「なんとなく安定してるし、楽だから公務員を受験した」という人はまず落ちますし、合格したとしても悲惨な公務員人生が待っています。
き、きびしいな
無理に公務員にならなくてもいいのです。
そもそも公務員だけが仕事ではありません。
世の中にはものすごい数の職業・働き方があります。
公務員ははっきり言って「薄給激務」です。
世間体が良いだけで、とてもお金持ちにはなれませんし、定時上がりは基本無理、AIの導入が進めば公務員の身分保障もそのうちなくなると学者が論じているありさまです。
「それでもどうしても公務員として働きたい」
「公務員になってやりたいことがあるんだ」
と言う人はぜひ公務員試験を受験してください。
私も心の底から応援します!
面接対策の仕方や面接のコツについては、他の記事でまとめてありますので参考にしていただければと幸いです。
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ここまでお読みいただき本当にありがとうございます。面接対策、ぜひ頑張ってください!