「職員宿舎に引っ越すとき、あいさつって必要なのかな?」
「そもそも公務員宿舎と民間アパート、どっちがいいんだろう?」
「入居前に確認しておくべきルールやマナーってあるの?」
──そんな疑問を持つ新規採用職員や現役公務員の方は多いでしょう。
私自身、県職員として9年間勤務し、その間に職員宿舎へ3回引っ越ししました。
単身用・世帯用、どちらのケースも間近で見てきましたが、入居前に知っておかないとトラブルになりやすい「暗黙のルール」や「人間関係のポイント」が多いのが実情です。
特に職員宿舎は、同じ職場の人が隣人になる特殊な環境。
トラブルが起きれば職場の雰囲気にも影響するため、民間アパートとは違う配慮が求められます。
その一方で、家賃が相場の半分以下という圧倒的メリットもあり、うまく活用すれば家計にも大きなプラスになります。
本記事では、
公務員宿舎の基礎知識
引っ越し時のあいさつマナー(単身・世帯別)
入居前に確認しておくべきポイント
民間アパートとの比較と判断基準
を、元県職員(9年)・FP資格保有・公務員試験アドバイザーの筆者が実体験を交えて徹底解説します。
読後には、「あいさつは必要?」「どっちの住まいが自分に合う?」という悩みがすっきり解決するはずです。
ぜひ最後まで読んで、あなたにとって最適な“公務員ライフの住まい方”を見つけてください。
※この記事では主に私の県での実体験をもとに解説しています。各自治体で細かい部分で異なる場合があるので、詳細は各自治体の総務課に確認してください。
この記事を書いた人

宿舎って何?公務員宿舎の基本知識

「職員宿舎」「職員住宅」「宿舎貸与制度」の定義
「公務員宿舎」とは、国や地方自治体が職員のために用意している公的な住宅のことです。
正式には「職員宿舎」または「職員住宅」と呼ばれ、国家公務員の場合は「国家公務員宿舎法(昭和25年法律第117号)」、地方公務員の場合は各自治体の条例に基づいて整備されています。
宿舎は、職員の生活の安定確保と通勤の便宜を目的として設けられており、一般の民間賃貸に比べて家賃(使用料)が非常に安いのが特徴です。
たとえば、家賃相場が5〜6万円の地域でも、宿舎の使用料は 5,000〜30,000円程度に抑えられていることが多く、実質的な給与増効果が期待できます。
宿舎の種類(単身用・世帯用・無料/有料)と制度根拠
公務員宿舎は、大きく分けて単身用 と世帯用の2種類があります。
| 種類 | 主な対象 | 間取り | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 単身用宿舎 | 独身職員、単身赴任職員 | 1K〜1DK | コンパクト・格安。家具付きの場合もあり。 |
| 世帯用宿舎 | 配偶者・子どもがいる職員 | 2DK〜3LDK | 広めで家族向け。古い建物も多い。 |
制度上は、単身職員が世帯用に入居することは原則不可(ただし自治体によっては、空室があれば単身者でも住める場合あり)。
入居資格・優先順位・応募・抽選方式のポイント
宿舎は「誰でも自由に入居できる」わけではなく、職員の地位や家族構成、通勤距離などに基づいて優先順位が決まっています。
以下のような基準が一般的です。
- 新規採用職員は最優先
- 転勤も優先される
持ち家所有者や勤務地近隣に自宅がある人は対象外となる場合も
また、人気エリアや新しくて綺麗な宿舎では抽選制になることもあります。
特に都市部では空きが少ないため、希望が通らないケースも少なくありません。
入居できなかった場合は、民間アパートを借りて「住居手当」を受け取る選択肢もあります。
宿舎に入居すると住居手当が支給されないことが多いので、どちらが経済的に有利か比較するのが重要です。
💡 ワンポイント:
宿舎使用料は安いですが、老朽化・立地・プライバシー面では民間アパートに劣るケースも。
「節約重視」か「快適さ重視」か、自分のライフスタイルに合わせて選びましょう。
宿舎に引っ越すときの“あいさつ”、どうする?
単身用の場合:あいさつは“基本的に不要”
結論から言えば、単身用の職員宿舎では引っ越し時のあいさつは不要です。
私自身、県職員として9年間のうち3回宿舎に住み替えましたが、どの宿舎でも誰も引っ越しのあいさつをしていませんでした。
自分もしませんでしたし、されたことも一度もありません。
単身用宿舎は、社会人寮のような雰囲気で、プライバシーが尊重される空間です。
勤務先の同僚が隣に住んでいるケースも多いため、かえって“距離感”を保つことが好まれる傾向があります。
ただし、顔を合わせたときの軽い会釈や挨拶はマナーとして必要です。
初対面で無言だと印象が悪くなるため、
「あ、引っ越してきました。よろしくお願いします。」
と一言添えるだけで十分です。
💡ポイント:
あいさつを形式的に行うよりも、「日常の挨拶」「静かな生活」「共用ルールの遵守」が大切。
同じ職場の人間関係をこじらせないためにも、“干渉しすぎない”距離感を意識しましょう。
世帯用(家族あり)の場合:あいさつをしたほうが良い理由
一方、家族で入居する世帯用宿舎では、必ずあいさつをするのが基本です。
世帯用は子どもがいたり、生活音が大きくなりやすい環境のため、事前に「ご迷惑をおかけするかもしれません」と伝えることでトラブル防止につながります。
特に上下階・左右の隣接住戸には忘れずにあいさつしましょう。
また、宿舎全体が小規模な場合は、自治会や掃除当番の担当者にも顔を出しておくと良い印象を与えます。
🎁あいさつ品の目安
予算:300〜1000円程度
内容:洗剤・タオル・お菓子・ティッシュなど消耗品系
※高価すぎるものはかえって気を遣わせます。
実際の体験談:筆者が宿舎引っ越しで感じたこと
私は独身時代に3回宿舎に入居しましたが、“静かに暮らす”ことが最大のマナーだと感じました。
単身宿舎ではあいさつをしないのが暗黙の了解でしたが、隣の部屋の人のテレビ音や話し声が気になることは多く、「これ、もし家族連れなら絶対あいさつしたほうが良いな」と思ったのを覚えています。
宿舎は築年数が古い建物も多く、木造や鉄骨造で音が響きやすいもの。
「隣の生活音が気になる」「子どもの足音がうるさい」といった小さなストレスが、後々人間関係の溝につながることもあります。
だからこそ、世帯用ではあいさつをしておくことで“許容範囲”が広がりやすくなるのです。
あいさつをする際のタイミング・具体的なフレーズ
あいさつのタイミング
入居前日または当日(引越しトラックが来る前)が理想。
不在の場合は、後日インターホンを鳴らすか、簡単なメモを添えてドアノブに挨拶品をかけておくのもOK。
あいさつフレーズ例
「このたび引っ越してきました〇〇です。これからよろしくお願いいたします。」
「〇〇課の〇〇と申します。同じ職場かもしれませんが、何かとお世話になるかと思います。」
- 「このたび◯号室に引っ越してきました〇〇です。小さな子どもがいますので、ご迷惑をおかけすることがあるかもしれませんが、よろしくお願いいたします。」
💬注意:
相手が同じ職場の上司・先輩である可能性もあります。
仕事モードの話は避け、あくまで“生活上のあいさつ”にとどめましょう。
入居前に必ず確認しておくべき10項目チェックリスト
宿舎生活でトラブルが起きる多くの原因は、「入居前の確認不足」です。
制度やルールを理解していないと、あとから「そんな決まり知らなかった…」ということになりかねません。
ここでは、筆者自身の経験+実際にあったトラブル事例を踏まえて、チェックしておくべき10項目をまとめました。
契約・使用料・管理費・住居手当との関係
まず確認すべきは、「宿舎の使用料」と「住居手当(家賃補助)」の関係です。
宿舎を利用する場合、原則として住居手当は支給されません。
使用料(月額家賃)は自治体によって異なりますが、単身用で5,000〜10,000円、世帯用で15,000〜25,000円程度が一般的です。
管理費や共益費が別途必要なケースもあります。
💡チェックポイント
使用料は給与天引きか?
管理費の有無と支払方法
退去時の清掃・修繕費の扱い
住居手当の停止時期(入居翌月からが多い)
同棲/家族同居・転勤/赴任・世帯用への切替可否
単身宿舎に家族や恋人を同居させるのは原則NGです。
実際に同棲が発覚して総務課から注意を受けた同僚もいました。
また、結婚や出産などで世帯構成が変わる場合は、あらためて世帯用宿舎への転居申請が必要になります。
📝事前に確認しておくべき点
同居人数・続柄の届け出義務
転勤・異動時の退去期限
世帯用への切替ルール(空き待ち制度など)
駐車スペース・来客用駐車・バイク・自転車置き場
宿舎トラブルで最も多いのが駐車場問題です。
特に来客用スペースを勝手に使ってトラブルになるケースは頻発しています。
💡チェックポイント
自家用車1台まで?2台目OK?
来客用スペースの有無と位置
バイク・原付・自転車置き場のルール
除雪・草取りなど駐車場管理の当番制有無
ペット飼育の可否・共有スペース利用ルール
ペットの飼育は原則禁止です。
特に犬猫はNGで、金魚・ハムスターなども“要相談”のケースがあります。
また、共用部分(廊下・ベランダ・屋上など)の使用範囲にもルールが定められていることが多いです。
🐶事前に確認すること
小動物の可否(自治体によって解釈が違う)
ベランダでの物干し・プランター設置OKか
共用部分の私物放置禁止ルール
ゴミ出し・分別・収集日・当番制等のルール
宿舎ごとにゴミ出しルールは異なります。
自治体の回収ではなく、宿舎独自の集積所ルールがあることも珍しくありません。
💡チェックリスト
ゴミの分別区分(可燃・不燃・資源など)
出す時間帯・場所・曜日
当番制(清掃・集積所当番)の有無
大型ごみ・粗大ごみの処理方法
草取り・清掃・共用部分の維持管理責任
多くの宿舎では、年数回の清掃や草取りが義務になっています。
不参加だと「生活態度が悪い」と受け取られることもあり、参加が半ば強制的な場合もあります。
🧹確認すべきこと
年何回・どの時期に行うか
不在時の代理ルール
清掃範囲(共用部/自室前)
音・壁・床・構造・築年数・リフォーム状況
宿舎は築30〜50年の古い建物が多く、音漏れや断熱性の低さが問題になりやすいです。
契約前に以下を確認しておきましょう。
🏠チェックポイント
木造/鉄骨造か
防音性(上下・隣との壁厚)
リフォーム済みか
給湯・水回り・トイレなどの改修時期
⚠️補足
古い宿舎では「給湯設備が灯油ボイラー」「冬場の凍結注意」「窓が単層ガラス」なども。
実際に内見して確認するのがベストです。
住居手当・宿舎使用料・民間賃貸とどちらが得か?
単身宿舎の家賃が月8,000円、民間賃貸が月50,000円なら、年間で約50万円の差。
しかし、住居手当を受け取れる場合、民間でもほぼ同水準になるケースもあります。
📊比較シミュレーション(例)
| 項目 | 宿舎 | 民間アパート |
|---|---|---|
| 家賃 | 8,000円 | 50,000円 |
| 住居手当 | 0円 | −27,000円(支給) |
| 実質負担 | 8,000円 | 23,000円 |
| プライバシー・設備 | △ | ◎ |
💡ポイント
節約重視なら宿舎、快適さ重視なら民間。
夫婦共働きで所得が高い場合、宿舎よりも民間のほうが自由度が高い。
契約終了・退去時の手続き・費用負担・敷金礼金の有無
退去時には原状回復義務があり、故意・過失による損傷がある場合は修繕費を負担することになります。
🧾チェックすべき項目
敷金・礼金・保証金の有無
修繕範囲(共用部 vs 専用部)
退去届の提出時期(1ヶ月前が目安)
クリーニング費の負担区分
テレワーク・在宅勤務の増加を踏まえた住環境の見直し
コロナ禍以降、自治体によってはテレワーク用個室・通信環境の改善を行っている宿舎もあります。
在宅勤務が多い職員は、ネット回線・Wi-Fi環境・コンセント数を必ずチェックしましょう。
宿舎 vs 民間アパート どっちが良い?比較と判断基準
「公務員宿舎に入るべきか、それとも民間アパートを借りるべきか」――
これは多くの新規採用職員が最初に迷うポイントです。
どちらにも一長一短があり、自分のライフステージや勤務形態によって最適解は変わります。
ここでは、実際のデータと筆者の経験をもとに、両者を多角的に比較していきます。
ちなみに私は9年間の県職員生活のなかで、以下のように住居環境が変わっていきました。
職員宿舎→実家→民間アパート→職員宿舎→職員宿舎
宿舎のメリット&デメリット
メリット
家賃が圧倒的に安い(月5,000〜2万円台)
通勤距離が近い(庁舎隣接や徒歩圏内が多い)
転勤・赴任時にすぐ入居できる(手続き簡略)
家具・家電付きの宿舎もある(新採用者に人気)
水道・駐車料金込みのケースもある(実質固定費削減)
デメリット
建物が古い(築30〜50年)ため防音・断熱性が低い
人間関係が職場と重なる(プライバシーが狭い)
清掃・草取りなど共同作業がある
リフォーム不可・設備制限あり
住居手当が支給されない(金銭的自由が限定)
🏠筆者メモ
私自身も最初は「家賃が安い=正義」だと思っていましたが、年を重ねるにつれて「静かに休める環境」「プライバシーの確保」「自由度の高さ」の価値を強く感じるようになりました。
とくに30代以降は「安さ」よりも「快適さ」を求める人が増えます。
民間アパート・賃貸のメリット&デメリット
メリット
立地・間取り・設備を自由に選べる
プライバシーが確保できる(同僚と距離を取れる)
住居手当(上限あり)が支給される
デメリット
家賃が高い(職員宿舎の倍以上)
敷金・礼金・更新料がかかる
転勤時に引越費用が発生
通勤距離が長くなる場合もある
ケース別おすすめ:独身/家族あり/転勤あり/在宅ワークあり
| ケース | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| 独身(新採用) | 宿舎 | 初期費用が安く、通勤も便利。生活リズムを整えやすい。 |
| 家族あり(小さな子ども) | 民間アパート | 生活音・スペース・学校環境を考えると民間が快適。 |
| 転勤・赴任が多い | 宿舎 | 引越し費用・契約手続きが簡略。短期滞在向き。 |
| 在宅勤務中心 | 民間アパート | 通信・防音・空間自由度が高く、仕事効率が良い。 |
| 住宅購入を検討中 | 宿舎→民間→持ち家 | 初期は宿舎で貯蓄、家族構成が固まってから持ち家へ。 |
判断のための比較表+フローチャート
【比較表】
| 項目 | 公務員宿舎 | 民間アパート |
|---|---|---|
| 家賃・費用 | ◎ 激安(月5,000〜30,000円) | △ 家賃+共益費(5〜6万円) |
| 通勤距離 | ◎ 近い(職場徒歩圏も) | △ 遠くなることも |
| 人間関係 | △ 職場同僚が多い | ◎ プライベート確保 |
| 設備・築年数 | △ 古い・簡素 | ◎ 新築・リフォーム多 |
| ペット可否 | ✕ 原則禁止 | ○ 物件による |
| 引越し・転勤対応 | ◎ 手続き簡単 | △ 毎回契約・解約 |
| 清掃・行事 | △ 当番制あり | ◎ 基本なし |
| 住居手当 | ✕ なし | ○ 最大2.8万円支給 |
| 総合評価 | 節約・短期向け | 快適・長期向け |
【簡易フローチャート】
↓
① 節約重視・通勤近くがいい → 宿舎へGO
② プライバシー重視・静かに暮らしたい → 民間アパートへ
③ 家族が増える予定・在宅勤務あり → 民間アパートまたは持ち家へ
④ 転勤多め・短期滞在 → 宿舎でOK
🏁結論:
迷ったら「最初は宿舎 → 数年後に民間」がおすすめ。
初任給時代は宿舎で貯蓄し、生活基盤が整ったら民間に移るのが最も堅実です。
移転後のトラブル回避&良好な関係を築くために
宿舎生活は、一般の賃貸とは違い「職場の人が隣に住む」という特殊な環境です。
だからこそ、引っ越したあとの振る舞い一つで、職場の印象にも影響します。
この章では、私自身の体験も交えて、入居後に気をつけるべきポイントと良好な関係づくりのコツを紹介します。
職場同僚が近隣に住む宿舎ならではの配慮ポイント
宿舎では、上司・先輩・同期・後輩が同じ建物内に住んでいることが珍しくありません。
このため、日常生活が「半分職場の延長」のような空気になることもあります。
💡気まずくならないコツ
休日でも勤務先の話題は避ける(「あの案件どうなりました?」は禁止)
人の生活を詮索しない(洗濯時間・帰宅時間などに触れない)
ゴミ出しや草取りのときは軽いあいさつだけでOK
また、飲み会・送別会の後の騒音や遅い帰宅音にも注意が必要です。
たとえ一時的な音でも、翌日「昨日はうるさかったね」と言われると、翌週の職場で気まずさが残ります。
騒音・来訪・駐車・共有スペースの使い方:実践Tips
公務員宿舎で最も多いトラブルは、「音・駐車・共有部分」の3点です。
(1)騒音トラブルを避けるコツ
足音・ドアの開閉音は意外と響く。特に夜22時以降は注意。
テレビ・スマホ動画はイヤホンを使用。
洗濯機・掃除機の使用時間は朝7時〜夜9時までに。
(2)来客マナー
必ず来客用駐車場を利用する。来客用駐車場がないため空きスペースに勝手に駐車することはNG。
夜遅い訪問・長時間滞在は避ける。
宿舎内での集まり(宅飲みなど)は、音量・時間・人数を控えめに。
(3)共有スペース利用のマナー
廊下・階段・玄関前に私物を置かない。
ベランダの物干しは飛散防止ネットを使用。
駐輪場・倉庫・物干し場は「共用=みんなのもの」と意識する。
🧩実際にあったトラブル例
「真夜中の洗濯・掃除」「共用廊下での長時間の立ち話や電話」「来客の無断駐車」「真夜中の楽器演奏」「深夜までの騒がしい宅飲み」など。
どれも悪気がなくても注意されやすい項目です。
実際に私も隣に住む別の課の人に「壁ドン」されたことがあり、非常に気まずくなった記憶があります。
引越し直後の「ご近所あいさつ」+その後の関係維持術
入居直後にあいさつを済ませたら、それで終わりではありません。
むしろ「その後の関係維持」が本当の意味でのマナーです。
💡関係を良好に保つ3つのポイント
会えば必ずあいさつ(天気の話題程度でOK)
共同作業・草取りには積極的に参加
トラブルが起きたときは早めに相談・謝罪
たとえば「子どもの足音で迷惑をかけたかも」と感じたら、
「すみません、子どもが少し騒いでしまって…」
と軽く声をかけるだけで印象は大きく変わります。
逆に「知らん顔」をすると、関係が一気に冷え込むこともあります。
宿舎では“完璧さ”よりも“誠意と気づかい”が重要です。
よくある質問(FAQ)

Q1. 公務員宿舎に引っ越すとき、あいさつは絶対に必要ですか?
結論として、単身用宿舎は不要、世帯用宿舎は必要です。
単身用はプライバシーを重視する傾向が強く、あいさつをしないほうが自然な場合が多いです。
一方で世帯用は、家族の生活音・子どもの声などが響くため、入居時に上下・隣人へのあいさつは必須です。
Q2. 宿舎の清掃や草取りをサボるとどうなりますか?
多くの宿舎では、共同清掃や草取りの参加が「義務」扱いです。
不参加が続くと、「生活態度が悪い」「協調性がない」と見なされ、職場で悪評が立つリスクもあります。
やむを得ない理由で参加できない場合は、事前に担当者へ連絡しておきましょう。
また、清掃・草取りの当番制や日程は、入居時に「宿舎掲示板」や「回覧板」で必ず確認を。
Q3. 公務員宿舎と民間アパート、どちらが得ですか?
短期的(1〜3年)なら宿舎、長期的(4年以上)なら民間アパートがおすすめです。
宿舎は家賃が格安(単身1万円以下もあり)ですが、
老朽化や音問題
プライバシーの少なさ
という制約があります。
一方、民間アパートは家賃が高くても住居手当(上限あり)が支給され、長期的には快適さと自由度で優れます。
🧮試算例
宿舎(月8,000円)と民間(家賃5万円・手当2.7万円)では、実質負担の差は「月15,000円前後」。
快適性を考えれば、民間を選ぶ人も多いです。
Q4. 宿舎でのトラブルが起きたらどうすればいい?
まずは宿舎担当者(管財担当部署・総務課)へ相談します。
当人同士で解決しようとすると、職場内での関係が悪化するケースがあります。
また、記録を残しておくことも大切です。
トラブル日時
内容(音・駐車・ごみなど)
対応内容
をメモしておくと、第三者が介入しやすくなります。
Q5. 宿舎を退去するときの手続きや注意点は?
退去時は、1か月前程度や引越しが決まったら速やかに「課の総務担当に連絡」するのが基本です。
また、故意・過失による損傷は原状回復の対象となり、修繕費を請求されることがあります。
✅チェックリスト
壁・床・天井に穴や傷がないか
清掃を完了してから立会いを受ける
鍵の返却日を忘れずに
まとめ:あなたにとって最善の住まい選びへ
公務員宿舎は、経済的に魅力的でありながら、人間関係の配慮が求められる特殊な住環境です。
安さだけで判断すると後悔することもありますが、制度を理解し、正しく使えば非常にメリットの大きい制度です。
✅ 本記事のまとめポイント
| テーマ | 結論・ポイント |
|---|---|
| あいさつ | 単身は不要、世帯用は必須。初対面時の印象がカギ。 |
| 入居前の確認 | 駐車場・清掃・音・ペット・共用部など10項目を要チェック。 |
| 宿舎 vs 民間 | 節約重視なら宿舎、快適重視なら民間。ライフステージで見極めを。 |
| トラブル防止 | 騒音・駐車・共用部・清掃当番は最も多いトラブル要因。 |
| 制度・法令 | 宿舎は「福利厚生」ではなく「勤務支援のための住宅」。 |
| 人間関係 | 誠実さ・挨拶・共同作業への協力が信頼につながる。 |
🏡 筆者からのメッセージ
私自身、9年間の県職員生活の中で3回宿舎に入居しました。
家賃の安さには大きく助けられましたが、同僚との距離感の取り方や、音・清掃・人間関係にはとても気を使いました。
「宿舎に住む=節約」だけでなく、「どう暮らすか」「誰とどう関わるか」も含めた選択が、公務員生活を快適にする大切なポイントです。
宿舎をうまく活用すれば、数年間で数十万円~50万円程度の貯蓄差を生むことも可能です。
一方で、生活ストレスが大きいと仕事への集中力が下がることも。
あなたの価値観に合った住まい方を、冷静に見極めてください。
💬 次に読んでほしい関連記事
- 公務員試験合格後の最適な過ごし方(やっておくべきこと9選)
- 【公務員】住居手当の手当額と計算方法を紹介。持ち家に係る手当は廃止化へ。
- 公務員の引越し手当(赴任旅費)ってどのくらい?支給されない場合とは?
- 公務員の引継書の作り方&注意点(初めて引継ぎする人向け)
📣 行動喚起(CTA)
もしあなたがこれから宿舎への入居を控えているなら、以下の行動をチェックリストとして実践してください。
【宿舎入居前チェックリスト】
宿舎規約を最後まで読んだ
駐車場・清掃・ゴミ出しルールを確認
管理担当者の連絡先をメモした
引越しあいさつの準備をした
同期・同僚に宿舎経験者がいれば情報収集した
そして、もし将来的に「民間賃貸」「持ち家」への移行を考えるなら、早めに住居手当・住宅ローン・共済制度の仕組みも理解しておくと安心です。
