今回の記事では公務員試験の教養試験・専門試験の「平均点やボーダーライン(合格者最低点)」について、シンプルにご紹介します。
なお、本記事を書いている伯爵さんは、県庁職員(約9年)及び学校事務職員(約1年)の経歴があります。
- 国家公務員の教養試験・専門試験の基準点 → 満点の約30%(基準点未満だと不合格)
- 国家公務員(総合職)の教養試験の平均得点率 → 約42%
- 国家公務員(一般職)の教養試験の平均得点率 → 約57%
- 地方公務員(大卒・行政職)の一次試験ボーダーライン → 長野県約53%、愛媛県53%、高知県約48%、千葉市約53%
公務員の教養試験・専門試験の平均点やボーダーラインってどのくらい?
国家公務員試験の「基準点」と「平均点」(就職氷河期世代枠はボーダー公表)
国家公務員試験の筆記試験の得点は、平均点や標準偏差を用いて算出するため、ボーダーライン(合格最低得点)は分かりませんが、「基準点」と「平均点」は公表されています。
【基準点】いわゆる「足切りライン」のことで、満点の30%以上を取らないと「不合格」となります。
なお、就職氷河期世代枠だけは、ボーダーライン(通過得点)が公表されていましたので、参考に紹介します。
総合職(大卒程度・教養区分除く)の平均点
【教養試験(基礎能力試験)】平均点16.6点(得点率約42%)(満点40点)
【専門試験(多肢選択式)】(一部抜粋)
区分 | 平均点(満点40点) |
---|---|
政治・国際 | 16.6点(得点率約42%) |
法律 | 19.5点(49%) |
工学 | 17.2点(43%) |
森林・自然環境 | 18.2点(46%) |
※数値は2022年度国家公務員採用総合職試験(大卒程度)(教養区分を除く)合格点及び平均点等一覧より抜粋しています。(他の区分も全て公表されています)
一般職(大卒程度)の平均点
【教養試験(基礎能力試験)】平均点22.9点(57%)(満点40点)
【専門試験(多肢選択式)】(一部抜粋)
区分 | 平均点(満点40点) |
---|---|
行政 | 21.0点(53%) |
土木 | 20.7点(52%) |
林学 | 23.2点(58%) |
農学 | 21.4点(54%) |
※数値は2022年度国家公務員採用一般職試験(大卒程度)合格点及び平均点等一覧より抜粋しています。(他の区分も全て公表されています)
就職氷河期世代枠の平均点とボーダーライン
【教養試験(基礎能力試験)】平均点21.345点(約53%)(満点40点)
【教養試験(基礎能力試験)】ボーダーライン(満点40点)
ここでは就職氷河期世代枠の事務区分のデータを掲載します。
地域 | ボーダーライン |
---|---|
北海道 | 23点(得点率57.5%) |
東北 | 22点(55%) |
関東甲信越 | 29点(72.5%) |
東海北陸 | 23点(57.5%) |
近畿 | 26点(65%) |
中国 | 21点(52.5%) |
四国 | 22点(55%) |
九州 | 20点(50%) |
沖縄 | 25点(62.5%) |
(参考データ:「2022年度中途採用者選考試験(就職氷河期世代)第1次選考通過得点及び平均点等一覧」)
地方公務員試験の「平均点」と「ボーダーライン」
平均点とボーダーライン(合格者最低点)を公表している自治体があまりありませんでした。
今回は公表しているなかで、
- 長野県
- 愛媛県
- 高知県
- 千葉市
の「平均点」と「ボーダーライン」のみをご紹介します。
長野県
数値は2021年度長野県職員等採用試験1次試験結果(平均点及び合格ライン)より抜粋しています。
(他の区分も全て公表されています)
また、長野県の基準点は満点の40%となっています。(40%未満の場合は不合格)
試験区分 | 平均点(教養試験) | 平均点(専門試験) | 1次試験合格ライン | 配点 |
---|---|---|---|---|
行政A(大卒程度) | 239(63%) | 447(57%) | 640(53%) | 教養400/専門800 |
行政(高卒程度) | 257(61%) | ー | 304(76%) | 教養400 |
警察職員(大卒) | 167(46%) | 158(35%) | 350(44%) | 教養400/専門400 |
小中学校事務 | 242(58%) | ー | 280(70%) | 教養400 |
愛媛県
数値は令和3年度愛媛県職員等採用候補者試験状況より抜粋しています。
(他の区分も全て公表されています)
試験区分 | 教養試験(50点満点) | 専門試験(40点満点) | 教養+専門(90点満点) | ||
---|---|---|---|---|---|
行政事務A(上級) | 平均点 | ボーダーライン | 平均点 | ボーダーライン | ボーダーライン |
26.7点 | 20点(40%) | 21.5点 | 17点(43%) | 48点(53%) | |
学校事務 | 平均点 | ボーダーライン | 平均点 | ボーダーライン | ボーダーライン |
23.7点 | 17点(34%) | 19.1点 | 13点(33%) | 38点(42%) |
高知県
数値は高知県職員採用試験実施状況令和4年度より抜粋しています。
(他の区分も全て公表されています)
行政、警察事務、学校事務、社会福祉の配点は教養試験50点・専門試験50点、その他職種の配点は教養40点・専門60点となっています。
また、合格基準点(3割)に達しない種目がある場合は不合格となります。
試験区分(上級) | 1次試験平均点(満点100点) | 一次試験合格者最低点(満点100点) |
---|---|---|
行政 | 48点 | 48点 |
土木 | 56点 | 47点 |
林業 | 46点 | 33点 |
社会福祉(児童福祉) | 43点 | 39点 |
千葉市
数値は千葉市職員募集試験実施データ2022年度より抜粋しています。
(他の区分も全て公表されています)
一次試験は教養試験・専門試験で、配点は教養100・専門100です。
試験区分 | 一次試験合格者最低点 |
---|---|
上級行政A | 212点(53%)※満点400点 |
上級福祉 | 153点(38%)※満点400点 |
上級土木 | 160点(40%)※満点400点 |
中級学校事務 | 94点(47%)※満点200点 |
初級事務 | 60点(60%)※満点100点 |
以上、紹介しましたとおり、自治体や試験区分で「合格者最低点」にはあまり差がありませんでした。
【行政職(大卒程度)の一次試験合格者最低得点率】
- 長野県 53%
- 愛媛県 53%
- 高知県 48%
- 千葉市 53%
得点率は、その年の試験問題の難易度や競争率によっても変わります。
注意点として、最低得点を上回っていても、合格基準点を満たさない試験種目がある場合は不合格となります。
(基準点を設定している場合のみ)
競争倍率が高倍率の場合は「数問」・「数点」の差で合否が決まる
今回紹介したなかでは、長野県の行政職(高卒程度)の競争倍率が高く(1次試験倍率3.7倍、最終倍率7.9倍)、それに伴い一次試験のボーダーラインが76%と非常に高くなっています。
このように競争倍率が高い試験では数問・数点の差で合否が決まってきます。
以下に私の公務員試験の得点率を参考までに書いておきます。
【県職員採用試験(地方上級・技術職)の得点率】
教養試験約80%、専門試験約80%で1位採用でした。(最終倍率33倍)
【県職員採用試験(小中学校事務職)の得点率】
一次試験合格最低ラインが70%、一次試験合格者が56人。
私が得点率74%で28位、ですので28人が70~74%の中にいたことに。
一次試験1位の人は得点率85%だったと本人から聞きました。(最終倍率約14倍)
今回調べて分かりましたが、「平均点」や「ボーダーライン」を公表している自治体は少ないです。
(私の調べ方が足りないのかもしれませんが^^;)
ですので、試験申込み期間終了後に公表される申込者数で、その年の倍率がおおよそ分かるので、そこからある程度ボーダーラインを予測してもいいと思います。
世間一般的には「一次試験は7割以上を目指せ」と言われることが多いので、とりあえず70%以上を目指して試験勉強を頑張りましょう!
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