今回は元県職員(約9年間)の私が本音で、県職員のデメリット(県職員になって後悔した点)を挙げます。
おもに、
- 公務員を目指している学生
- 公務員に転職したい社会人
に役立つ内容となっています。
※今回は県職員を例にして紹介しています。
(国家公務員や市役所などではまた違ったデメリットがあると思います)
- 給料は大手企業と比べると安い(特に初任給)
- 残業が常態化(サービス残業も少なくない)←定時上がりの部署も少しある
- 異動の希望はあまり通らない(数年ごとに必ず異動あり)
- 多忙な部署と暇な部署の差が激しい
- 完全年功序列(頑張っても出世は厳しい)
【執筆者↓】
【公務員】就職・転職する前に絶対に知っておきたい元県職員が後悔したこと15選
それでは、以下の後悔したことについて紹介していきます。
- 給料・昇任・福利厚生など
- 残業
- 配属・異動
- 仕事内容
- パワハラ・アルハラ
県職員の給料・昇任・福利厚生など
まずは県職員の給料・昇任・福利厚生などについて、以下の7個を紹介します。
- 県職員の給料は決して高くない
- 特に初任給が安い
- 給料の最高上限額が事前に決まっている(しかも低い!)
- 出世しても多忙になるだけで給料は同期と差がつかない
- 人事評価制度はあるが、、、
- 職員宿舎は抽選
- 完全な年功序列
県職員の給料は決して高くない
給料は高望みしないでください。
大手民間企業と比べるとその差は歴然です。
【地方公務員の平均給料(長野県の場合)】
令和5年度の平均給料月額は328,465円、平均給与月額は395,342円。(給与=給料+諸手当+残業代)
(参考データ:長野県の給与・定員管理等について(令和5年度))
特に初任給が安い
特に初任給は安いです。
都道府県によりますが新卒(大卒)で17~20万円の範囲です。
また、社会人枠の場合の初任給は以下のようになっています。
【地方公務員の社会人枠の初任給(愛知県の場合)】
- 大学卒25歳 職務経験3年 約241,900円
- 大学卒30歳 職務経験8年 約276,300円
- 大学卒35歳 職務経験13年 約317,600円
- 大学卒40歳 職務経験18年 約351,300円
(初任給=給料+地域手当)
【参考記事】
給料の最高上限額が事前に決まっている(しかも低い!)
出世して「部長」まで上り詰めても、公務員の場合、公表されている給料表以上には給料が上がりません。
(知事は選挙で選ばれますので、公務員試験を突破した県職員の最高クラスは部長までです。)
某県の最高号給の給料月額(給料表の最高値)は539,000円、これがマックスです、、、。
出世しても多忙になるだけで給料は同期と差がつかない
県職員の中にも出世コースはありますが、公務員で出世しても別に給料がすごい上がるとかいう話ではありません。
響きの良い肩書がもらえるだけ。
県庁内でちょっとちやほやされるだけ。
ただの自己満足の世界。。。
人事評価制度はあるが、、、
一応、「人事評価制度」はありますが、機能しているとは言えません。
評価がすごく良ければ、ボーナスがほんのすこ~しアップしますが、それは限られたほんの一握りの職員です。
そもそも配属先の業務内容によって、評価が上げられる仕事を担当できない職員がいるので不公平です。
職員宿舎は抽選
公務員には職員宿舎が用意されています。
しかし、月1万円未満で住めるキレイな職員宿舎(単身用)は、人気があり「抽選」となります。
完全な年功序列
一応、能力主義となってはいますが、公務員はほぼ完全な年功序列です。
100人超の同期の中で、優秀な何人かが先に昇任・昇給していくぐらいです。
他の職員はそろって定期昇任・昇給していきます。
そして、仕事が全くできない人でも給料は確実に定期昇給していきます。
県職員の残業
続いて、県職員の残業について紹介します。
- 残業が常態化
- サービス残業
残業が常態化
忙しい部署では土日出勤・午前様が常習化していました。
毎日定時で帰っているのは管理職や暇な部署の職員ぐらい。
本庁・現地機関の係員と本庁の係長は毎日2~3時間ぐらいは残業しているのが実態です。
サービス残業
サービス残業も常態化しています。
残業は、基本的に本人が残業をする前に係長に申請し、係長が必要な仕事と判断すれば、残業は認められます。
ですが、残業については、職場の雰囲気、課長・係長の考え方も大きく影響してきます。
あとは申請する本人の考え方次第です。
一定時間を超える残業代の申請は、管理職との面談が必要だったり対策案を講じる必要があったりと、面倒くさいことが増えていきます。
【関連記事】
公務員は月に平均どのくらい残業代(時間外勤務手当)をもらってるの?
県職員の配属・異動
次は、県職員の配属・異動についてです。
- 異動先は希望通りにはならない
- 異動するたびに専門知識をイチから覚える必要がある
異動先は希望通りにならない
年に一回(私の県では11月頃)、管理職と人事面談があり、異動の希望を一応聞いてはもらえます。
私の県では5箇所異動先を希望できました。
しかし、そう簡単には希望通りになりません。
何かしら理由がある人(病気、介護、子育てなど)が優先され、特定の業務をしたいというだけでは、希望どおりにいくことは少なかったです。
異動するたびに、専門知識をイチから覚える必要がある
せっかく仕事を覚えても必ず1~4年程度で異動となるので、異動するたびにイチから新しい専門知識を覚えることになります。
昨日まで現地機関で税務を担当していたのに、今日から本庁で観光PR関係の担当、次は国に出向、戻ってきたら財政、次は人事、次は防災、次は議会対応とか当たり前にあります。
4月1日に異動して、その日から容赦なく県民や市町村や国や企業からバンバン質問や照会が来ますから、異動した年の4月5月6月は中々ハードです。
よく言われますが、公務員はジェネラリストでいて、かつ担当する業務はスペシャリストでなければいけません。
県職員の仕事内容
次に、県職員の仕事内容についてです。
- 文書主義
- 多忙な部署と暇な部署の差がヒドイ(給料は一切変わらない)
- 定型的な事務処理をしている部署はごくわずか
文書主義
公務員はその仕事の特性上、意思決定の過程をしっかりと残す必要があり、「文書主義」の組織です。
そのため、何をするにも、どんな小さいことでも、数百円でも支出する場合でも、まずは文書で起案して、上司、係長、課長などに決裁をもらわなければなりません。
これに非常に時間がかかります。
ソリの合わない人から決裁をもらう際にパワハラが発生しやすいですし、決裁を中々してくれない面倒な上司もたくさんいます。
多忙な部署と暇な部署の差がヒドイ(給料は一切変わらない)
担当する業務の質・量にどんなに差があっても給料は基本変わりません。
本庁と現地機関でも給料の差はありません、本庁のほうが仕事の質と量が何倍もあるのに。
【参考記事】
県庁の出先機関は本当に楽なのか?元県職員が実態を紹介します!
定型的な事務処理をしている部署はごくわずか
県職員は定型的な事務処理が主な仕事だと思っている人がいますが、そんなことはありません。
特に本庁では、
など、
- 一筋縄ではいかない質の高い仕事
- 高いコミュニケーション能力が必要な仕事
が多いです。
パワハラ・アルハラ
民間企業にもあるように、公務員にもパワハラ・アルハラは存在します。
私も色々と受けたことがあります。
- 書類を全く決裁してくれないので、どんどん処理しなくてはいけない書類が山積みになった
- 事業の進捗具合が悪く、本庁の係長にゴミ箱を蹴飛ばされた
- 説明会についてきてくれと言われ、行くと突然上司から「あとはお前に任せた」と言われた
- お酒大好き上司からアルハラも受けた(残業したいのに「飲みに行くぞ」の一言。行かないと機嫌悪くなるし、飲み代は割り勘)
- 出世欲の強い管理職から無理難題の仕事がふってきた
【関連記事】
公務員のパワハラの定義・具体例・事例を紹介!(元県庁職員の経験談あり)
まとめ~それでも公務員になりたい志高き人へ~
ここまで県職員になって後悔したことを挙げてきました。
しかし、メリットももちろんたくさんあります。
【関連記事】
元公務員による公務員メリット大全(公務員になって本当に良かったところ)
メリット・デメリットをよく把握してもらい、それでも
「高給取りでなくていい、仕事が大変でもいい。純粋に県民の役に立ちたい」
という人はぜひとも公務員を志望してください!
そんなあなたを私は本気で応援します!