今回の記事では、公務員試験技術職の一次試験ボーダーラインについて紹介します。
おもに、
- 筆記試験のボーダーラインを知りたい人
- 自治体ごとにどのくらいボーダーラインに差があるのか知りたい人
に役立つ記事となっています。
- 技術職のボーダーライン目安:30%~71%
- ボーダーラインは「自治体」や「職種」で大きく異なる
- 年度によってボーダーラインが大きく異なることがあるので注意
- どの県、どの区分、どの年度でもボーダーラインが75%を超えることはなかったので、75%取れれば筆記試験通過はほぼ間違いない
- 1 地方上級・技術職の一次試験ボーダーライン(教養・専門)
- 1.1 北海道職員(大卒程度・技術職)の一次試験ボーダーライン
- 1.2 長野県職員(大卒程度・技術職)の一次試験ボーダーライン
- 1.3 愛媛県職員(大卒程度・技術職)の一次試験ボーダーライン
- 1.4 高知県職員(大卒程度・技術職)の一次試験ボーダーライン
- 1.5 徳島県職員(大卒程度・技術職)の一次試験ボーダーライン
- 1.6 熊本県職員(大卒程度・技術職)の一次試験ボーダーライン
- 1.7 佐賀県職員(大卒程度・技術職)の一次試験ボーダーライン
- 1.8 大分県職員(大卒程度・技術職)の一次試験ボーダーライン
- 1.9 沖縄県職員(大卒程度・技術職)の一次試験ボーダーライン
- 1.10 千葉市職員(大卒程度・技術職)の一次試験ボーダーライン
- 1.11 ボーダーライン一覧
- 2 県職員採用試験(地方上級・技術職)の受験体験談(林業職)
- 3 まとめ
地方上級・技術職の一次試験ボーダーライン(教養・専門)
全都道府県、全政令指定都市の一次試験のボーダーラインに調べたところ、あまり多くの自治体では公表されていませんでした。
今回私が探したなかで見つけることができた
- 北海道
- 長野県
- 愛媛県
- 高知県
- 徳島県
- 熊本県
- 佐賀県
- 大分県
- 沖縄県
- 千葉市
の採用試験実施状況のデータを使って、ボーダーラインをご紹介します。
北海道職員(大卒程度・技術職)の一次試験ボーダーライン
北海道職員募集案内HP実施状況より2022年度のボーダーライン(職務基礎力試験+専門試験)の得点率(%)を算出しています。
ボーダーラインとともに、平均点も公表されていますので、気になる方は上のリンクからご覧ください。
区分 | 職務基礎力試験(満点30点) | 専門試験(満点40点) |
---|---|---|
環境科学A | 50% | 40% |
社会福祉A(第1回) | 33% | 30% |
農業A | 33% | 40% |
水産A(第1回) | 33% | 43% |
林業A(第1回) | 37% | 30% |
総合土木A(農業土木)(第1回) | 33% | 58% |
総合土木A(建設土木)(第1回) | 30% | 40% |
建築A(第1回) | 30% | 38% |
普及職員A(農業)(第1回) | 37% | 30% |
普及職員A(水産)(第1回) | 50% | 45% |
北海道の2022年度のボーダーラインは30%~58%となっていました。
長野県職員(大卒程度・技術職)の一次試験ボーダーライン
長野県職員募集案内HP実施状況よりボーダーライン(基礎能力試験+専門試験)の得点率を算出しています。
ボーダーラインとともに、平均点も公表されていますので、気になる方は上のリンクからご覧ください。
区分 | 2022年度 | 2021年度 | 2020年度 | 2019年度 |
---|---|---|---|---|
社会福祉 | 44.2% | 45.3% | 43.8% | 43.6% |
デジタル | 70.5% | 非公表 | ー | ー |
心理 | 51.6% | 63.6% | 55.5% | 57.2% |
電気 | 50.4% | 50.0% | 45.3% | 46.3% |
機械 | 50.5% | 50.5% | 53.0% | 59.1% |
化学 | 51.4% | 61.8% | 55.7% | 46.3% |
農業 | 52.7% | 57.5% | 47.7% | 43.6% |
水産 | ー | ー | 60.0% | 非公表 |
総合土木 | 45.4% | 44.6% | 46.4% | 43.6% |
建築 | 49.8% | 52.5% | 56.3% | 64.5% |
林業 | 51.4% | 47.7% | 53.0% | 42.7% |
薬剤師 | 非公表 | ー | 52.9% | 非公表 |
保健師 | 51.4% | 56.6% | 43.2% | 44.5% |
管理栄養士 | 57.0% | 57.7% | 58.0% | 56.3% |
(参考)行政A | 50.0% | 53.3% | 46.7% | 63.3% |
長野県の2022年度のボーダーラインは44.2%~70.5%となっていました。
愛媛県職員(大卒程度・技術職)の一次試験ボーダーライン
愛媛県職員採用情報HP試験結果等よりボーダーライン(専門試験のみ)の得点率を算出しています。
ボーダーラインとともに、平均点も公表されていますので、気になる方は上のリンクからご覧ください。
区分 | 2022年度 | 2021年度 | 2020年度 | 2019年度 |
---|---|---|---|---|
総合土木 | 34.4% | 32.2% | 30.0% | 30.0% |
建築 | 34.4% | 32.2% | 36.6% | 30.0% |
農業 | 42.2% | 32.2% | 30.0% | 44.4% |
畜産 | 40.0% | 46.7% | 44.4% | 46.6% |
林業 | 32.2% | 30.0% | 34.4% | 30.0% |
水産 | 56.7% | 56.7% | 52.2% | 52.2% |
電気・電子 | 34.4% | 46.7% | 44.4% | 30.0% |
化学 | 46.7% | 62.2% | 32.2% | 52.2% |
機械 | ー | ー | 36.6% | ー |
薬剤師 | 30.0% | 36.7% | 30.0% | 34.4% |
福祉 | 36.7% | 32.0% | 40.0% | 40.0% |
心理 | 32.2% | 32.2% | 54.4% | 36.6% |
保健師 | 32.2% | 50.0% | 64.4% | 60.0% |
管理栄養士 | 60.0% | ー | 70.0% | ー |
鑑識(法医) | 52.2% | ー | ー | ー |
愛媛県の2022年度のボーダーラインは30.0%~60.0%となっていました。
高知県職員(大卒程度・技術職)の一次試験ボーダーライン
高知県職員等採用試験情報HP職員採用試験実施状況よりボーダーライン(教養試験+専門試験)を紹介します。
高知県も平均点を公表していますので、気になる方は上のリンクからご覧ください。
区分 | 2022年度 | 2021年度 | 2020年度 | 2019年度 |
---|---|---|---|---|
土木 | 47.4% | 33.1% | 37.0% | 52.2% |
建築 | 非公表 | 44.5% | 非公表 | 54.7% |
農業 | 34.6% | 31.9% | 42.1% | 40.3% |
林業 | 33.4% | 36.7% | 42.0% | 35.5% |
水産 | 非公表 | 53.2% | 54.7% | 46.6% |
化学 | ー | ー | 39.7倍 | ー |
農芸化学 | 38.2% | 38.8% | 43.2% | 52.2% |
電気 | 58.8% | 非公表 | 41.8% | 48.9% |
社会福祉 | 39.0% | 35.6% | 37.5% | 46.9% |
(参考)行政 | 48.5% | 49.3% | 47.8% | 57.2% |
高知県の2022年度のボーダーラインは33.4%~58.8%となっていました。
例えば、「林業」だと長野県のボーダーラインは51.4%、高知県は33.4%とすごく開きがあります。
林業の筆記試験受験者が、長野県は24人(通過者12人)、愛媛県は8人(通過者6人)と多少差がありますので、「受験者数」がボーダーラインに影響している可能性はあります。
人口の多い自治体ではボーダーラインが高くなる傾向があるかもしれませんが、データがありませんので断定はできません。
徳島県職員(大卒程度・技術職)の一次試験ボーダーライン
令和4年度徳島県職員等採用試験実施結果よりボーダーライン(教養試験+専門試験)を紹介します。
区分 | ボーダーライン |
---|---|
電気 | 41% |
機械 | 47% |
建築 | 41% |
総合土木 | 48% |
農業 | 40% |
畜産 | 41% |
林業 | 48% |
水産 | 45% |
薬剤師 | 45% |
管理栄養士 | 49% |
心理 | 42% |
保健師 | 47% |
化学 | 48% |
福祉 | 41% |
少年補導職員 | 47% |
徳島県の2022年度のボーダーラインは41%~49%でした。
熊本県職員(大卒程度・技術職)の一次試験ボーダーライン
令和4年度熊本県職員等採用試験実施結果よりボーダーライン(教養試験+専門試験)を紹介します。
区分 | ボーダーライン |
---|---|
総合土木 | 48.9% |
建築 | 43.4% |
機械 | ー |
電気 | 非公表 |
化学 | 51.8% |
農学 | 45.7% |
林学 | 47.5% |
畜産 | 49.3% |
水産 | 59.8% |
社会福祉 | 非公表 |
管理栄養士 | 47.7% |
保健師 | 43.9% |
(参考)行政 | 43.6% |
熊本県の2022年度のボーダーラインは43.4%~59.8%となっていてました。
佐賀県職員(大卒程度・技術職)の一次試験ボーダーライン
令和4年度佐賀県職員採用試験(大学卒業程度)試験結果よりボーダーライン(教養試験+専門試験)を紹介します。
区分 | ボーダーライン |
---|---|
心理 | 36% |
土木 | 36% |
化学 | 43% |
農政 | 32% |
農業土木 | 39% |
水産 | 55% |
保健師 | 41% |
※語学加点の点数を含む
佐賀県の2022年度のボーダーラインは32%~55%でした。
大分県職員(大卒程度・技術職)の一次試験ボーダーライン
令和4年度大分県職員採用上級・中級・医療Ⅰ試験実施結果よりボーダーライン(教養試験+専門試験)を紹介します。
区分 | ボーダーライン |
---|---|
心理 | 42% |
司書 | 54% |
建築 | 40% |
化学 | 50% |
農業 | 46% |
畜産 | 53% |
林業 | 46% |
水産 | 49% |
総合土木 | 52% |
機械 | 53% |
電気 | 54% |
※語学加点の点数を含む
大分県の2022年度のボーダーラインは40%~54%でした。
沖縄県職員(大卒程度・技術職)の一次試験ボーダーライン
令和5年度沖縄県職員採用試験第1次試験結果よりボーダーライン(教養試験+専門試験)を紹介します。
区分 | ボーダーライン |
---|---|
心理 | 58% |
社会福祉 | 41% |
電気 | 51% |
機械 | 53% |
土木 | 47% |
建築 | 51% |
化学 | 51% |
農業 | 43% |
農業土木 | 41% |
農芸化学 | 47% |
畜産 | 59% |
林業 | 54% |
水産 | 51% |
※語学加点の点数を含む
沖縄県の2023年度のボーダーラインは41%~59%でした。
千葉市職員(大卒程度・技術職)の一次試験ボーダーライン
千葉市職員募集HP試験実施データよりボーダーライン(教養試験+専門試験)を紹介します。
区分 | 2022年度 | 2021年度 |
---|---|---|
土木 | 39.9% | 29.6% |
建築 | 47.8% | 41.5% |
電気 | ー | 44.8% |
機械 | ー | 32.6% |
化学 | 55.2% | 42.4% |
造園 | 46.3% | 47.2% |
畜産 | ー | 43.9% |
農業 | 40.6% | 42.1% |
福祉 | 31.8% | 35.4% |
(参考)行政A | 55.0% | 60.4% |
千葉市の2022年度のボーダーラインは31.8%~55.2%となっていました。
ボーダーライン一覧
上記のボーダーラインをまとめると、以下のようになります。
自治体 | ボーダーライン |
---|---|
北海道(職務基礎力試験+専門試験) | 30~58% |
長野県(基礎能力試験+専門試験) | 44~71% |
愛媛県(専門試験のみ) | 30~60% |
高知県(教養試験+専門試験) | 33~59% |
徳島県(教養試験+専門試験) | 41~49% |
熊本県(教養試験+専門試験) | 43~60% |
佐賀県(教養試験+専門試験) | 32~55% |
大分県(教養試験+専門試験) | 40~54% |
沖縄県(教養試験+専門試験) | 41~59% |
千葉市(教養試験+専門試験) | 32~55% |
また、教養試験+専門試験のボーダーラインの中では、
- 一番高いボーダーライン:愛媛県 管理栄養士 60.0%
- 一番低いボーダーライン:佐賀県 農政 31.6%
となっていました。
県職員採用試験(地方上級・技術職)の受験体験談(林業職)
私は大学4年時に某県の「大卒程度・林業職」、併願で「国・林野庁」を受験しました。
大学の専攻は生態学だったので、林業はほぼ独学で勉強しました。
試験年の2月から勉強を始めて、6月頃に筆記試験がありましたので、勉強期間は5ヶ月間。
私が受験した県の林業職は採用予定数が若干名となっていましたが、結局最終合格したのは私1人だけでした。(最終倍率33倍)
私の教養試験・専門試験の得点率は両方とも75~80%程度。
教養試験はなかなか難しかったのですが、専門試験が思っていた以上に簡単で時間がかなり余ったのを覚えています。
具体的な林業の勉強法については以下の記事でまとめてありますので気になる方はどうぞ。
【参考記事↓】
【公務員試験】林業職の専門試験の効率的な勉強法(地方上級・国家一般職)
まとめ
公務員試験の一次試験ボーダーラインについては気になる受験生が非常に多いと思います。
しかし、公表している自治体がほとんどないのが実態です。
そのため、ボーダーラインを公表している自治体のデータを参考にするのが一つの目安となります。
今回調べた結果、ボーダーラインが高くても75%にはいっていませんでした。
つまり、「75%を取れば筆記試験は通過できる可能性が非常に高い」ということです。
試験勉強をする上での目標として、教養試験・専門試験ともに75%以上を目指すことが良いと私は思います。
また、技術職では、教養試験や筆記試験が免除されるという自治体も出てきました。
職種によっては受験生確保が課題となっていて、いかに優秀な学生に受験してもらえるか、各自治体頭を悩ませているようです。
【(参考)長野県の2023年度試験の改正の一例】
- 技術系職種では一次試験の基礎能力検査を廃止にし、専門試験のみとなった。
- 総合土木職においては、基礎力検査・専門試験・論文試験も廃止になった。(代わりに専門性アピール試験記述式を導入)
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