- 大卒・上級レベルの試験→「論文」試験
- 高卒・初級レベルの試験→「作文」試験
- 論文or作文が課せられるけど、どう書いたらいいか分からない受験生
- 論文と作文の違いが分かっていない受験生
- 論文は、テーマに対して「自分の意見を論理だてて説明し、採点者を説得・納得させる文章」
- 作文は、テーマに対して「自分の体験や感想を書いた文章」
- 論文・作文試験はあまり対策をしなくても良いので、「受かる書き方・減点しない書き方」をマスターする
- 「書く内容よりも体裁の部分でいかにミスがないか」が合否の分かれ目

公務員試験の論文試験と作文試験の違い
「論文」と「作文」は全く違う種類の文章です。
論文試験
論文は、テーマに対して「自分の意見を論理だてて説明し、採点者を説得・納得させる文章」です。
基本的な文体は「である調」「私は~だから~と考える」。
課題テーマにもよりますが、基本的には以下のとおり進めていくことになります。
- まずは論理構成を考える
- テーマの背景(序論)を書く
- 課題点をいくつか書き出す
- 対応策を書き出す
- まとめ(今後の方針)を書く
- 見直し
作文試験
作文は、テーマに対して「自分の体験や感想を書いた文章」です。
論文とは違い、採点者を説得・納得させる必要はなく、自由に自分の思いを書けます。
基本的な文体は「ですます調」「私は~だと思う」。
進め方としては、以下のとおりです。
- 構成を考える(文章の流れを決める)
- 自分の思った感想を表現力・発想力豊かに書く
- 見直し
ここまでをまとめると、
論文と作文の見分けポイントは「採点者を説得・納得させる必要があるかないか」
となります。
- 論文試験→「採点者」を説得・納得させる必要がある。
- 作文試験→「採点者」を説得する必要はなく、好きに書いていい。
論文と作文では課題テーマが全く違う
上述したように、論文と作文では全く種類が異なります。
そもそも問われる「課題テーマ」が全然違います。
論文であれば「対策を述べよ」
作文なら「あなたの感想・思っていることを書きなさい」
という形式になっています。
論文試験の過去問
「(1)別添の資料から、首都直下地震から命と財産を守るとともに、社会経済活動の麻痺による甚大な影響を回避するために、あなたが重要であると考える課題を200字程度で簡潔に述べよ。(1)で述べた課題に対して、都はどのような取組を進めるべきか、あなたの考えを述べよ。」
(令和4年度東京都職員採用試験・Ⅰ類B、1時間30分、1,000字以上1,500字程度)
東京都職員採用HPより引用
「あなたの考える「危機に強い愛知」とはどのような県か。また、それを実現するために、どのような方法で地域づくりを行うべきかを一つ述べよ。」
(2022年度愛知県職員採用試験・行政Ⅰ・専門職)
愛知県職員採用HPより引用
「新潟県では、国内外の方々が新潟県に魅力を感じ、訪ねていただける新潟県を目指すため観光立県推進行動計画を策定し、観光振興に取り組んでいます。行動計画において、観光は、ゆとりや潤いのある生活の実現に寄与するものであるとともに、自然、食、文化、歴史その他の地域貢献の活用等を通じた魅力の向上や地域の魅力再発見により地域づくりに貢献するものと位置付けています。そこで、新潟県が観光立県として更に発展するために、あなたが考える新潟県の観光資源とその活用方法について自由に意見を述べなさい。」
(令和4年度新潟県職員採用試験・一般行政・1,000字)
新潟県職員採用HPより引用
作文試験の過去問
「私が考える都民サービスの向上」
(令和4年度東京都職員採用試験・3類、1時間20分、600字以上1,000字程度)
東京都職員採用HPより引用
「愛知県職員として働く上で大切にしたいことは何か。」
(2022年度愛知県職員採用試験・職員)
愛知県職員採用HPより引用
「10年後の新潟県と私について」
(令和4年度新潟県職員採用試験・一般事務・800字)
新潟県職員採用HPより引用
論文・作文試験の受かる書き方・減点しない書き方
論文試験の「受かる書き方・減点しない書き方」については、下記の記事でしっかりまとめましたのでよろしければご覧ください。
公務員試験(論文試験)には「受かる書き方」がある!(対策はほぼ不要です)
論文・作文試験はあまり対策をしなくても良いので、「受かる書き方・減点しない書き方」をマスターしてください。
あとは少しだけ論文・作文用参考書の解答例を読み、イメージを掴んでおけば大丈夫です。
ちなみに私は公務員試験受験者の中で人気が高い参考書を一冊だけ選び購入しました。
【(参考)私が購入した参考書】
対策はこの本で十分です、私はこれだけで合格しました。
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分厚い論文用の参考書を買っても手が回らないことが多いので、この薄い本を本番直前に一気に読めばそれで論文・作文対策は十分です。
まとめ~論文・作文試験の採点は減点方式と心得る~
論文試験でも作文試験でも書く内容は確かに大切ですが、「書く内容よりも体裁の部分でいかにミスがないか」が合否の分かれ目となります。
採点者側としては、
- 字数(8割以上書けているか、文字数制限をオーバーしていないか)
- 誤字脱字
- 句読点や改行など基本的な作文のルール
- 問いに対して的を得た解答をしているか
- 論理展開はちゃんとできているか
など、採点基準が明確な部分をチェックしていくはずです。
私の推測ですが、
「論作文の内容については、採点者の考え方によって点数にばらつきが生じる可能性があり、公平性に欠けるので、あまり内容では点差はつけない」
と考えられます。
論文・作文試験はあくまで成績全体の補完的位置づけで、やはり合格にとって重要なのは教養試験・専門試験・面接試験です。
試験対策の配分にはくれぐれも留意してください。
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