「林業職の面接って、どんな質問が出るんだろう…」
「面接カードの志望動機や自己PRはどう書けばいいの?」
「実際に合格した人の具体例を見たい!」
そんな悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。
この記事では、私が実際に提出した面接カード(志望動機・自己PRの原文)や、面接当日に聞かれた質問と回答例をすべて公開。
さらに、最新の傾向や合格するための対策法も徹底解説します。
「一次情報」としてのリアルな体験談に加え、元県職員(9年)・林業普及指導員・FP資格保有として、権威性と信頼性を担保した情報をお届けします。
林業職を目指す方はもちろん、行政職など他職種を受験する方にも役立つ内容です。
- 県庁(地方上級)の合格者の「志望動機」と「自己PR」が分かる
- 面接で聞かれた「質問」が分かる
- 最終競争倍率33倍(採用1人)を突破できたポイントが分かる
公務員試験・林業職の面接とは?
林業職の採用試験における「面接」は、最終合否を大きく左右する重要なステップです。
筆記試験で上位に入っていても、面接で評価が低ければ不合格となることも珍しくありません。
林業職は「現場と行政をつなぐ専門職」であり、専門知識だけでなく、協調性・地域貢献への姿勢・人柄が特に重視されます。
そのため、面接では「林業への関心の深さ」「地域で働く覚悟」「コミュニケーション力」などが重点的に見られます。
面接の形式と流れ
回数:1回(県庁によっては2回実施する場合あり)
時間:15~20分程度
面接官:3人前後(林業職の幹部職員・人事担当など)
進行:
面接カードを基に基本的な質問(志望動機、自己PR、大学生活)
林業に関する専門的・時事的な質問
圧迫気味の質問(他県や民間との比較、勤務地の柔軟性など)
逆質問
面接カードは、いわば「面接の進行表」。
そこに書かれた志望動機や自己PRをベースに、質問が深掘りされていきます。
行政職との違い
行政職との大きな違いは、林業職ならではの専門的なテーマが問われる点です。
たとえば、
森林管理や間伐の課題
鳥獣被害と対策
林業の担い手不足
地球温暖化と森林保全
など、時事性の高い問題が話題になります。
行政職よりも「自然・地域への理解度」が試されるのが特徴です。
競合記事にない盲点(差分リサーチ)
他サイトの記事では「行政職中心の面接対策」が多く、林業職特有の質問例や現場理解の重要性までは十分に解説されていません。
本記事では、林業職の一次情報(実際に受けた質問例や体験談)を網羅することで差別化を図ります。
実体験:33倍を突破した面接カードの実例
私は新卒で受験した地方上級(林業職)で、受験者33名中1名のみ合格という試験を突破しました。
ここでは、実際に提出した「志望動機」と「自己PR」をそのまま公開し、改善点も解説します。
この章を読むことで、面接カード作成のイメージが具体的に湧くはずです。
私が書いた志望動機(全文公開+解説)
志望動機(原文)
「人と自然との共存のサポートをしたい」
森林、生態系、環境の講義や野外実習を通じて、人と自然(森林、野生動物)との共存の重要性について学んだ。そして、生涯を通じ、人が自然と共存していくためのサポートができる仕事に携わりたいと思うようになった。サポートには自分が自然に対する見識を養うこと、自然を管理すること、多面的機能を利用してもらうこと、現場で働く人へのサポートをすることなど多様な働きが求められる。そのため、様々な職種(計画、森林づくり、研究、接客、営業、施工管理など)があり、公益性の下、県民と自然のために働ける公務員林業職を志望した。そして、鳥獣関係の被害や保護の対策を積極的に行っている地元の○県林業職を選んだ。
振り返ると、抽象的な表現が多く「なぜその県の林業職なのか」という具体性に欠けていました。
ただし、自然への思いと地域貢献への姿勢はしっかり示せていた点が評価につながったと感じています。
改善するなら:
「なぜ他県ではなく地元県か」
「どんな現場課題に取り組みたいか」
「大学での学びをどう業務に活かすか」
といった要素を盛り込むと、より説得力が増します。
私が書いた自己PR(全文公開+改善ポイント)
自己PR(原文)
「綿密に計画をし、目標に向かって地道に努力します」
大学2年の春から半年間、片道10kmの道程を自転車で通い、1日9時間、週4のアルバイトを行った。そのため、学業との両立が必要となり、徹底的にスケジュール管理を行うことにした。月、週、日ごとにスケジュールをたて、朝、その日のスケジュールをチェックし、夜にその日の進み具合を確認した。そのため、進み具合の把握ができ、目標までに何をすべきかが明確となった。その結果、目的であった自動車の購入ができ、さらに学業の成績も上げることができた。働く際も、スケジュール管理を行い、効率よく行動します。
こちらも内容は素朴ですが、「スケジュール管理」「努力を継続できる力」といった公務員に必要な基礎スキルはアピールできていました。
改善するなら:
「林業職の業務との関連性」を明示する(現場調整・長期プロジェクト管理など)
「成果」や「数字」を交えて客観性を出す
「協調性」や「チームで働いた経験」も補う
面接カード作成の流れ(実践法)
私の場合は、Wordで何度も原案を修正し、最後に清書を手書きしました。
いきなり清書すると誤字脱字や表現ミスが目立つため、次のステップをおすすめします。
原案作成:WordやGoogleドキュメントで自由に書き出す
添削・練り直し:大学キャリアセンター・OB・指導教員などに見てもらう
模擬面接で実践:声に出して答える練習をする
清書:丁寧な字で、余白バランスに注意して記入
以上となりますが、志望動機や自己PRについては以下の記事でも解説しているので、もし良ければご覧ください。
【完全ガイド】公務員試験面接カードの書き方|志望動機・自己PRのコツと例文を元県職が解説!
実際に聞かれた面接質問&回答例
林業職の面接では、基本質問・人柄確認・圧迫質問まで幅広く聞かれます。
ここでは、私が実際に聞かれた内容を時系列にまとめ、回答例とポイントを解説します。
基本質問(志望動機・大学生活・人間関係)
「志望した動機を教えてください」
→ 面接カードに書いた志望動機をそのまま回答。
👉 ポイント:冒頭は暗記でよいが、その後は掘り下げ質問が来る前提で準備する。「大学時代、親友と呼べる人はいましたか?」
→ 具体的に1人を挙げ、どんな関係性だったか説明。
👉 ポイント:人間関係をどう築いてきたか=協調性の確認。「人と意見が食い違った場合、どうしますか?」
→ まず相手の意見を聞き、自分の考えを冷静に伝える、と回答。
👉 ポイント:対立解消スキル・調整力が評価される。
地域性・専門性に関する質問
「どうしてうちの県を志望したの?」
→ 面接カードを要約し、鳥獣被害や地域課題を例に回答。
👉 ポイント:「地元だから」だけでは弱い。県の施策や特色と絡めて説明する。「我が県で今一番課題と思っていることは?」
→ 県の総合計画を調べ、間伐問題を選んで回答。
👉 ポイント:公式資料(県HP、林業白書)を引用すると説得力が増す。
圧迫質問(メンタル耐性チェック)
「勤務地が希望に添えない場合もあるが大丈夫?」
→ 「志望動機が叶えられるならどこでも構わない」と回答。
👉 ポイント:柔軟性と覚悟を示す。「希望の職場に配属されなかったら?」
→ 「志望動機の根本はどの部署でも実現できる」と回答。
👉 ポイント:職種理解の深さを伝える。「民間を受けていないようだね。うちの県に採用されるとは限らないよ?落ちたらどうする?」
→ 正直に「林業に携われる仕事を探す」と回答。
👉 ポイント:受験姿勢を試す質問。動揺せず「軸は林業」と一貫性を示す。
最後の逆質問
「最後に何か質問はありますか?」
→ 事前に準備した質問を1つ行った。
👉 ポイント:「働き方」「研修制度」「キャリア形成」など前向きな質問を用意。
質問傾向まとめ
質問の種類 | 実際に聞かれた例 | 評価の観点 |
---|---|---|
基本質問 | 志望動機、大学生活、親友の有無 | 人柄・誠実さ |
地域性 | なぜこの県か、県の課題は何か | 課題意識・調査力 |
圧迫質問 | 民間を受けない理由、落ちたらどうする | ストレス耐性・覚悟 |
配属関連 | 希望部署以外でも働けるか | 柔軟性・協調性 |
逆質問 | 県の林業施策についての質問 | 積極性・意欲 |
合格者だから語れる!面接突破の秘訣
実際に受験者33名中1名の採用枠を勝ち取れた経験から、林業職の面接突破には「面接カード」以上に大切な要素があると感じます。
ここでは、筆記2位 → 面接1位で逆転合格できた理由を整理します。
面接カードよりも大事な「受け答え」
面接カードはあくまで進行表。
評価の中心はその場の受け答えです。
面接官の質問に対して、自分の言葉で具体的に答えること
暗記したフレーズではなく、自然な会話のトーンを意識すること
掘り下げられても一貫性を保つこと
👉 「カードは7割、受け答えで3割逆転できる」という感覚を持つと良いです。
県の施策・課題を調べる重要性
「わが県で課題と思うことは?」という質問は高確率で出ます。
合格の鍵は、受験県の施策を自分の言葉で語れるかどうか。
県庁HPの「森林・林業基本計画」
農林水産省「森林・林業白書」
こうした一次情報をもとに、「今の課題」→「自分の視点」→「どう関わりたいか」を語ると説得力が増します。
面接練習の効果は絶大
私は本命の県職面接前に、
大学キャリアセンターで模擬面接
- 担当教授と模擬面接
OB訪問で現役職員から質問練習
国家公務員採用試験(林野庁)の本番面接
官庁訪問(管理職3人と面談)
といった「場数」を踏みました。
👉 面接は慣れが命。1回ごとに成長するため、受験本番前に最低3回は模擬練習をおすすめします。
差別化の鍵は「現場理解」と「協調性」
林業職は専門職ですが、配属先は多岐にわたります。
評価されるのは、
現場の大変さを理解しようとする姿勢
協力して課題を解決する姿勢
「自分だけが活躍したい」ではなく、県民・現場職員・他部署と協力するイメージを持つと、面接官の共感を得やすいです。
林業職特有の質問・対策ポイント
行政職や事務職の面接と異なり、林業職では現場理解・専門的テーマ・地域課題への意識が評価されます。
ここでは、実際に出やすい質問と対策を整理します。
森林・自然に関する質問例
「森林の多面的機能についてどう考えますか?」
「間伐が進まない理由と、その影響は?」
「地域林業の担い手不足を解決するには?」
👉 対策:
大学で学んだ知識をベースにしつつ、県の林業基本計画・最新の統計データを盛り込むと効果的です。
例:「本県では高齢化により担い手不足が深刻で、伐採後の再造林率が低下しています。私は普及指導員として、現場の若手育成に関わりたいです。」
鳥獣被害・環境課題に関する質問例
「鳥獣被害の現状について知っていますか?」
「シカやイノシシによる農林業被害への対策は?」
「自然環境と人との共生をどう考えるか?」
👉 対策:
「鳥獣被害対策は林業職の重要任務」であることを押さえる。
捕獲だけでなく、防護柵・里山管理・住民との協働など、野生動物の共存の可能性を語る
単なる「知識」ではなく、「現場と一緒に課題解決する姿勢」をアピール
専門知識より「姿勢」と「学び続ける意欲」
林業職は入庁後も研修やOJTを通じて学ぶ場が多いです。
面接官も、学生時点で完璧な知識を持っていることは期待していません。
評価されるのは、
「知らないことは素直に認め、学ぶ姿勢を示す」
「課題を放置せず、自分で調べて動けるか」
「現場で働く職員・住民から学ぶ謙虚さ」
👉 面接では「私はまだ知識不足ですが、学び続けることで地域に貢献します」と表現できると好印象です。
よくある質問(FAQ)
林業職の面接に関して、独学受験生や学生からよく寄せられる疑問をまとめました。
ここで不安を解消してから本番に臨みましょう。
Q1. 林業職は行政職よりも面接が難しいですか?
A. 難しさのベクトルが異なります。
行政職は幅広いテーマ(福祉・教育・防災など)について質問されるのに対し、林業職は「森林・林業・環境・地域課題」に特化した質問が多いです。
👉 知識の深さよりも、「現場課題への理解」と「学び続ける姿勢」が重視されます。
Q2. 面接カードに書く内容が思いつきません…
A. 自分の経験を「県の課題」と結びつけましょう。
例:
大学の野外実習 → 間伐や生態系保全に興味を持った
アルバイト経験 → スケジュール管理やチームワークを発揮した
地域活動 → 森林ボランティア、環境教育
👉 「経験」+「県の課題」= 説得力のある志望動機や自己PRになります。
Q3. 圧迫質問にうまく答えられなかったら落ちますか?
A. 1回の失敗で即不合格にはなりません。
むしろ、動揺せず冷静に立て直せるかが評価されます。
👉 「正直に答える」「前向きな姿勢を示す」がポイント。
Q4. 林業職の面接で専門知識はどの程度問われますか?
A. 入庁前に専門家レベルは求められません。
出題されるのは「基本的な課題理解」と「自分の考え方」。
👉 「知らないことは学ぶ姿勢」で十分評価されます。
Q5. 面接対策は独学でもできますか?
A. 可能ですが、模擬面接は必須です。
独学でカードを練っても、声に出して答えると想定外に詰まることがあります。
👉 大学キャリアセンター、予備校の模擬面接、OB訪問、ココナラなどを必ず活用しましょう。
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【保存版】元県職員が徹底解説:公務員試験面接カードの書き方マニュアルー添削が合否を分ける!
まとめ:面接は「場数」と「準備」で突破できる
林業職の面接は、倍率の高さや専門的な質問内容から「特別に難しい」と感じるかもしれません。
しかし実際には、徹底した準備と少しの場数経験で確実に突破できます。
この記事で解説したポイントを整理すると:
面接カードは「進行表」。本番は受け答え力が勝負
県の施策・課題を事前に調べ、自分の言葉で説明できるようにする
圧迫質問では「動揺しない」「一貫した軸を持つ」ことが重要
林業職ならではの課題(鳥獣被害・担い手不足・森林保全)を押さえる
面接練習は必須。本番前に3回以上模擬面接で慣れておく
面接前チェックリスト(挿入案)
面接カードの志望動機・自己PRを3回以上声に出して練習したか
県の林業基本計画・森林白書を一読したか
想定質問に対する回答を10問以上準備したか
模擬面接を最低3回は受けたか
逆質問を1つ以上準備したか
👉 上記がすべて「はい」なら、自信を持って本番に臨めます。
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