今回の記事では、公務員技術職の筆記試験ボーダーラインについて、公表されているデータをご紹介します。
- 筆記試験のボーダーラインを知りたい人
- 自治体ごとにどのくらいボーダーラインに差があるのか知りたい人
に役立つ記事となっています。
- 技術職のボーダーライン:長野県は42.7%~64.5%、愛媛県は30.0%~70.0%、高知県は37.0%~54.7%
- ボーダーラインは地域・職種で大きく異なる
地方上級・技術職の筆記試験ボーダーライン(得点率)
筆記試験のボーダーラインについては、ほとんどの自治体で公表されていません。
今回私が探したなかで見つけることができた
- 長野県
- 愛媛県
- 高知県
の採用試験実施状況のデータを使って、ボーダーラインをご紹介します。
長野県職員(大卒程度・技術職)
長野県職員等採用試験1次試験結果よりボーダーライン(筆記試験+専門試験)の得点率を算出しています。
ボーダーラインとともに、平均点も公表されていますので、気になる方は上のリンクからご覧ください。
区分 | 2019年度 | 2018年度 | ||
---|---|---|---|---|
ボーダーライン | 競争倍率 | ボーダーライン | 競争倍率 | |
社会福祉 | 43.6% | 4.0倍 | 41.8% | 4.3倍 |
心理 | 57.2% | 6.0倍 | 49.1% | 3.5倍 |
電気 | 46.3% | 2.8倍 | 59.1% | 6.0倍 |
機械 | 59.1% | 2.5倍 | 64.5% | 7.0倍 |
化学 | 46.3% | 2.2倍 | 44.5% | 6.3倍 |
農業 | 43.6% | 2.3倍 | 52.7% | 4.1倍 |
水産 | 非公表 | 3.0倍 | 55.5% | 8.0倍 |
総合土木 | 43.6% | 1.7倍 | 40.0% | 1.7倍 |
建築 | 64.5% | 1.7倍 | 48.2% | 3.0倍 |
林業 | 42.7% | 2.0倍 | 44.5% | 2.7倍 |
薬剤師 | 非公表 | 1.5倍 | 50.0% | 1.8倍 |
保健師 | 44.5% | 1.8倍 | 41.8% | 2.9倍 |
管理栄養士 | 56.3% | 8.5倍 | 56.3% | 14.5倍 |
(参考)行政A | 63.3% | 6.6倍 | 56.7% | 4.7倍 |
2019年度のボーダーラインは42.7%~64.5%となっていて、職種で大きく異なることが分かります。
また、競争倍率はあまりボーダーラインには関係していないように見て取れます。
愛媛県職員(大卒程度・技術職)
令和2年度愛媛県職員等採用候補者試験状況よりボーダーライン(専門試験)の得点率を算出しています。
ボーダーラインとともに、平均点も公表されていますので、気になる方は上のリンクからご覧ください。
区分 | 2020年度 | 2019年度 | ||
---|---|---|---|---|
ボーダーライン | 競争倍率 | ボーダーライン | 競争倍率 | |
総合土木 | 30.0% | 1.4倍 | 30.0% | 1.5倍 |
建築 | 36.6% | 1.6倍 | 30.0% | 3.5倍 |
農業 | 30.0% | 2.6倍 | 44.4% | 2.8倍 |
畜産 | 44.4% | 2.0倍 | 46.6% | 1.3倍 |
林業 | 34.4% | 1.8倍 | 30.0% | 1.9倍 |
水産 | 52.2% | 5.0倍 | 52.2% | 3.3倍 |
電気・電子 | 44.4% | 5.0倍 | 30.0% | 2.3倍 |
化学 | 32.2% | 3.3倍 | 52.2% | 3.5倍 |
機械 | 36.6% | 5.0倍 | ー | ー |
薬剤師 | 30.0% | 1.3倍 | 34.4% | 1.4倍 |
福祉 | 40.0% | 1.9倍 | 40.0% | 3.1倍 |
心理 | 54.4% | 4.3倍 | 36.6% | 3.3倍 |
保健師 | 64.4% | 4.0倍 | 60.0% | 3.8倍 |
管理栄養士 | 70.0% | 9.0倍 | ー | ー |
2020年度のボーダーラインは30.0%~70.0%となっていて、職種で大きく異なることが分かります。
また、競争倍率はあまりボーダーラインには関係していないように見て取れます。
高知県職員(大卒程度・技術職)
高知県職員等採用試験実施状況よりボーダーライン(筆記試験+専門試験)を紹介します。
高知県も平均点を公表していますので、気になる方は上のリンクからご覧ください。
区分 | 2020年度 | 2019年度 | ||
---|---|---|---|---|
ボーダーライン | 競争倍率 | ボーダーライン | 競争倍率 | |
土木 | 37.0% | 2.8倍 | 52.2% | 2.5倍 |
建築 | 非公表 | 3.0倍 | 54.7% | 1.0倍 |
農業 | 42.1% | 1.8倍 | 40.3% | 1.9倍 |
林業 | 42.0% | 1.7倍 | 35.5% | 2.2倍 |
水産 | 54.7% | 2.3倍 | 46.6% | 2.7倍 |
化学 | 39.7倍 | 3.0倍 | ー | ー |
農芸化学 | 43.2% | 1.5倍 | 52.2% | 6.0倍 |
電気 | 41.8% | 2.0倍 | 48.9% | 7.0倍 |
社会福祉 | 37.5% | 4.0倍 | 46.9% | 9.0倍 |
(参考)行政 | 47.8% | ー | 57.2% | ー |
2020年度のボーダーラインは37.0%~54.7%となっていて、長野県と同様に職種で大きく異なることが分かります。
競争倍率についても同様にあまりボーダーラインには関係していないようです。
また、長野県と高知県のボーダーラインを見比べると、得点率に10%程度差があることが分かります。
筆記試験の受験者が、長野県は177人(2019年度)、高知県は64人(2020年度)と差がありますので、
「受験者数の多さ」がボーダーラインに影響している可能性はあります。
人口の多い自治体ではボーダーラインが高くなる傾向があるかもしれませんが、データがありませんので断定はできません。
体験談~地方上級・林業職~
私は大学4年時に某県の「大卒程度・林業職」、併願で「国・林野庁」を受験しました。
大学の専攻は生態学だったので、林業はほぼ独学で勉強しました。
試験年の2月から勉強を始めて、6月頃に筆記試験がありましたので、勉強期間は5ヶ月間。
期間的には短いですが、大学受験より勉強した感覚があります。
私が受験した県の林業職では採用予定数が若干名となっていて、結局最終合格したのは私1人だけでした。(最終倍率33倍)
教養試験・専門試験の得点率は両方とも75~80%程度。
教養試験はなかなか難しかったのですが、専門試験が思っていた以上に簡単で時間がかなり余ったのを覚えています。
具体的な林業の勉強法については以下の記事でまとめてありますので気になる方はどうぞ。
【参考記事】【公務員試験】林業職の専門試験の効率的な勉強法(地方上級・国家一般職)
まとめ
ボーダーラインについては気になる受験生が非常に多いと思います。
しかし、公表している自治体がほとんどないのが実態です。
そのため、ボーダーラインを公表している自治体のデータを参考にするのが一つの目安となります。
今回調べた結果、ボーダーラインが高くても7割にいっていませんでした。
つまり、「7割を取れば筆記試験は通過できる可能性が非常に高い」ということです。
試験勉強をする上での目標としては、教養試験・専門試験ともに7割以上を目指すことが良いと私は思います。
【関連記事】
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