今回の記事では国家公務員試験合格者の出身大学(国立・私立)と合格率、県庁職員の出身大学(大学名)について、ご紹介します。
- 国家公務員総合職(大卒程度)合格率 → 国立大学生は14%、私立大学生は6%と倍以上の差
- 国家公務員一般職合格率 → 国立大学生は37%、私立大学生は21%とほぼ倍以上の差
- 私立大学生は不利な状態からのスタートと心得て、早めに試験対策を行うべき!
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公務員試験の合格率はどっちが高い?~国立大学vs私立大学~
それでは令和4年度の公務員試験の国立・私立別出身大学別の申込者数・合格者数、そして合格率をご紹介します。
数値については人事院「公務員白書 令和4年度年次報告書」より抜粋しています。
(今回は公立大学などの合格者の数値は除いています)
なお、国家公務員総合職合格者の具体的な大学名は、人事院に公開請求しないと情報を開示してもらえないため、この記事では掲載していません。
具体的な大学名を知りたい方は東京理科大学HP「大学別国家公務員採用総合職試験合格者数」で細かく掲載されていますのでご覧ください。
国家公務員総合職(院卒者試験)
国立大学 | 私立大学 | |
---|---|---|
申込者数 | 1,213(73.2%) | 381(23.0%) |
合格者数 | 470(70.5%) | 122(19.7%) |
(注意:()内は、申込者総数又は合格者総数に対する割合です。)
総合職の院卒者試験では、申込者数も合格者数も国立大学が圧倒的に多いです。
合格者のうち7割以上は国立大学大学院出身となっています。
大学別の合格率は、国立大学生が約39%、私立大学生が約32%となっています。
(合格者÷申込者数で掲載しています。受験生数は数が減るので、合格率はもう少しあがります。)
国家公務員総合職(大卒程度試験)
国立大学 | 私立大学 | |
---|---|---|
申込者 | 5,932(43.4%) | 6,662(48.7%) |
合格者 | 778(62.0%) | 409(32.6%) |
(注意:()内は、申込者総数又は合格者総数に対する割合です。)
総合職の大卒程度試験では、申込者数は国立も私立もほぼ変わりませんが、合格者数は国立が約6割となっています。
合格率は、国立大学生が約13%、私立大学生が約6%と倍以上の差がついています。
国家公務員一般職(大卒程度試験)
国立大学 | 私立大学 | |
---|---|---|
申込者 | 9,640(34.3%) | 15,271(54.3%) |
合格者 | 3,848(47.2%) | 3,368(41.3%) |
(注意:()内は、申込者総数又は合格者総数に対する割合です。)
一般職では、申込者数は毎年私立のほうが多いですが、合格者は国立のほうが多い結果となっています。
合格率は、国立大学生約40%、私立大学生約22%とほぼ倍の差がついています。
地方公務員(県庁・大卒程度)
地方公務員に関しては、統計データが見当たりませんでした。
そのため、実際に私の県庁時代の仲の良かった先輩・同期・後輩(地方上級で採用された人達)で出身大学を覚えている39人をご紹介します。
なお、技術職については、私が林業職だったので林業区分の人が多くなっています。
【行政職】合計20人
- 国立大学11人
内訳:地元国立大学2人、京都大学、東北大学、神戸大学大学院、金沢大学、筑波大学、横浜国立大学2人、新潟大学、群馬大学
- 私立大学9人
内訳:早稲田大学2人、中央大学4人、法政大学、私立大学大学院(大学名忘れ)、私立大学(大学名忘れ)
【技術職】合計19人
- 国立大学17人
内訳:地元国立大学(林業2人、総合土木3人、建築、農業)、新潟大学(林業2人、建築)、名古屋大学(林業)、金沢大学(総合土木)、東大(林業)、宇都宮大学(林業2人)、三重大学(林業)
- 私立大学2人
内訳:北里大学(獣医師)、日本大学(薬剤師)
なお、地方公務員の出身大学はあくまで私の知り合いの中でのことなので、偏りがある可能性もありますので、参考程度としてください。
なぜ国立大学生の合格率のほうが高いのか?
国家公務員試験では明らかに「私立大学生よりも国立大学生が公務員試験には有利」といえる結果でした。
私立大学生、国立大学生で面接試験で差が出るとは思えませんので、単純に大学受験時に「センター試験」をパスしてきた国立大学生と、センター試験を受けなかった私立大学生の「基礎学力の差」が大きな要因と個人的には考えます。
公務員試験では「一般知能+一般知識(センター試験科目+α)」という幅広い試験科目を解かなくてはなりません。
公務員試験で始めて勉強する「一般知能」では得点差があまりつかないと思いますが、「一般知識」では国立大学生のほうがセンター試験受験時(5教科7科目以上が多い)に広範囲の科目を勉強している分、公務員試験には有利になると言えるでしょう。
私立大学生はこのことを心得て、不利な状態からのスタートだと自覚し、公務員試験に挑むべきだと思います。
その上で、国立大学生よりも、
- 「早めに公務員試験勉強を始める」
- 「効率的な勉強法で試験勉強を行う」
ことが大切になってきます。
このことを肝に銘じて試験勉強に取り掛かってほしいと思います。
【公務員試験】大学の学部によって有利・不利は一切ない
(一部の試験では、大学卒業を条件としている場合もありますので、受験案内をよく確認しましょう)
つまり、出身大学は全く関係ないし、もちろん出身学部はまったくもって関係ありません。
合否に学部は関係ありませんが、公務員試験に強い学部、そして入職後に出世する人が多い学部はあります。
それは、法学部出身の人たちです。
公務員試験の専門試験では、憲法、行政法、民法、政治学、行政学がそのウエイトを多く占めますが、やはりこれらを学んできた法学部学生は試験で強いといえます。
また、これは私の経験則でもありますが、法学部出身の公務員は優秀な方が多く、出世する人が多い印象があります。
ちなみに、理系学部でも行政職に合格できるかですが、公務員試験さえパスできれば、もちろん合格可能です。
また、技術職でもその職に全く関係ない学部から独学で勉強して合格した人もいました。(理学部出身で林業職とか)
とはいえ、面接官からなぜ行政職を志望したのかを尋ねられることはあるでしょう。
その際もしっかりとした志望動機さえ準備できていれば、何も臆することはありません。
まとめ
ここまで、国家公務員試験合格者の出身大学(国立・私立)と合格率、県庁職員の出身大学(大学名)について、ご紹介しました。
結論、
- 国家公務員総合職(大卒程度)合格率 → 国立大学生は14%、私立大学生は6%と倍以上の差
- 国家公務員一般職合格率 → 国立大学生は37%、私立大学生は21%とほぼ倍以上の差
- 県庁職員 → 国立大学生が多い(私の知り合いのデータ)
という結果になりました。
私立大学生はかなり不利な状態からのスタートと心得て、早めに試験対策を行うべきです。
筆記試験を通過さえしてしまえば、あとは本人の人柄次第で、民間ほど出身大学の差別はないので安心してください。
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