今回は私が公務員試験の小中学校事務職に合格した際の体験談についてご紹介します。
年齢制限35歳のところを、ギリギリの34歳で受験しました。
正直、年齢的に筆記試験に全く自信がなかったですが、面接で逆転し合格できました。
- 小中学校事務職の面接の雰囲気
- どんな質問があったのか
- 面接カードはどのように書いたのか
- 想定問答集はどんな質問を想定したのか
を知りたい受験生に役立つ内容となっています。
【執筆者↓】
ちなみに、私の小中学校事務の試験結果は以下のとおりでした。
- 申込者数 306人
- 一次試験受験者数 264人
- 一次試験合格者数 56人 (私の順位 28位)
- 二次試験受験者数 48人
- 二次試験合格者数 19人 (私の順位 4位)
- 最終倍率 13.9倍
小中学校事務の面接形式
面接官の人数
「面接官3人:私1人:庶務係員1人」でした。
面接官はベテラン職員(40代後半~50代前半)で男性3人でした。
面接時間
面接時間は事前に20分間と通知されていました。
ただ、実際は質問数もそこまで多くなく、予定されていた20分よりも早目に終わりました。
実際、面接を受けると分かりますが、15分~20分の面接は本当にあっという間です。
もう終わりかって感じでびっくりします。
面接会場
県庁内のこじんまりとした会議室で行われました。
待合室から会議室は結構離れていて、他の受験生の面接状況は全く分からない状態でした。
面接会場は全部で2~3回会場あり、それぞれで面接官が配置されていました。
面接カードに実際に書いた内容
面接カードの項目と回答内容をご紹介します。
正直、今面接カードの添削側で仕事をしていると、色々とダメ出ししたくなります。
一応当時も公務員試験対策本を読み、学校事務に関する本を読み、ネットで色々調べたうえで精一杯練り込んで書きました。
それでは面接カードをご紹介しますが、基本的な項目(学歴や趣味や併願状況など)は省略します。
項目1:学生時代や社会人経験の中で取り組んだことのウエイト
項目2:志望動機
項目3:自己PR
学生時代や社会人経験の中で取り組んだことのウエイト
ウエイト | 項目 | 力を入れて取り組んだ内容 |
---|---|---|
40% | 土木工事の設計・発注・現場監督 | 無知識で設計等をする必要があったため、勤務後に土木知識や図面作成の勉強をし、施工業者に頭を下げて現場のイロハを教わるなどし、土木知識・経験を習得した。 |
30% | 補助金申請 許認可事務 | 100件を超える申請書が提出される中で、適正・迅速な審査のため、業務マニュアル作成やHPへの様式や記載例の掲載、メールでの事前審査をするなど創意工夫をした。 |
20% | 希少野生動植物保護計画の策定 | 大学教授など専門家を約10名招き、委員会を数回開催したが、取りまとめに非常に苦労した。その過程で、事前の根回し、案策定の課内会議などに奔走した。 |
10% | 野生動物に関する卒業研究 | 食性調査のため、調査地で糞を回収し、100個以上の糞を手作業で分析をしたが、多大な時間が必要となり、頓挫しかけたが、約1年をかけて論文をまとめ上げた。 |
志望動機
「より直に人の役に立ちたい、お世話になった教員・学校の役に立ちたい」
前職でも人の役に立つ仕事ができたが、より直に役に立っている感覚を味う仕事がしたいと思い、改めて本当にしたい仕事について熟考した。結果、人生の中で重要な時期である学校生活に関わり、毎日反応を見ながら直に教員や生徒の役に立てる仕事をしたいという思いが強くなった。また、小中学校時代に多大に影響を受けた教員がいたことから、お世話になった教員や学校に恩返しがしたい、役に立ちたいという気持ちから学校でも働ける仕事に関心が高まった。
その後、適性を調べるため、児童館職員、塾講師や部活動指導員として生徒と関わり、また学校事務や教員に関する書籍を読み、教師への聞取りをした結果、私は教える立場よりも、子どもの学び・生活の質を向上させ、また教員、生徒、保護者や地域住民を幅広く支え、役立てる立場の学校事務がより自分に適した仕事であり、行政職員であった前職の経験を生かせると思い、本職を志望した。
自己PR
前職時代、約8年間で4つの部署を経験した。仕事内容は補助金事務、県有施設管理維持、土木工事の設計・発注・現場監督、許認可業務、予算編成・折衝、市町村との連絡調整、委員会の運営、普及活動の企画、シンポジウムの開催、林業指導、窓口業務など異動のたびに、全く業務知識・経験のない分野を任されることが多くあった。また、地域住民、業者、公官庁、クレーマーなど幅広い種のお客様とのやりとりを続けてきた。そして、一度仕事を辞め、本当にやりたい仕事を時間をかけて探求し、本職と巡り合うことができた。その結果、以下の能力が身についた。
・知識経験がない仕事を常に努力することで迅速に対応し、幅広い業務に柔軟に対応できる
・限られた予算の中でいかに役立てるかを考え、費用対効果に配慮しながら業務を遂行できる
・コミュニケーション、チームワークや協調性の重要性を意識しながら業務を担当できる
・どのような方にも臨機応変に対応することができ、常に相手目線で対応できる
・常に初心を忘れず、相手の役に立っているかを常に考えながら、業務を行うことができる
上記の能力を生かして、常に初心を忘れず、費用対効果を考えながら学校事務の幅広い業務に円滑に従事するとともに、学校事務として可能な範囲で子供達の学びのために教員と協力し、また唯一の行政職員としての視点から積極的に新しい業務、グレーとなっている業務に取り組むことで、学校教育の質的向上、働き方改革等の一助の役割を果たせると考える。
面接で実際に聞かれた質問
面接で実際に聞かれた質問のうち、しっかり覚えている質問のみをご紹介します。
これにプラスで深堀り質問などが少しありました。
だいたい本番と同じ順番で書きます。
- 「今日はどのように来られましたか?昨晩は寝れましたか?」
- 「面接カードにも書いてありますが、あらためて志望動機を教えてください」
- 「どうして県庁職員を辞めたの?」
- 「あなたの短所を教えてください」
- 「今までで一番大変だった仕事は?」
- 「自己PRの最後に、働き方改革等の一助の役割を果たせると書いてありますが、具体例を聞かせてください」
- 「学校事務職としてどんなことにチャレンジしたいですか?」
- 「県庁時代はどこの部署で働いていたの?」
- 「併願先はどのような状況ですか?」
- 「最後に何か質問はありますか?」
ほぼ想定していた質問であったので、良い感じでハキハキ明るく会話のキャッチボールを意識しながら回答できました。
こうやってみると意外と質問数が少ないことに驚る受験生も多いかと思います。
公務員試験は、その少ない質問への回答次第で合否が決まる非常にシビアな戦いです。
実際に準備した想定問答集の質問
事前に想定問答集はしっかりと作り込んでいきました。
以下、実際に私が作成した想定問答集の質問項目を挙げます。
- 「なぜ〇〇大学を選んだのか?」
- 「卒業論文のテーマについて説明してください」
- 「なぜ教員免許を取得しなかったのか?」
- 「県職員時代はどのような仕事をしてきたのか?」
- 「特に印象に残っている仕事は?(つらい、達成感)」
- 「そこから学んだことは?」
- 「なぜ前職を志望したのか?」
- 「なぜ県職員を辞めたのか?(なぜ仕事を辞めてまで転職したいのですか?)」
- 「前職を辞めてから何をしていたか?」
- 「志望動機を教えて下さい」
- 「直に人の役に立ちたいなら他に色々と仕事があると思うが?」
- 「教育に関心があるなら民間の教育系もあるけど?」
- 「自己PR(学校事務にどう生かせるか)をしてください」
- 「前職の経験を具体的にどう学校事務に生かせるか?」
- 「あなたの趣味はなんですか?」
- 「性格に心配性とあるが問題ない?」
- 「併願先は?」
- 「最後に質問はありますか?」
- 「採用されたらどんな仕事をしてみたいか(学校事務として何がしたいか)?」
- 「あなたは友達からどんな人だと言われますか?」
- 「周囲の人とうまくやっていけますか?」
- 「学生時代に学業意外で力を注いだ事柄」
- 「あなたの失敗談を聞かせて下さい」
- 「先生に事務仕事を頼まれたらどうするか?」
- 「学校事務ってどんな仕事をするか知ってる?」
- 「県に置かれている教育の組織ってどんなのがあるか知ってる?」
- 「子供と関わった経験は?」
- 「自分が子供のときと比べて今の子供はどう?」
- 「自分の趣味の中で子供にその魅力を伝えたいのは何?」
- 「自分が学生の時の事務職員の印象は?」
- 「どのようなタイプの人が苦手か?」
- 「今の仕事で身につけた能力は何ですか?その能力がどのような形で学校事務に活かせますか?」
- 「あなたの弱みは?」
- 「これからの時代、学校事務に求められることは何だと思いますか?」
- 「パソコンはどこまで使えますか?」
- 「上司や仲間と意見が食い違ってしまったときはどうしますか?」
- 「リーダーシップを発揮した経験を教えて下さい」
- 「今日の新聞、ニュースや最近関心を持ったことを教えて下さい」
- 「常識問題系(教育長の名前、学校数、生徒数、教員数、生徒一人あたりの教育費)」
学校事務職で、面接カードや想定問答集を作成する際は、一度下記に挙げるような学校事務に関する本で、小中学校事務職がどんな仕事をするのかを学んでから、志望動機や自己PRを練ったほうがより良いものができます。
実際の仕事内容を把握しないとうまく自分のスキルや長所をどんな風に生かせるかイメージできないと思います。
また、面接で深堀りされて、「では具体的にどんな学校事務の仕事をしたいですか?どんな部分を改善していきたいですか?」などの質問に対しても質の高い回答ができます。
想定問答集作りのポイントは、「回答の文章をつくりそれを丸暗記する」のは止めたほうがいいということです。
回答文章はある程度作成したほうがいいですが、その中のキーワードや話すエピソードを暗記しておけば十分です。
そして、実際にセルフ模擬面接を繰り返して、スムーズに答えられるようになるまで何度も練習しましょう。
可能であれば、実際にセルフ模擬面接を撮影し、明るくハキハキ、アイコンタクト、キープスマイルができているのかチェックできればさらにgoodです。
面接の雰囲気・感想
終始和やかなムードで進みました。
圧迫質問も特になく、淡々とスムーズに進みすぎて、面接時間が余り途中で終わる形となりました。
ほとんど面接カードの内容や想定問答集で準備した内容だったので、ちょっと拍子抜けするくらいの面接で、逆に手応えがなく心配になったのを覚えています。
今回は模擬面接なしでぶっつけ本番で面接に臨みましたが、過去に公務員試験を受け合格していることや、転職活動で民間企業のキツイ面接(面接時間50分、5対1形式)をしてきたおかげで、小中学校事務の面接は簡単だと感じることができました。
また、想定問答集作りを通じて、「学校事務研究」や「自己分析」もしっかりできたので、どんな質問が来ても自信を持って答えられる状態で試験を受けました。
さいごに~面接カード添削サービスの紹介~
面接については、
- 想定問答集は必ず作成(文章を全て作成・暗記するのではなく、キーワードやエピソードをピックアップする感じ)
- 面接の場数を増やす(模擬面接でもOK)
- 会話のキャッチボールを強く意識(どんなに長くても30秒以内で回答)
- 明るくハキハキ明瞭な声、キープスマイル、キープ姿勢、アイコンタクト
これらのことを意識することが非常に大切です。
面接のコツについては別記事でもまとめていますので気になる方はご覧ください。
公務員試験(面接試験)に合格するコツ!面接カードと場数が重要!
以上、ここまで小中学校事務職を受験した際の私の実際の面接カードの内容や質問された内容などについてご紹介しました。
作成した面接カードは、絶対添削を受けたほうがいいです。
ただ、独学の受験生の場合、面接カードの添削がしてもらえず困っているかと思います。
(実際、私も独学だったので、面接カードの添削や模擬面接にはすごく苦慮しました、、、)
そんなときは、オンラインスキルマーケット「ココナラ 」の利用をおすすめしています。
ココナラでは、元公務員や現役予備校講師などがオンラインで「面接カードの添削」や「模擬面接」のサービスを提供しています。
私も面接カードの添削サービスをしているので、実際に小中学校事務職に合格した人の添削を受けてみたいとお考えの受験生は以下のリンクより私の面接カード添削の紹介ページをご覧ください。
これから小中学校事務職を受ける受験生の少しでも参考になれば幸いです。
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