この記事では、公務員の復命書の書き方や注意事項について、元公務員(9年)が紹介します。
おもに、
- 初めて復命書を書く新人公務員
- 復命書の書き方を具体的に知りたい若手公務員
に役立つ内容となっています。
そして先に、結論(超重要ポイント)だけまとめます。
- 出張(会議・調査など)したら基本的には復命書を作成する必要がある
- 上司の理解が進むよう、要点を端的に報告する
- 帰庁後にとりあえず上司に一言報告しておくとグッド
- 遅くても翌日中には作成する
【執筆者↓】

まず結論:復命書は「型」と「スピード」が9割
復命書で評価が分かれるのは、正直ここです。
出張(会議・調査など)したら基本的には復命書を作成する必要がある
「行ってきました」で終わると、上司は困ります。
上司が知りたいのは、ざっくり言うと次の3つです。
何が決まったか/何が分かったか(結論)
こちらに何の影響があるか(影響・リスク・チャンス)
次に何をするか(アクション)
上司の理解が進むよう、要点を端的に報告する
復命書は「作文」ではなく、判断材料です。
長文で頑張るより、上司が一瞬でつかめる構造(型)が勝ちます。
帰庁後にとりあえず上司に一言報告しておくとグッド
紙(やシステム)の復命書は、どうしても作成にタイムラグが出ます。
だからこそ、帰庁したらまず、
「結論だけ先に」
「大事な点があれば口頭で速報」
この一言が、仕事の信用を作ります。
遅くても翌日中には作成する
特にこれが大切で、復命書はとにかく早く上司に提出するようにしてください。
遅くても翌日中には作成しましょう。
たまに1週間後とか2週間後に復命書を回していた職員がいましたが、仕事が遅いなぁと上司や係員から思われていました
復命書は「記録」でもありますが、同時に仕事のスピード感そのものが見られます。
遅れるほど、内容も記憶も薄くなって二重にツラいです。
公務員の復命書の目的

復命書の目的を押さえると、書くべき内容がブレません。
復命書とは何か(注:復命=命令に対する報告)
復命書とは、職員が会議や調査に出席した際に、上司(命令権者)に報告するために作成します。
復命書が上司にも自分にも効く3つの理由
復命書は「上司のため」だけじゃなく、実は自分にも効きます。
上司が判断しやすくなる(次の指示が早く出る)
引継ぎ・監査・説明の材料になる(あとで自分を助ける)
自分の理解が整理される(次回、同じ会議がラク)
新人の頃って、会議に出ても「結局何だった?」となりがちです。
だからこそ復命書で、自分の頭を整理する意味も大きいです。
復命書を書かなければいけないケース

基本:公務旅行(注:出張)をしたら復命が必要(根拠)
基本的に出張したら復命書を作成するのが基本です。
「公務旅行をした職員が帰庁したときは、旅行命令をした者に速やかに復命しなければならない」
※自治体によって条文番号や表現は異なりますが、「出張したら復命」は多くの服務規程で同様の立て付けです(例:町の服務規程でも、復命書提出や軽易事項は口頭可、といった規定が見られます)。
「軽易な事項」は口頭でもOK(ただし新人は迷う)
ただし、軽易な事項については口頭による復命が認められています。
新人の頃は、軽易な事項の区別ができないと思うので、その都度上司に復命書を作成したほうがいいか確認しましょう。
ここ、めちゃくちゃ大事です。
新人のうちは「口頭でいい」と言われても不安になりますが、判断基準はシンプルにするとラクです。
意思決定がある/次の作業が発生する → 書面(復命書)寄り
資料共有だけ/周知だけ → 口頭でも可(ただし上司判断)
外部対応が絡む/後で説明が必要 → 書面推奨
迷ったら、上司に一言。
「復命書にして回しますか?口頭で良いですか?」
これが正解です。
復命書がいらない場合でも、帰庁後の一言報告は必須
復命書がいらない場合でも、会議等に出席した場合は帰庁後に上司に口頭で速やかに結果を報告することが大切です。
帰庁後に「只今戻りました」の挨拶だけというのは避けましょう。
復命書の書き方(実例・テンプレ)

復命書の書き方の例として、実際に私が作成した復命書を公開しますので参考にしてください。
(※ここでは個人情報・案件情報の観点から、“実務でそのまま使える形に一般化した実例”として掲載します)
何度も復命書を作成してきて、上司に色々とアドバイスを受けたりしてたどり着いた型なので、役立つと思います。
書き方のポイントは、復命書を読む上司が理解しやすいように、大事なポイントだけ端的に書き示すことです。
復命書の書き方は、会議と調査では異なるので、注意して作成してください。
まず全体像:復命書の基本フォーマット(共通)
復命書は自治体や所属で様式が違いますが、だいたい共通して次の要素があります。
件名(標題)
用務名(会議名・調査名・研修名)
日時・場所
出席者(自分/相手)
概要(結論・要点)
特記事項(影響・今後の対応)
添付資料(あれば)
「何を書けばいいか分からない」ときは、結論・影響・次アクションの3点を最優先で埋めると、上司が困りません。
【会議】復命書の書き方テンプレ(例)
以下を、あなたの自治体の様式に合わせて埋めてください(コピペOK)。
【件名】○○検討会(第○回)出席復命書
【用務】○○検討会への出席
【日時】令和○年○月○日(○)○:○○〜○:○○
【場所】○○(会議室/オンライン等)
【出席者】(当方)○○課 ○○(自分)/(相手)○○部 ○○ 他○名
【結論(最重要)】
・○○が決定した(/方向性が示された)
・当課としては○月○日までに○○対応が必要
【要点(3〜5点)】
1. ○○について:○○(決定事項・宿題・期限)
2. ○○について:○○
3. ○○について:○○
【影響・リスク・留意点】
・当課への影響:○○(予算/人員/スケジュール/住民対応など)
・リスク:○○(遅延時の影響、想定質問など)
【次のアクション(担当・期限)】
・(自分)○月○日までに○○案を作成し、○○へ共有
・(係内)○月○日に打合せ設定、論点整理
【添付】
・配布資料一式(別添)
ポイントは、上司が読む順番に合わせて最初に結論を置くこと。
「結局、うち(この課)は何すればいいの?」に最短で答える形です。
【調査】復命書の書き方テンプレ(実例)
調査の場合は、
調査目的
調査事項
結果
今後活用できること及びその方法
を項目として記入すると良いです。
テンプレはこちら。
【件名】○○現地調査 復命書
【日時】令和○年○月○日(○)○:○○〜○:○○
【場所】○○(住所/施設名など)
【同行者】○○(いれば)
【調査目的】
・○○の現状把握(○○の判断材料収集)
【調査事項】
・○○(確認項目)
・○○(聞き取り項目)
・○○(写真・記録が必要な項目)
【結果(事実ベース)】
・○○:○○(数値/状況/写真番号など)
・○○:○○
【所見(注:所見=事実を踏まえた考察)】
・原因として○○が考えられる
・対応案は○○が現実的
【今後活用できること及びその方法】
・○○資料として保管(共有先:○○)
・次回以降の○○対応マニュアルに反映
【次のアクション(担当・期限)】
・○月○日までに○○へ報告/関係者調整
※(注:事実と所見は分ける)
復命書で揉める典型は、「事実」なのか「推測」なのかが混ざること。
新人ほど、ここを分けるだけで信頼が上がります。
【研修】復命書の書き方テンプレ(実例)
研修は「学び」と「現場適用」がセットだと評価されやすいです。
【件名】○○研修 受講復命書
【日時】令和○年○月○日(○)○:○○〜○:○○
【場所】○○
【研修名】○○研修(主催:○○)
【要旨(結論)】
・業務に直結するポイントは○○と○○
・当係では○月から○○に活用可能
【学んだこと(要点3つ)】
1. ○○(フレーム/考え方)
2. ○○(手順/注意点)
3. ○○(事例)
【自部署での活用案】
・○○業務に適用:○○(いつ/誰が/何を変える)
・住民対応の改善:○○
【次のアクション】
・係内共有(ミニ報告):○月○日 朝会で5分
・資料共有先:○○(フォルダ/回覧)
「別添のとおりです」で終わらせていいケース/ダメなケース
ここ、現場あるあるです。
OKになりやすいケース
係内で完全に共通認識の定例会
資料が「結論→対応」まで1枚で完結している
上司が「資料見れば分かる」タイプで、運用として許容されている
NGになりやすいケース
決定事項や宿題があるのに、復命書側に要約がない
外部説明が必要/監査や照会に備える案件
初めての会議・重要会議・政治案件(※表現注意)
新人のうちは、最低でも復命書に「結論」「次アクション」だけは書くのが安全です。
「別添のとおり」は、上司の許可が出てから。
まずはテンプレをコピペして、次の出張から“型”で書いてみましょう。慣れると10分で終わります。
復命書を速く・正確に書くための手順(今日から使える)
ここからが、実務で一番効きます。
会議中にメモする項目(これだけで8割埋まる)
会議中のメモは、これだけでOKです。
決定事項(何が決まった?)
宿題(誰が/いつまでに/何を?)
期限(具体日付)
うちの課に関係ある点(影響)
次回予定(次回日時、持ち帰り事項)
「全部書こう」とすると破綻します。
復命書は議事録ではないので、判断に必要な要点に絞りましょう。
帰庁〜提出までの“黄金ルート”(10〜20分で終わる)
おすすめはこの順番です。
帰庁してまず上司に結論だけ口頭速報(30秒)
その勢いのまま、テンプレを開いて結論→次アクション→要点の順で埋める
最後に、資料を添付して提出(回覧 or システム)
コツは、結論から書くこと。
時系列で書くと長くなって、途中で疲れて止まります。
上司に刺さる要約のコツ(結論→理由→影響→次アクション)
上司は忙しいので、読み方はほぼ固定です。
最初に結論を見る
次に「自部署は何する?」を見る
興味があれば詳細を見る
だから、復命書の上段(冒頭)に、こう書けると強いです。
理由:○○の方針のため。
影響:当課は○月までに○○対応が必要。
次:○○案を作成し、○月○日に協議。
復命書作成時の注意事項

復命書を作成する際の注意事項を6個紹介します。
- 復命書には記入例はあるが、絶対こう書かなくてはいけないというものはない
- 新人のうちは先輩の書いた前年度のものを参考にすると良い
- あまり復命書の作成に時間をかけすぎない(空いた時間にさらっとがグッド)
- 複数人で行った場合は、1番若手が復命書を作成し、氏名を連記して押印していました(私の県の場合)
- 標題に復命書と記載しているので、本文の末尾に「復命します」は書かなくて大丈夫
- なるべく早く復命書を書く癖をつける(遅くても翌日中。とりあえず会議が終わったら一言口頭で上司に報告しておくとグッド)
復命書には記入例はあるが、絶対こう書かなくてはいけないというものはない
様式や運用は自治体・部署で違います。
だから「完璧な正解」を探すより、上司の好み(判断軸)に合わせるのが最短です。
新人のうちは先輩の書いた前年度のものを参考にすると良い
これは最強です。
先輩の復命書=その職場で通った“正解例”なので、丸ごと真似してOK。
見るポイントは、
見出し(項目)の切り方
文章の長さ
添付資料の扱い
結論の置き方
あまり復命書の作成に時間をかけすぎない(空いた時間にさらっとがグッド)
復命書に時間をかけすぎると、本来業務が詰みます。
「60点で早く出す」が、結果的に評価されやすいです(修正は後でできるので)。
複数人で行った場合は、1番若手が復命書を作成し、氏名を連記して押印していました(私の県の場合)
これも自治体差がありますが、現場ではありがちです。
「誰が書くか」で迷ったら、早めに確認しておきましょう。
誰が起案者?(注:起案=文書の作成責任者として回すこと)
氏名連記する?
押印/決裁のルートは?(システムなら回覧先)
標題に復命書と記載しているので、本文の末尾に「復命します」は書かなくて大丈夫
基本的にはその通りでOK。
ただし、部署の慣例で「以上、復命します」を入れるところもあるので、ここも先輩の例に合わせれば間違いないです。
なるべく早く復命書を書く癖をつける(遅くても翌日中。とりあえず会議が終わったら一言口頭で上司に報告しておくとグッド)
遅れるほど、こうなります。
メモが読めない
何が重要だったか思い出せない
結局、資料丸投げになる
上司の判断が遅れて、課が詰む
だから、復命書は“仕事の速さ”そのものです。
FAQ(よくある質問)+内部リンク候補

Q1. 復命書って、会議の議事録みたいに全部書く必要がありますか?
全部は不要です。
復命書は議事録(注:会議の発言を時系列で記録する文書)ではなく、上司が判断するための要約です。
基本は「結論→要点→影響→次アクション」で十分です。
Q2. 「軽易な事項」ってどこまでが軽易なんですか?
明確な線引きは職場運用によるので、新人は上司に確認が正解です。
判断の目安としては「決定事項・宿題・外部説明があるか」。迷ったら復命書に寄せると安全です。
Q3. 復命書の提出が翌日以降になりそうです。どうしたらいい?
まずは口頭で結論だけ速報してください。
そのうえで「○日の午前中に提出します」と期限宣言して、最短で出す。
遅れると内容も薄くなり、周りの信頼も下がります。
Q4. 復命書に添付する資料は全部つけるべきですか?
原則は「上司が判断できる範囲で最小限」。
ただし、後で説明が必要な案件は、配布資料一式を添付したほうが安全です。
迷う場合は上司に確認しましょう。
まとめ
ここまで復命書について紹介してきました。
文書作成になれていない頃は、復命書の作成も手間取ると思います。
しかし、復命書は公務員である間は書き続ける文書なので、新人のうちに書き方をしっかりマスターしておいてください。
そのためには、どんどん復命書を書くことが大切です。
今回紹介した書き方や注意事項を意識して、自分なりの型を作っていってもらえれば幸いです。
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