公務員試験の中でも、対策が手薄になりがちな論文試験。
しかし、意外と配点は高く、ぶっつけ本番で挑むことは回避したいところです。
ただ、教養試験や専門試験のように数ヶ月前からしっかり対策する必要はありません。
今回ご紹介する「受かる書き方」をマスターして、直前で少し対策をするだけで十分です。
それでは、順を追ってご紹介していきます。
大学4年時に「県庁」と滑り止めで「国」を、また県庁を退職してから「学校事務」と「社会人枠」で再受験し、全て一発合格しています。
- ○県職員採用試験(大学卒業程度)(2008年)最終合格
- 国家公務員採用試験(一般職)(2008年)最終合格、林野庁内定辞退
- ○県小中学校事務職員採用試験(2018年)最終合格
- ○県職員採用候補者試験(社会人枠)(2018年)教養試験合格、辞退
論文試験の配点
論文試験の配点例をいくつか紹介します。
【国家公務員採用一般職試験 1次試験】
論文1/9、教養2/9、専門4/9、面接2/9
論文解答時間 1時間
【東京都職員Ⅰ類B採用試験 1次試験(一般方式)】
配点掲載なし、全ての科目の成績を合わせた総合成績により決定するとのこと。
論文解答時間1時間30分
解答文字数1000字以上1500字程度
【愛知県職員採用候補者試験 2次試験】
論文10点、面接45点 計55点
解答時間1時間30分
【長野県職員採用試験(大卒卒業程度) 2次試験】
論文300点 面接900点 計1200点(※論文試験合格最低基準 120点)
解答時間1時間30分 1200字以内
※長野県は論文試験は1次試験時に実施しますが、採点は2次試験で行います。
県によっては、論文試験を1次試験で行う県と2次試験で行う県がありますので、受験案内などで事前によく確認しましょう。
論文試験は高配点ではありませんが、一定の基準以上の点数が合格には必要となります。
つまり、教養試験や専門試験がいくら得点できていても、論文試験で失敗すると不合格となります。
論文試験はいつから対策を始めればいい?
論文試験の対策は、ズバリ「試験直前」から始めればOKです。
一週間前、なんなら数日前でも十分です。
なぜなら、大学生は普段講義の課題でレポートを書いているので、十分論述するスキルはすでに身についています。
なので正直論文試験の対策をしても、劇的に文章がうまくなる、なんてことはありません。
ただし、以下に紹介する「受かる書き方」をマスターし、参考書の解答例を眺める程度で大丈夫です。
論文試験の受かる書き方
注意!論文と作文は全く違います!
論文試験は決して作文ではありません。
意外とここを間違えてしまう人がいます。
「ですます調」でなんとなくお題に対する感想を書くような作文をしてしまうと、間違いなく落ちます。
あくまで「論文」ですので、テーマに対して、いかに論理的に自分の意見を述べられるかが重要です。
あと、論文なので、基本「である調」を使ってください。
すぐに書き始めない!
試験開始後、多くの人がおもしろいように一斉にガリガリ書き始めます。
ですが、残念ながらその人達は途中でペンが止まることでしょう。
解答時間が1時間30分ある中で、まずは10分くらいかけて、論述する内容の「骨格(スキーム)」を、十分に練りましょう。
このスキームがさえうまく固まれば、あとはひたすら文字を埋めていく作業になります。
スキームを決めずに書き始めると、論点がずれてしまったり、起承転結がうまくいかなかったりと書いている途中で問題が発生し、最悪全部消して書き直しという落ちるパターンになりかねません。
「序論」(テーマについての一般的な背景)→「課題」(2~3つ挙げる)→「対策」(課題であげた点にマッチするように具体例2~3提案)→「結論」
大事なポイントは「結論」の部分で文字数を最終調整し、ほぼピッタシ10割うめるように書き上げましょう。
高度なテクニックですが、論述してそれを解答用紙ほぼピッタシにきれいに仕上げると、当然評価は上がります。
解答時間は足りない
90分の試験時間の場合、スキームで10分使い、誤字脱字等の見直しで10分、つまり実質70分で書き上げなくてはいけません。
普段レポートをwordなどで作成することに慣れてしまっていて忘れがちですが、手書きは時間がかかります。
スキームが決まったら、あとはどんどんスピード感をもって書き進めてください。
誤字脱字などは絶対に避ける!(論文は減点方式)
論文試験の基本の考え方は、満点を目指すのではなく、あくまで「合格ラインを目指すこと」です。
高得点を目指して、「ものすごい良い案を考えてやるぞ」と意気込むと時間が足りなくなったり、途中で論理展開が破綻しやすくなります。
はっきり言って、内容ではあまり差はつかないと思ってください!
これは採点者の立場になれば分かりますが、「この案を提案できれば満点」、そんな採点基準はありません。
採点者の主観で採点を決めることは合ってはならないことです、公務員試験には公平性が求められます。
なので、論文試験は「減点方式」で採点を行っていると考えたほうが良いです。
以下、減点項目の例をいくつか挙げておきます。
【減点項目例】
- 誤字脱字がないか
- 送り仮名を間違えていないか
- 論理展開が破綻していないか
- 現実的に実行不可能な提案をしていないか
- 時間が足りず、文章が途中で途切れている
- 解答用紙の半分しか書いてない
- 解答用紙を超過してしまっている
- 段落の書き始めは1マス空けているか
- 行の最後の句読点は文字と一緒のマス目の中に書いてあるか
- 小さい「っ」「ゃ」などを1マスに1文字で書いているか
- 会話文の終わりの句点とかぎかっこは、同じ1つのマス目に書いているか
- 改行を適宜行っているか
とにかく解答用紙をうめる!
「解答用紙をうめる」、これが最重要です!
なにがなんでも解答用紙の「8割以上」をうめてください。
文字数が少なすぎると、どんなに内容が完璧でも、採点者が見た瞬間に大幅減点されると考えておいてください。
内容100点満点で文字数は5割しか埋まってない答案と、内容80点で文字数は8~10割埋まっている答案なら、後者が正義です!
だからといって、解答用紙を超過してしまうのは駄目です。
【論文試験】
- 国家公務員採用試験「文章による表現力、課題に関する理解力などをみる」
- 愛知県職員採用試験「必要な思考力、表現力等をみる」
職員採用試験HPより
とあり、具体的に「表現力」と表記しています。
対策は参考書の解答例を読むだけでいい
どれでもいいので論文用の参考書を一冊だけ買ってください。
そして解かなくていいので、解答例だけ読んでください。
なんとなく、こんな感じでまとめれば良いんだなという感覚を掴んでください。
そして先程あげたスキームを自分なりに設定すれば、それで準備OKです!
まとめ
以上、論文試験の受かる書き方について、解説してきました。
私が受験した県の論文テーマは「高齢化社会における公共交通機関への行政の関わり方」でした。
(※過去の論文のテーマは全てではありませんが、各自治体のHPに公表されています。)
一斉に周りの受験生がガリガリ書き始める中、1人深呼吸をして、まずは「スキーム」を考え始めました。
問題用紙の隅に、スキームを作り、良しこれで大丈夫!という確信のもと、一気に書き終え、じっくり見直す余裕すらありました。
結局対策らしい対策はほとんどしませんでしたが、論文試験は無事乗り越えられました。
受験生は教養試験・専門試験が最優先!を忘れずに、受験直前の息抜き程度に、この記事で紹介した「受かる書き方」だけ覚えて、あとは直前にちょこっと解答例をいくつか読むだけで大丈夫です。
変に気負って、いくつも論文用の問題集を買って、結局ほぼ手つかずのまま本番に臨む、なんてことのないようにしましょうね。
ここまでお読みいただき本当にありがとうございます☆
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