今回の記事では、公務員と民間企業の年齢別離職率について、元公務員がさくっと紹介します。
おもに、
- 公務員か民間企業、どちらに就職しようか迷っている人
- 退職しようか迷っている人
に役立つ内容となっています。
- 国家公務員の離職率は、2~4%
- 地方公務員の離職率は、2~7%
- 民間の離職率は、5~24%
- 公務員は若年層と50代後半で離職率が高い
- 民間企業と比べると、圧倒的に公務員のほうが離職率が低い
- 公務員はメンタル疾患での休職者割合が多い
この記事を書いた人
公務員と民間企業の年齢別離職率(公務員が圧倒的に低い)
国家公務員の年齢別離職率
年齢 | 離職者数/在職者数 | 離職率 |
---|---|---|
20~24歳 | 905/21,067 | 4.3% |
25~29歳 | 1,390/33,960 | 4.1% |
30~34歳 | 1,187/26,719 | 4.4% |
35~39歳 | 1,032/27,905 | 3.7% |
40~44歳 | 1,141/30,451 | 3.8% |
45~49歳 | 1,075/38,302 | 2.8% |
50~54歳 | 1,257/43,924 | 2.9% |
54~59歳 | 1,592/39,010 | 4.1% |
(参照データ:「令和4年度一般職の国家公務員の任用状況調査」人事院)
このデータより、国家公務員の離職率は2~4%となっていることが分かります。
若年層と50代後半で離職率が少し高い傾向がありますね。
家族を持ち、責任も増え、給与も増えた40代・50代前半の離職率が低くなっています。
地方公務員の年齢別離職率
年齢 | 離職者数/在職者数 | 離職率 |
---|---|---|
20~29歳 | 36,203/553,398 | 6.5% |
30~39歳 | 27,441/718,691 | 3.8% |
40~49歳 | 19,448/702,238 | 2.8% |
50~54歳 | 11,067/367,858 | 3.0% |
55~59歳 | 16,177/341,938 | 4.7% |
(参照データ:「令和4年地方公務員給与の実態」総務省)
以上のように、地方公務員の離職率は2~7%ということが分かりました。
国家地方公務員と同様で、若年層と50代後半の離職率が少し高い傾向があります。
特に、20代の離職率が6.5%と多いのが特徴的です。
ちなみに、地方公務員には、一般職のほかに教育職と警察職も含んだ数値となっています。
そのあたりも20代の離職率が高くなった一因かもしれません。
民間企業の年齢別離職率
続いて、民間企業の離職率(男性)の一覧です。
年齢 | 離職率 |
---|---|
20~24歳 | 24.2% |
25~29歳 | 19.6% |
30~34歳 | 12.8% |
35~39歳 | 9.0% |
40~44歳 | 7.4% |
45~49歳 | 6.4% |
50~54歳 | 5.6% |
55~59歳 | 7.9% |
(参照データ:「令和3年雇用動向調査結果の概要」厚生労働省)
民間企業の離職率は、5~24%を超える結果となりました。
公務員と比べると、圧倒的に離職率が高いことがわかります。
特に、20代前半の離職率は24%と非常に高い数値となっています。
【注意】公務員の離職者は民間よりも圧倒的に少ないが、メンタル疾患での休職者数は多い
一般職の国家公務員のメンタル疾患での休職者数は、4,760人となっていて、全職員の実に1.7%が休職しています。
(数値:令和3年度精神及び行動の障害による長期病休者数調査結果より)
これに対して、民間企業でメンタルヘルス不調で休業した労働者の割合は、0.6%となっています。
(数値:メンタルヘルス不調により連続して1ヶ月以上休業した労働者割合「令和4年労働安全衛生調査(実態調査)結果の概要」厚生労働省)
単純には比較できませんが、この数字だけで比較すると、圧倒的に公務員のほうがメンタル疾患で休職していることが多いことが分かります。
いかに、公務員がストレスフルな仕事をしているかをうかがい知ることができるデータだと思います。
まとめ
ここまで、公務員の離職率をさくっと紹介してきました。
結論、「公務員の離職率は民間企業に比べて圧倒的に低い」ということが分かりました。
ここまで差がでているとなると、やはり民間企業と比べて、公務員は給与、福利厚生、ステータス、やりがいなどが良く、離職を考える人が少ない職業と言えるでしょう。
ただし、単純比較はできませんが、メンタル不調者は公務員のほうが多い傾向があります。
「離職率が低い=仕事が民間企業より楽」と考えるのは短絡すぎるので、公務員を選ぶ際はよく注意しましょう。
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