大人気の公務員試験「就職氷河期世代枠」。
学歴や経歴が不問ということで、応募者が殺到し、競争倍率が非常に高くなっている自治体が多いです。
しかし、当然ながら就職氷河期世代枠にも試験はあります。
自治体によって、試験内容は変わりますが、
- 面接試験(個別面接、集団討論、プレゼン)
- 適性検査
- 作文・論文試験
- そして、教養試験(いわゆる筆記試験)。
今回は2020年度に「就職氷河期世代枠」採用試験を実施している自治体(都道府県)の「試験科目」を一覧にしました。(情報は2020年11月6日時点)
- 就職氷河期世代枠の試験科目
- 教養試験の有無
- SPIの有無
などを知りたい受験生に役立つ内容となっています。
記事の信頼性:この記事は元県職員(約10年間勤務)の公務員試験アドバイザーが書いています。
結論:SPI等を導入している自治体は11
結論ですが、教養試験を廃止し、SPI試験などに切り替えた自治体は11道府県です。
- SPIを導入している自治体が6府県
- 教養試験ではないけどSPIと書かず職務基礎力試験などと書いている自治体が5道府県
SPIを導入している自治体(6府県)
- 埼玉県
- 長野県
- 滋賀県
- 大阪府
- 鳥取県
- 宮崎県
これらの自治体では教養試験が完全にないので、筆記試験の対策が必要なく、非常に受験しやすくなっています。
全国的にみても特殊なのが埼玉県で、一次試験はなんと書類選考のみとなっています。
もうほぼ民間と同様の試験制度になっていますね。
ちなみに埼玉県の書類選考の結果ですが、採用5人のところ、申込者数は945人。
そして、一次試験の書類選考に通過した人は170人でした。
SPIに準じた試験を導入している自治体(5道府県)
教養試験はないけど、SPIとはっきり書かれていない自治体は以下のとおりです。
受験案内には職務基礎力試験などと書かれていることが多いです。
- 北海道
- 栃木県
- 三重県
- 京都府
- 和歌山県
例えば、京都府では「基礎能力試験」として、75題を1時間30分で解く形式です。
その出題分野は下記のようにされています。
- 社会的関心と理解について問う分野
- 言語的な能力を問う分野
- 論理的な思考力を問う分野
2020年度公務員試験(就職氷河期世代枠)の試験科目一覧
2020年度の就職氷河期世代枠の試験科目を各都道府県の受験案内で調べました。
都道府県は、総務省HP「地方公共団体における就職氷河期世代支援を目的とした職員採用試験の実施状況」に掲載されている自治体についてのみ調べました。
※SPIを赤字、その他教養試験以外の筆記試験を青字としています。
自治体名 | 一次試験 | 二次試験以降 |
---|---|---|
北海道 |
職務基礎力試験 |
個別面接2回 |
秋田県 | 教養試験、作文試験 | 個別面接、適性検査 |
茨城県 | 教養試験 | 論文試験、個別面接、適性検査 |
栃木県 | 基礎能力検査、適性検査、作文試験 | 個別面接 |
群馬県 | 教養試験 | 個別面接、作文試験、適性検査 |
埼玉県 | 書類選考 |
SPI3、適性検査、個別面接 |
東京都(1類B、3類) | 教養試験、専門試験(3類のみ)、論文作文試験 | 個別面接2回 |
神奈川県 | 教養試験 | 作文試験、グループワーク、個別面接 |
新潟県 | 教養試験 | 個別面接2回、適性検査 |
富山県 | 教養試験、作文試験 | 個別面接2回、適性検査 |
福井県 | 教養試験、適性検査1 | 作文試験、面接試験、適性検査2 |
山梨県 | 教養試験 | 個別面接2回、適性検査、作文試験 |
長野県 |
SPI3、作文試験 |
適性検査、個別面接2回 |
岐阜県 | 教養試験、作文試験 | 個別面接、適性検査 |
静岡県 | 教養試験 | 作文試験、適性検査、個別面接2回 |
愛知県 | 教養試験 | 作文試験、個別面接、適性検査 |
三重県 | 職務基礎力試験、適性検査 | 作文試験、個別面接 |
滋賀県 | SPI、作文試験、個別面接、適性検査 | 個別面接、集団討論 |
京都府 |
基礎能力試験、論文試験、適性検査 | 個別面接 |
大阪府 |
SPI3、論文 |
論文、個別面接2回 |
兵庫県 | エントリーシート、教養試験 | 個別面接2回、適性検査 |
和歌山県 | 基礎能力試験、適性検査 | 個別面接2回、論文試験 |
鳥取県 | SPI3、作文試験、適性検査 | 集団討論、個別面接 |
広島県 | 教養試験、経験小論文試験 | 個別面接2回、論文試験、集団討論 |
山口県 | 教養試験 | 作文試験、個別面接 |
徳島県 | 教養試験 | 論文試験、適性検査、プレゼン、個別面接2回 |
高知県 | 教養試験、論文試験、適性検査 | 論文試験、個別面接2回 |
福岡県 | 教養試験、作文試験 | 個別面接、適性検査 |
佐賀県 | 書類選考 | 論文試験、個別面接2回、プレゼン |
長崎県 | 教養試験 | 個別面接、作文試験、適性検査 |
熊本県 | 教養試験 | 作文試験、個別面接 |
宮崎県 | SPI3、性格検査、作文試験 | 個別面接 |
鹿児島県 | 教養試験、記述試験 | 論文試験、個別面接、適性検査 |
※なお今回は都道府県のみの掲載としています。
市町村の中にも、SPI導入している自治体は多くなってきています。
どちらかというと都道府県よりも市町村のほうがSPIを導入している自治体が多い傾向があります。
来年度以降さらにSPIを導入する自治体は増える
就職氷河期世代枠の採用試験は令和4年度まで継続する見込みです。(※自治体で異なる)
すでに市町村にはおいては、かなりの自治体でSPIが導入され、教養試験が廃止されています。
上記しましたが、埼玉県ではそもそも一次試験は書類選考となっています。
今後、このような自治体が全国的に増加してくると思われます。
受験する自治体が突然、来年度にはSPIを導入したり、書類選考を導入する可能性は常にあります。
教養試験対策をしたほうがいいのかどうかを早期に見極めるためにも、受験する自治体の最新の情報を手に入れるよう常に心掛けて下さい。
数日や一週間くらいおきに、自治体HPの職員採用ページをチェックするクセをつけましょう。