今回の記事では、公務員に特化した文章術の本について、さくっとご紹介します。
この記事は、
- 文書の書き方などを苦手としている公務員
- 文書作成のノウハウを知りたい公務員
に役立つ記事となっています。
公務員専用の文章術の本を元県庁職員が紹介!
文書作成は公務員の重要スキル
様々な仕事をしている公務員ですが、その中心は「文書作成」です。
文書といっても、
- 通知文
- 説明文
- 企画書
- 会議資料
- 議事録
- 司会進行表
- SNS
- 県民からの問い合わせに対する回答文
- 決裁文書
- プレスリリース
- 広報紙
- パンフレット
- ホームページ
などなど非常に多岐にわたります。
どの文書においても、その自治体の代表者として責任を持って書く必要があり、集中力や文書作成の知識が求められます。
また、公文書となると、書き方の細かいルールが全て決まっていてそれを覚えなくてはいけません。
新人のころは、上司からコテンパンに指導されます。
数年も仕事をしていれば文書作成に慣れてきますが、わかりやすさを追求すると手が止まってしまう人が多いようです。
前例踏襲主義で前年のものとほとんど同じ内容で文書を作成する職員も多いのは事実ですが、少しでも良い文章に改善していく努力が求められます。
そこで、その助けとなる文書作成のノウハウが書かれた本を探していたところ、今回ご紹介する本に出会いました。
実践的なノウハウが凝縮されている本で、おすすめです。
おすすめの公務員専用の文章術の本
今回おすすめする本は、元区役所職員で広報コンサルタント、新潟県柏崎市の広報戦略アドバイザーの経験をもつ方が書かれた以下の本です。
「悩まず書ける!伝わる!公務員のSNS・文章術」(著者 小田 順子、学陽書房、2016)
(画像をクリックするとamazon商品ページに進みます)
この本では、
- 「クレーム・問い合わせへの回答文」の書き方
- 「手続きの説明文」の書き方
- 「参加者・意見や委員募集文」の書き方
- 「SNS投稿文」の書き方(ツイッターなど)
- 恥をかかないための日本語のルール
が網羅されています。
タイトルにSNSと大きく出ていたので、SNSに特化した本かなと思いましたが、SNSは一部のみでしたので注意してください。
この本では文書作成の際のかなり実践的なテクニックや具体的な事例が多数掲載されています。
ここで私がこれは役立つな~と思った一部を紹介します。
本書ではこのキーワード毎に丁寧に解説されています。
【クレーム回答文】
- 相手が聞いていないことは書かない
- 〇〇様とお名前で呼びかける
- 相手の書いた言葉を使って書く
- 自分が悪くないことを主張しても逆効果
- 相手への感謝の気持ちを文章で表現する
- お役所用語は「上から目線」になりがち
【説明文】
- 3つ以上は箇条書きに
- 見出しを立てる
- 専門用語は置き換える
- 易しく書く
- 短く書く
【SNS】
- 1文を短く書く
- 記号や顔文字を活用
- お役所用語はNG
- 動画も短く
- 反感を買うNGワードは使わない
文章術の本はたくさん出版されていますが、公務員に特化した本はあまり見かけたことがありませんでした。
元区役所職員で、さらに市の広報戦略アドバイザーをしている著者が書いているからこそ、実践で参考になるポイントが多いですし、読んだその日からすぐ実践で活用できます。
まとめ
文章術を向上させるには、文章術のコツを知ること、そしてたくさんの優良事例を見ることが大切です。
今回おすすめした本のなかには、具体的な事例が多数登場します。
悪い回答例、良い回答例が見比べられるようになっているので、理解度も向上します。
日々、多忙を極める業務の中で、文章の一語一句に気を回していられない気持ちもよく分かります。
ですが、あなたが出す文章は自治体を代表して書くものです。
その通知文ひとつで住民からの公務員や行政をみる目が変わってくると思います。
たかが文章、されど文章。
スキルアップの一環として、文章術を高めることも公務員としての責務だと思います、ぜひ楽しみながら文章術をマスターしてみてください。
最後に、今回のおすすめした本の著者の言葉を引用して終わりにしたいと思います。
あなたの書いた文章は、次のように言われたことはありませんか。
「わかりにくい」
「お役所っぽい」
「読む気がしない」
このような文章は、問い合わせやクレーム対応などの無駄な仕事を増やします。さらに結局、きちんと手続きしてもらえなかったり、参加してもらえなかったりと効果も期待できません。そんなことにならないよう、本書では、「効率的&効果的な文章の書き方」をお伝えします。