公務員試験には受験する都道府県や区分によって、個別面接のほかに「集団討論」があります。
(都道府県によってはグループワーク・グループディスカッションとも呼ばれます。)
集団討論は個別面接に比べて配点が低いのですが、合格基準以上の評価を得る必要があります。
集団討論はグループで行うので、事前の対策が難しく、不安をかかえている受験者も多いと思います。
わたしも対策のしようがなく困っていましたが、でも安心してください。
集団討論には「コツ」があり、それを理解すれば、自信をもって集団討論に臨むことができるようになります。
今回の記事では、私が参考書、大学キャリアセンター職員のアドバイス、そして実体験を参考にして、
- 「集団討論の流れ」
- 「集団討論のコツ」
- 「集団討論の過去テーマ」
をご紹介します。
おもに、
- 集団討論がどう行われるのか知りたい受験生
- 集団討論の高評価のポイントを知りたい受験生
に役立つ内容となっています。
- 自分の役割に専念する(できれば司会は避ける)
- 聞き役に徹して、適宜的確なコメントをする
- 意見を全くしていない人にコメントする機会を提供する
- 集団討論はディベートではない
【この記事を書いた人↓】
公務員試験の集団討論の流れ(経験談)
まずは集団討論はどんな感じで進められるのかを、私の受験時の実体験をもとにご紹介します。(某県庁)
- 会場入り・着席
- テーマ発表
- 役割分担
- 30分間程度討論
まず8人程度のグループに分けられました。
(ちなみに試験官は4人いました。)
そして課された1つのテーマについて、30分程度討論を行い、グループとしての見解をまとめるという流れでした。
試験開始後、テーマが初めて発表され、その後グループ内で役割分担を行いました。
役割は、
- 「司会」
- 「タイムキーパー」
- 「記録係」
でした。
(あくまで私の時の内容なので、役割は自治体で変わるかもしれません)
グループとしては、時間が途中できてしまい、見解がまとまらないまま、なんとも中途半端な感じで終わってしまいました。
私は司会等の役回りは避け、最終的に計4~5回程度のコメントをしました。
公務員試験の集団討論で高評価を得るコツ4選
それでは、集団討論で高評価を得るコツを4つご紹介します。
かなり有効なコツなので、知っているだけで他の受験生よりも有利になると思います。
自分の役割に専念する(できれば司会は避ける)
「司会者」
時間内にグループの見解をまとめないと減点される恐れがありますが、逆に司会をうまく務めることができれば高評価となります。
自信がある人は司会者に立候補するのもありですが、リーダーシップがない人は絶対避けましょう。
「タイムキーパー」
要所要所で残り時間を言ったり、スケジュールや段取りなどを司会者に提言すると良いでしょう。
「記録係」
それぞれの意見をしっかりと分かりやすく記録し、討論最終段階で司会者に結論のまとめ方の助言・提言ができると良いでしょう。
「役割がない人」
積極的に議論に参加し、絶対に1回以上はコメントしてください。
聞き役に徹して、適宜的確なコメントをする
討論というくらいだから、積極的に発言を繰り返したほうが高評価となると思われがちですが、公務員の場合はそうではありません。
公務員は県民の意見をしっかり聞いたうえで、要望されていることに対して真摯に対応する能力が必要となります。
なので、一回コメントをしたあとは、他の受験者の意見を聞く側に回りましょう。
決して、1人でだらだらと主張し続けないでください。
(空気が読めない人にはならないでください)
また、意見を聞いていて議論の方向性がズレてしまっていると思う時は、思い切って軌道修正のコメントをしてみるのもありです。
「このままでは議論がまとまらないので、一旦スタートに戻ってしっかり何についてどう議論していくかを決めましょう」など。
司会者がうまく機能していない時やテンパってしまっている時は、うまくサポートしてあげるのも高評価になります。
ただし、役割を奪い取るようなことをしてはいけません、集団で討論する際は「協調性」が大切です。
意見を全くしていない人にコメントする機会を提供する
討論中、緊張し過ぎてコメントを全く言えず、議論に入っていけない人がでてきます。
そこで、意見を言えていない人にコメントする機会を振ってあげると良いです。
そうゆう人にコメントする機会を提供してあげると「思いやりがある」「全体がよく見えている」など高評価に繋がります。
ただ乱暴にコメントを求めてはダメです!
たとえば、以下のような感じがgoodだと思います。
- 「私はこう思いますが、〇○さんはどう思いますか。」
- 「議論が深まってきましたね、〇○さん熟考しているみたいですが何かお考えがありますか。」
- 「意見が偏っているみたいなので一度全員から意見をもらったらどうですか(司会者に提案するような感じ)」
集団討論はディベートではない
よく誤解している人がいますが、「集団討論」はディベートのように意見を戦わせて勝敗を決める場ではありません。
あくまでテーマに沿って各々意見を出し合い、建設的に意見を集約させていき、グループとしての総意を導き出す場です。
この際、試験官は皆さんの「協調性」をみています。
(ほかにも色々な点をチェックしています)
そのため、コメントをして討論に参加することも大切ですが、「聞く力」も重要ですので注意してください。
【「協調性がある」と試験官に思わせるテクニック】
- 相手の意見を否定しては駄目
- 相手が意見を述べている間は口をはさまない
- 相手が意見を言い終わったら、挙手をして司会からOKをもらってから意見を述べる(勝手に意見を言わない)
- まずは出された意見を肯定し、その上で、別の見方あるいはさらにプラスする形で新しい案や改善案を提案する(建設的意見)
(参考)過去に出題された集団討論のテーマ
参考までに過去に出題された集団討論のテーマをいくつか紹介します。
【2023年度 東京都職員(Ⅰ類B・新方式)グループワーク】
「東京都では、東京が直面する風水害、地震等の危機及び複合災害に対し、強靭で持続可能な都市の実現を目指す「TOKYO強靭化プロジェクト」を推進している。あなた達は、大震災があっても「倒れない・燃えない・助かる」まちづくりを検討するプロジェクトチームの一員となった。首都直下地震等から都民の命と暮らしを守るために、どのような取組を行うべきか。チーム内で議論し、職場の上司に説明するために必要なポイントをホワイトボードにまとめなさい。」
【2023年度神奈川県職員(1種試験)グループワーク】
「令和5年4月1日から自転車乗車時のヘルメット着用が努力義務化されました。同様に、日常生活の中で努力義務とした方がよい事柄について、理由を含め1つ挙げなさい。また挙げた事柄の定着に向けてどのような取組が必要か、行政をはじめ取組主体ごとにそれぞれ説明しなさい。」
【2023年度 長野県職員(大学卒業程度)集団討論】
「県内の様々な分野で労働力不足が問題となっているが、多様な人材を確保していくためにどのような取組が効果的か。」
まとめ
ここまで、公務員試験の集団討論について紹介してきました。
個別面接なら大学のキャリアセンター、教授、公務員予備校、OBOGなどで何度も模擬面接の練習ができますが、集団討論はなかなかそうはいきません。
独学者は公務員予備校のアガルートのグループワーク単科講座を受講すれば模擬集団討論を体験することができますのでぜひご利用を検討してみてください。
ただし、それは他の受験者も皆同じです。
いかにそのなかで、集団討論のコツをマスターし、本番当日に平常心でうまく立ち回れるかが合否のポイントとなってきます。
集団討論は蹴落とし合いではなく、
「偶然一緒になった受験者みんなで協力しあい、みんなで合格しよう」
というイメージで取り組んだほうがうまくいきます。
そのイメージで取り組めば、自然と評価の高い行動やコメントができるので、あまり気負いすぎないで頑張ってくださいね!
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