今回の記事では公務員試験の教養試験・専門試験の「平均点やボーダーライン(合格者最低点)」について、シンプルにご紹介します。
なお、本記事を書いている伯爵さんは、県庁職員(約9年)及び学校事務職員(約1年)の経歴があります。(記事の信頼性あり)
- 国家公務員の教養試験・専門試験の基準点 → 満点の約30%(基準点未満だと不合格)
- 国家公務員(総合職)の教養試験の平均得点率 → 約49%
- 国家公務員(一般職)の教養試験の平均得点率 → 約48%
- 地方公務員(大卒・行政職)の一次試験ボーダーライン → 長野県約63%、愛媛県50%、高知県約57%、千葉市約49%
公務員の教養試験・専門試験の平均点やボーダーラインってどのくらい?
国家公務員試験の「基準点」と「平均点」
国家公務員試験の筆記試験の得点は、平均点や標準偏差を用いて算出するため、ボーダーライン(合格最低得点)は分かりませんが、「基準点」と「平均点」は公表されています。
【基準点】いわゆる「足切りライン」のことで、満点の30%以上を取らないと「不合格」となります。
総合職(大卒程度・教養区分除く)
【教養試験(基礎能力試験)】平均点19.7点(得点率49%)(満点40点)
【専門試験】
区分 | 平均点(満点40点) |
---|---|
政治・国際 | 16.3点(得点率41%) |
法律 | 20.9点(52%) |
工学 | 17.3点(43%) |
森林・自然環境 | 23.6点(59%) |
※数値は2019年度国家公務員採用総合職試験(大卒程度)(教養区分を除く)合格点及び平均点等一覧より抜粋しています。
一般職
【教養試験(基礎能力試験)】平均点19.1点(48%)(満点40点)
【専門試験】
区分 | 平均点(満点40点) |
---|---|
行政 | 21.8点(55%) |
土木 | 17.8点(45%) |
林学 | 20.1点(50%) |
農学 | 20.2点(51%) |
※数値は2019年度国家公務員採用一般職試験(大卒程度)合格点及び平均点等一覧より抜粋しています。(他の技術職も全て公表されています)
地方公務員試験の「平均点」と「ボーダーライン」
平均点とボーダーライン(合格者最低点)を公表している自治体があまりありませんでした。
今回は公表しているなかで、
- 長野県
- 愛媛県
- 高知県
- 千葉市
の「平均点」と「ボーダーライン」のみをご紹介します。
長野県
数値は2019年度長野県職員等採用試験1次試験結果(平均点及び合格ライン)より抜粋しています。
(他の技術職も全て公表されています)
また、長野県の基準点は満点の40%となっています。(40%未満の場合は不合格)
試験区分 | 平均点(教養試験) | 平均点(専門試験) | 1次試験合格者最低点 | 配点 |
---|---|---|---|---|
行政A(大卒程度) | 252(63%) | 452(57%) | 760(63%) | 教養400/専門800 |
行政(高卒程度) | 244(61%) | ー | 296(74%) | 教養400 |
心理(大卒) | 199(66%) | 523(65%) | 630(57%) | 教養300/専門800 |
林業(大卒) | 183(60%) | 404(51%) | 470(43%) | 教養300/専門800 |
総合土木(大卒) | 181(60%) | 435(54%) | 480(44%) | 教養300/専門800 |
警察職員(行政) | 185(46%) | 140(35%) | 340(43%) | 教養400/専門400 |
警察官(A)第一回(男性) | 221(55%) | ー | 152(38%) | 教養400 |
小中学校事務 | 232(58%) | ー | 280(70%) | 教養400 |
愛媛県
数値は令和2年度愛媛県職員等採用候補者試験状況より抜粋しています。
(他の技術職も全て公表されています)
試験区分 | 教養試験(50点満点) | 専門試験(40点満点) | 教養+専門(90点満点) | ||
---|---|---|---|---|---|
行政事務A | 平均点 | ボーダーライン | 平均点 | ボーダーライン | ボーダーライン |
28.6点 | 20点(40%) | 17.6点 | 16点(40%) | 45点(50%) |
高知県
数値は高知県職員採用試験実施状況令和元年度より抜粋しています。
(他の技術職も全て公表されています)
行政、警察事務、学校事務、社会福祉の配点は教養試験50点・専門試験50点、その他職種の配点は教養40点・専門60点となっています。
また、合格基準点(3割)に達しない種目がある場合は不合格となります。
試験区分 | 1次試験平均点(満点100点) | 一次試験合格者最低点(満点100点) |
---|---|---|
行政 | 52 | 57 |
警察事務 | 52 | 52 |
学校事務 | 52 | 51 |
土木 | 48 | 52 |
林業 | 41 | 36 |
社会福祉(児童福祉) | 43 | 47 |
千葉市
数値は千葉市職員募集試験実施データ2019年度より抜粋しています。
(他の技術職も全て公表されています)
一次試験は教養試験・専門試験で、配点は教養100・専門100です。
試験区分 | 一次試験合格者最低点 |
---|---|
上級行政A | 196点(49%)※満点400点 |
上級福祉 | 152点(38%)※満点400点 |
上級土木 | 126点(32%)※満点400点 |
中級学校事務 | 88点(44%)※満点200点 |
初級事務 | 60点(60%)※満点100点 |
紹介しましたとおり、自治体や試験区分で「合格者最低点」にはかなり差がありました。
【行政職(大卒程度)の一次試験合格者最低得点率】
- 長野県 63%
- 愛媛県 50%
- 高知県 57%
- 千葉市 49%
その年の試験問題の難易度や競争率によっても、得点率は変わってくると思われます。
注意点として、最低得点を上回っていても、合格基準点を満たさない試験種目がある場合は不合格となります。
(基準点を設定している場合のみ)
高倍率の場合は「数問」・「数点」の差で合否が決まる
今回紹介したなかでは、長野県の行政職(高卒程度)の競争倍率が高く(1次試験倍率5.6倍、最終倍率15.8倍)、それに伴い一次試験のボーダーラインが74%と非常に高くなっています。
このように競争倍率が高い試験では数問・数点の差で合否が決まってきます。
以下に私の公務員試験の得点率を参考までに書いておきます。
教養試験約80%、専門試験約80%で1位採用でした。(最終倍率33倍)
【県職員採用試験(小中学校事務職)】
一次試験合格最低ラインが70%、一次試験合格者が56人。
私が得点率74%で28位、ですので28人が70~74%の中にいたことに。
一次試験1位の人は得点率85%だったと本人から聞きました。(最終倍率約14倍)
今回調べて分かりましたが、「平均点」や「ボーダーライン」を公表している自治体は少ないです。
(私の調べ方が足りないのかもしれませんが^^;)
ですので、試験申込み期間終了後に公表される申込者数で、その年の倍率がおおよそ分かるので、そこからある程度ボーダーラインを予測してもいいと思います。
世間一般的には「一次試験は7割以上を目指せ」と言われることが多いので、とりあえず70%以上を目指して試験勉強を頑張りましょう!
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