今回の記事では、公務員の高卒程度(初級)採用でのデメリットについて、元公務員(9年)がさくっと解説します。
この記事を読むことで、
- 「高卒程度(初級)の給料面・出世事情」
- 「高卒組(初級組)と大卒組(上級組)との関係性」
などを知ることができます。
なお、この記事の内容は、私(元県庁職員)の経験談なので、他の自治体には当てはまらないこともあるのであらかじめご了承ください。
この記事を書いた人
高卒程度(地方初級)で採用された場合のデメリット5選
高卒程度で採用された場合、大卒組と比べて以下のような5つのデメリットがあります。
- デメリット1:初任給が低い
- デメリット2:昇格が遅い
- デメリット3:大卒組(地方上級)に比べて管理職になりづらい
- デメリット4:ずっと初級の人として見られ続ける
- デメリット5:部署や仕事内容が限定されることが多い
それではひとつずつ解説していきます。
初任給が低い
まずは初任給ですが、大卒組に比べて圧倒的に低いです。
大卒組と高卒組とでは年齢差があるので、一概に低いとは言い切れない部分もありますが、数字だけでみると数万円の差があります。
【参考記事↓】
国家公務員・地方公務員の初任給はどのくらい?民間と比べて安い?(大卒・高卒別)
【参考記事↓】
公務員の給料は1年でどのくらい上がるの?昇給・昇任の仕組み(地方公務員)
昇格が遅い
大卒組と高卒組を比べると、明らかに昇格のスピードが違います。
若手職員のころはそこまで差がないように思えますが、40代あたりになってくると、大卒組が先に昇格し、管理職に就き始めます。
あの大卒組の人は45歳で係長なのに、あの高卒組の人は50歳でもまだ係長になれていないなど。
大卒組(地方上級)に比べて管理職になりづらい
残念ながら、高卒組で管理職(部長級、課長級)になることはなかなか厳しいです。
特に部長級(県職員の最高クラス)はほぼ無理です。
私の知る中で、高卒組(初級)の人が部長級になった人を知りません。
仕事が良くできる高卒組の人で、課長級になる人はちらほら見かけました。
ずっと初級の人として見られ続ける
非常に残念なことですが、初級と上級というレッテルは公務員人生において一生付いてまわります。
そういう目でみるのはあまりよくないことですが、階級社会である公務員の世界では、この人は初級の人という目線で見られてしまう場合もあります。
それが嫌なら、大卒組(上級)で入庁すべきです。
私の知り合いでも、高卒組で入庁してから、途中で大卒組の試験を受けていた人もいました。
部署や仕事内容が限定されることが多い
高卒組の職員は、
- 本庁よりも現地機関
- 難易度が高い仕事よりもルーチンワーク系の仕事を受け持つ
ことが多いです。
例えば、
- 大卒組が「企画振興・観光促進・財務・部長付き・国や民間出向」
- 高卒組が「現地機関の各課の総務、高校事務、税務関係、窓口業務」
とかですね。
まとめ ~大卒組(上級組)が偉くて、高卒組(初級組)が下?~
大卒組と高卒組で様々な面で差があることがわかりましたが、いざ仕事となると、学歴は全く関係ありません。
住民からみたら、公務員はみな同じ公務員です。
大卒組でもポンコツの人は多数いますし、逆に高卒組でかなり仕事ができる人もいるのは確かです。
仕事中は、学歴については皆一切を忘れて業務に取り掛かっていますし、事務分担に大きな差もありません。
なのに、給与面や出世面などになると途端に、高卒組は立場が弱くなります。
これからは能力主義の時代で、公務員も業績評価制度が導入されているので、高卒組でも結果を残せば待遇がよくなる可能性もありますので、期待したいところです。