2020年11月29日にいよいよ国家公務員の就職氷河期世代枠の1次試験が実施されます。
都道府県や市町村ではすでに試験が行われ、競争倍率が100倍を超える自治体もでています。
参考記事:【2020年度】公務員試験(就職氷河期世代枠)の申込者数や競争倍率はどのくらい?
今回は国家公務員の就職氷河期世代枠の採用試験に焦点をあてて、申込者数などをご紹介します。
- 申込状況を知りたい
- 足切りラインを知りたい
- ボーダーラインの目安を知りたい
このような受験生に役立つ記事となっています。
記事の信頼性:この記事は元県庁職員(約9年間勤務)の公務員試験アドバイザーが書いています。
就職氷河期世代枠の試験科目
1次試験の科目は以下のとおりです。
試験種目 | 解答題数 | 解答時間 |
---|---|---|
教養試験(基礎能力試験) | 40題(マークシート方式・多岐選択式) | 1時間30分 |
作文試験 | 1題 | 50分 |
教養試験については、高卒程度の問題が出題されることになっています。
ですので高卒の方でも全く問題ありません。
教養試験は90分で40題を解くことになります。
1問あたり3分も掛けれません。
申込者数の状況
申込者数の状況についてご紹介します。(出典:2020年度国家公務員中途採用者選考試験(就職氷河期世代)試験区分別申込者数)
国家公務員の場合は受験する試験区分(地域)で採用予定者数が異なっているのが特徴です。
【事務職】
試験区分(地域) | 申込者数 | 採用予定数 |
---|---|---|
北海道 | 329 | 6 |
東北 | 296 | 3 |
関東甲信越 | 5693 | 62 |
東海北陸 | 662 | 9 |
近畿 | 1577 | 12 |
中国 | 245 | 4 |
四国 | 156 | 2 |
九州 | 714 | 9 |
沖縄 | 255 | 3 |
合計 | 9927 | 110 |
【技術職】
試験区分(地域) | 申込者数 | 採用予定数 |
---|---|---|
北海道 | 15 | 2 |
東北 | 27 | 2 |
関東甲信越 | 128 | 3 |
東海北陸 | 45 | 2 |
近畿 | 82 | 3 |
中国 | 11 | 1 |
四国 | 13 | 1 |
九州 | 50 | 3 |
合計 | 371 | 17 |
【刑務官】
試験区分(地域) | 申込者数 | 採用予定数 |
---|---|---|
北海道 | 16 | 1 |
東北 | 18 | 1 |
関東甲信越静 | 61 | 2 |
東海北陸 | 10 | 1 |
近畿 | 44 | 2 |
中国 | 9 | 1 |
四国 | 6 | 1 |
九州 | 30 | 2 |
合計 | 194 | 11 |
【入国警備官】
試験区分(地域) | 申込者数 | 採用予定数 |
---|---|---|
関東甲信越 | 252 | 9 |
東海北陸 | 70 | 4 |
九州 | 129 | 6 |
合計 | 451 | 19 |
全ての累計で、
- 採用予定者数 157人
- 申込者数 10943人
- 倍率 約70倍
となっています。
足切りラインとボーダーラインの目安
足切ラインは人事院のHPで公表されていますが満点の30%です。
つまり、40問中12問正解しないとその時点で不合格です。
公務員試験のボーダーラインについては自治体などによって異なりますが、
- 国家公務員(一般職)教養試験の平均得点率 → 約48%
- 地方公務員(大卒・行政職)の1次試験ボーダーライン → 長野県約63%、高知県約57%、千葉市約49%
となっています。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
公務員試験(教養・専門)の平均点やボーダーライン(合格者最低点)はどのくらい?
就職氷河期世代枠はかなりの高倍率なので、ボーダーラインは必然的に上がります。
私の推察ですが、50~60%程度になるかなと思います。
勉強方法の注意点
教養試験
就職氷河期世代枠を受験される方は30代半ば以上の方々で、学歴も経歴も全く異なります。
- 正社員であったり
- 派遣社員であったり
- フリーターであったり
- ニートであったり
- 大卒だったり
- 短大卒だったり
- 高卒だったり
様々な職歴、肩書、学力、年齢の方々が受験し、競争することになります。
しかし、全員に共通して言えることが、
「自分が思っている以上に学力が低下している」
ということです。
実際私も33歳で公務員を再受験した際、問題が解けずかなり凹みました。
具体的な勉強方法については、こちらの記事にまとめていますので、良かったらご覧ください。
参考記事:30代社会人の公務員教養試験対策におすすめの参考書!(社会人の勉強法)
また、試験本番のコツ(解く順番のおすすめなど)については、以下の記事をご覧ください。
参考記事:【公務員教養試験】1問あたりにかける時間&解く順番のおすすめ!
作文試験
就職氷河期世代枠には作文試験もあります。
対策はほぼ不要ですが、「作文のコツ」と「書き方のルール」だけはしっかり理解して本番に臨むようにしてほしいです。
「作文のコツ」と「書き方のルール」などについては以下の記事にまとめていますので参考にしてみてください。
参考記事:公務員試験の「論文」と「作文」の違いを解説!(絶対理解しておこう)
申込者数の多さに動揺せずに試験勉強に集中!
さきほども述べましたが、就職氷河期世代枠は申込者数が非常に多く、高倍率となっています。
しかし、実際の受験者は申込者の7割程度になります。
参考記事:【公務員試験の実態】申込者数に騙されないで!受験者は申込者の7割
そして、その7割程度の中にも、対策を全くしてこない、いわゆる「記念受験」をする方々が結構います。
そのため、
- ギリギリまで諦めずに試験勉強と続けた人
- 試験本番中も最後の1問までギリギリまで粘る人、見直しを徹底する人
こういった一点でも多くもぎ取ろうとする貪欲さがある人が最終的に報われると思います。
くれぐれも「申込者数が多いから諦める」、なんてことのないようにしてください!
国家公務員の就職氷河期世代枠については、今年度を含めて3年間しか行われない試験です。
公務員になる、そして人生を変えるチャンスだと思って、まずは教養試験を全力で頑張りましょう!乗り切りましょう!