公務員試験の受験生にとって、避けては通れない「面接カード」(エントリーシート)の作成。
その面接カードの中でも「志望動機」は必ず書かされ、面接でもほぼ間違いなく序盤で聞かれます。
そんな志望動機ですが、受験生同士で似たような内容になることが多いです。
「幅広い職種に関われる」
「住民の役に立ちたい」
「大学で学んだ知識を活かしたい」など、、、
今回はそんな面接カードの「志望動機」の書き方・コツについて、元県職員がご紹介します。
※なお、本記事は下の記事と重複する部分がいくつかあります。
【自己PR編】公務員試験に合格するための面接カードの書き方・コツ(例文あり)
大学4年時に「県庁」と滑り止めで「国」を、また県庁を退職してから「学校事務」と「社会人枠」で再受験し、全て一発合格しています。
- ○県職員採用試験(大学卒業程度)(2008年)最終合格、採用
- 国家公務員採用試験(一般職)(2008年)最終合格、官庁訪問は林野庁、内定辞退
- ○県小中学校事務職員採用試験(2018年)最終合格、採用
- ○県職員採用候補者試験(社会人枠)(2018年)一次試験合格、二次試験辞退
面接カードは超重要
面接時の台本になる
面接カードの内容で合否や採点が行われるわけではありません。
しかし、面接試験は基本的にこの「面接カード」に沿って質問が行われます。
面接官はあなたの面接カードをみながら、
- 疑問に思ったこと
- 確認したいこと
- 興味をもったこと
を質問してきます。
面接時間は民間に比べ短く(15分程度)、複数人面接官がいるので、面接官1人あたりの質問数は限られています。
そのため効率的に面接を進めるために、あらかじめ面接カードを用意してもらい、事前に目を通して質問を考えています。
面接カードの注意点
面接官の受けを良くしようと思い、見栄を張って話を盛って書いたり、嘘を書くと、質問で突っつかれたときにボロがでてしまいますので止めておきましょう。
また、気合を入れすぎて面接カードに事細かに書きすぎると、面接時に質問されてもカードに書いてある内容をただ同じようにしゃべるだけになってしまいますので、聞いているほうはなんだか白けてしまいます。
さきほどもいいましたが、面接カード自体は採点の対象ではありません。
面接カードの体裁
【字の下手さ】
下手でも大丈夫ですが、面接官が読める程度にはしましょう。
私も字がかなり汚いほうでしたが、可能な限りゆっくり丁寧に書くようにしました。
【字の大きさ】
ある程度大きめに書いたほうが面接官は読みやすいです。
よく印字と同程度の大きさが良いと言う人もいますが、それでは小さ過ぎのような気がします。
【文字数】
欄の9割程度埋めるようなイメージで良いと思います。
真っ黒に文字で埋め尽くすことなく、行間などを適宜とり、全体的にすっきりした見栄えになるようにしましょう。
欄をはみ出すような長文では、見た目の印象は悪いですし、自分の伝えたいことを端的にまとめる能力がないと思われるかもしれません。
【誤字脱字】
誤字脱字は十分注意してください。
慎重に書き、書き終えたら念入りに見直しをしてください。
一旦wordなどで作成し、それを書き写すほうが効率が良いですね。
志望動機の書き方・コツ
それでは志望動機の書き方・コツを5つ紹介します。
- 志望動機の区分化
- 具体性
- オリジナリティのある志望動機を書く
- 実はあまり期待されていない
- 参考書がかなり使える
志望動機の区分化
面接官からよく聞かれる質問が「民間ではなく、国でなく、市町村ではなく、他県ではなく、なぜ我が県を受験したのか」です。
この点を明確に区分して、面接カードを準備しましょう。
「ああ、なるほど、だから我が県でなくては駄目なのか」と思わせることができる志望動機が準備できれば、面接官の印象が良いです。
具体性
志望動機を書く際は、その県の内情・業務内容をしっかり調べたうえで書いたほうがいいです。
抽象的に「県のような大きな自治体の行政に携わりたい」とか書くのではなく、実際にその県独自の「この施策に携わりたい」、あるいはその県には「このような課題があるため、大学で学んだ知識を生かし、こういった施策を行っていきたい」など、「具体性」を意識して志望動機をつくりましょう。
具体的に書くことで面接官は「これだけ我が県のことを勉強している、よっぽどうちの県に入りたいんだな、ただの併願先ではないな」と思い、印象が格段に良くなります。
業務内容・施策などは自治体のHPを利用しましょう。
採用ページに業務内容が掲載されていますし、職種別パンフレット(PDF)が用意されている場合もあります。
オリジナリティがある志望動機を書こう
志望動機で一番大切なのは、あなただけのオリジナルエピソードを書くことです。
オリジナルエピソードを書くことで、
- 他の受験生と差別化
- 面接官に熱意が伝わりやすくなる
- 質問に答えやすくなる
などのメリットがあります。
大学生は講義・ゼミ・卒業研究・アルバイト・ボランティア・部活・サークル・インターンシップなど様々な経験を4年間でしてきたと思うので、自分だけの経験談を踏まえて志望動機を書きましょう。
社会人は、前職・現職での経験を志望動機にもりこむようにするとより良い志望動機になります。
実はあまり期待されていない
志望動機の書き方やコツを紹介してきましたが、実は面接官側からすると、そこまで志望動機の内容についてはこだわっていません。
それは受験生でだいたい似たような内容が多いからです。
ですので、とりあえず志望動機を最初のうちに聞き、他の受験生と同じようにちゃんと答えられるかだけをチェックし、それから色々と深堀りしていき、それに対する受験生の回答を重要視しています。
参考書がかなり使える
公務員の面接や面接カードの書き方については、現職の国家公務員人事の方が書かれた有名な参考書が毎年発行されています。
でも公務員試験受験生ならほとんどの人が知っている、あるいは持っているので、本の存在を知らない人だけが損する話ですね。(弱肉強食の世界)
私も愛用していましたし、公務員試験に合格した大学の同級生達も利用していました。
宣伝みたいに見えてしまうかもしれませんが、本当に使えるのでオススメしておきます↓
(ぜひ一度書店で立ち読みしてみてください!)
公務員試験 現職人事が書いた「自己PR・志望動機・提出書類」の本 2025年度、大賀英徳、実務教育実務教育出版
志望動機の例文
ここで、参考までに例文を挙げます。
あくまで感覚や形を掴んでもらうための一例ですので、あなた独自の志望動機をしっかり考えて作成してください。
ここで紹介した内容をそのままでいくと、落ちます(深掘り質問されたときに、答えられないので)。
行政職の場合
「私は大学で〇〇学を専攻しています。就職先を検討している中、貴県の業務説明会に参加し、〇〇が課題となっていて、県をあげて取り組んでいるとお聞きし、私が大学で学んできたことが活かせ、かつ県民のお役に立てるのではないかと思い、志望しました。説明会後、総合計画を閲覧したところ、どのプロジェクトとも非常に魅力的に感じたので、この〇〇以外の仕事が担当になっても全力で頑張っていきたいと思います。」
技術職の場合
「大学で野生動物について学んでおり、その知識を活かし、かつ故郷のためになる仕事をしたいと考えていたところ、講義で貴県の先進的な鳥獣被害防除対策について学ぶ機会がありました。その取組に非常に共感したため、実際OBにお会いして業務内容などをお聞きしたところ、私の知識やスキルが十分活かせると思ったのと、OBが非常に熱く語ってくださった姿に、こういう人達と一緒に県民のために頑張りたいと決意が固まり志望させていただきました。」
社会人枠の場合
「私は旅行会社で長年勤めてきました。現職でも十分やりがいを持ってお客様のために働いてきましたが、故郷である貴県で今観光客誘致・インバウンドが課題となっている、そしてプロジェクトが推進されていることを偶然一緒に仕事をさせてもらった県職員の方からお聞きしました。それなら私が旅行会社で培ってきた能力が十分活かせるのではないかと思ったのと、公益的に故郷の旅行業・観光業に携わる人の役に立てる公務員としての姿・働き方に共感したため、今回志望いたしました。」
まとめ
ここまで、「志望動機」の書き方についてご紹介しました。
県独自の業務内容をしっかり把握し、そして受験生独自の知識・スキル・経験を盛り込んだオリジナリティある志望動機を準備しましょう。
志望動機を考えることはそのまま面接対策に直結してきます。
良い志望動機ができれば、面接時に志望動機で根掘り葉掘り聞かれても、自信をもって臨機応変に対応できます。
そうすれば、合格は自ずと近づいてきますよ!
応援しています!
ちなみに、出来上がった面接カードの添削を「ココナラ」上でしているので、気になる方は下記のリンクより確認してみてください。
9年間の県職員&添削歴4年の実績があり、これまで様々な自治体の合格者を輩出しています。
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