近年、公務員試験では大部分の自治体で「社会人枠(民間企業等職務経験者枠)」が設けられています。
社会人枠では自治体によって年齢制限を59歳までに設定しているところが多くあり、民間企業等から転職する人達にとっては公務員になる入り口が今とても広がっています。
実際、社会人採用枠はかなりの人気となっていて、それに伴い競争倍率が激化、難易度が上がっています。
そこで本記事では、都道府県別・政令指定都市別の社会人枠の競争倍率を紹介しますので、難易度の参考としてもらえればと思います。
- 都道府県は約14倍
- 政令指定都市は約18倍
なお、今回の記事では、就職氷河期世代枠試験は除外しています(民間企業等の経験年数が必要な試験のみ紹介)。
公務員試験社会人枠の競争倍率(2022年度)
2022年度に行われた公務員試験社会人枠の競争倍率について、都道府県別、政令指定都市別にご紹介します。
難易度の参考としてください。
なお、社会人枠の行政職のみの競争倍率となっています。
行政職のほかに、技術職や専門職も社会人枠で募集があります。
都道府県別の競争倍率
都道府県 | 受験者数 | 合格者数 | 競争倍率 |
---|---|---|---|
北海道 | 292 | 39 | 7.5 |
青森県 | 52 | 4 | 13.0 |
岩手県 | 51 | 11 | 4.6 |
宮城県 | 就職氷河期世代枠のみ実施 | ||
秋田県 | 51 | 8 | 6.4 |
山形県 | 15 | 1 | 15.0 |
福島県 | 83 | 9 | 9.2 |
茨城県 | 223 | 15 | 14.9 |
栃木県 | 139 | 14 | 9.9 |
群馬県 | 226 | 23 | 9.8 |
埼玉県 | 81 | 6 | 13.5 |
千葉県 | 社会人枠の行政職は募集していない | ||
東京都 | 職種が複数(詳細は受験案内を確認) | ||
神奈川県 | 663 | 31 | 21.4 |
新潟県 | 職種が複数(詳細は受験案内を確認) | ||
富山県 | 34 | 9 | 3.8 |
石川県 | 45 | 7 | 6.4 |
福井県 | 移住・定住促進枠のみ | ||
山梨県 | 51 | 4 | 12.8 |
長野県(第1回) | 145 | 4 | 36.3 |
長野県(第2回) | 132 | 11 | 12.0 |
岐阜県 | 101 | 6 | 16.8 |
静岡県 | 社会人枠の行政職は募集していない | ||
愛知県(4月募集) | 390 | 14 | 27.9 |
愛知県(7月募集) | 350 | 15 | 23.3 |
三重県 | 就職氷河期世代枠のみ | ||
滋賀県 | 192 | 31 | 6.2 |
京都府 | 試験結果令和5年2月下旬発表 | ||
大阪府 | 社会人経験不問なので除外 | ||
兵庫県 | 737 | 80 | 9.2 |
奈良県 | 113 | 14 | 8.1 |
和歌山県 | 23 | 3 | 7.7 |
鳥取県 | 162 | 7 | 23.1 |
島根県 | 71 | 13 | 5.5 |
岡山県 | 132 | 10 | 13.2 |
広島県(第1回) | 233 | 14 | 16.6 |
広島県(第2回) | 191 | 21 | 9.1 |
山口県 | 33 | 2 | 16.5 |
徳島県 | 67 | 30 | 2.2 |
香川県 | 119 | 17 | 7.0 |
愛媛県 | 83 | 13 | 6.4 |
高知県 | 240 | 31 | 7.7 |
福岡県 | 591 | 42 | 14.1 |
佐賀県 | 96 | 4 | 24.0 |
長崎県 | 64 | 12 | 5.3 |
熊本県 | 85 | 6 | 14.1 |
大分県 | 193 | 16 | 12.1 |
宮崎県 | 117 | 7 | 16.7 |
鹿児島県 | 193 | 18 | 10.7 |
沖縄県 | 社会人枠実施せず |
都道府県の社会人枠の競争倍率は、1位高いのが長野県の36.3倍、一番低くて徳島県の2.2倍でした。
競争倍率の平均は「13.5倍」でした。
公務員の「社会人枠の試験」には3タイプがあります。
- ある一定年数以上の民間経験が必要となる「民間経験者社会人枠」
- 職歴は一切ない誰でも受けれる「社会人枠」
- 就職氷河期世代枠の人が対象の「就職氷河期世代枠」
が存在します。
今回紹介しているのは、「民間経験者社会人枠」の競争倍率です。
民間企業の勤務年数が乏しい人やフリーター等で過ごしてきた人は職歴が関係ない「就職氷河期世代枠」で受験しましょう。
ただし、就職氷河期世代枠の競争倍率は非常に高いです、、。
政令指定都市別の競争倍率
続いて、政令指定都市(大都市)の社会人枠の競争倍率をご紹介します。
都道府県だけでなく、市役所でも社会人採用試験を広く実施しています。
都市名 | 受験者数 | 合格者数 | 競争倍率 |
---|---|---|---|
大阪市(事務行政26-34歳) | 社会人経験不問なので除外 | ||
名古屋市 | 276 | 26 | 10.6 |
京都市 | 357 | 35 | 10.2 |
横浜市 | 629 | 50 | 12.6 |
神戸市(春) | 291 | 11 | 26.5 |
神戸市(秋) | 271 | 21 | 12.9 |
北九州市 | 就職氷河期世代枠のみ | ||
札幌市 | 581 | 25 | 23.2 |
川崎市 | 362 | 23 | 15.7 |
福岡市 | 341 | 14 | 24.4 |
広島市 | 133 | 21 | 6.3 |
仙台市 | 612 | 62 | 9.9 |
千葉市 | 235 | 11 | 21.4 |
さいたま市 | 256 | 6 | 42.7 |
静岡市 | 就職氷河期世代枠のみ | ||
堺市 | 366 | 20 | 18.3 |
新潟市 | 128 | 7 | 18.3 |
浜松市 | 学校事務のみ | ||
岡山市 | 就職氷河期世代枠のみ | ||
相模原市 | 就職氷河期世代枠のみ | ||
熊本市 | 224 | 10 | 22.4 |
政令指定都市の社会人枠の競争倍率は、1位高いのがさいたま市の42.7倍、一番低くて広島市の6.3倍でした。
平均の競争倍率は都道府県よりも高い「18.4倍」という結果になりました。
社会人の公務員試験勉強法
社会人が公務員に転職するにあたり、一番の課題となるのは、筆記試験の対策ではないでしょうか。
ほとんどの方が働きながら試験勉強をすると思われますので、平日の夜や休日に効率的に効果的に勉強しなければなりません。
予備校や専門学校に通学するのはかなり厳しいため、「独学」や「通信教育」などでできる限り効率よく短期間で集中的に取り組んだほうが良いと私は思います。
具体的な勉強方法などについては、以下の記事でまとめてありますので良ければご覧ください。
【公務員への転職】社会人が受験できる試験は3タイプ。試験別メリット・デメリットと働きながらの勉強法。(独学、通信教育、Web通信)
それと公務員への転職に興味がある方は、
「社会人のための公務員転職ハンドブック(無料)」
が役立ちます。(資格合格で有名なクレアールが無料発行しています)
この本が気になる方は以下の記事をご覧ください。
【公務員への転職】おすすめの無料ガイド本を紹介!(合格体験記も多数掲載)
まとめ~ほとんどの自治体で社会人枠があるが、難易度はかなり高い~
2020年度から「就職氷河期世代枠」という新たな試験枠も追加で設けられました。
こちらは経歴・学歴一切不要で、フリーターやニートでも受験できる枠となっています。
【参考記事】氷河期世代採用試験とは?30代以上のフリーターやニートが公務員なる大チャンス!(職務経験不問)
社会人採用試験は大部分の自治体で実施されていますが、どの自治体でもかなりの高倍率となっています。
地方の自治体では試験会場が複数準備され、都市部でも受験できるよう配慮している自治体もあります。
公務員試験は受験料が不要ですし、一次試験は休日に行われるので、とりあえず気軽に受験してみても良いかもしれませんね。
なお、申込者は受験者数よりもさらに多く、一次試験を受験しない人も多いようです。
もし受験を迷われている方がいましたら、とりあえず申し込みだけは済ませておいて、後で試験を受けるか考えるのもありだと思います。
(受験しない場合、特に自治体には連絡する必要はありません。)
他にも公務員記事を書いておりますので、よければご覧ください☆