求められる人物像を知ることは、公務員試験の面接において必ず役立ちます。
なぜかというと、回答の際に、あなたがその人物像になり得るだろう匂わせ回答をし、面接官に「コイツは使える」「一緒に働いてみたい」と思わせることができるからです。
しっかりと人物像を把握して、面接対策に活かしてください。
【執筆者↓】
公務員試験で面接官が欲しがる人材8選
まず面接官が欲しがる人材の条件として、学力があり、頭が良いのは当たり前ですので省きます。
そのために筆記試験を課しているわけですので。
そのうえで、公務員の現場で求められるのは、「地頭力」と以下に紹介する「8つの社会人スキル」が高い人です。
- タフな人(身体的にも精神的にも強い人)
- 住民対応が卒なくできる人
- 説明力がある人
- 適応力がある人
- 対人調整能力・人脈構築力がある人
- 責任感・やり遂げる力がある人
- 企画力・提案力がある人
- 組織行動・団体行動ができる人
タフな人(身体的にも精神的にも強い人)
公務員でうつ病など精神疾患を発症する人はとても多いです。
そして、近年その数は増加傾向となっています。
(人事院 令和5年度年次報告書より)
また、公務員にもパワハラまがいなことも多数あります。
言動や暴力ではなく、どちらかというとアカデミックなハラスメント系が多いと思います。
【参考記事】公務員のパワハラの定義・具体例・事例を紹介!(元県庁職員の経験談あり)
ストレスフルな職場に加えて、公務員は残業が当たり前の世界です。
部署にもよりますが、20時21時22時まで残業することは常態化しています。
(定時にあがれる部署も実在します)
来客や電話がない土日に出勤して、集中して事務をこなす職員も多数います。
このように、精神的なタフさに加えて、身体的にもタフさも求められます。
住民対応が卒なくできる人
公務員は住民、業者、議員、外部団体、国や県や市の職員など様々な人たちを相手に、そのタイプ別に適切な対応をすることが求められます。
もちろん、どの部署においてもクレーマーはちょくちょく来ます。
このため、公務員には高いコニュニケーション能力が求められます。
それなのに面接試験のときに、
- 緊張しすぎる人(震えるなど)
- あまりに口下手すぎる人
- 目線をあわせて話せない人
- 挙動不審な人
- 一方的に喋りたてる人
- 質問内容を理解できない人
など問題特性を持っている人を面接官は合格させるはずがありません。
説明力がある人
民間でもそうですが、いわゆる「ホウレンソウ」(報告・連絡・相談)がしっかりできる人は仕事ができます。
例えば、仕事で問題が生じた際に、まずはすぐに上司に相談しなければなりません。しかし、上司はかなり忙しそうでイライラ気味、とても相談できる雰囲気ではありません。うまく事の顛末を説明しないと「だから何が言いたいんだ」「それでお前はどうしたいんだ」と大目玉を食らいそう、、、。でも相談しないと結局怒られるし。。。なんてことはよくあります^^;
また、公務員は、
- 「予算折衝」
- 「住民説明会」
- 「打ち合わせ」
- 「会議」
- 「根回し」
- 「監査対応」
- 「管理職への事前レクチャー」
- 「議会答弁」
- 「議員対応」
など様々なところで高い説明力が求められます。
説明力はある程度訓練すれば上達しますので、面接時にそこまで必須ではないです。
ですが、それでも「自分の経験を面接官に流暢に説明」したり、「説明力が公務員にとって重要なスキルだと認識」していることが大切です。
適応力がある人
公務員は原則数年ごとに異動します。
そして、その都度全くの畑違いの部署にいく可能性が高いです。
(特に地方上級採用の人)
昨日まで県の出先機関で税務課で税徴収をしていたのに、次の日からいきなり、
- 県庁の観光課でインバウンド向けの企画を考える
- 県庁の自然保護課で自然公園を管理する
- 県庁の労働雇用課で雇用対策を行う
- 部長付きになって部長の秘書的業務をやる
- 総務省に出向
- 大手民間企業に出向
- 市役所に出向
なんてことも余裕であります。
また、異動初日からあなたはその担当の仕事のエキスパートにならなければなりません。
住民には実務の経験年数なんて分かりませんから。
そのため、異動後は関係法令や条例を学んだり、過去の書類から事務処理の流れなどを短期間で習得する必要があります。
「適応力」や「柔軟性」、「自分自身を成長させようとする高い志」がないと、落ちこぼれ職員まっしぐらです。。。
対人調整能力・人脈構築力がある人
対人関係を築くことが苦手な人は、公務員という組織の中で行きていくのは非常にシンドくなります。
何をするにも、自分ひとりではできず、必ず上司や管理職の決裁が必要になります。
係単位で動く仕事も多いです。
また、出世する人・仕事ができる人は必ず人脈構築力に長けています。
「仕事ができるな~」と思う人は様々な人から頼りにされていますし、逆に仕事で問題があればその人脈を最大限に利用して難所を乗り切ります。
出世する人・仕事ができる人は、管理職や上司、同期、部下、みんなから慕われています。
責任感・やり遂げる力がある人
最後まで仕事をやり遂げる責任感がある人は管理職や上司からの信頼度が高まります。
難易度が高い仕事でも、ただの煩雑な事務作業でも、責任をもって期限を守りつつミスなくこなし続けている人にチャンスが回ってきます。
企画力・提案力がある人
公務員は、企画や提案をする機会が意外と多いです。
特に、来年度の予算を決める時期になると、管理職や財政課に、自分や係の企画案を提案することになります。
少ない予算でいかに費用対効果が高い事業、住民のためになる事業ができるか、これが大切なポイントです。
組織行動・団体行動ができる人
いわゆるKY(空気が読めない)な人は公務員には向いていません。
公務員は基本的に組織で動くので、仕事は団体行動が中心です。
(これがマイナスに働くことも多いですが)
一人で良い仕事をしようと思っても、一人で目立とうと思っても公務員では無理があります。
- 「周りの空気を気にして気遣いができる」
- 「上下関係に注意をはらい上司をたてることができる」
などしていかないとあなたの評価が下がります。
周りを気にせず、自分だけどんどんパフォーマンスを上げて仕事をこなして出世をしたい、周りを出し抜きたい、給料を上げたいと思う人はどうぞ民間を選んでください。
面接においても、この点は重要です。
あくまでチームワーク良く困難な課題を乗り越えていく系のほうが好まれます。
自分ひとりで大それたことをやってやるぜ系の人は、民間に向いています。
まとめ~面接官に「一緒に仕事をしたい」と思わせることが超重要~
ここまで公務員に求められている人物像8選を紹介しました。
「これらのスキルを持った人」「これらのスキルが重要だと分かっている人」を面接官は欲しがっています。
受験生の皆さんには、「これらのスキルを持ち合わせている」、あるいは「意識している」ことを面接官に回答の中でアピールすることが重要です。
これができれば、面接官は
- 「この受験生は公務員をよく分かっている、勉強している」
- 「ぜひ我が自治体で活躍してもらいたい」
- 「一緒に働いてみたい」
と思うわけです。
こうなれば合格は自ずと向こうからやってきます。
詳しい評価基準については、別記事でも紹介しているので一読してみてください↓
【公務員面接試験】評価基準を理解して対策をすべし!致命的ミスも紹介