地方公務員試験(県職員)のなかで「小中学校事務」という試験区分があります。
小中学校事務とは、簡単に言えば県内の公立小中学校で総務や経理をする仕事です。
地方公務員行政職受験者の併願先として知られていますが、そもそも「学校事務」という職種を知らない人も多くいます。
実は学校事務は公務員の中でも大変人気があり、高校生・大学生に限らず社会人も多く受験しています。
その人気の理由はズバリ、公務員の中でも特にホワイトな職業だからです。
実際、私は県庁職員から学校事務職員へと転職(再受験)をしましたが、はっきりいって「学校事務」ほどホワイトな職業はないと言い切れるくらい良い職業です。
具体的な学校事務の魅力や仕事内容については、別記事でまとめてありますのでそちらをご覧ください。
(本記事下部の関連記事欄にリンク貼ってあります)
この記事では、元学校事務職員の私が、学校事務の試験の「特徴」について、簡単にご紹介します。
大学4年時に「県庁」と滑り止めで「国」を、また県庁を退職してから「学校事務」と「社会人枠」で再受験し、全て一発合格しています。
○○県職員採用試験(大学卒業程度)(2008年)最終合格、採用
国家公務員採用試験(一般職)(2008年)最終合格、官庁訪問(林野庁)、最終内定辞退
○○県小中学校事務職員採用試験(2018年)最終合格、採用
○○県職員採用候補者試験(社会人枠)(2018年)一次試験合格、二次試験辞退
おすすめの公務員「学校事務」の試験の特徴(他の公務員試験との違い)
競争倍率が高い
なんといっても、学校事務は競争倍率が高いことが特徴です。
県によって多少違いますが、行政職よりも競争倍率が高いことが多いです。
【2022年度学校事務競争倍率】
- 神奈川県小中学校等事務職員採用試験(最終合格 1種9名、3種9名) 最終倍率 1種4.1倍、3種6.7倍(1種は大卒レベル、3種は高卒レベル)
- 埼玉県小中学校事務職員採用試験(最終合格 上級22人、初級28人) 最終倍率 上級7.6倍、初級5.0倍
- 愛知県小中学校事務職員採用試験(最終合格 58人) 最終倍率5.3倍
- 新潟県小中学校事務職員採用試験(最終合格 28人) 最終倍率5.3倍
- 長野県小中学校職員採用試験(最終合格 25名程度) 最終倍率6.8倍
- 群馬県小中学校事務職員採用試験(最終合格 2類約14人、3類8人)最終倍率 2類20.0倍、3類5.0倍(2類は短大卒業レベル、3類は高卒レベル)
※学校事務は都道府県によって、受験区分を大卒程度と高卒程度と分けている場合があります。
教養試験で高得点を取る必要がある(専門試験がない)
基本的に学校事務の筆記試験は、教養試験のみで専門試験がありません。
そのため、教養試験だけの得点で一次試験の合否が決められてしまうため、合格ラインは高めです。
【2021年度長野県小中学校事務職員第1次試験(教養試験)の平均点・合格ライン(満点400点)】
平均点は242.1点(得点率60%)、1次合格ラインは280点(得点率70%)
このように、長野県では一次試験通過者の最低得点率が70%となっていて、ハイレベルな試験となっています。
高卒程度の区分になっていても、受験者には大学生や社会人が混じっている
試験レベルが高卒程度となっていても、実は大学生や社会人が多く受験しています。
なので、必然的に競争は激化します。
私の受験した県では、学校事務は高卒程度となっていて、受験者の大半は高校生らしき人達(制服で判断)でした。
そのなかで、1~2割程度は大学生・社会人と思われる人達が受験していました(試験会場を見渡し、顔や服装で判断)。
そして、驚愕の真実ですが、実際合格した人は社会人・大卒・予備校生だけ、高校生は1人もいませんでした。
【合格者内訳】
- 県庁職員(私)
- 他県の学校事務職員
- 市の学校事務職員
- 銀行員×3人
- スクールサポートスタッフ
- 大学生(法学部)
- 公務員受験予備校生×7人程度
学校事務の教養試験の勉強法
他の公務員試験(教養試験)と同じ対策でOK
基本的に他の公務員試験と同じ試験範囲となりますので、対策は他と同様で大丈夫です。
上述したように、学校事務には専門試験がないので、教養試験の勉強に集中することができます。
具体的な「勉強法のコツ」や「試験本番のテクニック」については、下記の記事でしっかり紹介していますので良かったら参考にしてみてください。
公務員試験(教養)の「勉強方法のコツ」と「試験テクニック」!(独学でOK)
ただし、使用する参考書は受験する都道府県の受験区分のレベルに合わせてください。
同じ学校事務でも、都道府県ごとに
- 「高卒程度・初級試験レベル」
- 「短大卒程度・中級試験レベル」
- 「大卒程度・上級試験レベル」
と試験レベルが異なりますので、事前に受験要項でしっかりと自分がどの区分で受験するのか確認してください。
なお、基本的に学校事務用の参考書はないので、公務員試験初級や上級の参考書で対応してください。
勉強期間
都道府県の学校事務の教養試験はだいたい9月下旬に実施されます。
私が試験勉強を始めたのは6月下旬頃だったので、実質3ヶ月間で合格できました。
私の教養試験の得点率は75%超あたりで、約250人の受験者のうち28位でした。
(面接でかなり挽回し、最終的に4位で合格しました。)
ちなみにトップで合格した学校事務の同期は、教養試験は9割程度取れたと言っていました。
私が学校事務を受験した時は、大学4年時に県庁を受験してからすでに10年以上経過している30代前半でしたので、かなりのブランクがあり、受験勉強にはだいぶ手こずりました。
しかも勉強のモチベーションがなかなかあがらず、日によっては勉強時間ゼロ、あるいは1時間程度しかしないという日もチラホラありました。
正直、十分対策が出来ていたわけではなく、合格は厳しいかなという状態で本番を迎えました。
試験本番もイマイチの出来で私自身はほぼ落ちたなと思っていましたが、なんとか通過することができました。
まとめ
学校事務は倍率が高めですが、実質倍率はそれよりも低いと予想します。
というのも、どの公務員試験でも実際しっかり勉強をしてきている人は、そう多くはないので。
どの試験にもいますが、記念受験って人もいるので^^;
ですが、学校事務は他の公務員試験に比べると、専門試験がない分、教養試験で高得点をマークする必要があります。
倍率が高いので、1問や2問の正答の差で合否がわかれます。
なので、本番の最後の最後まで粘れる人が勝者になります、貪欲に一点を取りに行ってください。
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