公務員の6ヶ月間の試用期間(条件付採用)とは?正式採用されないケースも紹介!

公務員試験に合格し採用となると、4月1日より公務員として働き出すことになります。

 

しかし、実はこの4月1日より9月30日までの間は「試用期間」という扱いになり、まだ公務員として正式採用されていません

 

ねこさん
え?採用されればもう一生安泰だと思ってたのに!?

 

となりの伯爵さん
条件付採用については知らない採用予定者が多いです。私も入庁してから試用期間があることを聞いて不安になったことを覚えています。

 

今回の記事では、公務員の試用期間の基本、試用期間中の身分や給料、正式採用されないケースなどを元公務員の私が紹介したいと思います。

 

おもに、

  • 公務員内定者
  • 公務員新人

に役立つ内容となっています。

 

【記事執筆者↓】

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公務員の試用期間(条件付採用)とは?

国家公務員や地方公務員は以下の法律により試用期間などが定められています。

 

【目的】

競争試験などだけでは能力の見極めが難しいため、条件付で採用し、一定期間、実務を行った中で職務遂行能力を観察し、能力が確認された段階で正式採用とするもの。

 

【法律】

 

【期間】

国家公務員・地方公務員は6ヶ月間(6ヶ月間中に勤務した日数が90日間に達するまで、条件付採用期間は1年を超えない日まで延長できる)

 

ちなみに地方公務員の中でも教諭については1年間と長くなっています。

 

【正式採用の条件】

公務員は「6ヶ月間の職務を良好な成績で遂行したときに正式採用となる」とされています。

 

伯爵さん
良好な成績といっても普通に上司から指示された仕事をしていれば大丈夫です。試用期間は形式的なものと思ってもらって構いません。

 

ねこさん
なんだ、形式的なものか~ふう少し安心したぜ、おどかすなよ~

 

公務員に正式採用にならないことはあるの?

ほぼ間違いなく正式採用になる

普通に仕事をしていれば分限免職(クビ)になることはありませんので、心配はいりません。

 

ただし、懲戒処分レベルの非違行為や、あんまりにも職務遂行能力がなく公務員不適合の場合は、免職されてしまう身分ではあります。

 

となりの伯爵さん
県庁時代、同期が100人超いましたが、1人だけ正式採用されませんでした。はっきりとした理由はわかりませんが、コミュニケーション能力が致命的で仕事が回らないうえに、自動車事故を起こしたからだと噂で聞きました。

 

正式採用にならないケース

ここで正式に採用とならないケースについて紹介します。

 

以下の内容は、「自治大阪H30年5月号 相談室 条件付採用期間中の職員の分限免職について」より引用しています。

 

 X市で4月1日に採用されたAは、遅刻や欠勤はないものの、マニュアル等を参照すれば容易に習得することのできる基本的な業務について、単純なミスを繰り返し、上司から指摘されても一向に改善がみられない。また、業務の期限を遵守するために上司がAに時間外勤務命令を行っても、Aは命令に従わず定時に退庁するため、職場には相当の負担が生じている。
まもなく採用から6ヵ月を経過するが、X市長はAに対して分限免職の処分を行うべきか。または、現時点では処分を見合わせ、条件付採用期間を延長すべきか。
Aの資質、能力、性格等からして職務遂行に適合せず、かつ、そのような不適合性が容易に矯正できないと判断される場合には、分限免職処分を行うべきであり、勤務日数不足によりAの能力実証ができない場合を除き、処分を行わず条件付採用期間を延長することは適当でない。

 

分限免職とは、ようは「クビ」のことです。

 

分限免職を行うにあたっては十分に「裏付け」が必要だとされています。

 

裏付け→【勤務実績に関する詳細な記録】

  • 事務処理上の過誤
  • 職務遂行全般にわたる態度
  • 上司の職務命令に対する態度

などを個別に記録し、評価し、分限免職するか判断します。

 

正式採用されない場合はいつまでに予告されるのか?

もし正式採用されないなら、早めに言ってきてほしいですよね^^;

 

総務省の見解としては以下のようなものがあります。

(会計年度任用職員に関するものですが、公務員にも同様にあてはまると思います)

 

労働基準法20条では、労働者を解雇する場合は、少なくとも30日前にその予告をしなければならないと規定されており、例外として、労働基準法第21条において、試用期間中であれば事前予告を不要としつつ、その期間が14日を超えた場合にはこの限りではないと規定している。

地方公務員は原則として労働基準法の適用を受けるものであるため、正式採用しない(1月で免職とする)場合、条件付採用(試用)期間が14日を超えているため、労働基準法第20条に基づく30日前の解雇予告が必要となり、職員の責に帰すべき事由があることについて労働基準監督機関の認定を受けた場合等を除いて、解雇予告手当の支払義務が生じるものである。

引用:総務省HP

 

つまり、「1ヶ月以上勤務した場合は、30日前までにクビの予告が必要」とのことです。

 

試用期間中、給料や福利厚生などは他の職員と違う?

試用期間中の職員の身分の取扱いについては、ほとんど正式採用の職員と変わりません

 

免職(クビ)になりやすい?

試用期間中は身分保障を与えられていませんが、自治体独自に条例を設けた場合は身分保障を受けることができます。

 

試用期間中は、地方公務員法で定められている分限事項が適用除外となっているため、任命権者がいつでも職員の意向に反して、免職(クビ)ができる状態です。

 

ただし、任命権者が好き勝手に免職ができるわけではなく、あくまで地方公務員法の平等取扱の原則や公正の原則が適用されています。

 

給与やボーナスや昇給は?

試用期間中といっても勤務内容が正式採用職員と全く一緒であるため、同一の給与となります。

 

伯爵さん
転任・昇任・降任も禁止されていませんが、勤務成績の良好さが確認できていない状態なので、事実上、試用期間中は昇任や昇給の対象とならないと考えられます

 

勤務時間、休暇、各種手当は?

正式採用職員と全く一緒の扱いとなります。

 

退職手当の期間に算定されますし、共済組合や労働組合にも加入できます。

 

車の運転には制限あり

試用期間は公用車の運転はできない、自家用車での通勤は禁止されている自治体が多いです。

 

公用車が運転できないので、出張するときは多忙な上司にお願いして運転手をしてもらうことになります。

(正直頼みづらかったです、、、。)

 

となりの伯爵さん
私は公用車を運転できないことが、試用期間中一番のネックでした。
「道路交通法違反を犯したら正式採用が危ぶまれる」ための処置かどうかは分かりませんが、試用期間であっても公用車の運転は認めてほしかったですね。

 

まとめ

以上、公務員の試用期間についてご紹介してきました。

 

よっぽどのことがない限り、10月1日から正式採用となります。

 

ただし、事例にも挙げましたが、資質・能力・性格等に欠陥があって職務遂行ができないと判断された場合は、免職(クビ)になることもあります。

 

新規採用者の方には、試用期間中であることを忘れずに、気を引き締めて公務員としてスタートをきってもらいたいと思います。

 

伯爵さん
ここまでお読みいただき本当にありがとうございます☆

 

他にも公務員の記事を書いていますので、良かったらご覧ください。