近年、公務員試験では大部分の自治体で「社会人枠」が設けられています。
社会人枠では自治体によって年齢制限を59歳までに設定しているところもあり、民間企業等から転職する人達にとっては公務員になる入り口が今とても広がっています。
実際、社会人採用枠はかなりの人気となっていて、それに伴い競争倍率が激化、難易度が上がっています。
本記事では、都道府県別・政令指定都市別の社会人枠の競争倍率を紹介しますので、難易度の参考としてもらえればと思います。
- 都道府県は約14倍
- 政令指定都市は約21倍
公務員試験の中でも、かなりの高倍率な試験になります。
公務員試験の社会人枠の競争倍率
2019年に行われた公務員試験社会人枠の競争倍率について、都道府県別、政令指定都市別にご紹介します。
難易度の参考としてください。
なお、社会人枠の行政職のみの競争倍率となっています。
行政職のほか、技術職や専門職も社会人枠で募集があります。
都道府県別の競争倍率
都道府県 | 受験者数 | 合格者数 | 競争倍率 |
---|---|---|---|
北海道 | 832 | 104 | 8 |
青森県 | 71 | 5 | 14.2 |
岩手県 | 75 | 6 | 12.5 |
宮城県 | 確認できず | ||
秋田県 | 83 | 12 | 6.9 |
山形県 | 確認できず | ||
福島県 | 124 | 6 | 20.7 |
茨城県 | 196 | 12 | 16.3 |
栃木県 | 109 | 13 | 8.4 |
群馬県 | 222 | 16 | 13.9 |
埼玉県 | 145 | 6 | 24.2 |
千葉県 | 確認できず | ||
東京都 | 区分が細かく分かれている | 詳細は受験案内を確認 | |
神奈川県(副主幹) | 67 | 14 | 4.8 |
神奈川県(主任主事) | 118 | 12 | 9.8 |
新潟県 | 87 | 12 | 7.3 |
富山県 | 40 | 8 | 5.0 |
石川県 | 93 | 6 | 15.5 |
福井県 | 36 | 6 | 6.0 |
山梨県 | 74 | 5 | 14.8 |
長野県(第1回) | 110 | 6 | 18.3 |
長野県(第2回) | 213 | 11 | 19.4 |
長野県(地域活力創造枠) | 46 | 5 | 9.2 |
岐阜県 | 区分が細かく分かれている | 詳細は受験案内を確認 | |
静岡県 | 区分が細かく分かれている | 詳細は受験案内を確認 | |
愛知県(民間企業等職務経験者) | 408 | 32 | 12.8 |
愛知県(社会人) | 308 | 8 | 38.5 |
三重県 | 確認できず | ||
滋賀県 | 227 | 20 | 11.4 |
京都府 | 確認できず | ||
大阪府 | 確認できず | ||
兵庫県(経験者) | 308 | 49 | 6.3 |
兵庫県(社会人) | 690 | 5 | 138 |
奈良県 | 128 | 10 | 12.8 |
和歌山県 | 確認できず | ||
鳥取県(一般コース) | 66 | 1 | 66 |
鳥取県(新時代創造エキスパート) | 47 | 6 | 7.8 |
島根県 | 70 | 17 | 4.1 |
岡山県 | 154 | 10 | 15.4 |
広島県(第1回) | 206 | 25 | 8.2 |
広島県(第2回) | 182 | 24 | 7.6 |
山口県 | 33 | 2 | 16.5 |
徳島県 | 98 | 20 | 4.9 |
香川県(一般) | 163 | 12 | 13.6 |
香川県(行政実務経験枠) | 45 | 3 | 15 |
愛媛県 | 92 | 9 | 10.2 |
高知県 | 351 | 41 | 8.6 |
福岡県 | 543 | 9 | 60.3 |
佐賀県 | 231 | 18 | 12.8 |
長崎県 | 93 | 4 | 23.3 |
熊本県 | 87 | 5 | 17.4 |
大分県 | 211 | 13 | 16.2 |
宮崎県 | 81 | 12 | 6.8 |
鹿児島県 | 154 | 18 | 8.6 |
沖縄県 | 確認できず |
いくつかの自治体では社会人枠の実施状況が確認できませんでした。
また、東京都では行政職として募集をひとくくりにせず、職種別で細かく区分して募集しています。(資金運用、財務、不動産、医療事務、ICT、心理など)
競争倍率の平均は「14.2倍」となりました。
一番高い倍率は兵庫県の「138倍」です。。。
公務員の「社会人枠の試験」には2タイプがあります。
- ある一定年数以上の民間経験が必要となる「民間経験者社会人枠」
- 職歴は一切ない誰でも受けれる「社会人枠」
が存在します。
民間企業の勤務年数が乏しい人やフリーター等で過ごしてきた人は職歴が関係ない「社会人枠」で受験しましょう。
政令指定都市別の競争倍率
続いて、政令指定都市(大都市)の社会人枠の競争倍率をご紹介します。
都道府県だけでなく、市役所でも社会人採用試験を広く実施しています。
都市名 | 受験者数 | 合格者数 | 競争倍率 |
---|---|---|---|
大阪市(事務行政26-34歳) | 430 | 29 | 14.8 |
名古屋市 | 540 | 23 | 23.5 |
京都市 | 458 | 7 | 65.4 |
横浜市 | 853 | 35 | 24.4 |
神戸市 | 331 | 22 | 15 |
北九州市 | 確認できず | ||
札幌市 | 684 | 21 | 32.6 |
川崎市 | 419 | 24 | 17.5 |
福岡市 | 348 | 7 | 49.7 |
広島市 | 201 | 21 | 9.6 |
仙台市 | 609 | 40 | 15.2 |
千葉市 | 258 | 16 | 16.1 |
さいたま市 | 246 | 12 | 20.5 |
静岡市 | 確認できず | ||
堺市 | 423 | 15 | 28.2 |
新潟市 | 237 | 4 | 59.3 |
浜松市 | 103 | 3 | 34.3 |
岡山市 | 確認できず | ||
相模原市 | 確認できず | ||
熊本市 | 267 | 10 | 26.7 |
平均の競争倍率は都道府県よりもまだ高い「21.6倍」という結果になりました。
一番高い倍率は京都市の「65倍」でした。
社会人の公務員試験勉強法
社会人が公務員に転職するにあたり、一番の課題となるのは、筆記試験の対策ではないでしょうか。
ほとんどの方が働きながら試験勉強をすると思われますので、平日の夜や休日に効率的に効果的に勉強しなければなりません。
予備校や専門学校に通学するのはかなり厳しいため、「独学」や「通信教育」などでできる限り効率よく短期間で集中的に取り組んだほうが良いと私は思います。
具体的な勉強方法などについては、以下の記事でまとめてありますので良ければご覧ください。
【公務員への転職】社会人が受験できる試験は3タイプ。試験別メリット・デメリットと働きながらの勉強法。(独学、通信教育、Web通信)
それと公務員への転職に興味がある方は、
「社会人のための公務員転職ハンドブック(無料)」
が役立ちます。(資格合格で有名なクレアールが無料発行しています)
この本が気になる方は以下の記事をご覧ください。
【公務員への転職】おすすめの無料ガイド本を紹介!(合格体験記も多数掲載)
まとめ~ほとんどの自治体で社会人枠があるが、難易度はかなり高い~
ここで朗報ですが、2020年度から「就職氷河期世代枠」という新たな試験枠も追加で設けられました。
こちらは経歴・学歴一切不要で、フリーターやニートでも受験できる枠となっています。
(紹介記事を書いていますので、良かったらご覧ください。)
氷河期世代採用試験とは?30代以上のフリーターやニートが公務員なる大チャンス!(職務経験不問)
社会人採用試験は大部分の自治体で実施されていますが、どの自治体でもかなりの高倍率となっています。
地方の自治体では試験会場が複数準備され、都市部でも受験できるよう配慮している自治体もあります。
公務員試験は受験料が不要ですし、一次試験は休日に行われるので、とりあえず気軽に受験してみても良いかもしれませんね。
なお、申込者は受験者数よりもさらに多く、一次試験を受験しない人も多いようです。
もし受験を迷われている方がいましたら、とりあえず申し込みだけは済ませておいて、後で試験を受けるか考えるのもありだと思います。
(受験しない場合、特に自治体には連絡する必要はありません。)
他にも公務員記事を書いておりますので、よければご覧ください☆