林業職公務員の仕事内容を元県庁職員が紹介!配属先や業務は希望通りにならないので注意(経験談)

ねこさん
林業職公務員を受験しようか迷ってるんだけど、一体どんな仕事をしているの?
伯爵さん
私の公務員時代(林業職)の経験談を話すので参考にしてみてね!私も受験するか散々迷ったので気持ちがよく分かります。

 

今回の記事では、林業職務員(県庁)の仕事内容について、元県職員(林業職約9年)がさくっとご紹介します。

  • 林業職を受験しようか迷っている人
  • 林業職の仕事内容を知りたい人

に役立つ記事となっています。

 

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林業職公務員の仕事内容を元県庁職員が紹介!(経験談)

林業職公務員の仕事内容を以下の4点で紹介します。

  • 配属先
  • 業務内容の主な区分
  • 具体的な仕事内容(私の経験談)
  • とある1日(県庁)

 

林業職の配属先

まず林業職の配属先ですが、以下のとおりです。

 

基本的に林業関係の部署をひたすら数年ごとに異動していく形となります。

  • 県庁内の林業関係の部署(林務部など)
  • 現地機関(地域振興局)
  • 林業大学校
  • 林業試験場
  • 林野庁(出向)

 

林業職で入庁した職員は、まずは現地機関で働き、上司から学びながら技術や知識を習得するケースが多いです。

 

現地機関でしっかり専門知識を習得しておかないと、県庁の部署に配属になったときに役に立たない人材になってしまうので、現地機関でしっかり修行を積むことが大切です。

 

なかにはいきなり県庁で働くことになる新人職員もいると思いますが、林業職ではごく一部の人です。

 

ある程度経験を積み、部内でもエース級のポジションの人は林野庁に出向するケースもあります。

 

伯爵さん
私は首席で林業職に入庁しましたが、最初の勤務地は現地機関でした。7年目で県庁に異動となりました

 

林業職の業務内容の主な区分

林業職といっても、その仕事の幅はとても広いです。

 

項目業務内容
林業の振興林業雇用対策、林業経営支援、県産材利用促進など
森林の整備保全間伐等の森林整備の推進など
林業の普及指導林業知識技術の指導や普及など
県営林管理県で所有している山林の管理など
野生鳥獣対策野生鳥獣の保護管理、農林業被害等の防除など
治山・林道事業治山や林地荒廃防止のための施設整備の設計・施工管理など
保安林管理保安林に関する指定・解除・許認可事務など
森林林業の試験研究育林・育種、林産物、木材加工、林業技術の試験研究など

 

それぞれの業務で専門的な技術や知識が必要となります

 

特に、高度な土木知識が必要になる治山林業事業では、自分1人で設計・現場監督をこなせるようになるまでに3~10年ぐらいの歳月は必要です。

 

上記の全ての業務を一度に任されるのではなく、上記の項目から1~2つ担当することになります。

 

業務の中でも細かく仕事が枝分かれしているので、係員ごとにさらに細分化されます。

 

伯爵さん
私の最初の担当業務は県営林担当から始まりました

 

林業職公務員は木こりではない

よくある勘違いとして、公務員自らが山に入って木を伐採するイメージを持っている人もいますが、それは森林所有者や事業者などがやることです。

 

公務員は森林整備を発注する側、指導する側、補助金を支給する側、指針や施策を考える側です。

 

なので、基本的に事務所内での事務がメイン、あとは週2~3回現場に行って現場監督・設計のための調査・補助金の現地確認などを行います。

(担当によっては毎日現場に行く場合もありますし、ときには山の中でチェーンソーを使って木を伐る場合もあります。)

 

伯爵さん
森林のなかで体を使って作業したい人は絶対に公務員は避けましょう。林業職といってもあくまで事務仕事がメインです。(知的労働)

 

林業職の具体的な仕事内容(私の経験談)

私は林業職として入庁し、約8年以上働いてきました。

  • 1~3年目(現地機関) 県営林の経営管理、造林事業(補助金)、木造事業(補助金)、木育、ペレットストーブ
  • 4~6年目(現地機関) 治山事業の設計・現場監督、保安林管理
  • 7~8年目(県庁) 希少野生動植物の保護、外来種対策、自然保護センターの維持管理
  • 9年目(現地機関) 林業普及指導

 

ここでは1~8年目までの業務経験をざっくり紹介します。

  • 1~3年目 県営林の経営管理、造林事業(補助金)など
  • 4~6年目(1回目の異動) 治山事業の設計・現場監督、保安林管理など
  • 7~8年目(2回目の異動) 希少野生動植物の保護など

 

【1~3年目】県営林の経営管理、造林事業(補助金)など

大学で生態学を学んでいたので野生鳥獣対策を希望して入庁しましたが、初めての仕事は地域振興局(現地機関)での「県営林管理」などでした。

 

具体的には県で所有している山の管理をする仕事で、

  • 森林整備や林道維持管理の設計・現場監督
  • 林産物の処分
  • 試験調査
  • 境界管理

などを行いました。

 

大学で林業を詳しく習わずに入庁したため、初めは林業の基礎も全然分からずなかなかハードな状態でした。

 

ただ、1年も経ってくれば慣れてきて、それなりに一人で業務をこなせるようにもなってきました。

 

2~3年目には県営林管理に併せて、「造林事業の補助金」なども担当しました。

 

各森林整備を行った事業体が補助金申請をしてくるので、それの審査・支給を行いましたが、その申請量が半端でなく、残業の日々が始まりました。

 

仕事が間に合っていないときは、土日も出勤して対応していました。

 

伯爵さん
審査には現地確認も必要なため、昼間は山林へ、帰ってきてから夜中まで事務処理をする日々でした

 

【4~6年目】(1回目の異動)治山事業の設計・現場監督、保安林管理など

異動となり、4~6年目は地域振興局(現地機関)で治山事業と保安林の担当となりました。

 

【主な業務内容】

  • 治山ダム・山腹工・森林整備の設計、発注、現場監督
  • 保安林の許認可業務

 

治山事業では本格的に土木知識が必要となります。

 

異動した先でいきなり「治山ダムを設計してくれ」「現場に行って調査測量してきて」といわれたときの衝撃は今でも忘れません。

 

そもそも治山ダムがどんなものも分かっていなかったし、大学でも土木関係は全く習っていなかったにもかかわらず、異動先でいきなり治山ダムの設計や現場監督を任され、まさにカルチャーショック状態でした。

 

上司に叱咤激励を受けながら教えを請い、そして夜中まで土木の勉強を続ける日々を送りました。

 

「私は野生鳥獣の関係の仕事がしたくて入庁したのに、なんでコンクリート相手に仕事をしているんだろう」と仕事の内容にギャップを感じる日々でした。。。

 

伯爵さん
精神的にきつい日々でした

 

【7~8年目】(2回目の異動)希少野生動植物の保護など

3回目の異動で、初めて大学の知識(生態学)が役立てそうな自然保護関係の部署(県庁)に異動することができました。

 

【主な業務内容】

  • 生物多様性の保全に関わる諸般のこと
  • 希少野生動植物の保護管理計画の策定
  • 希少野生動植物の保護活動
  • レッドデータブックの管理
  • 外来種対策

 

しかし、業務を始めてみると、大学のころに学んだ知識はあまり役立たないことが分かり、大変失望しました

 

計画を策定する際、専門的な部分は大学教授などに教えを請う形になるので、自分の知識は全く施策には活かせませんでした。

 

自分の考えで施策を考えていくというよりは、教授や専門家を集めて開催される専門委員会で県の指針や施策を決めていくので、公務員はその事務処理(裏方)に奔走します。

 

裏方の仕事とは、

  • 教授たちの日程調整
  • 教授たちへの謝礼や旅費の計算
  • 議事録作成
  • 当日の司会進行
  • 会場の手配
  • 事務局案(たたき台)
  • 根回し

などが主な仕事になります。

 

事務局案も考えますが、それも教授や専門家頼みのところが多いです。

(もちろん課内でも意見を出し合い練りに練ります)

 

また、初めて県庁への異動となりましたが、現地機関とは仕事の量と質ともに桁違いの大変さでした。

 

伯爵さん
毎日残業・早朝出勤は当たり前、休日出勤も日常茶飯事。。プライベートは壊滅状態。。。

 

県庁の1日(経験談)

参考までにですが、私の県庁時代のとある1日(ちょっと多忙期)を時系列でご紹介します。

 

時間仕事内容
6時始発バスで早朝出勤。
7時朝一でメールをチェックすると県民から問い合わせあり。

特別な内容だったので、回答案を作成し、上司・係長・課長・広報担当管理職にそれぞれ回答内容を説明、決裁をもらう必要あり。

8時業務開始前に新聞をチェックし、自分の課に関係する記事を探しその部分をコピーして課長へ渡す。
9時前任者がやっとの思いで完成させた県発行の図書1000冊以上を納品。

しかし知事の挨拶ページが抜けていたことが判明、課長イライラ、どうするんだと対応求められ困窮。

10時県管理施設修繕工事の関係で業者が来庁、一部設計通りに行かない部分が生じ、変更設計を作成することに。
11時県庁内の担当課から自然保護センターの耐震化に関するヒアリングを受ける。
11時半毎週やってくるクレーマーが来庁、対応に苦慮。
12時省エネのため電気が消された暗い課内で出前弁当を食べながら、朝の問い合わせの回答案を作成。
13時県が作成する希少野生動植物保護管理計画のための専門委員会を開催。

大学教授や専門家などで構成される委員会で県側のたたき台を提示し、様々な意見を頂戴する。

17時委員会が終わったあとは教授たちと慰労会をするため、一度職場をでる。

慰労会の手配も係員の役目。

21時その後、慰労会が終わったあと職場に戻り、数日後に開催される現地機関の職員への業務説明会の発表資料を作成。

朝の問い合わせの回答案は係長からダメ出しされ机の上に戻ってきている。

今日は結局溜まっていた仕事は全然処理できず。土日にやるしかない。

0時自費でタクシー帰り。
1時持ち帰り残業(地元説明会の議事録)を作成。
3時ころ就寝。

 

伯爵さん
ちなみに夜や土日での残業は全てサービス残業でした。申請しづらい雰囲気でしたので、、、。

 

まとめ

ここまで、林業職公務員の仕事内容について紹介してきました。

 

私が林業職を希望する受験生に強く言っておきたいことは、

「配属先や業務は希望通りにはならない」

「大学で習ったことはそこまで役立たない」

ということです。

 

特に、大学時代に生態学や野生動植物学などを専攻していた人たちは、野生鳥獣関係の仕事をやりたくても、森林整備や治山工事の部署に行く可能性が十分あります。

 

その仕事内容のギャップに耐えられるか、あらかじめよく考えて林業職を志望してください。

 

【私の本音】
正直に話すと、私も大学時代林業職公務員を受験するかすごく迷いました。迷った際に、すでに林業職公務員として働いている大学の先輩に相談したところ、「野生動物の部署に配属されるか分からないからおすすめできない」と言われました。そのときはとにかく公務員になれればいいやと思っていたので、アドバイスを無視する形となってしまいましたが、今振り返ると「もっと先輩のアドバイスに耳を傾け、広い視野で職業選択をすべきだった」と後悔しています。

 

公務員になれれば仕事内容はなんでもいいよって人は、行政職での受験も十分可能です。

 

実際、農学部や理学部出身の人が行政職にいますので。

 

伯爵さん
ここまでお読みいただき本当にありがとうございます☆

 

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