【公務員試験】小中学校事務職員の仕事内容・魅力を元学校事務職員が本音解説

「公務員試験で学校事務職員を目指したいけれど、小中学校の“事務職”って実際どんな仕事をしているの?」
「独学で対策しているけれど、ネットの情報だけじゃイメージがわかない……」

こういった疑問や不安、ありませんか?

私自身も受験生時代は、“小中学校事務職員”という名前だけは知っていても、具体的にどんな仕事をしているのか分からず、面接対策や志望動機作成にとても苦労しました。

ネット上にも、教員や行政職の情報はあっても、“学校事務”だけはなぜか情報が少なく、不安を感じていたのを覚えています。

そこで今回は、実際に県職員として学校事務に携わった私の経験と、合格者仲間からのリアルな声をもとに、「小中学校事務職員の仕事内容」「学校現場での役割や魅力」「受験で意識したいポイント」などを、独学・未経験の方でもイメージできるよう、徹底解説します。

また、現役合格者も活用している「おすすめ参考書」や、より理解を深めたい人向けの“必読本”も厳選してご紹介します。

この記事を読むことで――

  • 小中学校事務職員の具体的な1日や仕事の流れ

  • 実際に働く人のリアルな体験談・苦労・やりがい

  • 受験時に役立つ最新のおすすめ参考書

……など、あなたの疑問や不安がスッキリ解消できるはずです!

「仕事内容が分からず不安」「面接で何を話したら良いか迷う」

そんな独学受験生・未経験の社会人の方こそ、ぜひ本記事を最後までご覧ください。

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小中学校事務職員とは?役割と配置の仕組み

基本配置と配属パターン

小中学校事務職員は、全国の公立小学校・中学校に必ず配置されている「学校運営のプロフェッショナル」です。

原則として各学校に1名が配置され、事務室で学校運営の“縁の下の力持ち”として働きます。

大規模校や生徒数の多い学校では、2名体制の場合や、パート職員と協力して業務にあたるケースも珍しくありません。

また、市区町村によっては独自に非常勤の学校事務職員を採用し、正規職員と役割分担している地域もあります。

私の県では、新採用の1年目は必ず大規模校に配属され、先輩職員のもとで実務をじっくり学ぶスタイルでした。

2年目からは、いわゆる“1人事務”の小規模校に異動し、学校事務職員として一人立ちするパターンが定番でした。

私の同期も2年目はほぼ全員、山間部や小さな町の学校に異動。

全校生徒50人未満の学校で、一人ですべての事務を担当することに最初は不安もありましたが、先輩のサポートと研修制度のおかげでしっかり独り立ちできました。

身分・給与の仕組みと注意点

小中学校事務職員の“身分”は少し特殊です。

採用試験は原則として「都道府県職員採用試験(県人事委員会主催)」で行われ、合格後は県の教育委員会が任命します。

ただし、勤務先である学校は各市町村が管理しているため、実際の業務内容やルールは市町村ごとに違うことも多いのが特徴です。

さらに、給料は県から支給されるため、いわゆる“県職員”の給与体系が適用されます。
(※ただし、政令指定都市や一部の大都市では、市独自で採用試験を実施し、給与体系も異なる場合があります)

【ワンポイント】
例えば「新潟県の学校事務職員」は新潟市には異動せず、「愛知県の学校事務職員」は名古屋市には異動しません。

政令指定都市は別枠での採用です。

また、教員(教育職員)は“みなし残業”で残業代がつかないケースが多いですが、学校事務職員は行政職扱いなので、残業代がしっかり支給されるのも大きな違いです。

身分は市町村、給与は県から。ちょっとややこしい仕組みですが、面接でもよく質問されるポイントなので押さえておきましょう!

学校事務職員の“具体的な仕事内容”を解説

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日々のルーチンワークと忙しい時期

小中学校事務職員の仕事は、「学校運営を陰で支える事務のスペシャリスト」として幅広い業務をこなします。

業務内容は多岐にわたりますが、毎日決まって発生するルーチンワーク(定型業務)が中心です。

主な業務内容の例は、以下の通りです。

  • 庶務業務
     郵送物の受け取り・仕分け、電話・来客応対、資料整理など、学校全体の“縁の下の力持ち”として動きます。

  • 人事・給与・福利厚生
     先生方の人事異動や退職手続き、給与や諸手当の計算、育児休業や各種手続きなども事務職員の大切な仕事です。

  • 経理・会計
     給食費の管理・精算、学校予算の執行、備品や消耗品の購入、支払い処理など、お金にまつわる実務も幅広く担当します。

  • 旅費事務
     先生方の出張にかかる旅費の計算・支払い手続きも学校事務職員が担当。ミスや遅れがないよう細かなチェックが必要です。

  • 物品・施設管理
     学校の備品や消耗品の在庫管理、壊れた設備の修理依頼、体育館や校庭の管理も重要な業務です。

日々のルーチンワークは慣れると自分のペースでできるので、じっくり仕事に取り組みたい人には向いています。

ただし、年度始めや行事の前後、締切が重なる時期(特に4月上旬)はどうしても忙しくなりがちです。

行政職としての独自業務

小中学校事務職員は、学校内で唯一の“行政職員”という立場です。

教員(教育職員)が授業や教育活動に専念できるよう、「事務・管理・運営面のサポートを一手に引き受ける」という重要な役割を担っています。

そのため、先生方や校長・教頭先生と連携しながら、学校の運営そのものに関わる仕事も増えています。

  • 学校予算の編成・執行

  • 行政への各種報告書作成・提出

  • 地域や保護者との調整業務

  • 学校評価や安全管理、個人情報管理

こうした「運営側の視点」も求められるため、事務職員=単なるデスクワークと侮れません。

最近は“学校運営事務”として、校長先生と一緒に学校改革や危機管理にも参画する機会が増えています。

行政の知識や柔軟な対応力が求められるやりがいのある仕事です。

最新の“学校運営事務”って何?

近年は文部科学省の方針もあり、学校事務職員の役割がますます多様化しています。

特に注目されているのが「学校運営事務」――

これは従来の庶務・経理だけでなく、学校全体のマネジメントや改善活動に主体的に関わる仕事を指します。

  • 学校評価(学校の目標や成果のチェック・報告)

  • 危機管理(防災・セキュリティ対策、感染症対応など)

  • 時間管理(先生方の業務効率化サポート)

  • 人的資源管理(外部人材の活用や多様な働き方の促進)

事務職員の意見や提案が学校運営に直接反映される場面も増えており、「自分のアイディアや工夫で学校現場が良くなる」という実感も味わえます。

やる気次第で新しい仕事や難しい案件にも挑戦できる――そんな柔軟性の高さがこの仕事の魅力です。

伯爵さん
私は教員の負担を減らすべく、校長にお願いして陸上部のコーチを自主的にしていました

リアル体験談!現場で経験した具体的な仕事

給食費会計の現場あるある

私が小中学校事務職員1年目に最も苦労したのが「給食費会計」でした。

毎月、全校生徒の保護者から給食費を集め、過不足なく学校会計に反映させる必要があります。

ほとんどの家庭は口座振替で納入してくれるものの、毎月十数件は引き落としができない家庭や振込ミスが発生します。

そんな時は、滞納者リストを作成し、個別に連絡・催促。

「生活が苦しいので少し待ってほしい」といったご家庭もあり、ただの“事務”では済まない人間関係の機微も経験しました。

また、給食を食べなかった生徒(体調不良・行事で不在など)については、一人ひとり細かく精算が必要です。

何百人分の集計・精算ミスが許されない仕事なので、神経をすり減らした日々でした。

銀行の処理はもちろん、保護者対応や先生への連絡など、単なる数字合わせでは済まない“人の気持ちに寄り添う力”も必要だと痛感しました。

先生方の旅費計算の“裏側”

次に大変だったのが「旅費計算」。

先生方が出張するたびに、必要な書類をもらい、交通費や日当を計算して精算します。

ですが、請求書の記入ミスや提出遅れは日常茶飯事

「忙しくて出せなかった」「やり方が分からない」という先生も多く、締切間際はバタバタと奔走しました。

中には旅費請求が面倒で、半年分まとめて一気に提出する先生も……

伯爵さん
なかには請求書の作成を面倒くさがって提出してくれない先生も結構いて、なかなかストレスが溜まりやすい仕事でした^^;

事務職員としては「一件一件、丁寧にチェックしないといけない」ので、予想外の残業になることもありました。

人によっては“ちょっとしたお小遣い稼ぎ”くらいに考えていたり、“旅費申請なんてやらなくていいや”と軽く流す先生も。

そんな時こそ、事務職員の存在が学校運営の安定に欠かせないと実感しました。

1日の仕事の流れ(タイムスケジュール例)

ここで、ある小学校の事務職員の1日の流れを実例としてご紹介します。
(※学校や時期によって違いがありますが、代表的な一日です)

時間業務内容
7:45出勤。事務室の掃除、メールや書類の確認
8:00保護者からの欠席・遅刻連絡の対応
8:15職員会議(全体の連絡や予定共有)
8:30給与事務(給与明細・控除内容のチェック)
9:00保護者の来校・生徒の忘れ物受け渡し対応
10:00旅費事務(先生方の出張精算業務)
12:00頃給食(事務室で簡単に昼食)
13:00午前の続き/各種帳票の整理・書類作成
14:00施設点検(体育館の設備確認、不具合あれば修理依頼)
15:00郵送書類の受付・内容確認
15:30生徒と一緒に校内清掃(協力型の学校の場合)
16:00職員会議(午後の部、急ぎの伝達事項)
17:00退勤(残業がある場合は続けて事務処理)
伯爵さん
あと、仕事の合間に電話が非常によくかかってきて、その都度仕事が中断してしまい結構ストレスでした

また、基本先生たちは授業があったり、研究室にいたりで、基本職員室にいないことが多いです。

先生に用事がある場合は、先生の日程を確認して空いた時間にさっと用事をすませないといけないのがなかなか面倒くさかったです。

でもどこにいるのか分からないから学校中をグルグル、、、

私の学校は約70人先生たちがいたので、その事務処理の取りまとめはなかなかハードでした。

学校事務職のメリット・デメリット

学校事務職のメリット

  • 安定した雇用とワークライフバランス
     小中学校事務職員は地方公務員。景気に左右されにくく、リストラの心配がありません
     定時退勤できる日も多く、残業は他職種に比べて少なめです。
     また、夏休み・冬休みなど学校行事の影響で、比較的落ち着いた時期も多いです。

  • “縁の下の力持ち”としてのやりがい
     先生方や生徒たちが安心して過ごせる環境づくりをサポートできるのは、学校事務ならではの魅力。
     特に行事運営や学校改善に関わることで、自分の仕事の成果を実感できる機会が多いです。

  • 人間関係が比較的シンプル
     基本的に事務職員は学校に1~2名なので、教職員全体との距離感もほどよい。
     営業職や一般企業のような“ノルマ”や激しい競争もなく、落ち着いて働ける職場が多いです。

  • 公務員としての福利厚生の充実
     産休・育休や各種手当も整っており、ライフイベントと両立しやすい環境です。
     長く安定して働きたい方、将来設計を大切にしたい方にもおすすめです。

学校事務職のデメリット・注意点

  • 繁忙期は非常に忙しい
     新学期や年度末、年末調整、学校行事が重なる時期は急に残業が増えたり、複数の締め切りが重なったりと、
     一時的に大きな負担がかかることもあります。

  • “一人職場”の孤独感
     小規模校では自分ひとりで学校全体の事務を担当することが多いため、困ったときにすぐ相談できる相手が少ない場合も。
     自分で考え、判断し、行動する主体性や責任感が必要です。

  • 外部との調整やクレーム対応もある
     保護者や地域住民とのやり取り、トラブル対応も時には発生します。
     “事務職=デスクワーク”だけでなく、コミュニケーション能力も求められる仕事です。

  • キャリアアップには工夫が必要
     同じ学校に長く勤務することが多いため、業務の幅を広げたり、上位職への昇進を目指すには、
     自分から積極的に新しいことにチャレンジする姿勢も大切です。

どの職場にも一長一短はありますが、“安定とやりがい”のバランスを重視したい方にはピッタリの職種です。

小中学校事務職員を目指す人におすすめの参考書

学校事務職の情報は、ネットだけではなかなか集まりません。

面接対策・仕事内容の理解を深めるなら、“現場目線で書かれた本”や“合格者が勧める参考書”を手にとるのがおすすめです。

【面接対策や志望動機づくりにも役立つ本】

  1. 「新人学校事務職員のワークとライフ 一年間の成長と効果的な研修」藤原文雄、学事出版
     ・新任の学校事務職員が「1年間でどんな成長をするのか?」をストーリー仕立てで解説。
     ・実際の失敗談や工夫も紹介されており、仕事のリアルなイメージが湧きやすい一冊です。

  2. 「本当の学校事務の話をしよう」柳澤靖明、太郎治郎社エディタス
     ・学校事務の本音や、現場で直面する課題・やりがいなどを実例ベースで語った一冊。
     ・面接で「なぜ学校事務を志望したのか?」と聞かれた時、自分の言葉で話すヒントが詰まっています。

どちらも、面接官に“この人は現場のことをよく分かっている”と思わせる具体例や視点が得られます。

受験勉強の合間にサクッと読めるので、ぜひ一度手に取ってみてください!

伯爵さん
私も学校事務職を目指そうか迷った時期、面接対策時期には上記の本などを読み込みました。非常に役立つ本です

まとめ|小中学校事務職員は“安定”と“やりがい”の両立ができる公務員

小中学校事務職員は、学校現場を裏方で支える“縁の下の力持ち”として、多岐にわたる業務を担う専門職です。

  • 「学校運営に興味がある」「人を支える仕事がしたい」

  • 「安定した職場で長く働きたい」「家庭やプライベートも大切にしたい」

こんな方には、学校事務職員はまさに理想的な仕事です。

特に公務員試験の中でも専門試験がなく、独学でも目指しやすい職種として注目されています。(自治体によっては専門試験がある場合もあり)

私自身も、最初は仕事内容が全く分からず不安でしたが、実際に現場に入ってみて――

「事務職員一人ひとりの存在が、学校の安心・安全を守る大切な役割を果たしている」と日々実感しています。

学校事務職員の仕事や受験に少しでも興味を持った方は、まずはおすすめした本や、自治体の募集要項をぜひチェックしてみてください。

また、学校事務職員の合格体験談や面接での質問例、志望動機の作り方などは下記関連記事でも詳しく解説しています。

不安や疑問をひとつひとつ解消していくことで、合格への道がグッと近づきます!

伯爵さん
ここまでお読みいただき本当にありがとうございます☆

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