公務員に一生ついてまわるのが「異動」です。
もちろん地方公務員である県職員にも異動が必ず定期的にあります。
面積が広い自治体だと、異動に伴って引越しも必要となる場合もあります。
今回の記事では、県職員の異動の実態についてシンプルにご紹介します。
- 異動はどのくらいの頻度であるのか
- 異動はいつ知らせてもらえる?
- 異動先の希望は聞いてもらえるのか
- 異動は拒否できるのか
このようなことを知りたい受験生や新規採用職員に役立つ記事となっています。
※なお、今回の記事の内容は私が奉公した県の実情で、国や他の都道府県では異なる場合もありますのであらかじめご了承下さい。
【執筆者↓】
公務員の異動頻度はどのくらい?
県職員の異動頻度の目安ですが、私が9年間見てきた中では以下のとおりでした。
- 新規採用職員 3年
- 若手~中堅職員 2~4年
- 係長 1~3年
- 課長以上の管理職 1~2年
これ以外の場合も多少ありますが、大部分の職員はこのサイクルで異動していました。
毎年全職員の1/3程度は異動対象となっていたと思います。
異動先が決まるのはいつ?内示日は?
私の県では職員に異動先が知らされる(内示日)のは3月16日あたりでした。
課長級以上の管理職は3月25日あたりが内示日でした。
この内示日までは職員は一切異動先を知ることはできません。
そのため、引越しが必要になる場合は、3月16日の内示日から4月1日までの異動日までの約2週間で全ての準備や手続きを終えなくてはならず、かなりのドタバタ状態になります。
通常業務をこなしつつ、引継書を作成し、残務整理をし、そして帰ってから引越しの準備、、、
【引越し代は支給される】(赴任旅費)
異動に伴う引越し代は定額支給されます。支給額は距離などによって決められています。特に3月末の時期は引越しハイシーズンで、引越し代も非常に高めですので、支給額を上回ってしまう場合もあります。
一点注意事項としては、この引越し代は異動に伴う引越しのみです。年度途中に良いアパートが見つかったから引っ越すなどの自己都合の引越し代は一切支給されませんので注意が必要です。
【参考記事↓】
異動先の希望は聞いてくれる?
一応異動先の希望は聞いてもらえます。
11月に管理職との面談が設けられ、そこで第5希望まで希望する異動先を伝えることができました。
が、そのとおりに行くとは限りません。
第5希望までの部署と全く違う部署に異動となる場合も十分あります。
例外として、介護、病気、出産・育児など特殊な事情で引越しが難しい職員は、希望が優先される傾向があります。
ただし、家を購入したケースは無視される場合が多いです。
私の知り合いの職員はことごとく新築した次の年は異動となっていました、このへんは運次第ですね^^;
【出世街道】
県職員にも出世街道があります。このコースに乗ると、県庁内を異動することになり、出先機関に行くことがありません。ただし、国(総務省)に出向することはあります。東大京大有名私立大、試験上位合格、強く県庁で働きたいことを希望した採用者達は一年目から県庁に配属になります。そこで有能さを認められれば、出世街道に乗ることになります。一般的な職員は県庁と出先機関を行ったり来たりするので、引越しをする回数が増えます。
異動は拒否できるの?
原則として、異動は問答無用で受け入れることになります。
しかし、噂で聞きましたが、異動を拒否した職員もいるらしいです。
ですが、拒否をした場合でも、管理職がどうにかこうにか説得して最終的に受け入れてもらう形になります。
異動にもメリットがある!
ここまで県職員の異動について、ご紹介してきました。
なんとなく異動は嫌なものと捉えがちですが、メリットもありますので、最後にその代表的なメリット2つをお伝えして終わりたいと思います。
メリット1:職場の嫌な人間関係から脱出
メリット2:嫌な業務から脱出
職場の嫌な人間関係から脱出
もし仮に今の職場にウマが合わない上司や同僚がいた場合に、異動はかなりありがたいものとなります。
また、職場だけでなく、関係先(国、市町村、業者)の担当者や地域住民などとうまくいっていない場合であれば、異動で人間関係をリセットできます。
そのため、メンタル面まで影響するくらい人間関係で悩んでいる場合は、異動は本当に良い処方箋となる場合もあります。
逆に今の職場が人間関係に恵まれていた場合は、異動は非常に切ないものになってしまいます。
嫌な業務から脱出
公務員の仕事は非常に幅広く、希望している仕事ができなかったり、嫌な仕事や相性が合わない仕事も多いと思います。
そんなときに異動をすることで全く異なるタイプの業務を担当すれば、心機一転でき、リフレッシュすることができます。
つい昨日まで出先機関で税務の徴収をしていたのに、今日からは県庁の観光促進の部署に異動したなんてことも普通にあり得ます。
今の業務がつまらなくて辞めようかなと思っている若手職員の方は、つぎの異動まで我慢してみてからでも遅くはないと思います。
上司や同僚、業務内容、働く場所が変われば、見違えてやりがいが上がる場合もありますよ!