様々な理由から「公務員から公務員に転職」する人は意外と多くいます。
今回は、私や知人などの事例を踏まえながら公務員から公務員への転職についてご紹介します。
- 公務員から公務員への転職は全く問題なし!
- 学力が低下しているため、筆記試験がネック(社会人枠活用すべし)
- 面接では、元公務員という点は有利だが、転職理由は要注意(マイナスな理由は言ってはいけない)
- 今の職場にも絶対ばれない!
公務員から公務員への転職事例
公務員から公務員への転職は問題なく可能です。
その証拠に私や知人の実例をいくつか挙げます。
県職員(地方上級)から県職員(学校事務職)
私の場合です。
「県庁職員(地方上級)」を約9年間勤めてから、同じ県の違う職種である「学校事務職(地方初級)」に転職しました。
社会人枠ではなく、一般枠で受験したので、高校生や予備校生、大学生、20代前半社会人などと競争することになりました。
264人が受験し、合格者は19人、その中の4位で合格しました。
このことから、志望動機や自己PRなどがしっかりしていれば、同県や年齢はあまり関係ないことが言えると思います。
県職員から県職員(他県から)
県庁時代の先輩は、他県(地方上級)から地元であるうちの県(地方上級)に転職してきました。
学校事務職時代の同期は、他県(学校事務職)からうちの県(学校事務職)に転職してきました。
国家公務員(林野庁)から県職員(地方上級技術職)
県庁時代の後輩は、家庭の事情で国家公務員(一般職)から地元であるうちの県の県庁職員(地方上級)に転職しました。
県職員(地方上級技術職)から東京都特別区職員
県庁時代の同期で、結婚して県職員(地方上級技術職)から相手の地元である東京都の特別区職員に転職しました。
市職員から県職員(同県内)
学校事務職の同期に、市職員から学校事務職に転職してきた人がいます。
転職理由
公務員から公務員に転職される人には様々な理由があります。
- どうしても他にやりたい仕事があった
- 家族の事情で転勤範囲が限定している地方公務員になりたい
- 地元に戻って働きたい
- 今の仕事がしんどく、カラダを壊してしまったので、他の職種に変えたい(楽な仕事にうつりたい)
- 人間関係でうまくいかなかった
- 結婚して相手の元へ引越さなくてはいけなくなった
などが主だと思います。
転職理由は面接時に非常に大切になります。
私の場合は、
- 昔から学校で働きたかった
- 人の役に立ちたい、そしてどうせなら子どもたちの役に立つ仕事がしたい
- 県庁時代の事務処理能力を活かしたい
ということで、教員ではなく学校事務職を志望しました。
転職者の試験勉強
公務員の転職にあたっては、試験の免除等は一切なく、公務員試験を再受験しなければなりません。
「一般枠」か「社会人枠」のどちらかで受験します。
(年齢によっては社会人枠のみしか受験できない)
社会人枠だと筆記試験の専門試験が免除されたり、教養試験がSPI試験に置き換えられたりなどの配慮があります。
筆記試験は、大学受験や公務員試験受験からすっかり時間が経ってしまっている社会人にはかなり大変です。
なので筆記試験に自信がない人は「社会人枠」で受験しましょう。
逆に、筆記試験に自信がある人はあえて「一般枠」で受験すれば、面接試験では大学生との戦いとなりますので、社会人経験がある転職組は有利だと言えます。
勉強の仕方については、人それぞれだと思いますが、別記事で紹介もしているので、興味があればご覧ください。
【参考記事】→社会人の公務員教養試験対策におすすめの参考書12選!(公務員へ転職したい社会人の勉強法)
転職者の面接
公務員から公務員への転職者の面接はすごく対策しやすいです。
なぜかというと、必ず聞かれる質問が決まっているからです。
それは、
- どうして現職(公務員)を辞めるの?
- 前の公務員時代はどんな仕事をしていたの?
- どうしてうちの自治体で働きたいの?
です。
あらかじめ聞かれる質問が分かっていれば、しっかり回答を作り込むことができます。
そして、転職理由は人それぞれ色々とありますが、「マイナスな理由」の場合はバカ正直に言わないようにしましょう。
- 前職がシンドくて
- もっと楽な仕事がしたくて
- 体を壊してしまって
- 上司と馬が合わなくて
- 仕事がつまらなくて
などのマイナスの理由で転職したいと思ったとしても、それは心のうちにとどめておきましょう。
ちなみに私の場合、同県での転職であったため、同じ県職員の人事委員会が試験を担当していたので、かなりツッコミが入りました。
どこの部署に所属してたの?
なんで辞めたの?
学校事務の仕事内容ちゃんと分かってる?
県庁時代の経験がどう学校事務で活かせるの?
とか色々と深く突っつかれました^^;
質問コーナー
採用で不利になるのではないか?
公務員だったからということで不利になることは一切ありません。
むしろ、転職理由さえしっかりしていれば、元公務員は即戦力となるので民間組よりも有利な状態だと私は思います。
公務員在職中に公務員採用試験を受けてもいい?
全く問題ありません。
公務員試験に合格できるかは分からないので、できる限り働きながら受験したほうが得策でしょう。
転職活動は職場にバレることはないか?
絶対にバレません。
公務員試験は公平性、公正性が求められます。
人事課から受験生の情報がもれることはあってはならないことですし、人事課から今の職場に連絡がいくなんてことは絶対にありえません。
たとえば、国家公務員の人事院規則で、以下のようにしっかり規定されています。
「採用試験に関する事務に従事する者は、採用試験に関する秘密その他その職務上知ることのできた秘密を細心の注意をもって保持しなければならない」
引用:「e-Gov法令検索 人事院規則八-一八(採用試験)第十六条」
今の職場にはどの段階で転職のことを伝えたほうがいいか?
受験段階では言わないほうが良いです。(本当に信頼できる上司ならしておいてもいいでしょう)
その代わり、採用が決まったら大至急係長に報告しましょう。
採用が出る頃には異動先を人事課が調整し始めていると思うので、あまり迷惑を掛けないようにしましょう。
転職後の初任給は?
初任給については、前職の公務員時代の職務が転職先の公務員と職務が類似している場合は、全期間経験年数として換算され初任給に反映してもらえます。
【初任給参考目安(給料及び地域手当)】
大学卒25歳 職務経験3年 約229,200円
大学卒30歳 職務経験8年 約267,400円
大学卒35歳 職務経験13年 約313,100円
大学卒40歳 職務経験18年 約349,100円
参考:「2022年度受験案内 民間企業等職務経験者を対象とした愛知県職員採用候補者試験」
まとめ ~公務員から公務員は有利になることが多い~
ここまで公務員から公務員への転職についてご紹介してきました。
元公務員という職歴は、面接では有利に働きます。
ただし、転職理由がすごく重要となってきます。
マイナスの理由は言わず、あくまでプラスの理由を転職理由としてください。
もちろん面接カードもプラスの志望動機などで固めましょう。
そして、転職組の最大の壁は、筆記試験です。
筆記試験は前歴は一切関係なく、点数だけでシビアに判断されます。
なんとか筆記試験を乗り切りましょう!
ここまでお読みいただき本当にありがとうございます☆
よければこちらの記事もご覧ください。