県庁職員はクビがないし、社会的信用度が高いし、民間より楽で、そして給料が高い!
と思っている公務員志望のあなた、それ大間違いですよ。
実態は、、、「激務薄給」の世界です。
今回は元県庁職員の私が、県庁職員の給料実態について解説します。
県庁職員は決して待遇が良いわけでないことを多くの人に知ってもらえたら幸いです。
- 初任給「192,600円」
- 平均月給「332,500円」
- ボーナス「1,697,000円」
- 退職金「22,216,000円」
- 年間残業代「338,000円」
- 県庁職員「激務薄給」
なお、今回の給料データは、HPにデータ掲載されていた「長野県の給与・定員管理等について(令和3年度)」を参考にしています。
ちなみに、総務省発表の地方公務員の給与水準(令和4年地方公務員給与実態調査結果)で、長野県は平均給与月額ランキング39位でした。
県庁職員の給料実態~思っている以上に給料は安い~
それでは県庁職員の給料実態について、さくっとご紹介していきます。
初任給
長野県の新規採用者の初任給(令和3年4月1日時点)は、大卒一般行政職で「192,600円」です。
ちなみに国の一般行政職(令和3年4月1日時点)は182,200円となっています。
これ、大卒の給料ですからね、、。
ちなみに大学の同級会に行った時、みんなで初任給を発表する機会がありましたが、私が初任給を言ったら安くてビックリされました^^;(大学は国立大学です)
ちなみに、長野県の他の職種の初任給ですが、学校の先生は215,200円、警察官は224,200円となっていて、行政職が一番安いです。。。
平均給料月額
令和3年度の公務員の平均給料月額は下記のようになっています。
区分 | 平均給料月額 | 平均年齢 |
---|---|---|
長野県 | 332,500円 | 45.2歳 |
国 | 325,827円 | 43.0歳 |
都道府県平均 | 322,084円 | 42.8歳 |
どうでしょうか、45歳でたったの約33万円です。
きっと民間で働いている人達は驚いているかもしれません。
ただし、あくまで給料ですので、給与(残業代など諸手当含む)にすると月額「398,943円」になりますが、それにしても安いと思います。
長野県の職員数(一般行政職)は約5000人ですので、同じ規模の民間と比較してみると、
従業員5000人以上の事業所の平均給与(ボーナス含まず)は、「525万円」(男性、43.4歳)、月「約44万円」です。(国税庁令和3年分民間給与実態統計調査結果より)
給料月額・・・職員の基本給
給与月額・・・給料月額+毎月支払われる扶養手当、住居手当、時間外勤務手当などの全ての諸手当の額を合計したもの(ボーナスは含まれていない)
【関連記事】
【2020年】地方公務員(行政職)給与ランキング!(都道府県・市区町村別)
部長まで上り詰めても・・・
県庁職員といっても、下は新人から、上は部長までいます。
※部長クラスは正式には下記のとおりの人達を指します。
・「複雑かつ困難な業務を行う本庁の部長の職務」
・「極めて複雑かつ特に困難な業務をつかさどる現地機関の長の職務」
- 出世する人・・・総務省や大手企業などへの出向、部長付き、議会担当、財務担当、花形の課など、県庁内でも要所の部署を異動していき、同期よりも数年早く係長・課長に上がっていきます。
- 仕事ができる人・・・本庁(県庁)内を異動し続けます。ただ、出世する人とはあきらかに異動先が違います。
- 普通・・・本庁や出先機関を行ったり来たりします。
- 仕事できない人コース・・・出先機関のみで本庁にはあまり異動してきません。
あと、残念ながら学歴が影響しているのは事実です。部長達は、有名大学卒(東大・京大レベル)の人が多いです。
ボーナス(期末手当、勤勉手当)
ボーナスの支給額ですが、1人当たり平均支給額(令和2年度)は、
「1,697,000円」となっています。
支給日は年2回で、6月30日と12月10日に支給されます。
支給割合は期末手当2.55月分+勤勉手当1.85月分、合わせて「4.4月分」となっています。
民間企業の平均ボーナスは「144万円」(従業員5000人以上の事業所、男性、43.4歳)です。(国税庁令和3年分民間給与実態統計調査結果より)
ボーナスだけ単純に見比べると、公務員が勝っているようです。
(もちろん超大手企業はとんでもないボーナスをもらっていると思いますが)
【関連記事】
【公務員のボーナス】支給日、計算方法、新規採用者や休職中はどうなる?
退職金(退職手当)
退職金は、勤続年数などで変わってきますが、1人当たり平均支給額は、
「22,216,000円」です。
【関連記事】
国家公務員・地方公務員の退職金ってどのくらい?(定年退職・自己都合の場合)
残業代(時間外勤務手当)
残業代は、職員1人あたり平均支給年額「338,000円」です。(令和2年度決算)
残業代については、完全にブラック化しています。
34万円は全くもって実態が反映されていない額だと思ってください。
残業代を申請する人は申請するし、申請しない人は一切しません。
その職員の考え方や職場や管理職の雰囲気も影響しています。
県庁職員は激務薄給。
ここまで県庁職員の給料実態について紹介してきました。
どうでしょうか?思っているよりも安かったのではないでしょうか。
部署によっては本当に激務なところがあります。(午前様があたりまえ)
私も一時期ハードな部署にいましたが、始発のバス出勤、残業当たり前、タクシー帰り、持ち帰り残業もしたうえに、もちろん土日もサービス残業です。
それだけ忙しいにもかかわらず、お酒好きの上司とのお付き合い、接待が否応なしに入ってきます。
この間、残業代はほぼ申請しませんでした、というかかなり申請しづらい雰囲気がありました。
公務員の場合、どんなに忙しい部署にいても、どんなに定時上がりの楽な部署にいても、給料は全く同じです。
基本的に年齢で決まっていて、完璧な年功序列です。
どんなに仕事ができない人でも給料は上がっていきます。(出世はできないですが)
公務員になりたい人は、
- 安定している
- 社会的信用度が高い
- 仕事が民間よりも楽
- ノルマがない
などという上っ面の良い部分だけ期待して入ると、年々シンドくなっていきますよ。
当然、恵まれた部署もありますので、運の要素も強いですが、思っている以上に「激務薄給」を覚悟してください。
ちなみに、薄給だからといって副業をしようにも、公務員の副業・兼業は許可制(基本的に制限・禁止)となっています。
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【公務員副業】兼業は許可制。ただし、具体的な許可基準がない。
ここまでお読みいただき本当にありがとうございます☆
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