就職先として大人気の公務員。
自治体や試験区分によっては申込者が毎年殺到しています。
私が県庁職員に合格したときの最終競争倍率は33倍、小中学校事務職員に合格したときは14倍でした。
試験の区分にもよりますが、なかには100倍を超えている自治体もあります。
今回は、公務員試験の申込者数と受験者数の実態について、元公務員が紹介します。
- 申込者数が思った以上に多いから試験を受けるのを諦めよう
- こんなに高い競争倍率なら勉強しても無理だ
と思っている受験生に役立つ内容となっています。
【執筆者↓】
結論:実際の公務員試験受験者数は申込者数の7割程度
申込者数だけの数字をみて公務員試験受験を諦めてしまうのは、非常にもったいないです。
あとで説明しますが、色々な理由から実際に受験している人は、
「申込者数の70%程度」
です。
実際に試験会場に行けば分かりますが、試験を受けなかった受験生の空席が目立ちます。
公務員試験は無料!
なぜ申込者のなかで受験しない人がそんなにいるのかというと、
「公務員試験は無料」
だからです。
通常、資格試験などは受験料が数千円から高いものでは数万円以上かかってきます。
それが公務員試験は無料となっているので、
「とりあえず申込だけしておこう」
という人が多いです。
併願する受験生が多数いる
試験が無料というほかに、私もそうでしたがほとんどの受験生は併願しています。
- 国、都道府県、特別区、市町村など自治体を変えたり、
- 行政事務、学校事務、警察事務、国立大学法人など試験区分を変えたり、
とにかく日程さえ合えば、試験が無料ということもあり、併願申込をする人がとても多いのが公務員試験の特徴です。
ただし、自治体側は併願され最終的に他自治体に逃げられてしまうのだけは避けたいので、同じ試験種は自治体同士で日にちを合わせていることが多いです。
記念受験も多数いる
また受験はするものの、記念受験(全く勉強せずとりあえず受ける)をする人も一定数います。
試験開始後早々と退出する人やすぐ寝てしまっている人などがいます。
明らかに記念受験です。
記念受験生は受験者数に含めないほうがいいですね。
しかし、記念受験で合格してしまう人もいるのも事実です。
私の友人や後輩もほぼノー勉強で採用までこぎつけたツワモノも何人かいます。
(元々スペックが高い人達でした。)
公務員試験の場合、センター試験+αみないな試験科目なので、センター試験が得意だった人は勉強しなくても高得点が取れてしまいます。
また、試験範囲があまりにも広いので試験勉強をしてもすぐに得点に繋がりにくいという部分はあるかなと個人的には思います。
申込者数と受験者数の具体例
それでは実例でどのくらいの割合で減少しているのかをみてみましょう。
【2023年度 職員採用試験(事務職・大卒程度)】
自治体名 | 採用予定 | 申込者 | 1次受験者 | 1次合格者 | 2次受験者 | 最終合格者 |
---|---|---|---|---|---|---|
国(一般職) | ー | 22,316 | 16,318 | 9,125 | 8,106 | 6,476 |
東京都(Ⅰ類B) | 455 | 2,122 | 1,525 | 626 | ||
神奈川県(1種) | 125 | 1,099 | 616 | 577 | 374 | 195 |
愛知県(行政Ⅰ) | 100 | 1,489 | 1,225 | 579 | 207 | |
静岡県(行政Ⅰ) | 65 | 374 | 285 | 197 | 168 | 94 |
長野県(行政B) | 40 | 522 | 376 | 177 | 135 | 65 |
島根県(行政A) | 26 | 118 | 57 | 49 | 48 | 28 |
横浜市 | ー | 1,829 | 1,451 | 593 | 180 | |
名古屋市(第1類) | ー | 1,735 | 1,473 | 562 | 146 | |
新潟市(行政A) | 50 | 231 | 178 | 120 | 111 | 47 |
【2023年度 職員採用試験(就職氷河期世代枠)】
自治体名 | 採用予定 | 申込者 | 1次受験者 | 1次合格者 | 2次受験者 | 最終合格者 |
---|---|---|---|---|---|---|
東京都(Ⅰ類B) | 10 | 568 | 361 | 40 | 37 | 21 |
新潟県 | 5 | 148 | 105 | 33 | ー | 3 |
こうしてみると、申込者数から受験者数はかなり減少していることが分かります。
上記の試験の受験率(一次受験者/申込者)の平均は、約70%でした。
つまり30%の申込者は受験をしていないのです。
まとめ
ここまで、公務員試験の申込者数と受験者数の実態についてご紹介しました。
実際に本気で受験勉強をして当日を迎える受験生は申込者の中にはそこまで多くないと思います。
感覚的に申込者数の半分程度が本気な受験生、残りの半分は受験しなかったり記念受験だったりテキトー受験生ですね。
みかけの申込者数や競争倍率に惑わされず、地道に受験勉強を重ね続けた人が合格をつかみ取ります。
ぜひ、最後まで粘り強く試験対策を続けましょう!
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