【2026年版】公務員試験のボーダーラインと平均点は何割?元県職員が解説

公務員試験を受けるにあたって、「どのくらいの得点を目指せば合格できるのか」は誰しも気になるところです。

「公務員試験は7割取らないと合格できない?」

「教養試験や専門試験は、最低何割取ればいい?」

「筆記試験の点数が低くても、面接で逆転できる?」

このような疑問を抱えている受験生も多いのではないでしょうか。

結論からいうと、公務員試験の一次試験は、得点率40〜50%台で合格できるケースもあります。

ただし、自治体や試験区分、年度によってボーダーラインは大きく異なり、70%以上の得点が必要になる試験もあります。

そのため、筆記試験では、まず6〜7割程度を一つの目標として勉強を進めることをおすすめします。

もちろん、6〜7割得点できれば必ず合格するというわけではありません。受験先の競争倍率や試験の難易度、科目ごとの基準点などによっても合否は左右されます。

この記事では、国家公務員・地方公務員の筆記試験(教養試験・専門試験)および面接試験の「平均点」や「合格者最低点(ボーダーライン)」を紹介します。

実際に複数の自治体や省庁の公表資料を調査し、2026年度の情報を中心に、過年度の参考データも含めてまとめました。

さらに、県職員採用試験で筆記・面接ともに上位合格した経験をもとに、ボーダーラインを踏まえた勉強の進め方や、合格するための戦略についても解説します。

この記事は以下のような方に役立ちます。

  • 公務員試験での目標点数を決めたい受験生
  • 公務員試験の難易度や競争倍率を知りたい方
  • 教養試験・専門試験・面接試験の傾向を把握したい方
  • ボーダーラインを踏まえて戦略的に受験先を選びたい方
  • 自分の実力が合格圏にあるかを確認したい方

公務員試験のボーダーラインを正しく理解しておけば、必要以上に高い点数を目指して焦ることも、反対に合格ラインを甘く考えてしまうことも防げます。

ぜひ、受験先の選択や今後の勉強計画に役立ててください。

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公務員試験のボーダーラインは何割?【先に結論】

公務員試験のボーダーラインは、受験する自治体や試験区分、年度によって異なります。

今回、全国の自治体の公表資料を調べてみたところ、一次試験の合格最低点が得点率40〜50%台となっているケースもありました。

一方で、70%以上得点しなければ一次試験を通過できないケースもあります。

つまり、公務員試験は「何割取れば必ず合格できる」という一律の基準が存在しない試験なのです。

ただし、受験勉強を進めるにあたって、目標点数を決めておくことは非常に重要です。

そこで、まずは以下の得点率を一つの目安にしてください。

得点率学習上の考え方
40%未満得点力の底上げが必要。試験によっては科目別の基準点にも注意
40〜50%台一次試験の合格例はあるものの、余裕があるとはいえない
60%台合格を狙うための一つの目標となる
70%台比較的高い得点率。安定して取れるようにしたい
80%以上筆記試験で高得点を目指す際の目標となる

※上記は学習目標を考えるための目安であり、実際の合格率や合否を保証するものではありません。得点率と試験順位の関係は、受験先や年度によって異なります。

それでは、具体的に何割を目標にすべきなのか、実際のデータも交えながら解説します。

筆記試験では6〜7割を一つの学習目標にする

公務員試験を受験するのであれば、まずは教養試験・専門試験で6〜7割程度を得点できる実力を身につけることをおすすめします。

その理由は、今回調査した自治体のなかに、一次試験の合格最低点が40〜50%台となっているケースが複数あったためです。

例えば、ボーダーラインが50%程度の試験で70%得点できれば、合格最低点より20ポイント高い得点率となります。

ただし、これはあくまで過年度の合格最低点と比較した場合です。翌年度も同じボーダーラインになるとは限りません。

実際の試験では、次のような条件によって合格ラインが変わります。

  • 試験問題の難易度
  • 受験者の学力や得点分布
  • 競争倍率
  • 採用予定人数
  • 教養試験・専門試験の配点
  • 試験科目ごとの基準点

特に注意したいのが、得点率だけで合否を判断できない試験があるということです。

例えば、国家公務員試験では、単純な正答率だけではなく、平均点や標準偏差などを利用して算出する「標準点」によって合否を判定する試験があります。

(注:標準点とは、試験の平均点や得点のばらつきなどを考慮し、受験者の成績を換算した点数です。)

そのため、同じ70%の得点率であっても、試験の難易度や他の受験者の成績によって、合否への影響が異なる場合があります。

また、自治体によっては、教養試験よりも専門試験の配点が大きく設定されていることもあります。

この場合、単純に教養試験と専門試験の得点率を平均するだけでは、実際の総合得点を正しく把握できません。

まずは6〜7割を目標に勉強を進めつつ、受験先の試験制度や配点を確認することが重要です。

合格最低点が4〜5割になる試験もある

「公務員試験は7割取れないと合格できない」

このように考えている受験生もいるかもしれません。

しかし、実際に自治体の試験結果を調べてみると、必ずしもそうではないことが分かります。

例えば、2025年度の長野県職員採用試験(大学卒業程度・行政A)では、以下の結果が公表されています。

試験項目平均点・合格ライン
教養試験の平均点246.6点/400点(約61.7%)
専門試験の平均点440.7点/800点(約55.1%)
一次試験合格ライン620点/1,200点(約51.7%)

※平均点は受験者の平均点、合格ラインは一次試験の合否判定に使用された得点です。また、大学卒業程度の一次試験合格ラインには、外国語資格による加点が反映されています。

出典:2025年度長野県職員等採用試験1次試験結果(長野県人事委員会)

長野県の行政Aでは、教養試験と専門試験の配点を合計すると1,200点満点です。

一次試験合格ラインは620点で、満点に対する割合は約52%となります。

ただし、これは外国語資格による加点を含んだ合格ラインであり、筆記試験の正答率が52%あれば合格できたという意味ではありません。

また、徳島県の2025年度採用試験では、次のような結果も公表されています。

試験区分一次試験合格者の最低得点率
行政事務(大卒程度)50.1%
学校事務(大卒程度)40.7%
農業(大卒程度)43.7%
総合土木(大卒程度)44.7%

※上記は教養・職務能力試験と専門試験の総合得点(100点満点)における一次試験合格者の最低点です。

出典:令和7年度徳島県職員等採用試験 第1次試験得点状況(徳島県)

このように、実際の採用試験では、得点率40%台で一次試験を通過した受験生もいます。

公務員試験というと、非常に高い点数を取らなければ合格できないイメージがあるかもしれません。

しかし、自治体や職種によっては、必ずしも7〜8割の得点が必要というわけではありません。

今回、全国の自治体のデータを調査してみて、私自身も「想像していた以上に合格最低点が低い試験がある」と感じました。

ただし、合格最低点が低いからといって、試験そのものが簡単だとは限りません。

試験問題の難易度が高いために全体の得点率が低くなっている場合もあれば、受験者数や採用予定人数が影響している可能性もあります。

また、今回紹介した数字は一次試験の結果であり、最終合格を保証するものではありません。

「4〜5割でも合格できることがある」と「4〜5割を目標にすればよい」は、まったく別の話です。

合格を目指すのであれば、過去の最低点だけを見て勉強量を減らすのではなく、できるだけ余裕を持って一次試験を通過できる実力を身につけておきましょう。

ボーダーラインと安全圏は違う

公務員試験で注意したいのが、ボーダーラインと安全圏を混同しないことです。

ボーダーラインは、原則として合格者の最低得点を意味します。

一方、安全圏という言葉は、合格の可能性が比較的高いと考えられる得点水準を指して使われることがありますが、全国共通の公式な基準があるわけではありません。

例えば、前年の一次試験ボーダーラインが50%だったとしましょう。

この場合、翌年度の試験で55%得点できれば、前年のボーダーラインは超えています。

しかし、翌年度の試験問題が簡単になり、多くの受験生が高得点を取れば、ボーダーラインが60%以上になる可能性もあります。

逆に、試験問題が難しくなった場合には、前年よりもボーダーラインが下がることも考えられます。

さらに、自治体によっては、総合得点が高くても各試験科目の基準点を下回ると不合格になります。

例えば、2026年度の国家一般職試験(大卒程度)では、教養区分以外の多肢選択式試験について、原則として満点の30%が基準点となっています。

この基準点に達しない試験種目が一つでもあると、他の試験種目で高得点を取っていても不合格となります。

出典:2026年度国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験)合格者の決定方法(人事院)

つまり、得意科目で高得点を取るだけでなく、苦手科目でも最低限必要な点数を確保することが大切なのです。

また、公務員試験では筆記試験に合格した後に、面接試験が実施されることも多くあります。

筆記試験で上位に入っていても、面接試験の成績によっては最終不合格となる場合があります。

反対に、筆記試験では下位だった受験生が、面接試験で高い評価を受けて逆転合格する可能性もあります。

伯爵さん
実際に私自身、県職員採用試験(小中学校事務職)では、筆記試験28位から面接試験4位となり、最終合格した経験があります。

この経験からも、公務員試験では筆記試験の点数だけでなく、その後の面接対策も重要だと感じています。

もちろん、試験によって筆記と面接の配点や合否の決定方法が異なるため、すべての試験で同じように逆転できるわけではありません。

では、実際に自分が受験する公務員試験では、何割を目指せばよいのでしょうか。

まずは、以下の3点を確認してみてください。

  1. 受験先の過去の合格最低点:公式サイトで過年度の試験結果を確認する。
  2. 教養試験・専門試験の配点と基準点:受験案内で各試験科目の配点や足切りの有無を調べる。
  3. 現在の自分の得点率:過去問や模擬試験を解いて、どの程度得点できるか把握する。

これらを確認したうえで、まずは6〜7割を一つの目標として、無理のない学習計画を立てていきましょう。

次章からは、国家公務員・地方公務員の平均点やボーダーラインについて、実際の公表データを詳しく紹介していきます。

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公務員試験における「ボーダーライン」とは?

ボーダーラインとは、合格者の中で最も得点が低かった人の点数(合格者最低点)を指します。

「この点数を下回ると基本的には不合格」とされる基準であり、特に一次試験や最終合格の目安として参考にされることが多いです。

ただし、自治体によっては「足切り基準(基準点)」や「配点バランス」が異なるため、単純比較はできません。

また、ここでいうボーダーラインは、基本的に過去の試験結果を表すものです。

例えば、2025年度の一次試験合格者最低点が60点だったとしても、2026年度の試験で60点取れば合格できるとは限りません。

試験問題の難易度や受験者の得点状況、採用予定人数などによって、合格ラインは毎年変わる可能性があるためです。

さらに、公務員試験の結果を調べていると、「平均点」「合格者最低点」「基準点」など、似たような用語が出てきます。

これらは意味が異なるため、まずは違いを理解しておきましょう。

平均点・合格者最低点・基準点の違い

公務員試験で使用される主な得点の用語を、以下の表にまとめました。

用語意味
平均点対象となる受験者などの得点を平均したもの
合格者最低点(ボーダーライン)合格者の中で最も低かった得点
基準点(足切りライン)試験種目ごとに設定される最低限必要な得点
素点正解数などから求めた、換算前の点数
標準点平均点や得点のばらつき、配点比率などを考慮して換算した点数

特に間違えやすいのが、「基準点」と「合格者最低点」の違いです。

例えば、40点満点の教養試験について、次のような結果だったとします。

  • 平均点:20点(得点率50%)
  • 基準点:12点(得点率30%)
  • 合格者最低点:24点(得点率60%)

※説明のための仮想例です。

この場合、12点以上得点すれば、教養試験の基準点はクリアできます。

しかし、基準点をクリアしたからといって、一次試験に合格できるわけではありません。

合格者最低点が24点であれば、同じ条件で判定された受験者が20点を取っていても、合格ラインには届いていないことになります。

つまり、基準点は最低限クリアしなければならないラインであり、合格者最低点は実際の合否を分けたラインという違いがあります。

なお、実際の公務員試験では複数の試験種目の点数を合計することが多いため、教養試験だけの点数で合否が決まるとは限りません。

また、平均点についても注意が必要です。

公表されている平均点が「受験者全員の平均点」なのか、「一次試験合格者の平均点」なのかによって、数字の意味が変わります。

平均点を参考にするときは、どの受験者を対象に算出した数値なのか、資料の注釈も確認しましょう。

国家公務員試験の基準点は原則30%

具体例として、2026年度の国家公務員採用一般職試験(大卒程度)を見てみましょう。

人事院が公表している合格者の決定方法では、多肢選択式の筆記試験について、原則として満点の30%が基準点とされています。

そのため、40点満点の専門試験であれば、原則12点が基準点です。

ただし、12点取れば一次試験に合格できるという意味ではありません。

国家一般職試験では、教養区分以外の場合、基礎能力試験と専門試験(多肢選択式)の両方で基準点を満たした受験者を対象に、標準点の合計によって一次試験合格者を決定しています。

つまり、どちらか一方の試験で基準点を下回れば、もう一方で高得点を取っていても不合格になる仕組みです。

出典:2026年度国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験)合格者の決定方法|人事院

このような制度は、受験先によって内容が異なります。

試験勉強を始める際には、目標得点率を決めるだけでなく、受験案内に記載された基準点の有無についても確認しておきましょう。

一次試験と最終合格のボーダーは異なる

公務員試験では、一次試験のボーダーラインと、最終合格のボーダーラインが異なります。

一般的に、一次試験では教養試験・専門試験などの筆記試験を実施し、二次試験では面接試験や論文試験などが行われます。

そのため、一次試験と最終合格では、合否を判断するための試験種目や配点が異なる場合があります。

例えば、次のような試験制度を考えてみましょう。

試験種目配点
一次試験(筆記試験)200点
二次試験(面接試験)300点
合計500点

※説明のための仮想例です。

この試験で、一次試験合格者の最低点が120点だったとします。

一次試験のボーダーラインは、得点率60%です。

一方、最終合格者の総合最低点が300点だった場合、500点満点に対する得点率は60%となります。

どちらも60%ですが、意味は同じではありません。

一次試験の60%は筆記試験の得点率であり、最終合格の60%は筆記試験と面接試験を合計した得点率です。

したがって、最終合格のボーダーラインが60%だからといって、面接試験で60%取れば合格できるという意味ではありません。

また、自治体によっては、一次試験の成績を最終合格の判定に持ち越さず、二次試験以降の成績を中心に合否を決める場合もあります。

三次試験まで実施する自治体もあるため、試験段階ごとの合否判定方法を確認することが大切です。

特に面接試験の合格ラインを調べる場合は、以下の違いに注意してください。

  • 面接試験単独の平均点・最低点
  • 二次試験全体の合格最低点
  • 筆記試験や面接試験などを合計した最終総合得点の最低点

これらは同じ数値ではありません。

公表資料で単に「合格最低点」と記載されている場合は、どの試験種目を対象にした点数なのか確認しましょう。

得点率を比較するときの注意点

公務員試験のボーダーラインを調べると、自治体によって40%、50%、60%など、さまざまな得点率が出てきます。

ただし、得点率が低い自治体ほど合格しやすいとは限りません。

特に注意したいのが、次の4点です。

① 教養試験と専門試験の配点が異なる

自治体によっては、教養試験よりも専門試験の配点が大きく設定されています。

例えば、次の配点だったとします。

試験種目満点受験者の得点得点率
教養試験100点70点70%
専門試験200点100点50%
合計300点170点約56.7%

教養試験と専門試験の得点率を単純に平均すると60%ですが、実際の総合得点率は約56.7%です。

このように、配点が異なる場合は、それぞれの得点率を単純に平均してはいけません。

② 試験問題の難易度が異なる

同じ60%の得点率でも、試験問題の難易度によって意味が異なります。

問題が難しく、受験者の多くが低得点だった場合は、60%でも上位に入る可能性があります。

反対に、問題が比較的簡単で高得点者が多い場合は、60%では合格ラインに届かないことも考えられます。

そのため、ボーダーラインだけでなく、平均点や競争倍率なども併せて確認することをおすすめします。

③ 素点と標準点が異なる

国家公務員試験では、正解数などから求める「素点」を、そのまま合否判定に使用するとは限りません。

例えば、2026年度の国家一般職試験(大卒程度)では、各筆記試験の平均点・標準偏差・配点比率などを用いて算出する標準点が使用されています。

(注:標準偏差とは、受験者の点数が平均点からどの程度ばらついているかを示す指標です。)

標準点を利用することで、試験種目による満点や得点分布の違いを考慮した評価が行われます。

したがって、国家公務員試験で公表されている「合格点」を、単純に満点で割って得点率として解釈することはできません。

一方、基礎能力試験や専門試験の「平均点」は、素点で公表される場合があります。

平均点と合格点が、そもそも異なる点数の仕組みで示されていることがあるという点に注意してください。

出典:国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験)|人事院

④ 資格加点や試験区分の違いがある

一部の自治体では、外国語資格などに応じて得点が加算される制度があります。

その場合、公表されている合格ラインに資格加点が含まれていることもあります。

また、同じ自治体であっても、行政職・技術職・学校事務職など、試験区分によって合格ラインが異なります。

さらに、年度によって試験内容や配点が変更される場合もあります。

そのため、過去のボーダーラインを参考にするときは、次の情報を確認してください。

  • 何年度の試験結果なのか
  • どの自治体・職種・試験区分なのか
  • 一次試験と最終合格のどちらの点数なのか
  • 素点・標準点・換算後の総合得点のどれなのか
  • 科目別の基準点や資格加点が設定されているか

ここまで説明してきたとおり、公務員試験の合格ラインは、単純に得点率だけを比較できるものではありません。

しかし、各自治体や人事院が公表している平均点・合格最低点は、試験の難易度を把握したり、自分の目標点数を考えたりするうえで役立つ情報です。

次章からは、国家公務員試験と地方公務員試験に分けて、実際に公表されている平均点やボーダーラインを紹介します。

国家公務員試験の平均点と合格ライン【2026年度】

国家公務員試験では、受験者の「平均点」や「基準点(足切りライン)」、「合格点」などが人事院から公表されています。

ただし、国家総合職・国家一般職の筆記試験では、平均点や標準偏差などを用いて得点を換算するため、公表されている合格点から、実際に何問正解すれば合格できたのかを単純に求めることはできません。

一方、基礎能力試験や専門試験の平均点については、実際の得点(素点)が公表されています。

そのため、平均点を確認することで、各試験で受験生がどの程度得点していたのかを把握できます。

今回は、人事院が公表している2026年度の試験結果をもとに、国家総合職・国家一般職の平均点や基準点を紹介します。

また、就職氷河期世代枠については、地域ごとの第一次選考通過得点が公表されているため、2024年度の参考データを紹介します。

国家総合職(大卒程度・教養区分を除く)

国家総合職試験は、政策の企画立案などに関わる職員を採用するための試験です。

2026年度の国家総合職試験(大卒程度・教養区分を除く)について、人事院が公表した平均点を見てみましょう。

【教養試験(基礎能力試験・30点満点)】

  • 平均点:13.5点(得点率約45%)
  • 基準点:9点(得点率30%)

教養試験の平均点は13.5点で、得点率にすると45%程度でした。

つまり、受験者の平均得点率は5割を下回っていたことになります。

公務員試験というと、教養試験で6〜7割以上取らなければならないイメージがあるかもしれませんが、国家総合職の2026年度試験では、平均点そのものが半分以下となっています。

ただし、平均点が低いからといって合格しやすいわけではありません。試験問題の難易度や他の受験者の得点状況を考慮する必要があります。

【専門試験(多肢選択式・40点満点)】

専門試験の平均点は、試験区分によって異なります。

区分平均点得点率
政治・国際・人文17.8点約45%
法律17.3点約43%
工学20.2点約50%
森林・自然環境19.4点約49%

※2026年度の平均点を小数第1位に四捨五入。得点率は公表された平均点を40点満点で割り、整数に四捨五入しています。

出典:2026年度国家公務員採用総合職試験(大卒程度・教養区分を除く)合格点及び平均点等一覧|人事院

(※他の試験区分の平均点についても人事院が公表しています。)

専門試験の平均点を見てみると、今回紹介した4区分では、得点率が約43〜50%となっています。

特に法律区分では平均17.3点、政治・国際・人文区分では平均17.8点と、どちらも40点満点の半分を下回っています。

一方、工学区分は平均20.2点と、今回紹介した区分のなかでは比較的高い得点率でした。

私自身、大学では生態学を専攻しており、県職員採用試験や国家公務員試験の林業分野を受験した経験があります。

その経験からも、専門試験は大学で学んだ内容や得意分野によって、問題の解きやすさが大きく変わると感じています。

ただし、試験区分ごとに出題内容や受験者層が異なるため、平均点だけを比較して「どの区分が簡単か」を判断することはできません。

国家総合職試験の基準点は何割?

2026年度の国家総合職試験では、今回紹介した基礎能力試験と専門試験(多肢選択式)の基準点は以下のとおりです。

試験種目満点基準点基準点の得点率
基礎能力試験30点9点30%
専門試験(多肢選択式)40点12点30%

ここで注意していただきたいのが、基準点は合格者最低点ではないということです。

基礎能力試験で9点、専門試験で12点取れば、それぞれの基準点はクリアできます。

しかし、基準点をクリアしただけで一次試験に合格できるわけではありません。

国家総合職では、基礎能力試験や専門試験の成績などをもとに一次試験合格者を決定するため、実際には基準点より高い得点が必要になる場合があります。

また、最終合格までには専門試験(記述式)や人物試験なども関係します。

平均点や基準点を参考にしつつ、受験する試験区分の配点や合格者の決定方法を確認しておきましょう。

国家一般職(大卒程度)

続いて、国家一般職試験(大卒程度)の平均点を紹介します。

国家一般職は、各府省や地方機関などで政策の実施や行政事務などを担う職員を採用するための試験です。

国家総合職と同様に、筆記試験の平均点や基準点、標準点による合格点が公表されています。

【教養試験(基礎能力試験・30点満点)】

  • 平均点:17.1点(得点率約57%)
  • 基準点:9点(得点率30%)

2026年度の教養試験の平均点は17.1点で、得点率にすると約57%でした。

国家総合職の平均13.5点と比較すると、国家一般職の方が約3.6点高い結果です。

ただし、国家総合職と一般職では試験問題や受験者層が異なります。

そのため、平均点に差があるという理由だけで、どちらの試験が難しいと断定することはできません。

【専門試験(多肢選択式・40点満点)】

区分平均点得点率
行政21.6点約54%
土木16.8点約42%
林学19.9点約50%
農学20.1点約50%

※2026年度の平均点を小数第1位に四捨五入。得点率は公表された平均点を40点満点で割り、整数に四捨五入しています。

出典:2026年度国家公務員採用一般職試験(大卒程度)合格点及び平均点等一覧|人事院

(※他の試験区分の平均点についても人事院が公表しています。)

専門試験の平均点を比較すると、今回紹介した4区分では、行政区分が21.6点で最も高く、土木区分が16.8点で最も低くなっています。

特に土木区分は、平均得点率が約42%となっており、受験者の平均点が5割を下回っています。

一方、行政区分の平均得点率は約54%でした。

ここで注目していただきたいのが、専門試験の平均点は、同じ国家一般職でも試験区分によって差があるという点です。

そのため、受験生は国家一般職全体の平均点を見るだけでなく、自分が受験する区分の平均点を確認することが大切です。

例えば、行政区分を受験する方は行政区分の平均点を、林学区分を受験する方は林学区分の平均点を参考にしましょう。

ただし、平均点を上回ったからといって合格できるわけではありません。

国家一般職試験では、専門試験や基礎能力試験の成績を標準点に換算し、一次試験の合否を判断するためです。

国家一般職試験の基準点は何割?

2026年度の国家一般職試験では、今回紹介した区分の基準点は以下のとおりです。

試験種目満点基準点基準点の得点率
基礎能力試験30点9点30%
専門試験(多肢選択式)40点12点30%

国家一般職も、原則として基準点は満点の30%となっています。

ただし、これはあくまで足切りの基準であり、合格の目安となる得点率ではありません。

また、国家一般職は試験区分によって配点が異なり、行政区分では専門試験(多肢選択式)の比重が基礎能力試験よりも大きくなっています。

そのため、単純に教養試験と専門試験で同じ得点率を目指すだけでなく、配点を考慮して勉強することが重要です。

なお、2025年度から国家一般職試験(大卒程度)に「教養区分」が新設されています。

教養区分は専門試験の代わりに課題対応能力試験などが実施されるため、今回紹介した行政区分や技術系区分とは試験内容が異なります。

教養区分を受験する場合は、別途受験案内を確認してください。

就職氷河期世代枠(2024年度の参考データ)

国家公務員の就職氷河期世代枠についても、平均点やボーダーラインが公表されています。

就職氷河期世代枠では、国家総合職や一般職と異なり、地域ごとの「第1次選考通過得点」が公表されているため、具体的に何点取れば一次選考を通過できたのかを確認できます。

今回は、2024年度の試験結果を紹介します。

※2025年度は本選考試験が実施されず、2026年度は再び実施されています。2026年度の第1次選考通過得点は、2026年10月14日時点では未公表のため、以下は2024年度の参考データです。

【教養試験(基礎能力試験・40点満点)】

  • 平均点:21.8点(得点率約54%)
  • 基準点:12点(得点率30%)

2024年度の基礎能力試験の平均点は21.8点でした。

得点率にすると約54%で、受験者は平均して40問中22問程度正解していたことになります。

ただし、就職氷河期世代枠では地域によって競争状況が異なるため、一次選考のボーダーラインにも差が生じています。

【教養試験(40点満点)のボーダーライン】

以下は、2024年度の事務区分における地域別の第1次選考通過得点です。

地域ボーダーライン得点率
北海道21点52.5%
東北19点47.5%
関東甲信越27点67.5%
東海北陸23点57.5%
近畿24点60.0%
中国19点47.5%
四国22点55.0%
九州22点55.0%
沖縄22点55.0%

出典:2024年度中途採用者選考試験(就職氷河期世代)第1次選考通過得点及び平均点等一覧|人事院

この結果を見ると、地域によってボーダーラインに大きな差があることが分かります。

特に関東甲信越では、40点満点中27点、得点率67.5%が一次選考の通過ラインとなっていました。

一方、東北や中国では19点、得点率47.5%が通過ラインです。

つまり、同じ年度・同じ事務区分であっても、地域によって8点もの差が生じていたことになります。

得点率に換算すると、その差は20ポイントです。

これだけ差があると、どの地域を受験するかによって、一次選考を通過するために必要な得点が大きく変わることが分かります。

地域区分で差が大きいですね。競争倍率もボーダーラインに影響していそうです。

実際に、2024年度の関東甲信越の事務区分では、第1次選考の受験者数が1,001人、通過者数が208人となっていました。

一次選考の競争倍率は約4.8倍です。

一方、東北の事務区分では、受験者104人に対して通過者66人で、一次選考の競争倍率は約1.6倍でした。

このように、一次選考の競争倍率にも地域差があります。

もちろん、ボーダーラインの差が競争倍率だけで決まるわけではありません。

受験者の得点分布や採用予定数なども影響するため、倍率だけで正確なボーダーラインを予測することは困難です。

しかし、過去のボーダーラインと競争倍率をセットで確認することは、受験先の競争状況を把握するうえで有効だと考えます。

なお、ここで紹介した数値は、あくまで第1次選考の通過得点です。

その後の作文試験の判定や各府省での採用面接などによって、最終的な合否が決まるため、一次選考を通過できたからといって採用が保証されるわけではありません。

参考:国家公務員中途採用者選考試験(就職氷河期世代)|人事院

国家公務員試験の基準点・標準点の注意事項

ここまで、国家総合職・国家一般職・就職氷河期世代枠の平均点やボーダーラインを紹介してきました。

今回のデータから分かるように、国家公務員試験では平均得点率が5割前後となる試験も少なくありません。

ただし、平均点が低いからといって、5割取れば合格できるというわけではありません。

特に国家総合職と国家一般職では、「基準点」「素点」「標準点による合格点」の違いを理解しておくことが重要です。

基準点は、各試験種目で最低限必要となる点数です。

素点は、正解数などから求められる換算前の点数です。

一方、標準点は、受験者全体の平均点や標準偏差、各試験種目の配点比率などを考慮して算出する点数です。

例えば、2026年度の国家一般職試験(大卒程度・行政関東甲信越区分)では、次の合格点が公表されています。

試験段階合格点
第1次試験320点
最終合格480点

これらは、教養試験や専門試験で320点・480点を取るという意味ではありません。

各試験種目の成績を標準点に換算し、合計した点数による合格ラインです。

そのため、「一次試験の合格点が320点だから、満点の何割を取ればよい」といった単純な計算はできません。

出典:2026年度国家公務員採用一般職試験(大卒程度)合格点及び平均点等一覧|人事院

また、国家一般職では人物試験(面接試験)の評価も最終合格に関わります。

人物試験はA〜Eの5段階で評価され、E評価の場合は、他の試験種目の成績にかかわらず不合格となります。

したがって、筆記試験で高得点を取っていても、面接試験の対策をおろそかにすることはできません。

国家公務員試験の受験を考えている方は、次の3点を意識しておきましょう。

  1. 平均点は、受験者全体の得点状況を把握するための参考情報として使う。
  2. 基準点は必ずクリアし、そのうえで合格を目指せる得点力を身につける。
  3. 合否は標準点や複数の試験種目によって決まるため、筆記試験と面接試験の両方を対策する。

国家公務員試験の平均点や合格ラインを知ることは大切ですが、数字だけにとらわれすぎる必要はありません。

受験する試験区分の特徴を把握し、過去問や模擬試験を活用しながら、安定して得点できる実力を身につけていきましょう。

続いて、地方公務員試験の平均点やボーダーラインを紹介します。

地方公務員試験では、自治体によって配点や合格者の決定方法が異なるため、国家公務員試験とは違った傾向が見られます。

地方公務員の平均点・ボーダーライン【行政職・技術職別】

地方公務員試験では、都道府県や政令指定都市によって平均点やボーダーラインの公表有無が異なります。

国家公務員試験とは異なり、地方公務員試験には全国共通の試験制度がありません。

同じ行政職でも、自治体によって試験科目や配点、合格者の決定方法などが異なります。

そのため、地方公務員試験のボーダーラインを調べる際には、受験先の試験制度を確認することが非常に重要です。

これまで私は、全都道府県と全政令指定都市の採用試験情報を調査してきましたが、平均点や合格者最低点を詳しく公表している自治体は、あまり多くありませんでした。

今回は、私が調べたなかで見つけることのできた自治体のデータを中心に紹介します。

2026年度の最新資料だけでなく、2024〜2025年度の公表資料も含まれていますので、年度の違いに注意しながら参考にしてください。

地方公務員試験の配点の特徴

地方公務員試験では、自治体によって教養試験と専門試験の配点が異なります。

主な特徴は以下のとおりです。

  • 教養試験と専門試験で配点が異なる(例:教養200点・専門300点など)
  • 一部自治体では「各科目で足切り」がある(教養試験で40%未満なら不合格など)
  • 教養試験のみの試験区分(高卒程度、学校事務など)も存在
  • SPIなどの適性検査を導入している自治体もある
  • 一次試験の得点を最終合格の判定に持ち越さない自治体もある

特に注意したいのが、教養試験と専門試験の配点です。

例えば、2025年度の長野県職員採用試験(大学卒業程度・行政A)では、以下の配点となっていました。

試験種目配点
教養試験400点
専門試験800点
合計1,200点

専門試験の配点が教養試験の2倍となっています。

この場合、教養試験と専門試験の得点率を単純に平均しても、正しい総合得点率にはなりません。

例えば、教養試験で70%、専門試験で50%得点したとすると、次のようになります。

  • 教養試験:400点×70%=280点
  • 専門試験:800点×50%=400点
  • 合計:680点/1,200点(約56.7%)

単純平均では60%ですが、実際の総合得点率は約56.7%です。

つまり、専門試験の配点が大きい自治体では、専門試験の出来が総合得点に大きく影響します。

また、長野県では一次試験の基準を満たす必要があり、大学卒業程度の試験では外国語資格による加点制度も設けられています。

受験先ごとの制度を把握することが非常に重要です。

出典:2025年度長野県職員等採用試験1次試験結果(長野県人事委員会)

行政職(大卒程度)

全都道府県と全政令指定都市の採用試験情報を調べてみましたが、平均点とボーダーライン(合格者最低点)を公表している自治体は、あまり多くありませんでした。

今回は、私が調べたなかで見つけることのできた以下の自治体のみ紹介します。

なお、自治体によって公表資料の内容が異なるため、一次試験の合格ラインだけでなく、科目別の最低点や最終合格者の最低点も参考情報として掲載しています。

【行政職の平均点・ボーダーライン一覧】

自治体・年度平均点合格ライン・参考値
北海道(2025)職務基礎力試験:約56%科目別最低点:約30〜33%
福島県(2024)教養約53%・専門約49%最終合格者の科目別最低点:教養30%・専門25%
長野県(2025)教養約62%・専門約55%一次合格ライン:約52%
愛媛県(2025)教養約54%・専門約50%一次合格最低点:約37%
高知県(2026)一次合格者平均:約48%最終合格者の総合最低得点率:50%
徳島県(2025)教養約52%・専門約46%一次合格最低点:約50%
熊本県(2026)非公表一次合格ライン:44%
佐賀県(2025)教養約64%・専門約64%一次合格最低点:約51%
大分県(2026)教養約47%・専門約40%一次合格ライン:約42%
沖縄県(2026)教養約46%・専門約41%一次合格最低点:40%
千葉市(2026)非公表一次合格最低点:約43%

※得点率は公表点数を各試験の満点で割って算出し、原則として小数第1位を四捨五入しています。

※北海道は一般行政A(専門試験型)、福島県は行政事務、長野県は行政A、愛媛県は上級通常型の行政事務、高知県は大学卒業程度・通常型の行政、徳島県は大学卒業程度の行政事務、熊本県は大学卒業程度の行政、佐賀県は大学卒業程度の行政、大分県は上級行政、沖縄県は上級行政、千葉市は上級行政Aのデータです。

※平均点の対象が「受験者全体」か「合格者」かについては、自治体によって異なります。

※北海道の平均点は、職務基礎力試験の社会事情・言語能力と数的・論理的能力の平均点を合算した参考値です。科目別最低点も、それぞれの合格者の最低点であり、同一人物の得点とは限りません。

※福島県の科目別最低点は最終合格者の各試験種目における最低点です。一次試験の合格最低点ではありません。

※長野県の一次合格ラインは外国語資格による加点を含みます。

※高知県の50%は、筆記試験だけではなく、論文・面接などを含めた最終総合得点の最低点です。

※熊本県・大分県・沖縄県・千葉市の合格ラインは、それぞれの公表資料に記載された合計得点・換算得点を満点で割った割合です。単純な正答率とは異なる場合があります。

行政職の一次試験のボーダーラインは40〜50%台となるケースもある

以上、紹介しましたとおり、自治体や試験区分によって合格者最低点には差があるものの、一次試験のボーダーラインが40〜50%台となっている自治体も複数ありました。

例えば、2025年度の長野県行政Aでは、一次試験合格ラインが1,200点満点中620点で、約52%でした。

2025年度の徳島県行政事務では、100点満点中50.1点で、約50%です。

さらに、2026年度の沖縄県上級行政では、一次試験合格者の最低合計点が90点満点中36点となっており、得点率40%でした。

このように、必ずしも筆記試験で7〜8割得点しなければ、一次試験を通過できないわけではありません。

ただし、40%や50%という数字は、あくまで過去の試験結果です。

翌年度も同じ点数で合格できるわけではありません。

得点率は、その年の試験問題の難易度や競争倍率によっても変わります。

注意点として、最低得点を上回っていても、合格基準点を満たさない試験種目がある場合は不合格となります。

(基準点を設定している場合のみ)

自治体によって平均点の公表方法も異なる

もう一つ、重要な点があります。

自治体の資料で「平均点」と記載されていても、受験者全員の平均点と合格者の平均点では意味が異なります。

例えば、2025年度の佐賀県行政職では、一次試験合格者の平均点が次のように公表されています。

試験種目合格者平均点
教養試験(80点満点)50.8点(約64%)
専門試験(120点満点)76.9点(約64%)

一方、一次試験合格者の最低点は200点満点中102.6点で、約51%でした。

つまり、合格者の平均点は約64%でも、一次試験の合格最低点は約51%だったということです。

平均点だけを見ていると、合格するために必要な得点を実際よりも高く見積もってしまう可能性があります。

そのため、受験先の資料を調べる際には、平均点だけでなく、合格最低点や得点の算出方法も確認するようにしましょう。

【行政職の参考資料】

技術職(大卒程度)

技術職についても、全都道府県と全政令指定都市の一次試験のボーダーラインを調べたところ、詳細なデータを公表している自治体はあまり多くありませんでした。

また、技術職では林業・農業・土木・建築・化学など、職種によって受験者数や採用予定人数が異なります。

そのため、技術職のボーダーラインは、自治体や職種によって大きく異なる傾向があります。

まずは、以前の記事でまとめた2023〜2024年度の調査結果を参考に紹介します。

【技術職のボーダーラインの目安:過年度の筆者調査】

職種ボーダーライン
林業44〜54%
農業30〜60%
建築38〜58%
土木32〜52%
電気43〜59%
水産43〜63%
畜産40〜59%
化学30〜63%
保健師53〜61%
管理栄養士48〜63%
心理・福祉32〜58%

※上記は2023〜2024年度の自治体公表情報から、当時の記事で取りまとめた参考値です。全自治体・全年度の最低値と最高値を示したものではありません。

【2025年度・徳島県の技術職等の一次試験合格最低点】

2025年度の徳島県職員採用試験では、職種別の一次試験合格最低点が公表されています。

職種一次試験合格最低得点率
林業48.6%
農業43.7%
建築43.2%
総合土木44.7%
水産52.3%
化学44.3%
保健師43.6%
管理栄養士61.0%
心理43.3%
福祉44.5%

※大学卒業程度の通常試験について、総合得点100点満点に対する一次試験合格者の最低点を掲載。その他の試験方式は含みません。合格者が少ない一部の区分では得点が非公表となっています。

出典:令和7年度徳島県職員等採用試験第1次試験得点状況

徳島県の結果を見ると、林業・農業・建築・土木・化学など、多くの技術系職種で一次試験の合格最低点が40%台となっています。

一方、管理栄養士の一次試験合格最低点は61.0%で、今回紹介した職種のなかでは比較的高い結果でした。

同じ年度の同じ自治体であっても、職種によって合格最低点に差があることが分かります。

ただし、合格最低点が40%台だからといって、試験問題が簡単であったとは限りません。

例えば、専門試験が難しく、受験者全体の得点率が低かった可能性もあります。

技術職では平均点を下回る点数でも一次試験に合格するケースがある

調査をして分かったのが、ボーダーラインが平均点を下回っている自治体も結構あったということです。

例えば、2025年度の徳島県林業職では、一次試験受験者の総合平均点が42.5点だった一方、一次試験合格者の最低点は48.6点でした。

一方、農業職では、受験者の総合平均点が48.7点で、合格者最低点は43.7点となっています。

つまり、農業職では一次試験の合格最低点が受験者の平均点を下回っていました。

自治体や職種によっては受験者数が少なく、採用予定人数との関係で、このような結果が生じることがあります。

また、教養試験と専門試験の合計点で一次試験合格者を決定する場合、科目ごとの最低点が受験者平均を下回るケースも考えられます。

受験生の人数が少ない職種では、少数の受験者の得点によって平均点や合格最低点が大きく変動することもあります。

そのため、技術職のボーダーラインを予測するときは、過去の得点率だけでなく、受験者数・一次試験合格者数・採用予定人数も確認することをおすすめします。

長野県の技術職にも注目

2025年度の長野県職員採用試験では、技術職の一次試験について次の結果が公表されています。

職種専門試験平均点一次試験合格ライン
林業340.0点/800点(42.5%)340点/800点(42.5%)
農業381.2点/800点(約47.7%)320点/800点(40%)
化学428.6点/800点(約53.6%)380点/800点(47.5%)
保健師497.5点/800点(約62.2%)380点/800点(47.5%)
管理栄養士510.0点/800点(約63.8%)520点/800点(65%)

※一次試験合格ラインには外国語資格による加点が反映される場合があります。そのため、表示した割合がそのまま専門試験の正答率を意味するとは限りません。

出典:2025年度長野県職員等採用試験1次試験結果

こちらでも、職種によって一次試験合格ラインに大きな差が生じています。

例えば、農業職では40%、林業職では42.5%だったのに対し、管理栄養士では65%となっています。

伯爵さん
私自身、大学では生態学を専攻し、県職員採用試験の林業職を受験した経験があります。その際は、大学で学んだ知識を活かせる分野もあった一方、林業の専門試験に向けて独学で対策する必要がありました。

技術職は専門分野との相性によって、勉強の進めやすさが大きく変わります。

そのため、ボーダーラインが低いという理由だけで受験先を選ぶのではなく、自分の専門分野や試験科目も考慮することが重要だと思います。

自治体によって合格ラインが異なる理由

ここまで行政職・技術職のボーダーラインを紹介してきましたが、自治体によって大きな差があることが分かりました。

では、なぜこれほど差が生じるのでしょうか。

主な要因として考えられるのは、以下の4つです。

① 試験問題の難易度が異なる

試験問題が難しければ、受験者全体の平均点が低くなり、合格最低点も下がる可能性があります。

反対に、比較的簡単な問題が多く出題された場合は、受験者の得点率が高くなり、ボーダーラインが上昇することもあります。

そのため、得点率が低い自治体ほど簡単に合格できるとは限りません。

② 受験者数と採用予定人数が異なる

同じ100人が受験した場合でも、採用予定人数が10人なのか50人なのかによって、競争状況は大きく変わります。

特に技術職では、採用予定人数に対して受験者数が少ないケースもあります。

ただし、受験者数が少ないからといって必ず合格できるわけではありません。

自治体によっては、基準点を満たす受験生がいなければ、採用予定人数を下回る人数しか合格させないこともあります。

③ 受験者の得点分布が異なる

競争倍率が同じでも、受験者の学力や得点の分布によって合格最低点は変わります。

例えば、得点率70%以上の受験者が多い試験と、50%前後の受験者が多い試験では、ボーダーラインも異なる可能性があります。

そのため、競争倍率だけでボーダーラインを正確に予測することはできません。

④ 試験制度・配点が異なる

自治体によっては、教養試験と専門試験の配点が大きく異なります。

また、SPIなどの適性検査を使用する自治体や、専門試験を実施しない試験区分もあります。

さらに、資格加点や科目別の基準点を設定している自治体もあるため、同じ得点率であっても意味が異なる場合があります。

こうした制度の違いは、受験案内を確認することで把握できます。

受験先のボーダーラインを調べるときのポイント

ここまでの調査結果から、私は次の3点をセットで確認することをおすすめします。

  1. 過去の合格最低点・平均点:どの程度の得点で合格できたのかを把握する。
  2. 競争倍率・採用予定人数:その試験の競争状況を確認する。
  3. 試験科目・配点・基準点:何を重点的に勉強するべきか判断する。

ボーダーラインが非公表の場合でも、受験者数や一次試験合格者数、採用予定人数などは公表されていることがあります。

これらを確認すれば、過去の得点状況が分からなくても、受験先の競争状況をある程度把握できます。

ただし、倍率が低いからといって、勉強をおろそかにしてよいわけではありません。

ボーダーラインはあくまで過去の試験結果です。

合格を目指すのであれば、まずは6〜7割程度を安定して得点できる実力を身につけ、自分が受験する自治体の試験制度に合わせて対策を進めていきましょう。

次章では、地方公務員試験の面接試験について、平均点や合格ライン、競争倍率を詳しく紹介します。

面接試験の合格ラインと競争倍率まとめ|平均点も紹介

筆記試験に合格しても、面接試験で不合格となるケースは多くあります。

公務員試験では、一次試験の筆記試験で高得点を取ったとしても、面接試験の結果によって最終不合格となることがあります。

反対に、筆記試験では合格者の下位だった受験生が、面接試験で高い評価を受けて逆転合格するケースもあります。

そのため、公務員試験で最終合格を勝ち取るには、筆記試験だけでなく、面接試験でどの程度得点する必要があるのかを把握しておくことが重要です。

今回は、面接試験の平均点・ボーダーラインと競争倍率を公表している自治体を調査しました。

ただし、自治体によって試験制度や公表している点数の種類が異なるため、単純に比較することはできません。

以下で詳しく紹介します。

面接試験の平均点と合格ライン

まずは、実際に面接試験の平均点や合格最低点が公表されている自治体を見てみましょう。

【地方公務員試験の面接平均点・合格ライン一覧】

自治体・年度面接試験の平均得点率合格ライン・最低点
北海道(2025)約63%面接単独の最低点35%
山口県(2025)約50%面接単独の最低点は非公表
愛媛県(2025)非公表最終総合得点の最低点約49%
岡山県(2026)今回確認した資料では不明今回確認した資料では不明
高知県(2026)非公表最終総合得点の最低点50%
熊本県(2026)非公表第三次試験の合格ライン65%
大分県(2026)約62%最終総合得点の合格ライン約51%
千葉市(2026)非公表第二次試験の合格最低点50%

※主に大学卒業程度の行政職を対象としています。北海道は一般行政A(専門試験型)、山口県は通常型の行政、愛媛県は上級通常型の行政事務、岡山県は県職員Aの行政、高知県は大学卒業程度・通常型の行政、熊本県は大学卒業程度の行政、大分県は上級行政、千葉市は上級行政Aです。

※面接試験の平均点と合格ラインは、同じ試験種目の数値とは限りません。総合得点などを含む数値は、表内にその旨を明記しています。

※熊本県は三次試験まで実施しています。65%は第三次試験の合格ライン195点/300点であり、面接単独の最低点を意味するものではありません。

この表を見ると、面接試験単独の平均点を公表している自治体では、得点率50〜60%台となっています。

例えば、2025年度の北海道一般行政A(専門試験型)では、個別面接試験の平均点が20点満点中12.59点で、約63%でした。

一方、各試験段階の合格者のうち最下位の人の面接得点は7点で、得点率35%となっています。

同じ年度・試験区分でも、面接試験の平均点と最低点に大きな差があることが分かります。

また、2025年度の山口県職員採用試験(大学卒業程度・通常型・行政)では、口述試験の平均点が140点満点中70.25点で、得点率約50%でした。

2026年度の大分県上級行政では、面接試験の平均点が340点満点中211.96点で、約62%となっています。

今回確認できた面接単独の平均点には、自治体によって10ポイント以上の差がありました。

ただし、この違いだけで「北海道の面接は点数が取りやすい」「山口県の面接は厳しい」と判断することはできません。

面接試験の配点や評価基準、平均点の算出対象が自治体によって異なるためです。

また、面接試験の平均点を公表していない自治体もあります。

そのため、受験先の面接試験の難易度を把握するときは、平均点だけでなく、競争倍率や面接試験の配点なども併せて確認することをおすすめします。

面接単独の得点と最終総合得点の違い

面接試験のボーダーラインを調べるうえで注意したいのが、「面接単独の最低点」と「最終総合得点の最低点」は異なるということです。

例えば、2025年度の愛媛県職員採用試験(上級通常型・行政事務)では、以下の配点となっていました。

試験種目配点
教養試験50点
専門試験40点
口述試験290点
作文試験50点
合計430点

愛媛県が公表した二次試験合格者の総合最低点は212点でした。

得点率に換算すると約49%です。

ただし、これは筆記試験と口述試験、作文試験を合計した得点です。

面接試験だけで49%得点すれば合格できたという意味ではありません。

さらに注目したいのが、口述試験の配点です。

430点満点のうち、口述試験だけで290点が配点されています。

つまり、総合得点に占める口述試験の割合は約67%にもなります。

このような試験制度では、面接試験の得点が最終合格に大きく影響すると考えられます。

一方、自治体によっては、筆記試験と面接試験の配点が異なったり、一次試験の得点を最終合格の判定に持ち越さなかったりする場合もあります。

そのため、面接試験の合格ラインを調べる際は、次の3点を確認しましょう。

  • 面接試験単独の平均点・最低点なのか
  • 二次試験全体の合格最低点なのか
  • 筆記試験や面接試験などを合計した最終総合得点の最低点なのか

これらを区別しておけば、合格ラインを誤って解釈することを防げます。

また、面接試験には「基準点(足切りライン)」を設定している自治体もあります。

例えば、2026年度の熊本県職員採用試験(大学卒業程度)では、二次試験の面接試験について、200点満点中120点が合格基準として設定されています。

つまり、面接試験で60%以上の得点が必要となります。

このような基準点を下回った場合、他の試験種目で高得点を取っていても不合格となる可能性があります。

公務員試験では、面接試験の総合評価だけでなく、科目ごとの基準点にも注意することが大切です。

面接試験の競争倍率と合格率

続いて、面接試験の競争倍率について紹介します。

競争倍率を見ると、筆記試験を通過した後に、どの程度の受験生が最終合格できているのかを把握できます。

ただし、公務員試験では、一次試験合格者の全員が二次試験を受験するとは限りません。

そのため、「一次試験合格者数÷最終合格者数」と「二次試験受験者数÷二次試験合格者数」では、倍率が異なる場合があります。

まずは、8自治体について、一次試験合格者数と最終合格者数を比較してみましょう。

【一次試験合格から最終合格までの競争倍率】

自治体・年度一次合格者数最終合格者数倍率
北海道(2025)127人49人約2.6倍
山口県(2025)78人49人約1.6倍
愛媛県(2025)213人95人約2.2倍
岡山県(2026)170人80人約2.1倍
高知県(2026)103人57人約1.8倍
熊本県(2026)135人78人約1.7倍
大分県(2026)55人39人約1.4倍
千葉市(2026)129人80人約1.6倍

※倍率は「一次試験合格者数÷最終合格者数」で算出しています。二次試験を欠席・辞退した人が含まれる場合があるため、実際の二次試験受験倍率とは異なります。

※熊本県は三次試験まで実施されるため、一次試験合格から三次試験の最終合格までの倍率を示しています。

以上の結果を見ると、今回紹介した8自治体では、一次試験合格者数に対する最終合格者数の倍率が約1.4〜2.6倍となっています。

例えば、北海道では一次試験合格者127人に対して、最終合格者は49人でした。

倍率は約2.6倍で、一次試験に合格した人のうち、最終合格した人の割合は約39%です。

一方、大分県では一次試験合格者55人に対し、最終合格者39人で、倍率は約1.4倍でした。

このように、自治体によって一次試験突破後の競争状況にも差があります。

今回紹介した自治体では、倍率が2倍を下回るケースも多く見られました。

ただし、一次試験に合格した人の半分以上が最終合格している自治体でも、面接対策をおろそかにしてよいわけではありません。

面接試験に基準点が設定されている場合は、総合順位が高くても不合格となることがあります。

また、今回の結果は主に行政職の一部の試験区分を対象としたものであり、他の職種ではもっと競争倍率が高い場合もあります。

自治体によって大きく異なるので、あくまで参考値としてください。

実際の二次試験受験者を基準にすると倍率は変わる

ここで、もう少し詳しく競争倍率を見てみましょう。

例えば、2025年度の山口県職員採用試験(大学卒業程度・通常型・行政)では、次の結果でした。

  • 一次試験合格者:78人
  • 二次試験の有効受験者:69人
  • 最終合格者:49人

一次試験合格者数を基準にすると、

78人÷49人=約1.6倍

となります。

一方、実際に二次試験を有効に受験した69人を基準にすると、

69人÷49人=約1.4倍

です。

つまり、二次試験を受験した人に限れば、約71%が最終合格している計算になります。

このように、どの人数を使って計算するかによって倍率が異なります。

また、熊本県のように三次試験まで実施する自治体では、各段階の倍率を分けて考える必要があります。

2026年度の熊本県行政職では、以下の結果となりました。

試験段階受験者数合格者数倍率
二次試験121人86人約1.4倍
三次試験82人78人約1.1倍

二次試験では約1.4倍だったのに対し、三次試験では約1.1倍となっています。

つまり、三次試験まで進めば、実際に受験した人の多くが最終合格していたことになります。

ただし、三次試験の合格率が高いのは、それまでの一次・二次試験で受験者が選抜されていることも関係していると考えられます。

単純に「三次試験は簡単」と判断しないようにしましょう。

このように、公務員試験の面接倍率を調べるときは、試験段階と受験者数の定義を確認することが重要です。

筆記下位からの逆転合格は可能なのか

公務員試験では、筆記試験で上位だった受験生が、面接試験で逆転されることがあります。

逆に、筆記試験では下位だった受験生が、面接試験で高い評価を受けて最終合格することもあります。

ただし、どの程度の逆転が可能なのかは、自治体の試験制度や配点によって異なります。

例えば、一次試験と二次試験の得点を合計して最終合格者を決める自治体では、筆記試験の点数が最終順位にも影響します。

一方、一次試験の成績を最終合格の判定に持ち越さない自治体では、二次試験の結果が非常に重要になります。

伯爵さん
実際に私自身、県職員採用試験(小中学校事務職)では、筆記試験28位から面接試験4位となり、最終合格した経験があります。

筆記試験では合格者の中位程度でしたが、面接試験では上位に入ることができました。

この経験からも、一次試験を突破した後は、筆記試験の順位にとらわれすぎず、面接対策に集中することが重要だと感じています。

ただし、面接で高得点を取れば必ず逆転できるというわけではありません。

筆記試験の配点が大きい場合や、二次試験の基準点を満たせない場合などには、最終合格が難しくなることもあります。

【面接の注意点と対策のポイント】

  • 筆記で上位でも、面接で逆転されるケースがある
  • 面接試験の配点や評価基準を確認する
  • 面接カードの書き方や想定問答の準備が重要
  • 面接官の評価には「伝え方・表情・姿勢」などの印象面も影響する
  • 志望動機や自己PRは、具体的な経験を交えて説明できるようにする
  • 面接練習を行い、質問に対して自然に答えられるようにする

特に大切なのが、面接カードと想定問答の準備です。

面接では、志望動機や自己PRの内容だけでなく、これまでの経験や、なぜその自治体で働きたいのかなども詳しく質問されます。

そのため、面接カードに書いた内容について、自分の言葉で具体的に説明できるようにしておくことが重要です。

また、面接官から予想していなかった質問をされた場合でも、慌てずに質問の意図を考え、落ち着いて回答することを心がけましょう。

私はこれまで公務員試験の面接対策や面接カードの添削などを行ってきましたが、面接対策では、回答内容を暗記するだけでなく、自分自身の経験や考えを整理しておくことが大切だと考えています。

筆記試験を突破した後は、面接試験で十分に力を発揮できるように、早めに準備を進めておきましょう。

なお、私自身の筆記試験・面接試験の得点率や順位については、後ほど実際の受験体験談として詳しく紹介します。

【参考資料】

ボーダーラインを受けての感想・考察

今回、全国の自治体や国家試験のボーダーラインを調査・比較してみて、筆者としては「想像以上に得点率が低い(=チャンスがある)」というのが正直な感想でした。

特に行政職や技術職において、40〜50%程度の得点で一次試験を通過できるケースもあり、「7割取れないと合格できない」と思い込んでいた受験生にとっては大きな希望となるはずです。

例えば、2025年度の徳島県職員採用試験では、行政事務の一次試験合格最低点が50.1%、農業職では43.7%となっていました。

また、2025年度の長野県職員採用試験(行政A)では、一次試験の合格ラインが1,200点満点中620点で、得点率に換算すると約52%でした。

※長野県の合格ラインには、外国語資格による加点が含まれています。

これらの結果を見ると、公務員試験は必ずしも高得点を取らなければ合格できない試験ではないことが分かります。

また、技術職のように受験者が少ない職種では、40%台の得点率でも一次試験を通過している例が見られました。

自治体や職種によっては、試験内容自体の難易度だけでなく、「競争倍率」や「採用予定人数」も合否に影響している印象を受けました。

ただし、競争倍率が低ければ必ず合格しやすいというわけではありません。

実際には、試験問題の難易度や受験者の得点分布、科目ごとの基準点なども関係するため、倍率だけで合格ラインを判断することはできません。

一方で、佐賀県や長野県のように、教養試験や専門試験の平均得点率が60%前後となる自治体もあります。

例えば、2025年度の佐賀県行政職では、一次試験合格者の平均点が教養試験約64%、専門試験約64%でした。

ただし、一次試験合格者の総合最低点は200点満点中102.6点で、約51%です。

つまり、合格者の平均得点率が60%を超えていても、ボーダーラインまで60%を超えているとは限らないということです。

このような違いを知っておくと、公務員試験に対する見方も変わってくるのではないでしょうか。

面接試験についても、自治体ごとの傾向の違いが如実に表れていました。

特に印象的だったのは、筆記試験よりも面接試験の配点が大きい自治体があることです。

例えば、2025年度の愛媛県職員採用試験(上級通常型・行政事務)では、総合430点満点のうち、口述試験が290点を占めていました。

総合得点の約67%が口述試験に配分されている計算です。

このような試験では、筆記試験で上位に入っていたとしても、面接試験の出来によって最終順位が大きく変わる可能性があります。

一方、面接試験の平均点やボーダーラインには、自治体ごとに公表方法の違いがあります。

面接単独の点数を公表している自治体もあれば、筆記試験や論文試験を含む総合得点だけを公表している自治体もあるため、得点率だけで単純に比較することはできません。

また、面接試験に基準点を設けている自治体では、一定の評価を得られなければ、それまでの筆記試験の成績にかかわらず不合格となることもあります。

そのため、筆記試験のボーダーラインが低いからといって、最終合格まで簡単だとは考えない方がよいでしょう。

以上から、公務員試験は「得点率70%以上を安定して取れなければ受からない」というよりも、「科目ごとに基準点を下回らないようにバランスよく得点し、まずは6〜7割を目安に勉強する」というのが現実的な戦い方だと考えます。

もちろん、6〜7割得点できれば必ず合格できるわけではありません。

競争倍率が高い試験や、高得点者が多い試験では、さらに高い得点が必要になる可能性もあります。

また、国家公務員試験のように標準点を利用する試験では、単純な得点率だけで合格ラインを判断することはできません。

そのため、受験先の過去のボーダーラインを確認したうえで、自分に必要な目標得点率を設定することが重要です。

逆にいえば、得意・不得意の差が大きすぎる受験生や、試験制度の細かい条件(加点、配点、面接倍率)を無視した戦略で臨む人ほど、合格が遠のいてしまう可能性があります。

特に、試験種目ごとに基準点が設定されている場合は注意が必要です。

例えば、教養試験で高得点を取っても、専門試験で基準点を下回れば不合格となる試験もあります。

反対に、専門試験の配点が大きい自治体では、専門試験でしっかり得点することが合格に近づくための重要なポイントとなります。

ただ、すべての科目を完璧にする必要はありません。

出題数や配点、自分の得意・不得意を踏まえて、効率よく得点できるように勉強を進めることが大切です。

今後受験される皆さんには、単なる得点力だけではなく、「配点や競争状況を読み取る情報分析力」も養っていただきたいと思います。

今回紹介したボーダーラインは、あくまで過去の試験結果です。

しかし、過去の合格最低点や平均点を調べることで、目標点数を設定したり、受験先に合わせた勉強方法を考えたりすることができます。

ぜひ、受験予定の自治体の公式サイトを確認し、過去の試験結果を調べてみてください。

「何となく7割を目指す」のではなく、「なぜ7割を目指すのか」を理解したうえで勉強することが、効率的な公務員試験対策につながると考えています。

公務員試験で合格を勝ち取るための戦略

ここまで、国家公務員・地方公務員の平均点やボーダーラインを紹介してきました。

今回の調査結果から、一次試験の合格最低点が40〜50%台となっている試験もあることが分かりました。

しかし、ボーダーラインが低いからといって、勉強量を減らしてよいわけではありません。

公務員試験は、試験問題の難易度や競争倍率、採用予定人数などによって、毎年合格ラインが変動する可能性があります。

そのため、過去の最低点だけを目標にするのではなく、余裕を持って一次試験を突破できる実力を身につけることが重要です。

まずは、以下の得点率を一つの目安にしてください。

【ボーダーラインを意識した学習のポイント】

  • 最低ラインの参考値:40〜60%程度(今回調査した試験で見られた一次試験合格最低点の目安)
  • 目標ライン:65〜75%程度
  • 高倍率の自治体では「数問」「数点」の差で順位が大きく変動することがある

※最低ラインは必要最低得点を保証する数値ではありません。また、目標ラインも合格を保証するものではなく、受験先に応じた調整が必要です。

伯爵さん
私自身、県職員採用試験(地方上級・林業職)では、教養試験・専門試験ともに75〜80%程度得点し、最終合格することができました。

もちろん、ここまで高い得点率を取らなければ合格できないわけではありません。

しかし、筆記試験で余裕を持って得点できれば、一次試験の結果に必要以上に不安を感じず、その後の面接対策にも取り組みやすくなります。

では、具体的にどのような戦略で勉強を進めればよいのでしょうか。

まずは6〜7割を目標に勉強する

公務員試験の一次試験対策では、まず6〜7割、できれば65〜75%程度の得点率を一つの目標として勉強することをおすすめします。

その理由は、今回紹介した行政職・技術職のなかに、一次試験の合格最低点が40〜50%台となっている例が複数あったためです。

例えば、前年の一次試験ボーダーラインが50%だった場合、70%得点できれば20ポイント上回ることになります。

もちろん、翌年度の試験も同じボーダーラインになるとは限りません。

試験問題が簡単になったり、高得点者が増えたりすれば、合格最低点が上昇する可能性もあります。

そのため、過去のボーダーラインを上回るだけで安心せず、できるだけ得点を安定させておくことが重要です。

また、実際に勉強するときは、目標得点率だけでなく、「あと何問正解すれば目標に届くのか」を意識しましょう。

例えば、40問出題される教養試験では、次のようになります。

正解数得点率
20問50%
24問60%
26問65%
28問70%
30問75%
32問80%

※1問あたりの配点が同じで、誤答による減点がない場合の例です。

40問中24問正解できている受験生であれば、28問正解できるようになるだけで、得点率は60%から70%に上昇します。

つまり、あと4問正解できるようにするだけで、得点率を10ポイント伸ばせるということです。

このように考えると、漠然と「7割を目指そう」とするよりも、具体的な勉強計画を立てやすくなります。

もちろん、4問正解を増やすことが簡単とは限りません。

しかし、苦手な問題をすべて克服するよりも、頻出分野や正答できそうな問題を優先することで、効率よく得点を伸ばせる可能性があります。

特に、独学で勉強している受験生や、勉強時間を十分に確保できない社会人の方は、出題数や自分の得意・不得意を意識して勉強することが大切です。

関連記事:【独学合格】元県職員が教える公務員教養試験の独学勉強法9選と短期合格のコツ

教養と専門の配点から目標点数を逆算する

公務員試験で効率よく合格を目指すためには、教養試験と専門試験の配点を確認し、どちらに力を入れるべきか考えることも重要です。

自治体によっては、教養試験よりも専門試験の配点が大きく設定されています。

例えば、2025年度の長野県職員採用試験(大学卒業程度・行政A)では、以下の配点となっていました。

試験種目配点
教養試験400点
専門試験800点
合計1,200点

出典:2025年度長野県職員等採用試験1次試験結果(長野県人事委員会)

専門試験の配点が教養試験の2倍となっています。

それでは、教養試験と専門試験で異なる得点率を取った場合、総合得点率がどのように変化するのか見てみましょう。

【教養・専門の得点率と総合得点の比較】

教養試験専門試験総合得点総合得点率
70%50%680点約56.7%
50%70%760点約63.3%
70%65%800点約66.7%
60%75%840点70.0%
70%70%840点70.0%

※長野県行政Aの配点を使った計算例です。資格加点は含めていません。

例えば、教養試験70%・専門試験50%の場合、総合得点率は約56.7%です。

一方、教養試験50%・専門試験70%の場合は、総合得点率が約63.3%となります。

どちらも教養試験と専門試験の得点率を単純平均すると60%ですが、実際の総合得点率には約6.7ポイントもの差が生じます。

これは、専門試験の配点が大きいためです。

また、この配点では、教養試験の得点率を10ポイント上げると40点増えるのに対し、専門試験の得点率を10ポイント上げると80点増えます。

つまり、同じ10ポイントの得点率向上でも、専門試験の方が総合得点への影響が大きいということです。

ただし、だからといって専門試験だけを勉強すればよいわけではありません。

教養試験にも基準点が設定されている場合がありますし、得点を伸ばしやすい科目は受験生によって異なります。

そのため、次の順番で勉強戦略を立てることをおすすめします。

  1. 受験案内で教養試験と専門試験の配点を確認する。
  2. 過去問や模擬試験で現在の得点率を把握する。
  3. 総合得点率65〜75%程度を一つの目標として考える。
  4. 配点が大きく、得点を伸ばしやすい科目を優先する。
  5. 基準点を下回る可能性のある試験種目は、優先的に対策する。

配点が大きい科目に勉強時間を多く割くことは、一つの有効な戦略です。

ただし、すべての公務員試験で同じ配点が採用されているわけではありません。

特に国家公務員試験では、素点を標準点に換算して合否を判定するため、単純な得点率の計算だけで合格ラインを求めることはできません。

必ず受験先の試験制度に合わせて目標点数を設定しましょう。

科目別の基準点(足切り)に注意する

公務員試験で合格を目指すうえで、忘れてはいけないのが「足切り」対策です。

自治体や試験区分によっては、各試験種目に最低限必要な得点である「基準点」が設定されています。

基準点を下回った場合、総合得点が高くても不合格となることがあります。

【足切り対策のポイント】

  • 教養試験などで基準点を下回ると不合格になる試験がある。
  • 苦手科目の放置は危険。
  • バランス重視の得点戦略をとる。
  • 基準点をクリアしたうえで、配点の大きい科目を重点的に対策する。

例えば、2026年度の国家一般職試験(大卒程度・教養区分以外)では、基礎能力試験と専門試験(多肢選択式)の基準点が、それぞれ満点の30%とされています。

試験種目満点基準点
基礎能力試験30点9点
専門試験(多肢選択式)40点12点

どちらか一方の試験で基準点を下回った場合、もう一方で高得点を取っていても一次試験に合格できません。

出典:2026年度国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験)合格者の決定方法|人事院

ただし、国家一般職の30%という基準点が、すべての地方公務員試験に当てはまるわけではありません。

また、ここでいう基準点は、基礎能力試験や専門試験といった試験種目ごとの基準です。数的推理や日本史など、個々の出題分野ごとに30%以上得点しなければならないという意味ではありません。

そのため、「苦手科目を一切作ってはいけない」と考える必要もありません。

私自身、公務員試験の独学では、出題数の少ない科目に必要以上に時間をかけず、重点的に勉強する科目を絞っていました。

公務員試験は出題範囲が非常に広いため、すべての分野を完璧にするのは現実的ではありません。

大切なのは、足切りを回避しながら、合格に必要な総合得点を確保することです。

そのためには、受験先の基準点を確認したうえで、出題数の多い分野や得意科目を中心に効率よく得点を積み重ねていきましょう。

模試の得点率別に取り組むべき対策

最後に、現在の得点率に応じた勉強方法を紹介します。

公務員試験の勉強では、参考書を何冊も購入したり、長時間勉強したりするだけでは、必ずしも得点が伸びるとは限りません。

重要なのは、現在の実力を把握し、どのような勉強をすれば得点を伸ばせるのか考えることです。

まずは、過去問や模擬試験を解いて、現在の得点率を確認してください。

そのうえで、以下の対策を参考にしてみましょう。

現在の得点率優先して取り組む対策
40%未満基礎知識の習得と頻出問題の反復
40〜50%台頻出分野の得点力向上、苦手分野の整理
60%台間違えた問題の分析、時間配分の改善
70%台得点の安定化、応用問題や本番形式の演習
80%以上実力維持と、面接・論文対策への時間配分

※模試の得点率だけで合格可能性を判断するものではありません。模試の難易度、受験者層、試験本番までの残り期間なども考慮してください。

【得点率40%未満の方】

まずは基礎知識を身につけることを優先しましょう。

難問ばかりに取り組むよりも、頻出分野の基本問題を繰り返し解くことが大切です。

また、解説を読んでも理解できない問題が多い場合は、参考書や入門書を使って基本事項から学習してください。

【得点率40〜50%台の方】

基本的な知識がある程度身についてきた段階です。

この段階では、頻出分野を中心に正答率を高めることが重要です。

間違えた問題について、知識不足だったのか、解法を理解していなかったのか、時間が足りなかったのかを分析しましょう。

特に、過去問で繰り返し出題されている分野は重点的に対策することをおすすめします。

過去問を繰り返しても得点が伸びない場合は、学習方法そのものを見直すことも大切です。

独学で十分に対策できる人もいますが、苦手科目の解説を受けたい方や、学習計画を立てるのが難しい方は、通信講座の利用も検討してみましょう。

▶ 公務員通信講座11社を比較|自分に合った講座の選び方

【得点率60%台の方】

6割程度得点できるようになったら、次は7割前後を安定して取ることを目指しましょう。

新しい参考書を次々に購入するよりも、これまで解いた問題を復習し、間違えやすい問題を確実に正解できるようにすることが重要です。

また、本番では時間制限があるため、時間を計って問題を解く練習も取り入れましょう。

【得点率70%台の方】

7割程度得点できる実力があれば、今回紹介した一部自治体の過去のボーダーラインを上回る水準です。

ただし、すべての試験で合格できるという意味ではありません。

本番で実力を発揮できるように、模擬試験や過去問を使って得点の安定化を図りましょう。

また、筆記試験だけでなく、面接試験や論文試験の対策も計画的に進めることをおすすめします。

【得点率80%以上の方】

安定して8割以上得点できている場合は、筆記試験の実力を維持しながら、面接試験などにも勉強時間を配分することを検討しましょう。

公務員試験では、筆記試験で上位に入っても、面接試験で不合格となる可能性があります。

そのため、筆記試験だけを完璧にしようとするのではなく、最終合格までを見据えた対策が必要です。

 

毎日長時間勉強することが難しくても、継続して取り組むことには意味があります。

ただし、試験本番までの期間が短い場合や、まだ基礎知識が不足している場合は、学習時間を増やすなどの調整が必要です。

まずは今日、次の3つを実践してみてください。

  1. 受験先の試験配点・基準点を確認する。
  2. 過去問を1年分解いて、現在の得点率を把握する。
  3. 目標得点率との差を確認し、優先して勉強する科目を決める。

この3つを行うだけでも、今後の勉強方針がかなり明確になるはずです。

公務員試験の勉強では、やみくもに勉強時間を増やすよりも、合格に必要な得点を考え、優先順位を決めて取り組むことが重要だと考えています。

次章では、実際に競争倍率が高い公務員試験で、わずかな得点差が順位や合否にどのような影響を与えるのか、私自身の受験経験も交えて紹介します。

競争倍率が高倍率の場合は「数問」「数点」の差で合否が決まる

公務員試験では、競争倍率が高い場合、「数問」「数点」の差で合否が決まることがあります。

特に、受験者の得点が一定の範囲に集中している試験では、わずかな得点差でも順位が大きく変わる可能性があります。

そのため、過去のボーダーラインを少し上回っているからといって、必ずしも安心できるわけではありません。

例えば、2025年度の長野県職員採用試験(高校卒業程度・行政職)では、以下の結果が公表されています。

項目2025年度の試験結果
一次試験受験者数44人
一次試験合格者数31人
最終合格者数12人
一次試験倍率約1.4倍
最終倍率約3.7倍
一次試験合格ライン216点/400点(54%)

出典:長野県人事委員会・採用関係資料コーナー

※一次試験倍率は44人÷31人、最終倍率は44人÷12人で算出しています。54%は公表された配点に対する合格ラインの割合です。

この年度の一次試験倍率は約1.4倍、合格ラインは54%となっていました。

ただし、これは2025年度の結果であり、翌年度も同じ得点率で合格できるわけではありません。

受験者数や採用予定人数、試験問題の難易度などによって、ボーダーラインは変わります。

また、競争倍率が高い試験ほど、必ずボーダーラインも高くなるというわけではありません。

倍率が高くても、試験問題が難しければ合格最低点が低くなる可能性があります。

反対に、競争倍率がそれほど高くなくても、高得点者が多ければ合格最低点が高くなることも考えられます。

重要なのは競争倍率そのものだけでなく、受験者の得点分布や合格者数を確認することです。

そして、合格ライン付近に多くの受験者が集まっている試験では、1問の正解・不正解が大きな意味を持つこともあります。

例えば、40問の教養試験(各問同じ配点)で考えると、次のようになります。

正解数得点率
28問70%
29問72.5%
30問75%
31問77.5%
32問80%

このように、40問の試験では、たった1問の差で得点率が2.5ポイント変わります。

仮にボーダーラインが75%だった場合、29問正解した受験生は合格ラインに届きませんが、30問正解した受験生は届く計算です。

※説明のための仮想例です。実際の試験では、科目別の配点や基準点、資格加点などによって合否判定が異なります。

もちろん、すべての公務員試験で1問の差が合否を左右するわけではありません。

しかし、受験者の得点が接近している場合は、わずかな得点差が合否に影響することを理解しておきましょう。

私が受験した県職員採用試験の得点率と競争倍率

以下に、私の公務員試験の得点率を参考までに書いておきます。

【県職員採用試験(地方上級・技術職)の得点率】

教養試験約80%、専門試験約80%で1位採用でした。(最終倍率33倍)

私が受験したのは、大学卒業程度の林業職です。

当時の採用予定人数は若干名で、最終的に合格したのは私1人だけでした。

筆記試験では教養試験・専門試験ともに75〜80%程度得点でき、筆記試験の順位は2位、面接試験では1位でした。

最終倍率は33倍だったので、決して簡単な試験ではありませんでした。

ただし、このときの試験では、筆記試験で高得点を取れていたことが、一次試験突破につながったと考えています。

もちろん、これは私が受験した年度・試験区分での経験です。

他の自治体や職種でも8割取らなければ合格できないという意味ではありません。

【県職員採用試験(小中学校事務職)の得点率】

一次試験合格最低ラインが70%、一次試験合格者が56人。

私が得点率74%で28位でした。

つまり、私より下位の28人は、合格最低ラインの70%から私の74%までの間にいたことになります。

一次試験1位の人は得点率85%だったと本人から聞きました。(最終倍率約14倍)

この小中学校事務職の試験では、筆記試験の得点率が74%だったにもかかわらず、順位は28位でした。

一次試験合格者56人のうち、ちょうど中位あたりの順位だったわけです。

そして、一次試験の合格最低ラインは70%でした。

得点率70〜74%という、わずか4ポイントの範囲に、少なくとも私と私より下位の合格者が集まっていたことになります。

※順位・得点率は当時の受験結果に基づくものです。得点率は概数であり、同点者の有無などによって厳密な人数の解釈が変わる可能性があります。

これは、私自身にとっても印象に残っている結果です。

実際の受験では、一次試験の得点率が70%を超えていたとしても、安心できない場合があることを実感しました。

仮に試験が50問構成で、各問題の配点が同じだったとすると、70%と74%の差はわずか2問です。

つまり、問題数や配点によっては、たった数問の差のなかに多くの受験生が集中していることもあるということです。

こうした試験では、正解できるはずだった問題を落とさないことが非常に重要になります。

難問を解けるようにすることも大切ですが、それ以上に基本問題や頻出問題で確実に得点することが、合格への近道になる場合があります。

合格ライン付近に受験生が集中している場合は要注意

ここまでの私の受験経験からも、公務員試験では得点率だけでなく、順位を意識することが大切だと感じています。

例えば、次のような2つの試験があったとします。

【試験A】

  • 一次試験合格最低点:70%
  • 得点率70〜75%に多数の受験者が集中
  • 1〜2問の差で順位が大きく変わる可能性がある

【試験B】

  • 一次試験合格最低点:70%
  • 受験者の得点が比較的広く分散
  • 1〜2問の差による順位変動が比較的小さい場合もある

※説明のための仮想例です。

どちらも合格最低点は70%ですが、受験者の得点分布が異なるため、同じ得点差でも順位への影響が違ってくる可能性があります。

このことから、ボーダーラインを見る際には、可能であれば平均点や得点分布も確認することをおすすめします。

ただし、多くの自治体では得点分布まで公表されていません。

そのため、実際には過去の合格最低点や平均点、競争倍率などを参考にしながら、ある程度余裕を持った目標点数を設定することが現実的です。

高倍率の公務員試験に合格するための3つのポイント

競争倍率が高い試験を受験する場合、私は以下の3つを意識することが大切だと考えています。

① 基本問題・頻出問題を確実に正解する

公務員試験は出題範囲が広いため、すべての分野を完璧にすることは簡単ではありません。

そのため、難問ばかりに時間をかけるのではなく、過去問で繰り返し出題されている基本問題や頻出問題を確実に正解できるようにしましょう。

特に、合格ライン付近に受験生が集中する試験では、基本問題の取りこぼしが順位に影響する可能性があります。

② 過去のボーダーラインより余裕を持った点数を目指す

例えば、前年の一次試験合格最低点が60%だった場合、60%を目標にするのではなく、70%程度を目指すことをおすすめします。

ただし、これはあくまで学習上の目安です。

実際には、試験問題の難易度や過去の得点状況によって、必要な目標点数は異なります。

高倍率の試験では、過去の合格最低点だけでなく、合格者の平均点なども参考にして目標を設定しましょう。

③ 筆記試験の合格後を見据えて面接対策も進める

公務員試験では、筆記試験に合格しても、面接試験で不合格になる場合があります。

私自身、小中学校事務職の採用試験では、筆記試験28位から面接試験4位となり、最終合格することができました。

筆記試験で思うような順位を取れなかったとしても、その後の面接試験で挽回できる可能性があります。

ただし、一次試験の得点を最終合格の判定に持ち越すかどうかは、自治体の試験制度によって異なります。

そのため、筆記試験と面接試験の両方を計画的に対策することが重要です。

今回紹介した私の受験経験は、あくまで一例です。

しかし、高倍率の試験ではわずかな得点差が順位に大きく影響することがあり、筆記試験と面接試験のどちらも最後まで気を抜けないということは、ぜひ意識していただきたいと思います。

次章では、私が実際に受験した県職員採用試験について、筆記試験と面接試験の得点率や順位をさらに詳しく紹介します。

筆記・面接試験の得点率と順位の体験談【県職員採用試験】

ここで、私の筆記試験&面接試験の得点と順位を紹介します。

これまで、全国の公務員試験の平均点やボーダーラインを紹介してきましたが、実際に受験した人が何点取って、何位で合格・不合格になったのかは、気になる方も多いと思います。

私自身、これまでに複数の公務員採用試験を受験し、筆記試験で上位に入った経験や、面接試験で逆転した経験があります。

一方で、筆記試験では上位だったにもかかわらず、面接試験で思うような結果を残せず、不合格となった経験もあります。

公務員試験では、筆記試験の得点率や順位が、そのまま最終合格につながるとは限りません。

これから紹介するのは、あくまで私個人の受験結果ですが、筆記試験と面接試験の関係を理解するうえで参考になれば幸いです。

筆記試験の得点及び順位(経験談)

私は大学4年時に某県の「大卒程度・林業職」、併願で「国・林野庁」を受験しました。

大学の専攻は生態学だったので、林業はほぼ独学で勉強しました。

試験年の2月から勉強を始めて、6月頃に筆記試験がありましたので、勉強期間は5ヶ月間。

期間的には短いですが、大学受験より勉強した感覚があります。

公務員試験は出題範囲が広く、特に教養試験は数的処理や文章理解、社会科学、自然科学など、さまざまな分野を勉強する必要があります。

さらに、林業職の場合は専門試験の対策も必要です。

私は大学で生態学を学んでいたため、専門試験の内容と重なる部分もありましたが、林業に関するすべての分野を大学で学んでいたわけではありません。

そのため、専門試験についても独学で知識を補いながら対策を進めました。

試験までの期間が限られていたので、すべての分野を完璧にすることよりも、合格に必要な得点を取れるように勉強することを意識していました。

私が受験した県の林業職は採用予定数が若干名となっていましたが、結局最終合格したのは私1人だけでした。(最終倍率33倍)

私の教養試験・専門試験の得点率は両方とも75〜80%程度。

筆記試験の順位は2位でした。

教養試験はなかなか難しかったのですが、専門試験が思っていた以上に簡単で時間がかなり余ったのを覚えています。

専門試験中、トイレに行きましたが、それでもかなり時間が余りました。

もちろん、これは私が受験した年度の話です。

林業職の専門試験が毎年簡単というわけではありませんし、出題内容や難易度は自治体によっても異なります。

ただ、実際に受験してみて感じたのは、自分の専門分野と試験内容が合っている場合、独学でも十分に高得点を狙える可能性があるということです。

また、私の場合は教養試験・専門試験ともに75〜80%程度得点できたことで、一次試験を突破することができました。

最終的には面接試験で1位となり、採用試験に合格することができました。

この経験から、筆記試験では過去問を中心に必要な知識を身につけ、できるだけ安定して得点できる実力を養うことが重要だと感じています。

ただし、先ほど紹介した全国のボーダーラインを見ても分かるように、すべての公務員試験で8割近い得点が必要というわけではありません。

受験先の試験制度や合格ラインを確認し、自分に必要な目標点数を設定しましょう。

面接試験の得点及び順位(経験談)

参考に私の面接試験の「得点」と「順位」を紹介します(記憶や成績表があるもののみ)。

公務員試験は、試験後に自分の成績を確認できる制度が設けられている場合がありますので、受験した際はぜひ成績の開示方法を調べてみてください。

自治体や試験区分によって開示対象、請求方法、受付期間などが異なるため、受験案内を確認することが大切です。

【私の公務員試験における面接得点率と順位】

試験面接得点率面接順位筆記順位結果
県職員(地方上級・林業職)大学4年時70%程度1位2位合格
県職員(小中学校事務職)33歳時70%4位28位合格
県職員(障害者枠)37歳時50%29位3位不合格

※林業職の面接得点率は当時の記憶に基づく概数です。

※小中学校事務職の面接試験倍率は約2.5倍、障害者枠の面接試験倍率は約2.8倍でした。

※各試験の受験者数は、林業職33人、小中学校事務職264人、障害者枠61人でした。

※異なる年度・試験区分の結果であり、面接の配点や評価基準が同一とは限りません。

① 県職員(地方上級・林業職):筆記2位・面接1位で合格

大学4年時に受験した林業職では、筆記試験2位、面接試験1位となり、最終合格することができました。

面接試験の得点率は、記憶では70%程度だったと思います。

このときは筆記試験でも上位に入っていたため、筆記・面接の両方で良い結果を残すことができました。

最終倍率は33倍でしたので、合格できたときはうれしかったですね。

ただし、面接試験で70%得点できれば必ず1位になれるというわけではありません。

面接の評価方法や受験者の得点分布によって、同じ得点率でも順位は変わります。

② 県職員(小中学校事務職):筆記28位・面接4位で合格

33歳のときに受験した小中学校事務職では、筆記試験28位、面接試験4位でした。

面接試験の得点率は70%です。

一次試験合格者は56人で、私の筆記試験の得点率は74%でした。

一次試験の合格最低ラインは70%だったため、筆記試験では決して余裕のある順位ではありませんでした。

しかし、面接試験では4位に入ることができ、最終合格することができました。

この経験から、筆記試験の順位がそれほど高くなくても、面接試験で十分に挽回できる可能性があると感じました。

もちろん、一次試験の得点を最終合格の判定に持ち越すかどうかや、面接試験の配点は自治体によって異なります。

そのため、すべての試験で同じように逆転できるわけではありません。

ただ、筆記試験にギリギリで合格したとしても、そこで諦める必要はないと思います。

一次試験を突破できたのであれば、その後の面接試験に向けて、できる限りの準備をしておきましょう。

③ 県職員(障害者枠):筆記3位・面接29位で不合格

一方、37歳のときに受験した障害者枠の県職員採用試験では、筆記試験3位だったものの、面接試験は29位となり、最終不合格となりました。

面接試験の得点率は50%でした。

なお、この試験では面接官の中に知人がいましたが、それが評価に影響したかどうかは分かりません。

この結果は、私自身にとっても印象に残っています。

筆記試験で上位に入っていたとしても、面接試験で十分な評価を得られなければ、最終合格できない場合があるということを改めて実感しました。

もちろん、面接試験で不合格になった理由を、得点率や順位だけから正確に判断することはできません。

しかし、少なくとも私の場合は、筆記試験の成績が良かっただけでは最終合格につながりませんでした。

この経験からも、公務員試験では筆記試験と面接試験の両方をしっかり対策することが重要だと考えています。

受験経験から分かった筆記と面接の重要性

以上、私が受験した3つの公務員試験の得点率と順位を紹介しました。

この結果を振り返ってみると、いくつか分かったことがあります。

① 面接試験で70%程度取れれば、上位に入れる可能性がある

私の場合、林業職では面接試験70%程度で1位、小中学校事務職では70%で4位となりました。

一方、障害者枠では50%で29位という結果でした。

もちろん、受験した年度や試験区分が違うため、単純には比較できません。

面接試験の評価基準や配点も自治体によって異なります。

そのため、「面接で70%取れれば合格できる」と考えるのは危険です。

ただ、私自身の受験経験では、面接で70%程度の評価を受けたときに上位の順位となっていました。

面接試験の目標を考えるうえで、一つの参考例にはなると思います。

② 筆記試験の順位が低くても、面接で挽回できる場合がある

小中学校事務職の採用試験では、筆記28位から面接4位となり、最終合格しました。

公務員試験では、一次試験を突破した後に面接試験で評価される機会があります。

一次試験の順位が高くなかったとしても、面接試験で高い評価を受けることで、最終合格につながる可能性があります。

特に、面接試験の配点が大きい自治体では、面接対策の重要性が高くなります。

ただし、筆記試験の得点を最終合格に持ち越す自治体もあるため、受験先の合否判定方法を確認しておきましょう。

③ 筆記試験が上位でも、面接で不合格になる場合がある

障害者枠の採用試験では、筆記3位だったにもかかわらず、面接29位となり、最終不合格となりました。

筆記試験の高得点だけでは、必ずしも最終合格できないことを示す私自身の経験です。

そのため、筆記試験に自信がある受験生も、面接対策をおろそかにしないようにしてください。

面接カードの内容を整理し、志望動機や自己PR、これまでの経験などについて、自分の言葉で説明できるように準備しておくことが大切です。

④ 試験結果の開示を活用することもおすすめ

公務員試験では、試験終了後に自分の得点や順位を確認できる場合があります。

例えば、2026年度の国家一般職試験(大卒程度)では、人事院のパーソナルレコードから個人の試験結果を閲覧できる期間が設けられています。

地方公務員試験でも、自治体によって成績開示制度があります。

開示される内容は試験によって異なりますが、次のような情報を確認できる場合があります。

  • 筆記試験の得点
  • 面接試験の得点
  • 各試験の順位
  • 総合得点や最終順位

試験後にこうした情報を確認できれば、自分の得意・不得意や、次回受験に向けた改善点を考える参考になります。

ただし、合格者・不合格者によって開示対象が異なることや、申請期限が設けられていることもあるため、必ず受験案内で確認してください。

参考:国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験)|人事院

私自身、試験結果の得点や順位を確認することで、筆記試験と面接試験の評価の違いを実感しました。

今回の体験談でお伝えしたかったのは、筆記試験の点数だけで合否を判断せず、最終合格までしっかり対策することの大切さです。

公務員試験では、筆記試験で思うような順位を取れなくても、面接試験で挽回できる場合があります。

一方で、筆記試験で上位だったとしても、面接試験で不合格となる可能性があります。

そのため、筆記試験ではできるだけ余裕を持って一次試験を突破できる実力を身につけ、その後の面接試験にも十分な時間をかけて対策することをおすすめします。

ぜひ、私の受験経験も参考にしていただければと思います。

よくある質問(Q&A)

Q&A

最後に、公務員試験の平均点やボーダーラインについて、受験生からよくある質問をまとめました。

「5割でも合格できるの?」「筆記試験の順位が低くても面接で逆転できる?」など、気になる疑問について解説します。

Q1. 公務員試験は5割でも合格できますか?

A. 受験する自治体や試験区分によっては、得点率5割程度でも一次試験に合格できる場合があります。

実際に、2025年度の徳島県職員採用試験では、行政事務の一次試験合格最低点が50.1%、学校事務では40.7%となっていました。

また、2025年度の長野県職員採用試験(大学卒業程度・行政A)では、一次試験の合格ラインが1,200点満点中620点で、約52%でした。

※長野県の合格ラインには外国語資格による加点が含まれるため、単純な筆記試験の正答率ではありません。

このように、公務員試験では、必ずしも7〜8割の得点が必要というわけではありません。

ただし、5割取れれば必ず合格できるという意味ではありません。

試験問題の難易度や競争倍率、採用予定人数などによって、ボーダーラインは毎年変わる可能性があります。

そのため、過去の合格最低点が5割程度だったとしても、最初から5割を目標に勉強することはおすすめしません。

受験先の過去の結果を確認したうえで、まずは6〜7割程度を一つの目標として勉強を進めましょう。

参考:【元県職員が解説】公務員試験の難易度は?国・県・市の合格率を徹底比較

Q2. 教養試験と専門試験は、どちらを優先して勉強するべきですか?

A. 基本的には、試験科目の配点と現在の得点力を考慮し、得点を伸ばしやすい科目を優先することをおすすめします。

例えば、教養試験と専門試験の配点が同じであれば、得点を伸ばしやすい方を重点的に勉強する方法が考えられます。

一方、専門試験の配点が教養試験の2倍となっている自治体では、専門試験で高得点を取ることが、総合得点を伸ばすうえで重要になります。

ただし、各試験種目に基準点が設定されている場合は注意が必要です。

例えば、2026年度の国家一般職試験(大卒程度・教養区分以外)では、基礎能力試験と専門試験(多肢選択式)の基準点が、それぞれ原則として満点の30%となっています。

どちらか一方で基準点を下回れば、もう一方で高得点を取っていても不合格となります。

そのため、苦手な試験種目で基準点を下回らないようにしながら、配点の大きい試験種目を重点的に対策することが大切です。

また、専門試験が実施されない試験区分では、教養試験や適性検査などの対策が中心となります。

まずは受験先の試験案内を確認し、自分に必要な勉強の優先順位を決めましょう。

関連記事:【独学合格】元県職員が教える公務員教養試験の独学勉強法9選と短期合格のコツ

Q3. ボーダーラインより高い点数を取っても不合格になることはありますか?

A. あります。各試験種目の基準点を満たしていない場合や、面接試験などの結果によっては不合格になることがあります。

例えば、過去の一次試験合格最低点が60%だった自治体で、今年の試験で65%得点できたとします。

しかし、今年の試験問題が簡単で高得点者が多かった場合、ボーダーラインが70%まで上がる可能性もあります。

そのため、前年のボーダーラインを超えただけでは、合格できるとは限りません。

また、試験種目ごとに基準点が設定されている場合は、総合得点が高くても不合格になることがあります。

さらに、一次試験に合格した後、面接試験で不合格となるケースもあります。

例えば、2026年度の国家一般職試験(大卒程度)では、人物試験がA〜Eの5段階で評価され、E評価の場合は、他の試験種目の成績にかかわらず不合格となります。

公務員試験では、単純な得点率だけでなく、基準点・配点・面接評価なども合否に関係します。

ボーダーラインを参考にするときは、何の試験に対する最低点なのか、どのような条件で合格者が決定されるのかを確認しておきましょう。

Q4. 筆記試験がギリギリでも、面接で逆転合格できますか?

A. はい。筆記試験で下位だったとしても、面接試験で高い評価を受けて逆転合格できる場合があります。

実際に私自身、県職員採用試験(小中学校事務職)では、筆記試験28位から面接試験4位となり、最終合格した経験があります。

筆記試験の得点率は74%で、一次試験の合格最低ラインは70%でした。

筆記試験では決して余裕のある順位ではありませんでしたが、面接試験で上位に入ることができました。

一方、別の県職員採用試験では、筆記試験3位だったにもかかわらず、面接試験29位となり、最終不合格となったこともあります。

この経験からも、筆記試験の順位だけで、最終合格できるかどうかを判断することはできないと感じています。

なお、面接試験の平均点は自治体によって異なります。

今回調査した自治体では、面接試験の平均得点率が50〜60%台となっている例がありました。

ただし、面接試験の評価基準や配点は自治体によって異なるため、「面接で7割取れば必ず合格できる」といった全国共通の基準はありません。

また、筆記試験の得点を最終合格の判定に持ち越す自治体もあるため、必ず逆転できるわけではありません。

一次試験に合格したのであれば、順位を気にしすぎず、面接カードの作成や想定問答の準備、模擬面接などに取り組みましょう。

関連記事:【保存版】公務員試験面接カードの書き方マニュアル

Q5. 面接がうまくいったのに不合格でした。なぜですか?再受験するべきでしょうか?

A. 面接がうまくいったと感じても、実際の評価や総合順位が合格ラインに届いていなければ、不合格となることがあります。

面接試験では、自分では十分に回答できたと思っていても、面接官の評価が必ずしも高いとは限りません。

また、自治体によっては、面接試験だけでなく、筆記試験や論文試験などの得点を合計して最終合格者を決定しています。

その場合、面接試験で一定の評価を得ていても、総合得点が合格ラインに届かない可能性があります。

逆に、筆記試験で上位だったとしても、面接試験で十分な評価を得られず、不合格となることもあります。

私自身、筆記試験3位でありながら、面接試験29位となり、不合格になった経験があります。

そのため、面接試験で不合格になったからといって、必ずしも受験先の選択や勉強方法が間違っていたとは限りません。

一次試験に合格できたのであれば、再受験を検討する価値は十分にあると思います。

ただし、次回も同じような結果にならないよう、不合格となった原因をできるだけ整理しておきましょう。

例えば、以下の点を確認してみてください。

  • 面接カードの内容は具体的だったか
  • 志望動機を自分の言葉で説明できたか
  • 質問に対して的確に回答できたか
  • 想定外の質問にも落ち着いて対応できたか
  • 面接練習は十分だったか

また、自治体によっては試験後に自分の得点や順位を開示してもらえる場合があります。

成績開示制度が利用できるのであれば、まずは結果を確認してみることをおすすめします。

実際の得点や順位が分かれば、次回の受験に向けて改善すべき点を考える参考になります。

ただし、成績だけで面接官の具体的な評価理由まで分かるとは限りません。

再受験する場合は、筆記試験の実力を維持しながら、面接対策を重点的に見直すとよいでしょう。

関連記事:公務員面接カードの書き方|志望動機・自己PRの例文・コツ・注意点

Q6. 技術職は行政職より点数が取りやすいですか?

A. 職種や専門分野によって異なるため、一概にはいえません。ただし、行政職よりも一次試験の合格最低点が低い技術職もあります。

例えば、2025年度の徳島県職員採用試験では、行政事務の一次試験合格最低点が50.1%だったのに対し、農業職は43.7%、総合土木職は44.7%でした。

一方、管理栄養士は61.0%となっており、行政事務よりも高い結果でした。

このように、同じ自治体でも職種によって合格最低点が大きく異なります。

ただし、合格最低点が低いからといって、問題が簡単だとは限りません。

専門試験の難易度が高く、受験者全体の平均点が低かった可能性もあります。

また、技術職では大学で学んだ専門分野によって、問題の解きやすさが大きく変わります。

私自身、大学では生態学を専攻しており、県職員採用試験の林業職を受験しました。

林業についてはほぼ独学で対策しましたが、大学で学んだ知識を活かせる分野もあり、専門試験では75〜80%程度得点することができました。

この経験からも、技術職を受験する場合は、ボーダーラインの低さだけでなく、自分の専門分野との相性も考えて受験先を選ぶことが大切だと思います。

Q7. ボーダーラインが非公表の場合、どうやって予測すればよいですか?

A. 過去の競争倍率や採用予定人数、試験科目・配点などを参考にすると、受験先の競争状況をある程度把握できます。

今回、全国の自治体を調べてみて分かりましたが、「平均点」や「ボーダーライン」を公表している自治体は少ないです。

(私の調べ方が足りないのかもしれませんが^^;)

そのため、ボーダーラインが非公表の場合は、以下の情報を確認してみましょう。

  1. 過去の競争倍率:受験者数に対して、どの程度の人が一次試験を通過しているか。
  2. 採用予定人数:採用予定数に大きな変更がないか。
  3. 申込者数・受験者数:前年と比較して受験者が増えているか。
  4. 試験科目・配点:教養試験・専門試験の配点や基準点がどうなっているか。
  5. 過去の試験結果:平均点や合格最低点が公表されていないか、改めて確認する。

特に、試験申込み期間終了後に公表される申込者数は、一つの参考情報になります。

ただし、申込者全員が実際に受験するわけではありません。

そのため、申込者数から求めた倍率と、実際の受験者数をもとに計算した競争倍率は異なる場合があります。

また、倍率が高いからといって、必ずボーダーラインが高くなるわけではありません。

問題の難易度や受験者の得点分布によっても、合格最低点は変わります。

したがって、競争倍率だけで「今年のボーダーラインは何%になる」と正確に予測することは困難です。

受験先の過去のデータを参考にしつつ、まずは6〜7割程度を安定して得点できる実力を身につけることをおすすめします。

また、受験する自治体の公式サイトでは、例年、申込者数や受験者数、合格者数などの試験実施状況が公表されています。

ボーダーラインが分からない場合でも、これらの情報を確認し、自分なりに受験先の競争状況を分析してみましょう。

まとめ|まずは6~7割を安定して取れる実力を

今回は、国家公務員・地方公務員の平均点やボーダーラインについて、実際に公表されているデータをもとに紹介しました。

公務員試験のボーダーラインは、自治体・職種・年度によって差がありますが、今回の調査から、次のことが分かりました。

  • 一次試験の合格最低点は40〜50%台となるケースもある
  • 試験問題の難易度や競争倍率によって、ボーダーラインは変動する
  • 教養試験・専門試験の配点や基準点(足切り)に注意が必要
  • 筆記試験で上位でも、面接試験で不合格となる場合がある
  • 面接試験の配点が大きく、筆記下位から逆転合格できる試験もある

特に印象的だったのは、公務員試験では必ずしも7〜8割の得点が必要というわけではないことです。

実際に、行政職や技術職では、得点率40〜50%台で一次試験を通過している例も複数ありました。

ただし、これはあくまで過去の試験結果です。

ボーダーラインが低いからといって、勉強をおろそかにしてよいわけではありません。

試験問題が簡単になったり、高得点者が増えたりすれば、翌年度のボーダーラインが上昇する可能性もあります。

そのため、合格を目指すなら、まずは6〜7割、できれば70%以上を安定して得点できる実力を身につけることをおすすめします。

もちろん、70%取れば必ず合格できるという意味ではありません。

国家公務員試験のように標準点で合否を判定する試験もあるため、受験先の試験制度を確認したうえで目標点数を設定することが重要です。

また、私自身の受験経験からも、公務員試験では筆記試験だけでなく、面接試験の対策が非常に重要だと感じています。

私は県職員採用試験で、筆記試験28位から面接試験4位となり、最終合格した経験があります。

一方で、筆記試験3位だったにもかかわらず、面接試験29位となり、不合格となった経験もあります。

このように、公務員試験では筆記試験の順位だけで最終的な合否が決まるとは限りません。

筆記試験で合格に必要な得点を確保しながら、面接試験まで見据えて準備を進めることが大切です。

まずは今日からこの3つを始めましょう

公務員試験のボーダーラインを調べたら、次は実際の勉強に活かしていきましょう。

まずは、以下の3つから始めることをおすすめします。

① 受験先の試験制度を確認する

受験する自治体や試験区分の公式サイトで、教養試験・専門試験の配点、基準点、過去の試験結果などを確認しましょう。

② 過去問を解いて現在の実力を把握する

まずは過去問を1年分解き、自分が何割程度得点できるのか確認してください。

試験までの残り期間が短い場合でも、現在の実力を知ることで、優先して勉強する科目を判断しやすくなります。

③ 目標得点率を決めて勉強計画を立てる

受験先のボーダーラインや配点を参考にしながら、まずは6〜7割程度を一つの目標として、具体的な勉強計画を立てましょう。

大切なのは、やみくもに勉強するのではなく、合格に必要な得点を意識して、効率よく対策を進めることです。

私自身、公務員試験をほぼ独学で勉強し、県職員採用試験に合格することができました。

独学で合格するためには、勉強時間を確保することはもちろんですが、出題傾向を把握し、優先順位を決めて取り組むことが重要だと考えています。

世間一般的には「一次試験は7割以上を目指せ」と言われることも多いので、とりあえず70%以上を一つの目標にして、試験勉強を頑張りましょう!

独学や面接対策に不安がある方へ

独学で勉強している方や、面接試験の対策に不安がある方は、私が出版している書籍もぜひチェックしてみてください!

公務員試験の受験経験をもとに、独学での勉強方法や面接対策の考え方をまとめています。

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公務員試験は、正しい情報を集め、自分に合った勉強方法で対策を進めることが重要です。

今回紹介した平均点やボーダーラインを参考に、ぜひ合格を目指して頑張ってください!