【2024年版】公務員試験の平均点&ボーダーライン早見表|教養・専門・面接ごとに解説

公務員試験を受けるにあたって、「どのくらいの得点を目指せば合格できるのか」は誰しも気になるところです。

この記事では、国家公務員・地方公務員の筆記試験(教養試験・専門試験)および面接試験の「平均点」や「合格者最低点(ボーダーライン)」を紹介します。

実際に複数の自治体や省庁の公表資料を調査し、2023年度〜2024年度の最新情報をまとめました。

この記事は以下のような方に役立ちます:

  • 公務員試験での目標点数を決めたい受験生
  • 公務員試験の難易度や競争倍率を知りたい方
  • 教養試験・専門試験・面接試験の傾向を把握したい方
  • ボーダーラインを踏まえて戦略的に受験先を選びたい方
  • 自分の実力が合格圏にあるかを確認したい方

 

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公務員試験における「ボーダーライン」とは?

ボーダーラインとは、合格者の中で最も得点が低かった人の点数(合格者最低点)を指します。

「この点数を下回ると基本的には不合格」とされる基準であり、特に一次試験や面接試験の合格目安として参考にされることが多いです。

ただし、自治体によっては「足切り基準(基準点)」や「配点バランス」が異なるため、単純比較はできません。

国家公務員試験の平均点と合格ライン(基準点・ボーダー)まとめ

国家公務員試験では、合格者の得点は「平均点」や「基準点(足切りライン)」として公表されることがあります。

特に就職氷河期世代枠では、地域ごとの「ボーダーライン」も発表されています。

国家総合職(大卒程度・教養除く)

国家公務員試験の筆記試験の得点は、平均点や標準偏差を用いて算出するため、ボーダーライン(合格最低得点)は分かりませんが、「基準点(足切りライン)」「平均点」などは公表されています。

【教養試験(満点30点)】:平均点15.3点(得点率51%)

【専門試験(満点40点)】:平均点

区分平均点
政治・国際17.5点(44%)
法律18.2点(46%)
工学16.6点(42%)
森林・自然環境20.0点(50%)

※数値は2024年度国家公務員採用総合職試験(大卒程度)(教養区分を除く)合格点及び平均点等一覧より抜粋しています。

(他の区分も全て公表されています)

国家一般職(大卒程度)

【教養試験(満点30点)】:平均点18.8点(63%)

【専門試験(満点40点)】:平均点

区分平均点
行政20.6点(52%)
土木18.8点(47%)
林学23.6点(59%)
農学19.5点(49%)

※数値は2024年度国家公務員採用一般職試験(大卒程度)合格点及び平均点等一覧より抜粋しています。

(他の区分も全て公表されています)

就職氷河期世代枠

【教養試験(満点40点)】:平均点21.8点(55%)

【教養試験(満点40点)】:ボーダーライン

地域ボーダーライン(得点率)
関東甲信越27点(68%)
東海北陸23点(58%)
その他48%~60%程度

(参考データ:「2024年度中途採用者選考試験(就職氷河期世代)第1次選考通過得点及び平均点等一覧」

伯爵さん
地域区分で差が大きいですね、競争倍率がボーダーラインに影響していそうです

地方公務員の平均点・ボーダーライン【行政職・技術職別】

地方公務員試験では、都道府県や政令市によって平均点やボーダーラインの公表有無が異なります。

地方公務員試験の配点の特徴

  • 教養試験と専門試験で配点が異なる(例:教養200点・専門300点など)
  • 一部自治体では「各科目で足切り」がある(教養で40%未満なら不合格など)
  • 教養のみの試験区分(高卒程度、学校事務など)も存在

受験先ごとの制度を把握することが非常に重要です。

行政職(大卒程度)

全都道府県と全政令指定都市の受験案内のHPを調べてみましたが、平均点とボーダーライン(合格者最低点)を公表している自治体は、あまり多くありませんでした。

今回は私が調べたなかで見つけることのできた以下の自治体のみ紹介します。

自治体平均点(教養+専門)ボーダーライン(教養+専門)
北海道約45%約30〜33%
福島県教養53%・専門49%教養30%・専門25%
長野県教養63%・専門54%約50%
愛媛県教養58%・専門50%約37%
高知県約50%約42%
徳島県教養55%・専門47%約52%
熊本県合計約45%約45%
佐賀県教養71%・専門68%約63%
大分県非公表約42%
沖縄県教養53%・専門47%約51%
千葉市非公表約45%

以上、紹介しましたとおり、自治体や試験区分で「合格者最低点」にはあまり差がありませんでした。

伯爵さん
行政職の一次試験のボーダーラインはおおよそ40~60%あたりです。目安になりますね!

得点率は、その年の試験問題の難易度や競争倍率によっても変わります

注意点として、最低得点を上回っていても、合格基準点を満たさない試験種目がある場合は不合格となります。

(基準点を設定している場合のみ)

 

(参考資料)

2023年度北海道行政職員等採用試験合格者の平均点等一覧

令和6年度福島県職員(大卒程度)採用候補者試験実施結果

2023年度長野県職員等採用試験1次試験結果(平均点及び合格ライン)

令和6年度愛媛県職員等採用候補者試験結果

高知県職員採用試験実施状況令和6年度

令和6年度徳島県職員等採用試験第1次試験得点状況

熊本県職員採用試験実施結果令和6年度

佐賀県職員採用試験実施結果令和6年度

令和6年度大分県職員採用上級・中級・医療Ⅰ試験実施結果

令和6年度沖縄県職員採用試験第1次試験結果

千葉市職員募集試験実施データ2024年度

技術職(大卒程度)

技術職も全都道府県、全政令指定都市の一次試験のボーダーライン(技術職)を調べたところ、あまり多くの自治体では公表されていませんでした。

ボーダーラインは職種により大きく異なります。

職種ボーダーライン
林業44〜54%
農業30〜60%
建築38〜58%
土木32〜52%
電気43〜59%
水産43〜63%
畜産40〜59%
化学30〜63%
保健師53〜61%
管理栄養士48〜63%
心理・福祉32〜58%

調査をして分かったのが、ボーダーラインが平均点を割っている自治体も結構あったということ。

自治体や職種によっては、受験生の人数が少ないため、そのようなことが起きているのだと思います。

面接試験の合格ラインと競争倍率まとめ|平均点も紹介

筆記試験に合格しても、面接試験で不合格となるケースは多くあります。

以下の表は、面接試験の平均点・ボーダーラインと競争倍率をまとめたものです(2023〜2024年度)。

自治体平均点ボーダーライン面接倍率
北海道約58%約35%1.8倍(筆記:1.4倍)
山口県約49%非公表1.5倍(筆記:1.1倍)
愛媛県非公表約48%2.4倍(筆記:1.2倍)
岡山県約64%約60%3.3倍
高知県非公表約51%1.7倍(筆記:1.4倍)
熊本県非公表約71%1.2倍(筆記:1.3倍)
大分県約61%約64%3.0倍(筆記:1.6倍)
千葉市非公表約52%1.7倍(筆記:1.9倍)

競争倍率をみると、面接試験受験生のち、だいたい半分以上の受験生が合格している結果となっています

(平均点などを公表していた自治体のみの結果。行政以外の職種ではもっと競争倍率が高い場合もあり)。

伯爵さん
自治体によって大きく異なると思うので、あくまで参考値としてください

【面接の注意点と対策のポイント】

  • 筆記で上位でも、面接で逆転されるケースが多い
  • 平均点が高い自治体は、少しのミスが命取りになる
  • 面接カードの書き方や想定問答の準備が重要
  • 面接官の評価は「伝え方・表情・姿勢」などの印象面も影響

 

(参考資料)

ボーダーラインを受けての感想・考察

今回、全国の自治体や国家試験のボーダーラインを調査・比較してみて、筆者としては「想像以上に得点率が低い(=チャンスがある)」というのが正直な感想でした。

特に行政職や技術職において、40〜50%程度の得点で一次試験を通過できる地域が多く、「7割取れないと合格できない」と思い込んでいた受験生にとっては大きな希望となるはずです。

また、技術職のように志願者が少ない職種では、30%台〜40%台の得点でも通過している例が散見され、試験内容自体の難易度よりも「競争倍率」が合否を左右している印象を受けました。

一方で、佐賀県や長野県のように「得点率60%超がボーダーライン」となる自治体も存在し、これらは高倍率・高得点勝負のハードな試験だといえます。

面接試験についても、自治体ごとの傾向の違いが如実に表れており、筆記よりも面接で差がつく地域では、「平均点」から「ボーダー」までの幅がかなり狭く、気の抜けない試験であることがわかりました。

以上から、公務員試験は「得点率70%以上を安定して取れなければ受からない」というよりも、 「科目ごとに基準点を下回らないようにバランスよく得点し、6〜7割を目安にすれば合格圏内に十分入れる」というのが現実的な戦い方です。

逆にいえば、得点分布が大きく偏る受験生(得意・不得意の差が大きすぎる)や、試験制度の細かい条件(加点、配点、面接倍率)を無視した戦略で臨む人ほど、合格が遠のいているとも感じます。

今後受験される皆さんには、単なる得点力だけではなく、「配点や競争状況を読み取る情報分析力」も養っていただきたいと思います。

公務員試験で合格を勝ち取るための戦略

【ボーダーラインを意識した学習のポイント】

  • 最低ライン:40%〜60%
  • 目標ライン:65%〜75%
  • 高倍率の自治体では「数問差」で順位が大きく変動する

【「足切り」対策】

  • 教養で30%以下 → 即不合格の自治体あり
  • 苦手科目の放置は危険
  • バランス重視の得点戦略をとる

競争倍率が高倍率の場合は「数問」「数点」の差で合否が決まる

今回紹介したなかで、長野県行政職(高卒程度)の競争倍率が高く(1次試験倍率3.4倍、最終倍率9.2倍)、それに伴い一次試験のボーダーラインが78%と非常に高くなっています。

このように競争倍率が高い試験では「数問」「数点」の差で合否がわかれます

以下に私の公務員試験の得点率を参考までに書いておきます。

【県職員採用試験(地方上級・技術職)の得点率】
教養試験約80%、専門試験約80%で1位採用でした。(最終倍率33倍)

【県職員採用試験(小中学校事務職)の得点率】
一次試験合格最低ラインが70%、一次試験合格者が56人。
私が得点率74%で28位、ですので28人が70~74%の中にいたことに。
一次試験1位の人は得点率85%だったと本人から聞きました。(最終倍率約14倍)

伯爵さん
小中学校事務職を受験したときは、県職員採用試験(地方上級)受験から10年以上経過していて、準備期間も3ヶ月間しかなかったので、筆記試験は通過できるかヒヤヒヤでした^^;

今回調べて分かりましたが、「平均点」や「ボーダーライン」を公表している自治体は少ないです。

(私の調べ方が足りないのかもしれませんが^^;)

そのため、試験申込み期間終了後に公表される申込者数で、その年の競争倍率がおおよそ分かるので、そこからボーダーラインを予測してもいいと思います。

世間一般的には「一次試験は7割以上を目指せ」と言われることが多いので、とりあえず70%以上を目指して試験勉強を頑張りましょう

筆記・面接試験の得点率と順位の体験談【県職員採用試験】

ここで私の筆記試験&面接試験の得点と順位を紹介します。

筆記試験の得点及び順位(経験談)

私は大学4年時に某県の「大卒程度・林業職」、併願で「国・林野庁」を受験しました。

大学の専攻は生態学だったので、林業はほぼ独学で勉強しました

試験年の2月から勉強を始めて、6月頃に筆記試験がありましたので、勉強期間は5ヶ月間

伯爵さん
期間的には短いですが、大学受験より勉強した感覚があります。

私が受験した県の林業職は採用予定数が若干名となっていましたが、結局最終合格したのは私1人だけでした。(最終倍率33倍)

私の教養試験・専門試験の得点率は両方とも75~80%程度

教養試験はなかなか難しかったのですが、専門試験が思っていた以上に簡単で時間がかなり余ったのを覚えています。

伯爵さん
専門試験中、トイレに行きましたが、それでもかなり時間が余りました

面接試験の得点及び順位(経験談)

参考に私の面接試験の「得点」と「順位」を紹介します(記憶や成績表があるもののみ)。

公務員試験は試験後に成績を公開請求できるので、受験した際はぜひ公開請求してみてください。

試験得点率(競争倍率)順位
県職員(地方上級・林業職)大学4年時たしか70%程度面接試験1位(筆記試験2位/受験者33人)(合格)
県職員(小中学校事務職)33歳時70%(面接試験倍率2.5倍)面接試験4位(筆記試験28位/受験者264人)(合格)
県職員(障害者枠)37歳時50%(面接試験倍率2.8倍)面接試験29位(筆記試験3位/受験者61人)(不合格)

※面接官が知人であった

伯爵さん
面接試験で70%程度取ることができれば、面接試験の上位に食い込むことができそうですね

よくある質問(Q&A)

Q. 面接がうまくいったのに不合格でした。なぜ?
A. 筆記で下位だった場合、面接の高得点でも総合順位が足りないケースがあります。

Q. 一次合格したけど二次(面接)で落ちた…再受験すべき?
A. 面接対策を強化して、翌年再挑戦する価値は十分にあります。

Q. ボーダーより高くても落ちることは?
A. あります。各科目の基準点未満だと不合格。または筆記下位&面接不調で落ちることも。

Q. 面接の逆転は本当にある?
A. はい。筆記下位でも面接トップ層で逆転合格は珍しくありません。

Q. 技術職は点数が取りやすい?
A. 職種によりますが、農業・林業・福祉などは倍率が比較的低く、チャンスもあります。

Q. ボーダーはどうやって予測する?
A. 申込者数や前年の合格最低点、受験案内にある試験配点などを分析しましょう。

まとめ|まずは6~7割を安定して取れる実力を

公務員試験のボーダーラインは、自治体・職種・年度によって差がありますが、

  • 最低得点率は30%〜70%程度(多くは40〜60%)
  • 競争倍率が高い試験ほどボーダーが上がる傾向あり
  • 面接は筆記よりも合否に直結することも多い

安全圏を目指すなら「6〜7割得点」を目標にしましょう!

 

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