資産運用がブームとなっている昨今。
資産運用のひとつとして、「個人型確定拠出年金(iDeCo・イデコ)」(以下、イデコ)が注目されています。
イデコは豊かな老後を過ごすためにも、加入を政府が推奨しています。
【イデコ普及推進キャラクター 「イデコちゃん」】
そんなイデコですが、今回は、公務員で加入しないほうがいい人をさくっと簡単にご紹介します。
周りの人達が始めたからと言って、あわてて加入するとあとで痛い目に合うかも知れませんよ。
イデコに加入しないほうがいい公務員とは?
イデコの加入はあくまで任意です。
知り合いが加入したから、私も入ろうという行動だけは止めておきましょう。
イデコとは
そもそもイデコとは、
iDeCoは、自分で決めた額を積み立てながら、その掛金を自分で運用していくことで、将来に向けた資産形成を進めていける年金制度です。原則、年金資産は60歳から受け取ることができます。
2020年9月時点でのイデコの加入者は、約172万人となっています。
(※運営管理機関連絡協議会作成の確定拠出年金の統計資料。iDeCo公式サイトより)
イデコの魅力~税制優遇~
イデコの魅力として以下の3つの税制優遇があります。
- 住民税や所得税が安くなる(掛け金が全額所得控除)
- 運用益(増えたお金)は非課税(株式投資だと通常約20%の税がかかります)
- 60歳以降に受け取るときも大きな控除(年金タイプは公的年金等控除、一時金タイプは退職所得控除など)
なんとなく税金でお得になるんだなと覚えておけばOKです。
また、サラリーマン、公務員、専業主婦、自営業者、学生と様々な人が加入できます。
そして掛け金は、毎月5000円(額は1000円単位で設定可能)から始めることができ、その掛け金の安さもメリットの一つです。
公務員のイデコ加入率
令和2年3月31日時点でのデータだと、
公務員のイデコ加入者は340,313人となっています。(会社員は991,336人)
引用:「令和元年度国民年金基金連合会業務報告書」
公務員の人数は約333万人(令和元年度末時点国家公務員約59万人、平成30年4月1日時点地方公務員274万人)なので、
加入率は10.2%、10人に1人が加入しています。
加入しないほうがいい公務員5選
本題ですが、以下に示す5個のポイントが気になる、あるいは該当する公務員は、イデコへの加入は一旦待ったほうがいいでしょう。
1 途中で自由にお金がおろせない
まず最も注意したいのが、イデコは一旦支払った掛け金は60歳になるまで原則使えません(おろせない)。
長い人生の中で多額のお金が必要になる場合があるでしょう
- 家を買う
- 車を買う、修理代
- 教育資金
- 結婚費用
などなど。
その場合に、イデコに掛けたお金は自由に使えないので、この点については十分理解しておいてください。
2 資産が減るリスクがある
イデコではあなたが選ぶ商品によっては、その運用成績次第で預けたお金よりも減ってしまうリスクもあります(元本割れ)。
そのため、商品選びも非常に大切になってきます。
3 プラスの年金はいらないと考えている人
イデコは将来もらえる年金のプラスアフファ分を用意するためのものです。
ですので、そもそも将来もらえる年金(老齢年金)で十分だという人はイデコに加入する必要はありません。
公務員が退職後働かない場合の世帯収支は、
- 平均収入月額 19.2万円
- 平均支出月額 33.3万円
(参考:平成29年度退職公務員生活状況調査 結果報告書)
となっています。
つまり、単純計算で毎月14.1万円の赤字となります。
この収支の赤字を補うために、公務員を退職後も働いたり、貯金をしておく必要があります。
その一つの手段して、イデコがあるわけです。
4 すでに貯金が十分ある人
すでに計画的に十分老後を暮らせるだけの貯金してきた公務員が、今からわざわざイデコに加入する必要性は低いです。
貯金が全くない公務員が老後のためにイデコを始めるのは分かります。
しかし、それにならって、すでに貯金をたくさんもっている公務員がイデコに加入するのは事前によく検討してからのほうがいいです。
5 他の資産運用をやりたい人
正直、イデコは資産運用のなかではリターンが少ないです。
大きなリターンを期待している公務員はイデコでは物足りなさを感じるでしょう。
それ以外の公務員は加入したほうがお得
ここまでイデコに加入しないほうがいい人をサクッと簡単に紹介しました。
特に気になることがなかった、該当することがなかった公務員はイデコの加入検討をしても良いと思います。
始めるなら早く始めたほうが掛け金が多くなりますし、節税対策にもなるので、その分の見返りは大きいです。
加入検討にあたり、ひとつ約束してほしいことは、必ずイデコの勉強をすること。
1冊でいいので、下記のようなイデコの入門書を読むことをおすすめします。
公務員の皆さんならすぐに理解できます、イデコは決して難しいものではありません。
勉強するとともに、イデコを扱っている証券会社などに資料請求(無料)をして情報を集めると良いと思います。
おすすめの証券会社は、イデコの取扱商品が非常に多く、運営管理手数料が無料の以下の2社です。
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