今回の記事では、「県庁の出先機関の実態」について、サクッとご紹介します。
主に、
- 出先機関に配属となった新規採用者
- 県職員を志望している受験生
などに役立つ内容となっています。
この記事を書いた人
県庁の出先機関の種類は?
県庁の出先機関では、主に県民、事業者、市町村などに対して、直接的に行政サービスを行っている施設になります。
例えば、新潟県の出先機関を具体的に挙げると、
- 地域振興局 12箇所
- 保健所(地域振興局に併設) 12箇所
- 福祉事務所(地域振興局に併設) 5箇所
- 児童相談所(地域振興局などに併設) 5箇所
- 工業技術総合研究所
- 佐渡トキ保護センター
- 食肉衛生検査センター 2箇所
- 精神保健福祉センター
- 労働相談所 3箇所
- 万代島美術館
- 農業総合研究所
- 農業普及指導センター(地域振興局に併設) 13箇所
- 家畜保健衛生所 4箇所
など、たくさんの現地機関があります。(参考:新潟県HP 機構図)
(出先機関の種類や名称などは各都道府県で異なります。)
地域振興局には、本庁(県庁)にあるいくつかの部署が集約されていて、「本庁のミニ版」、「本庁の機能が集約された施設」となっています。
出先機関が直接的な行政サービスを行っているのに対して、本庁では政策・予算案立案、議員対応、国対応、出先機関の取りまとめなどを行っています。
出先機関に行く職員は出世から外れた職員?
よく本庁にいる職員は出世コースに入っていて、出先機関にいる職員は出世コースから外れていると思われることが多いです。
ほぼ合っていますが、間違いな部分もあります。
確かに出世コースに入っている人は、一度も出先機関を経験せずに、本庁内の主要部署をグルグルしたり、国に出向したりします。
ですが、出先機関を一度経験したからといって、必ずしも出世コースから外れたわけではありません。
実際に、技術職ですが出先機関を経験して部長まで上り詰めた知り合いがいました。
出先機関での働きが認められて、本庁に異動し、そこで活躍できればあとはずっと本庁内を異動することは多いです。
ただし、技術職については、出世コースに入っていても本庁や現地機関をグルグルしている人も見受けられました。
行政職と技術職は分けて考えるべきでしょう。
新規採用者で初めから本庁勤務なのは、
- 超高学歴な人(東大京大、旧帝大、早稲田慶応など)
- 採用試験の成績が上位の人
- 採用面談で本庁勤務を強く希望した人
などが行くだけであって、「本庁勤務にならなかったから自分はもう出世できない」とは思い込まないでください。
出先機関は本庁に比べてまったりしている?楽?残業は?
「出先機関の仕事はまったりしている」と思われていますが、本庁に比べると仕事の質・量ともに「楽」なのは事実です。
精神的ストレスも圧倒的に現地機関のほうが少ないです。
残業時間も本庁に比べると少ないです。
例えば、令和4年度の長野県一般行政職員の残業時間ですが、
区分 | 残業時間(一人あたり) |
---|---|
本庁 | 249時間 |
出先機関 | 111時間 |
となっていて、本庁と出先機関では倍違います。(引用:長野県「人事行政の運営等の状況の公表」)
ただし、一部の業務や職種では出先機関でも多忙を極めている部署はあります。
また、災害対応や会計検査、大規模イベントの準備などの際は、出先機関でも連日帰りが深夜になることもありました。
忙しい部署もある反面、毎日きちんと定時上がりできる部署もあるのも事実です。
多くの職員は地元の出先機関に行きたがっている
かなり突っ込んだ話になりますが、出世欲があまり高くない職員は、できれば仕事が楽な出先機関に配属されるのが本望です。
そして、できるかぎり自宅や実家のある地元の出先機関に行きたいと考えています。
毎年11月頃に人事面接があり、異動先の希望は聞いてくれますが、なかなかそのとおりにはいかないのが実情です。
(介護・育児・病気など特殊な事情があれば考慮され、希望通りになることもあります)
まとめ~若手のうちはできる限り本庁勤務に挑戦を!~
ここまで公務員の出先機関の実態を紹介してきました。
私から一つアドバイスとして、若手職員のうちに、ぜひ一度本庁勤務を経験することをおすすめします。
やはり経験してみないことには、県庁の仕事内容が色々と分からないですし、本庁勤務経験は出先機関での仕事にも活きてきます。
私の県では、若手職員は2~3回目までの異動で一回は本庁勤務を経験することになっていました。
そして、そこで試され、言葉は悪いですが、使える職員は次の異動でも本庁内、使えない職員は出先機関へ行かされる感じとなっていました。(行政職の場合)
せっかく県職員として働くなら、一度でいいから出世コースを目指して、がむしゃらに働いてみるのも悪くないと思います。
ただし、くれぐれもカラダだけは大切にしてください。
私は、本庁勤務でがむしゃらに働いた結果、激務とパワハラで体調を崩したので、、、。