公務員試験には受験する都道府県や区分によって、個別面接のほかに「集団討論」があります。
(都道府県によってはグループワーク・グループディスカッションとも呼ばれます。)
集団討論は個別面接に比べて配点が低いのですが、合格基準以上の評価を得る必要があります。
個別面接とは違い、集団討論はグループで行うことから、事前の対策がなかなか難しく、苦手あるいは不安をかかえている受験者も多いと思います。
わたしも対策のしようがなく困っていましたが、でも安心してください。
集団討論には「コツ」があり、それを理解すれば、自信をもって集団討論に臨むことができるようになります。
今回は、私が参考書・キャリアセンター職員のアドバイス・経験を参考にまとめた「集団討論のコツ」と「集団討論の過去テーマ」をご紹介します。
大学4年時に「県庁」と滑り止めで「国」を、また県庁を退職してから「学校事務」と「社会人枠」で再受験し、全て一発合格しています。
- ○○県職員採用試験(大学卒業程度)(2008年)最終合格、採用
- 国家公務員採用試験(一般職)(2008年)最終合格、官庁訪問(林野庁)、最終内定辞退
- ○○県小中学校事務職員採用試験(2018年)最終合格、採用
- ○○県職員採用候補者試験(社会人枠)(2018年)教養試験合格、面接試験辞退
公務員試験の集団討論の内容・流れ(経験談)
まずは集団討論はどんな感じで進められるのかを、私の受験時の実体験をもとにご紹介します。(某県庁)
まず8人程度のグループに分けられました。
そして課された1つのテーマについて、30分程度討論を行い、グループとしての見解をまとめるという流れでした。
試験開始後、テーマが初めて発表され、その後グループ内で役割分担を行いました。
役割は司会、タイムキーパー、記録係でした。
(あくまで私の時の内容なので、役割は自治体で変わるかもしれません)
試験官は4人いて、一人ひとりをチェックしています。
私は司会等の役回りはあえて避けました。
最終的に私は計4~5回程度のコメントをしました。
グループとしては、時間が途中できてしまい、見解がまとまらないまま、なんとも中途半端な感じで終わってしまいました。
公務員試験の集団討論で高評価を得るコツ4選
それでは、集団討論で高評価を得るコツを4つご紹介します。
かなり有効なコツなので、知っているだけで他の受験生よりも有利になると思います。
コツ1 自分の役割に専念する(できれば司会は避ける)
「司会者」になったら、とにかく時間内にグループの見解をまとめないと減点される恐れがあります。
なので、すごく自信がある人は立候補するのもありですが、あまり討論に慣れていなかったり、グループをまとめる自信が少しでもない人は、司会は絶対にやめておきましょう。
でも、逆に司会をうまく務めることができれば、当然ですが高評価となります。
「タイムキーパー」になったら、要所要所で残り時間を言ったり、スケジュールや段取りなどを司会者に提言するなど自分の役割に専念してください。
「役割がない人」は積極的に議論に参加し、絶対に1回以上はコメントしてください。
コツ2 聞き役に徹して、適宜的確なコメントをする
集団討論というくらいだから、積極的に発言を繰り返したほうが高評価となると思われがちですが、それは民間の話であって公務員の場合はそうではありません。
公務員は県民の意見をじっくり聞いたうえで、要望されていることに対して真摯に対応する能力が必要となります。
なので、一回コメントをしたら、あとは他の受験者の意見を聞く側に回りましょう。
決して、1人でだらだらと主張し続けないでください。(空気が読めない人にはならないでください)
また、議論の方向性がズレてしまっていると思う時は、思い切って軌道修正のコメントをしてみるのもありです。
「このままでは議論がまとまらないので、一旦スタートに戻ってしっかり何についてどう議論していくかを決めましょう」など。
司会者がうまく機能していない時やテンパってしまっている時は、うまくサポートしてあげるのも高評価になります。
というか、その場合はサポートをしないとグループもろとも全員アウトになりかねません。
ただし、あくまでサポートする形で司会をフォローしてくださいね、役割を奪い取るようなことをしてはいけませんよ、集団で討論する際は「協調性」が大切ですから。
コツ3 意見を全くしていない人にコメントする機会を提供してあげる
これは私が当日使った集団討論におけるテクニックです。
集団討論をしていると、緊張し過ぎいてコメントを全くいえず、うまく議論に入っていけない人がでてきます。
そうゆう人にコメントする機会を提供してあげると、「思いやりがある」、「全体がよく見えている」など、高評価に繋がります。
ただ乱暴にコメントを求めてはダメですよ!
たとえば、以下のような感じがgoodだと思います。
- 「私はこう思いますが、〇○さんはどう思いますか。」
- 「議論が深まってきましたね、〇○さん熟考しているみたいですが何かお考えがありますか。」
- 「意見が偏っているみたいなので一度全員から意見をもらったらどうですか(司会者に提案するような感じ)」
など事前に方法を決めておくと、当日臨機応変に対応できると思います。
コツ4 集団討論はディベートではない
よく誤解している人がいますが、集団討論はディベートのように意見を戦わせて勝敗を決める場ではありません。
あくまでテーマに沿って各々意見を出し合い、建設的に意見を集約させていき、グループとしての総意を導き出す場です。
この際、試験官は皆さんの「協調性」をみています。(ほかにも色々な点をみています)
そのため、コメントをして討論に参加することも大切ですが、「聞く力」も重要ですので注意してください。
【協調性があるなと思わせる具体的なテクニック】
- 相手の意見を否定しては駄目
- 相手が意見を述べている間は口をはさまない
- 相手が意見を言い終わったら、挙手をして司会からOKをもらってから意見を述べる(勝手に意見を言わない)
- まずは出された意見を肯定する
- その上で、別の見方あるいはさらにそこにプラスする形で、新しい案や改善案を提案する(建設的意見)
- これをできれば数回はやる(時間次第)
(参考)過去に出題された集団討論(グループワーク)のテーマ
ここで、参考までに過去に出題された集団討論のテーマをいくつか紹介します。
【2021年度 東京都職員(Ⅰ類B・新方式)グループワーク】
「東京都では、人と人がつながりを保ち、支えあいながら暮らしていくことができるよう、「住まい」と「地域」を大切にする戦略を推進している。あなた達は望まない「孤独・孤立」に陥る人を取り残さないよう対策・支援を行うプロジェクトチームの一員となった。コロナ禍で社会に取り残さる人が増えており、特に女性や若年層の自殺者数が増加傾向にある中で、どのような取組を行うべきか、チーム内で議論し、職場の上司に説得するために必要なポイントをホワイトボードにまとめなさい。」
【神奈川県職員(1種試験)グループワーク】
「10代、20代、30代の3つの世代のそれぞれの強みと弱みを挙げ、それを踏まえて、各世代の強みを今の社会にどのように生かせるか、グループで意見をまとめ、説明しなさい」
【2021年度 長野県職員(大学卒業程度・行政B[SPI方式])集団討論】
「企業等における業務中のスーツやそれに準じた服装の着用を定めた規定を撤廃する動きについて、賛成か反対か。」
「日本の民法上、結婚に際しての夫婦のいずれか一方が必ず姓を改めなればならいが、選択的夫婦別姓に賛成か反対か。」
集団討論のテーマは各自治体の採用HP上で公表されている場合があるので、気になる方はチェックしてみてください。
まとめ
個別面接なら大学のキャリアセンター、教授、あるいは公務員予備校などでしっかり何度も模擬面接の練習ができますが、集団討論はそうはいきません。
ただし、それは他の受験者も皆同じです。
いかにそのなかで、集団討論のコツをマスターし、本番当日に平常心でうまく立ち回れるかが合否のポイントとなってきます。
感覚的には、集団討論は蹴落とし合いではなく、偶然一緒になった受験者みんなで協力しあい、みんなで合格しようと言うイメージで取り組んだほうがうまくいくと思います。
そのイメージで取り組めば、準備しなくても、自然と評価の高い行動やコメントができるはずですので、あまり気負いすぎないで頑張ってくださいね!
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