近年の公務員試験では、社会人経験者枠の試験が定着しました。
そのため、20代~50代の社会人でも受験可能となり、公務員になる入り口が広く開かれています。
この記事では、公務員に転職したい社会人に向けて、社会人が受験できる試験タイプの紹介、働きながらの勉強法、おすすめの職種などについてご紹介します。
- 社会人の受験できる試験区分は「一般枠」「社会人経験者枠」「就職氷河期世代枠」の3タイプ(年齢制限あり)
- 「社会人のための公務員転職ハンドブック」が今なら無料でもらえる(資格合格のクレアール提供)
- 社会人の勉強法は「独学」「通信講座(教材のみ)」「通信講座(オンライン講座)」の3タイプ
- ライフワークバランスを重視し、ホワイトな職場で働きたい人は「学校事務職」がおすすめ
【執筆者↓】
社会人が受験できる公務員試験タイプは3つ
社会人受験者は、以下の3パターンから公務員試験タイプを選ぶことができます。
- 一般枠
- 社会人経験枠
- 就職氷河期世代枠
以下、それぞれの試験タイプのメリット・デメリットを紹介します。
一般枠
社会人経験者でも、おもに大学生が受験する一般枠の公務員試験を受験できます。
メリット
「面接試験」では大学生と競争することになります。
そのため、一度民間企業の面接を突破していて、かつ、日頃の仕事でコミュニケーション能力が磨かれている社会人はかなり有利だといえます。
デメリット
年齢制限があり、30歳や35歳までの自治体が多いです。(各自治体で異なるので注意)
「教養試験・専門試験の勉強」については、勉強時間がしっかり確保できる大学生の方が圧倒的に有利、仕事が忙しい社会人には不利です。
社会人経験者枠
民間企業等で一定年数以上働いた社会人(職務経験年数を問わない場合もあり)を対象に行われる試験です。
メリット
専門試験が免除されたり、教養試験もSPIになるなど筆記試験が緩和されるので、仕事が忙しく勉強時間が確保できない社会人にも対策がしやすいです。
初任給は採用前の職歴の期間・内容をしっかりと加味した額となります。
デメリット
筆記試験よりも、面接やグループワークなどの口述試験がメインとなり、面接やコミュニケーションが苦手な人にとっては苦しい戦いとなります。
就職氷河期世代枠
正規職員として雇用されていない就職氷河期世代(おおよそ30代後半~40代)の社会人を対象に実施される試験です。
メリット
受験にあたり、職歴・学歴が一切関係ないため、
- 大学や高校を卒業してからずっとフリーターをしている人
- ニートで引きこもっている人
- 派遣社員
- 主婦
でも受験可能です。
デメリット
年齢制限があり、だいたい35歳以上としている自治体が多いです。
現在正規雇用労働者の方は受験できない場合があります。
初任給が他の職員と比べて安いです。
(例:千葉県の場合、高等学校卒業後、40歳で採用された場合、約207,000円~約258,000円)
人気の試験で、競争倍率が他の公務員試験に比べて非常に高いです。
(令和4年度東京都の就職氷河期世代枠では採用予定者10人のところ、1次受験者は492人となっています。)
【参考記事↓】
【公務員の就職氷河期世代枠採用試験】職歴・学歴関係なく正規公務員になれる!(期間限定)
【2022年度】公務員試験(就職氷河期世代枠)の年齢制限、受験者数、競争倍率は?
社会人受験生&合格者の年齢構成
社会人受験生からよく「受験生&合格者の年齢を教えてほしい」という質問が挙がるので、一例として、神奈川県公務員試験一般枠の受験生&合格者の年齢紹介しておきます。
※データは、「神奈川県令和5年度人事委員会年報」を引用しています。
【神奈川県の一般枠(Ⅰ種)の年齢構成】
年齢 | 受験者 | 合格者(年齢別合格率) |
---|---|---|
22歳 | 618 | 210(約34%) |
23歳 | 185 | 55(約30%) |
24歳 | 160 | 36(約23%) |
25歳 | 92 | 17(約19%) |
26歳 | 74 | 13(約18%) |
27歳 | 55 | 18(約33%) |
28歳 | 59 | 15(約25%) |
29歳 | 63 | 12(約19%) |
30歳 | 57 | 19(約33%) |
(神奈川県一般枠Ⅰ種の受験資格は22歳~30歳までとなっています)
また、意外な事実として、一般枠受験生の職業をみると、多い順に「学生」、「無職」、「民間」、「他官公庁」の順となっています。
正直、無職の受験生が多いことにびっくりです。
【さらに詳しく知りたい人は↓】
【公務員試験】合格者の年齢・職業の実態!社会人は年齢を気にしなくて大丈夫!
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- 実際に同じような経験をしている人の声が聴きたい
- 公務員試験の仕組み
- 全国都道府県職員採用情報
- 社会人におすすめの転職ルート
- 公務員試験合格体験記
ホワイトな職場を希望する社会人経験者におすすめの職種「学校事務職」
公務員に転職希望者で、とにかくホワイトな環境でゆっくり働きたいと考えている人には、地方公務員の「学校事務職」をおすすめします。
学校事務職は、公立小中学校で総務・財務等の事務をする仕事です。
行政職と違い、全く違う仕事内容の部署に異動することはありません。
基本的にルーチンワークなので、仕事を覚えてしまえば自分のペースで仕事ができます。
ただし、決まりきった単調な仕事が多いので、向上心が高い人には向いておらず、向き不向きが大きく分かれる職種ではあります。
とはいえ、ブラック企業で消耗しきった社会人の中には、仕事はある程度でいいから、ワークライフバランスを重視してホワイトな職場で働きたいと考え公務員に転職しようと考えている人は、ぜひ「学校事務職」について調べてみてください
年齢制限があり、30歳までとなっていることが多いですが、自治体によっては35歳まで受験できます。
また、政令指定都市では市独自で学校事務職を募集しています。
学校事務職については、別記事でご紹介していますので、良かったらご覧ください。
【参考記事】おすすめの公務員「学校事務」の試験の特徴!(高倍率だけど専門試験がない)
社会人の勉強方法(独学・通信講座)
働きながら試験勉強をする社会人は、平日の夜か土日しか勉強する時間が確保できないと思います。
そのため、予備校など通学するのは厳しいため、独学や通信講座など在宅での勉強が基本になると思います。
以下、社会人の勉強方法を3タイプ紹介します。
- 独学
- 通信講座(教材のみ)
- 通信講座(オンライン)
独学
お金を極力かけたくない人、独学が得意人、面接対策も自力でやれるという人は「独学」でいきましょう。
別記事に独学の勉強の仕方についてはまとめてあるので、良かったらご覧ください。
【参考記事】
- 公務員試験(教養)の「勉強方法のコツ」と「試験テクニック」!(独学でOK)
- 【社会人の公務員教養試験】独学勉強法のコツは「短期間での繰返し」!
- 【社会人の公務員試験勉強】いつから始めるべきか?勉強期間の目安を紹介
ポイントはまずは「勉強法の勉強」をして、とにかく効率よく配点の高い科目を重点的に勉強し、捨てる科目はぱっと捨てることが大切です。
勉強法の勉強については、以下の書籍が個人的にはかなりおすすめですし、独学で合格した人の多くがこの本を利用したと言われるぐらい有名な本です。
公務員試験受かる勉強法 落ちる勉強法(著「合格への道」研究会、エクシア出版)
※毎年、最新版が出るので注意
【関連記事↓】
社会人の公務員教養試験対策におすすめの参考書12選!(公務員へ転職したい社会人の勉強法)
費用がお手軽な「通信講座(教材のみタイプ)」
独学でも良いけど、
- 参考書選びが大変だ
- わからないところは質問したい
- 論文対策や面接対策もしてほしい
- でもあまりお金はかけたくない
という人は「通信講座(教材のみタイプ)」が良いと思います。
家にいながら講義形式で授業を受けたい人は「通信講座(オンライン講座)」
独学や通信教育のように自分で問題集を解くのは苦手という人は、オンライン上で講義を受けることができる「通信講座オンライン講座タイプ」が良いと思います。
費用は10万円や20万円を超えてきますが、予備校には通学できない社会人が、予備校の講義をいつでもどこでも視聴して学習できるのがオンライン講座タイプの特徴です。
以下の特におすすめなのが、
内定特典で全額免除になるアガルート
です。
【おすすめの通信講座を知りたい人↓】
【費用無料】公務員予備校選びに迷う人は内定特典で決める(コスパ最強)
【公務員転職】社会人コースがある予備校「通信講座」6社比較!(面接対策を重要視)
【公務員就職氷河期世代枠】もう迷わない!教養試験の勉強方法の選び方(独学と予備校通信講座)
【10社比較】公務員予備校選び(通信講座)に必須の7つの基準(元県庁職員が解説)
まとめ
ここまで、試験区分別のメリット・デメリット、働きながらの試験勉強法やおすすめの職種についてご紹介してきました。
様々な事情があり、公務員を志望している社会人は多いと思います。
公務員も決して楽な仕事ではなく、部署によってはかなりのブラック感があり、ホワイトな職場を求めて転職されるとギャップに苦しむ可能性もあります。
(ネット上にもよく「公務員なんかに転職しなきゃ良かった」との声があがっています)
ただ、やはり安定した給料と社会的ステータスは抜群です。
利益を求めず公益的な仕事をしたい人、やりがいを求めている人は公務員への転職をぜひ検討してみてくださいね。