【元県職員が解説】公務員の面接カード「関心事項」で差がつく書き方と例文

公務員の面接カードには、「最近関心を持ったこと」や「関心事項」といった記入欄がよく設けられています。

この欄、実は何気なく書いてしまいがちですが、他の受験生と差をつける絶好のアピールポイント

一方で、書き方やテーマ選びを間違えると、印象がマイナスになる可能性もある、少し注意が必要な欄でもあります。

この記事では、元県職員の筆者が実体験を交えながら、面接官の印象に残る「関心事項」の書き方をわかりやすく解説します。

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なぜ「関心事項」が面接カードにあるのか?

そもそも、なぜ公務員の面接カードに「関心事項」を書かせるのでしょうか?

この設問の目的は以下のようなものがあります。

  • 日ごろから社会や行政に関心を持っているかを見る

  • 受験生の価値観や考え方を知るため

  • 面接官との会話のきっかけをつくるため

つまり「この人は、公務員として働く素養があるか」を探る手がかりとして、面接カードを活用しているわけです。

【重要】私的な話題は避ける

面接カードの「関心事項」は、プライベートな趣味や娯楽の話を書く場所ではありません

たとえば以下のようなテーマはNGです。

  • 最近ハマっているドラマや漫画

  • 好きなアーティストやアイドル

  • 個人的な目標(筋トレ・ダイエットなど)

これらを書くと、「面接対策をきちんと行っていない人」という印象を与えかねません。

もちろん嘘を書く必要はありませんが、面接官が「公務員としての資質」を判断するうえで役立つ内容を選びましょう。

【鉄板】時事問題・社会問題が基本路線

関心事項には、次のようなテーマがもっとも無難で、かつ印象も良いとされています。

  • 少子高齢化

  • 地方の人口減少と地域活性化

  • 災害対策・防災意識の向上

  • 環境問題(プラスチックごみ、温暖化など)

  • 教育格差・デジタル格差

  • ジェンダー平等

こういった話題はニュースなどでも日々取り上げられており、面接官との話題としても展開しやすいです。

【差がつく】独自の視点を盛り込もう

関心事項で最も重要なのは、「そのテーマについて、あなたがどう考えているか」です。

単に事実やニュースを紹介するだけではなく、自分の体験や考察、提案などを交えてオリジナリティを出しましょう。

例:

「テーマ:地域活性化と移住促進」

✕悪い例:
最近、若者の地方移住が話題になっており、私も興味があります。

〇良い例:
私は大学時代、地方の過疎地域で地域おこしのボランティア活動に参加しました。人口減少や空き家問題の深刻さを肌で感じました。行政としては「移住支援制度の整備」だけでなく、「住民と移住者のつながりづくり」がカギになると考えています。

→ このように、「体験×提案」のセットにすると説得力が格段にアップします。

伯爵さん
くれぐれも参考書に掲載されている内容の丸写しはやめておきましょう。他の受験生と丸かぶりなんてこともないともいえません

【要注意】行政批判やネガティブな表現は避けよう

「考えや主張を書くべき」と言っても、行き過ぎると行政批判になってしまうことがあります。

面接官は自治体職員。

批判的な印象を与える表現は、評価を下げるリスクもあります。

例:

✕悪い例:
自治体の子育て支援策は不十分で、利用しにくいと感じます。

〇良い例:
自治体の子育て支援策は一定の効果を上げているものの、周知の方法に課題があると感じます。

SNSなど若い世代がアクセスしやすい媒体の活用が今後の課題だと思います。

→ 批判ではなく「提案」ベースで書くのがコツです。

【戦略】職種に関連したテーマを選ぶ

「関心事項」は、志望する職種や配属希望先に合わせて書くと、面接での話のつながりが自然になります。

職種関心事項テーマの例
市役所・県職員地域活性化、高齢化社会、防災、空き家対策、地域交通
国家公務員国際協力、エネルギー政策、外交、安全保障
警察官特殊詐欺、少年非行、ネット犯罪
消防官災害対応、火災予防、地域防災教育
林業職森林資源の活用、地球温暖化、山村振興

面接官に「この職種に対して理解がある」と思わせるには、やはり職種にリンクした話題が効果的です。

【構成テンプレ】関心事項の理想的な書き方

以下の構成で書くと、読みやすく、主張も伝わりやすくなります。

  1. 【関心事項のテーマ】(一文で)

  2. 【現状の簡単な説明】

  3. 【なぜ興味を持ったのか】(できれば体験や背景も)

  4. 【自分の考え・提案】

【例文(市役所志望の場合)】

「地域の空き家問題に関心があります」

全国的に空き家の増加が問題となっており、地域の景観や安全面に悪影響を及ぼしています。

私は大学のゼミで地域活性化をテーマに調査を行い、空き家を活用した子育て支援施設の事例を知りました。

行政として、空き家バンクの活用促進と住民ニーズのマッチング強化が求められると感じています。

 

【例文(県志望の場合)】

「関心事項:地域公共交通の維持と地域活性化」
私が住んでいる地域では、高齢化と人口減少の影響で路線バスの廃止が相次いでいます。

移動手段を失った高齢者の買い物や通院の困難さが社会問題となっており、地域の生活基盤の維持に直結すると感じました。

県としては、市町村や交通事業者と連携しながら、デマンド交通や地域乗合タクシーといった柔軟な交通サービスの導入支援が必要だと考えます。

住民の声を聞きながら、地域ごとに最適な交通施策を展開することが重要だと思います。

【裏技】あえて「抽象的に書いて質問を誘う」テクニック

面接カードでは、すべてを書きすぎないというのもテクニックの一つです。

あえて少し抽象的に書くことで、「詳しく教えてください」と面接で聞かれる可能性を高め、自分の得意分野で話を展開できます。

【本番対策】想定問答も用意しよう

関心事項は面接で必ず聞かれるわけではありませんが、聞かれたときに答えられないと評価は下がります。

書いたテーマについては、次のような想定問答を用意しておきましょう。

  • なぜそのテーマに関心を持ったのですか?

  • 今後、あなたが行政の立場だったらどのように関わりますか?

  • 他のテーマと迷いませんでしたか? なぜこのテーマにしたのですか?

【まとめ】関心事項はチャンス!しっかり準備を

「関心事項」は、面接カードの中でも自由度が高く、受験生の個性や考え方がよく表れる項目です。

しっかり準備すれば、あなたの熱意や思考力をアピールできる大きな武器になります。

最後にポイントをまとめます👇

  • 趣味などの私的な話題は避ける

  • 時事・社会問題+独自の視点が基本

  • 職種と関連づけると評価UP

  • 行政批判はせず、建設的な提案を

  • 面接対策として想定問答を準備する

ぜひ、あなただけの「関心事項」で、面接官の印象に残る一歩を踏み出してください!

ちなみにですが、私は3回面接試験を受験しましたが、一度も関心事項について質問がくることはありませんでした。

とはいっても面接官によっては質問してくるかもしれないので、しっかり準備はしておきましょう。

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