公務員試験には行政職以外に技術職があり、理系や医療系学部などの学生が受験します。
大学で林業・野生動植物・生態系などを専攻した受験生は、「林業」の区分で受験される人が多いと思います。
(林学、森林林業、森林科学、農林業などの名称もあり)
その林業区分で受験する際に困ることは、専門試験用の参考書がほぼないことです。
そこで、このページでは、林野庁と地方上級林業職に合格した私の公務員試験林業職の専門試験の勉強方法についてご紹介します。
少しでも受験の参考にしてもらえれば幸いです。
なお、受験した頃から約10年経過しているので、もしかしたら現状と違うところもあるかもしれませんが、そこは御容赦ください。
大学4年時に「県庁」と滑り止めで「国」を、また県庁を退職してから「学校事務」と「社会人枠」で再受験し、全て一発合格しています。
- ○県職員採用試験(大学卒業程度・林業)(2008年)最終合格、採用
- 国家公務員採用試験(一般職)(2008年)最終合格、官庁訪問は林野庁、内々定辞退
- ○県小中学校事務職員採用試験(2018年)最終合格、採用
- ○県職員採用候補者試験(社会人枠)(2018年)一次試験合格、二次試験辞退
さらに、公務員になったあとに受験できる「林業普及指導員資格」も一発で合格しました。(現役の林業系公務員しか受験できず、合格率30%~40%ぐらいです。)
【公務員試験】林業職の専門試験の効率的な勉強法(地方上級・国家一般職)
それでは林業職の専門試験勉強法を以下の順でご紹介します。
- 使用した参考書等
- 勉強方法
- 試験勉強スケジュール
林業職の専門試験対策で使用した参考書
過去問
まずは人事院から国家公務員(林学)の専門試験の過去問を入手してください。
総合職と一般職がありますが、県庁職員を目指すなら一般職のもので十分です。
(総合職の問題は難しいです。でもやっておいて損はありません。)
国家公務員試験採用情報NAVIでも少しですが過去問が掲載されています。
なお、都道府県(地方上級・林業)の過去問は手に入りません。
試験後に回収してしまうし、公表されていません。
昨年受験した人にどんな感じの問題が出たか聞くのが良いでしょう。
(東京都と特別区だけは試験問題を公表しています。しかし、記述式の問題なのであまり参考にはならないです)
過去問の入手方法については以下の記事で詳しく紹介していますのでご覧ください。
【参考記事↓】
【公務員試験】過去問の入手方法(国家公務員、東京都、特別区は公開)
代々受験した先輩達から過去問集を譲り受ける場合もあります。
森林林業実務必携
「森林林業実務必携」は、大学図書館にも何冊か置いてあると思いますが、私は受験用に購入しました。
高いので無理して買わなくてもいいですが、林業職として採用されたあとも利用できるので持っていて損はないです。
「森林・林業実務必携 第2版」東京農工大学農学部森林林業実務必携編集委員会、朝倉書店
森林林業白書
「森林林業白書」は、必ず最新版を手に入れてください。
古いものなら、林野庁のHPでも公表されています。
森林林業関係の辞書
過去問を解いていて、よく分からない単語などが出てきたら、大学図書館にある林業関係の辞書などで調べましょう。
授業で使用したレジュメ・テキスト
林業系専攻の人は講義で使用したプリントが少しは役に立つみたいです。
専門試験の勉強方法(メインは過去問と白書)
学習のメインはズバリ「過去問」と「林業白書」です!
過去問
1周目で、選択肢の間違っている部分を赤ペンで直し、選択肢中の不明点を辞書等で調べて赤ペンで書きこんでいきました。
2周目以降、ひたすら読んで暗記していきました。
私は過去5年分くらいの国家一般職と過去1~2年分の国家総合職の過去問を3回以上繰り返しました。
3回以上繰り返すと知識として定着してきます。
勉強のコツは、問題を解くのではなく、過去問集をテキスト代わりに使用することです!
昨年受験した方が近くにいればどんな問題がでたのか聞いておいたほうがグッドです。
森林林業白書
白書中の文言がそのまま使われていたり、似たような言い回しが選択肢中にかなり使用されているので、白書を網羅しておけば高得点が期待できます。
私は白書も3回以上繰り返し読み込みました。
あと、試験前日に最終仕上げとして白書を全て見直しました。(←これが効果的面でした。)
注意事項としては、必ず最新号を手に入れてください。
数値や図表等が全く変わりますので。
私はこの勉強方法で専門試験の得点率約8割をとることができました。
しかも、試験時間の半分で終わりました。
※試験結果(点数や順位)は県人事課に問い合わせれば公表してくれます。
【参考記事↓】
【公務員試験】地方上級・技術職の筆記試験ボーダーライン(得点率)はどのくらい?
林業職の試験勉強のスケジュール
林業職を受験する大学生は受験シーズンと卒業研究が重なり大忙しになると思います。
そのうえ民間の就活も並行している人は、勉強時間の確保が課題となります。
私が本格的に専門試験の勉強を始めたのは、試験年の2月頃でした。
それまでは民間も就活していましたが、途中から公務員一般に絞りました。
春休みは図書館に籠りました。
正直、大学受験のときよりも勉強していた気がします。
「専門試験」と「教養試験(一般知能)」を優先して勉強していました。
勉強期間でいうと、半年間の短期集中となります。
国、都道府県以外にも市町村や障害者枠でも林業職が募集されています
市町村
国、都道府県以外にも、市町村で林業職を募集しているところがあります。
(自治体によって採用しない年もあります。)
例えば2024年度でみると、
- 福井市
- 甲府市
- 姫路市
- 広島市
- 静岡市
この他にも募集している市町村はあります。
障害者枠
特殊な例ですが、新潟県では以下に該当する障害者の林業職を募集しています。
- 身体障害者手帳をお持ちの方
- 療育手帳をお持ちの方
- 精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方
興味がある人は受験案内を確認してみてください。
林業職の面接対策
林業職を受験する人は独学が多数だと思います。
そのため、面接対策に苦慮している受験生も多いはずです。
実際、私も面接対策では大変苦労しました。
- 面接カードは添削を一切うけず
- 模擬面接は大学のキャリアセンターの職員と教授だけ
と今考えると本当によく合格できたなと思います(^^;)
もし、当時の私のように面接対策にお困りの方には、オンラインスキルマーケット「ココナラ 」の利用をおすすめしています。
ココナラでは元公務員や現役の予備校講師などがオンラインで「面接カードの添削」や「模擬面接」のサービス提供をしています。
ちなみに、私も面接カードの添削サービスをしていますので興味がある受験生は以下のリンクから私のココナラの紹介ページをご覧ください。
自分自身が国(林野庁)と県(地方上級)の林業職で合格した経験があり、またココナラで林業職を受験する学生の面接カードの添削の経験を積んでいますので、他の人よりも林業職の面接対策について自信がありますし、実績もあります。
まとめ
以上、林業職専門試験の勉強方法をご紹介してきました。
- 参考図書:過去問&白書がメイン
- 勉強方法:解かないで読み込むスタイル
- 勉強期間:半年前ぐらいから始めて短期集中
今回紹介した方法は、同級生で林業系公務員に合格した人達もみな同じような方法や勉強時間で合格しました。
(10人ぐらいの同級生が国や県の林業職に合格しました)
それに実は林業職の競争倍率は意外と低いんです。
【2023年度林業職競争倍率(大卒程度)】
- 東京都 1.8倍
- 愛知県 3.8倍
- 新潟県 3.5倍
- 長野県 3.8倍
- 石川県 1.2倍
- 広島県 2.0倍
そのため、しっかり対策さえすれば合格できるはずです。
なかにはノー勉や記念受験で来ている受験生も混ざっているので、実質競争倍率はさらに下がります。
受験勉強はプライベートな時間を犠牲にする必要があるので、精神的に大変ですが、合格さえすれば安定した公務員人生が待っていますし、親・親戚たちも喜んでくれますのでぜひ頑張ってください!
【参考記事↓】
林業職公務員の仕事内容を元県庁職員が紹介!配属先は選べないので要注意。(経験談)
こちらの記事も参考にお読みいただければ嬉しいです。