しかし、この株式投資、やったことがない人にとっては、
「リスクが高そう」
「難しい」
「お金持ちがやるもの」
「なんとなく怖い」
「ギャンブルと一緒」
と思っている人が大勢います。
また、お金に関することなので、あまり周囲の人に「株式投資ってやってる?」「やっぱり危ない?」とは中々聞きづらいものですよね。
そこで今回は、株式投資に関する色々な統計データをご紹介します。
株式投資をはじめようかどうか迷っている人は、ぜひ参考としてみてください。
なお、本記事のデータについては、日本証券業協会調査部が取りまとめた「証券投資に関する全国調査 平成30年度調査報告書(個人調査)」から引用しています。
【株式投資】やっている人の割合は?世代別では?始めたきっかけは?
Q どのくらいの人が株を持っている?
株式を保有しているという人は、「約12%」という結果でした。
日本で株式投資をしている人は、ほんと少ないんですね。
【年収別】株保有率
年収別だと、年収が高い層ほど現在保有率が高いという調査結果でした。
- 年収200~300万円の人は、約12%が株を保有。
- 年収300~400万円の人も、約12%が株を保有。
- 年収1000万円になると、約半数の人が株を保有。
年収が高い層ほど株保有率が高いのは、イメージどおりでした。
でも、年収が低い人でも、約1割程度の人は株を保有しています。
【年齢別(男性)】株保有率
次に年齢別(男性)の株保有率です。
- 20~24歳 2.7%
- 25~29歳 6.4%
- 30~34歳 11.7%
- 35~39歳 11.6%
- 40~44歳 16.6%
- 45~49歳 17.6%
- 50~54歳 15.6%
- 55~59歳 17.4%
- 60~64歳 21.3%
- 65~69歳 23.4%
- 70~74歳 21.9%
- 75~79歳 28.4%
- 80~84歳 18.8%
- 85~89歳 17.9%
- 90歳以上 5.9%
30歳未満で株を保有している人は、1割を切っています。
20~24歳にいたっては2.7%だけ。。。
その若年層で株を保有していない人が多い原因としては、当然年収が少ないことが一因だと思います。
しかし、そもそも株式投資について知らない人が多いと私は推察しています。
今はどっぷり株の世界に浸かっている私も、30歳になるまで株式投資の具体的な中身については全く知りませんでした。
きっと年齢が経つにつれて、株式投資のことを見聞きしたり、上司や同期で実際にやっている人が増えてくることも起因しているのかなと思います。
ちなみにですが、女性は男性に比べて株式の保有状況は少ない結果となっていました。
Q 株を購入したきっかけは?
株を購入したきっかけは以下のとおりとなっています。
- 「家族・親戚・友人・知人に勧められて」 32.8%
- 「従業員持株会または役員持株会などに加入して」 27.7%
- 「証券会社に勧められて」 21.0%
- 「まとまった資金ができて」 13.8%
- 「新聞等で株式投資に関する記事を見て」 8.5%
- 「ネットで株式投資に関する記事を見て」 6.6%
- 「銀行に勧められて」 5.4%
- 「NISAが始まって」 3.5%
- 「株式投資を取上げたテレビ番組を見て」 2.3%
一番のきっかけは、「知り合いに勧められて」という結果に。
株式投資をはじめとする資産運用の知識は、学校では教えてもらう機会がありません。
なので、誰から教えてもらったり、あるいは偶然テレビやネットなどで知ることにより、初めて、株式投資の存在を意識するようになっていくのでしょうね。
自分から能動的にお金の勉強をして、資産運用の必要性を感じ、その過程で株式投資を知り、本を買って知識をつけて、自分で口座を開設して、資産運用をしていくという人は本の一握りですね、特に20代では顕著。
でも、どうせ「株式投資をやるなら、早くから始めてどんどん経験を積んだほうが、リスク軽減につながっていく」と思うので、興味がある人は、主体的に始めたほうがいいと私は思います。
Q 株の購入理由は?
株の購入の理由は、
- 「配当がもらえるから」 52.3%
- 「株主優待が受けられるから」 36.2%
- 「短期の値上がり益を期待して」 32.5%
- 「長期にわたっての資産運用」 31.1%
- 「従業員持株会または役員持株会などに加入したから」 21.3%
などとなっています。
「配当がもらえる」が一番とは驚きました。
私はてっきり値上がり益(例えば、100円で買った凸凹商事の株価が、その値上がりし、150円になったときに売った場合、値上がり益は50円)を期待して、株式投資を始めるものだと思っていました。
新たな発見です。
ちなみにですが、配当は全ての企業が出しているわけではありません。
配当は業績に応じて株主に還元されるものなので、経営状況が芳しくないときは無配当(配当が一切でない)です。
逆に、業績がうなぎ登りなら、配当はどんどん増えていきます。
毎年連続して増配(配当額を増やす)をずっと続けている企業は、長期に渡って業績を伸ばせている優良企業とみなすことができるので、人気の投資先になります。
Q 株式投資の不満な点は?
株式投資の不満点は、
- 「期待したほどの配当がなかった」 42.1%
- 「値下がりで損をした」 29.4%
- 「手数料が高い」 26。0%
- 「税金が高い」 19.8%
などとなっています。
配当ですが、当然所有している株数が少なければ、配当も少ないです。
配当額は企業によって全く違います。
例えば、楽天は1株あたり4.5円、トヨタ自動車は1株あたり100円程度(年2回)となっています(2021年11月11日時点)。
1000株持っているとしたら、楽天では4500円(必要購入額約110万円)、トヨタ自動車では20万円以上(必要購入額約200万円)の配当がもらえるということになります。
さらに配当とは別に、「株主優待」も出している企業がたくさんあります。
預貯金だけでは金利(約0.001%)ぐらいしかつきませんが(100万円預けておいて1年後10円もらえる)、対して株式投資をしていると配当や株主優待、うまくいけば値上がり益まで期待できます。
ただ、預貯金と株式投資の決定的に違うところは、株式投資には元本保証(100万円で買った株が100万円未満になってしまう)がない点です。
銀行に100万円預けておいて、数日後に100万円未満になるなんてことないですよね。
株式投資を始める場合は、企業の業績次第では、資産が減るリスクがあるということを常に理解しておかなければなりません。
一ヶ月後に企業が倒産して、株価が大暴落して株券の価値がほぼなくなるなんてことも絶対ないとは言い切れません。
くれぐれもこのことだけは忘れてはいけません。
これが株式投資は、あくまで「余剰資金」(最悪なくなっても生活に困らないお金)でやったほうが良いと言われる所以です。
Q 株式投資を行わない理由は?
株式投資をしない理由は次のとおりです。
- 「十分な知識をまだ持っていないと思ったから」 26.0%
- 「値下がりの危険があるから」 23.5%
- 「ギャンブルのようなものだと思ったから」 23.3%
ほぼ同じ割合でこの3つの理由、理由というか不安が並んでいますね。
ただ、これについては、お金の勉強をし、株式投資に関する知識を高めると、この不安は消えていく人が多いと思います。
私はそうでした。
中には、いくら勉強したとしても、当然個人差があり、考え方が十人十色ありますから、始めない人もいます。
投資は、全て自己責任なので、始めるのも始めないのも、その人の考え方次第です。
ただ、リスクが怖いので投資をしないで預貯金しかしないという人も、資産が中々増えず、老後の生活に困ってしまうというリスクもあることを認識する必要があります。
また、
「株式に興味がない」 59.5%(※複数回答なので合計で100%超えています)
と挙げた人もいて、そもそも興味がない人が多いことが分かります。
ただ、私は、興味がないと挙げた人の中には、株式投資のことをただ知らないだけであって、何かしらきっかけがあれば、興味をもつ人が多いと思っています。
何を隠そう私も、20代のうちは全く株式投資には興味がありませんでしたので。
それが今では趣味と化しているわけで。
人生どう転がるかは全く分かりませんね。
Q 今後株を購入するつもりはある?
今後株を買うか?については、
- 「今のところ購入するつもりはない」 86.6%
- 「時期は未定だが購入してみたい」 8.8%
- 「今後1年以内に購入したい」4.0%
となっています。
株ってそんなに嫌われているんですかね・・・?
元々買ったことがない人は、この先も何か大きなきっかけが無い限り、株式投資とは関わらないで生きていくという訳ですね。
いや~株式投資を趣味としている者からすると、ちょっと悲しい結果でした。
ま、考え方は人それぞれですもんね。
Q 証券投資は必要?必要な理由は?
株式投資が必要と答えた人の理由は、
- 「預貯金だけで十分な利息を期待できない」 66.9%
- 「将来の生活資金として準備できる」 45.6%
- 「現在の保有額では将来の生活に不安」 26.3%
などとなっています。
やはり将来不安と考えている人が多いですね。
多分この考え方を持つ人はこれから先どんどん増えていくと考えられます。
そうすると当然投資をする人は増加していくと私個人は思っています。
Q 過去に証券投資に関する教育を受けたことはある?
「過去に証券投資について、教育を受けたことがある?」という問いに対しては、
- 「受けたことがある」 7.2%
- 「受けたと思うが、あまり覚えていない」 12.4%
- 「受けていない」80.3%
となっています。
私は、この設問が一番の問題、課題だと思います。
小学校~大学のどこかで、しっかりお金の勉強(金融リテラシー)をしっかり学ぶ機会を設けるべきです。
株に限らず、資産運用やお金に関することをしっかり学ぶことで、投資の機会を増やすことになりますし、あるいはリスク回避・軽減に繋がります。
無駄な支出が少なくなったり、借金で困る人が減ったり、詐欺から身を守ることにもつながります。
また、知識を得たうえで、私は投資をしないという人もいると思います。
お金の知識があるうえで投資をしないという人と、知識がなくよく分からないから投資をしないとでは雲泥の差があります。
というか、直接生活や人生に大きく関わってくる部分なので、お金の勉強はどの教科よりも大切な気さえしています。
Q 保有金融商品の合計額は?
金融商品(預貯金、株式、投資信託、公社債など)をどのくらい保有しているかという質問。
- 「10万円未満」 9.2%
- 「10~50万円未満」 12.5%
- 「50~100万円未満」 11.8%
- 「100~300万円未満」 18.9%
- 「300~500万円未満」 12.7%
- 「500~1000万円未満」 13.4%
- 「1000~3000万円未満」 10.2%
- 「3000~5000万円未満」 2.2%
- 「5000万円以上」 0.9%
という結果となっています。
まんべんなく分かれている印象を受けました。
もう少し、はっきりと少ない人と多い人で分かれると思っていたのですが。
若いうちに「お金の勉強」はしておいたほうがいい
最後に、話がそれますが、一言だけ。
昨年、金融庁の金融審査会が発表し話題となった、「老後2000万円問題」。
老後、年金のみに頼ったモデルケースの世帯では、毎月収入によりも支出が大きくなってしまう赤字状態が続き、長生きをした場合はだいたい2000万円くらいの赤字となります。
なので年金収入とは別にお金がたくさん必要ですよ~というものです。
とは言っても、もらえる年金額、月々の支出額、退職金、自営業者で一生働き続ける等々、老後の生活には相当の個人差があります。
モデルケースとは全く異なるケースも大勢いて、一概に老後大変なことになるとは言えませんが、いずれにしても預貯金や資産はあればあったに越したことはありません。
現役世代のうちに預貯金できる額は、年収でおおよそ固定されます。
節約、副業、転職、独立などして、ある程度増やすことは可能ですが、びっくりするくらい貯金額が変わるということはないでしょう。
そこで資金調達の補完あるいは主力となってくれるのが、株式投資や投資信託、確定拠出年金、不動産投資などの様々な資産運用です。
20代の今は、「資産運用なんて不要」、「なんとかなるさ」と思っていても、年齢を重ねるうちに、徐々に貯金が思った以上に貯まらない、このままで老後は大丈夫かという不安がでてきます。
いずれ現実に向き合うことになります。
そして40代になって慌て出し、よく分からないまま証券会社、マネー雑誌、ネットでオススメされている資産運用をなんとなく始めるくらいだったら、一日でも早くお金の勉強をし、20代のうちから資産運用を開始するのが良いと私は思います。
若いほうが色々とリスクが取れますし(例え失敗しても働いている限りお金が入り続けるし、挽回する機会もたくさんある)、早くから投資経験を積み上げることができるので、リスク管理力(回避・軽減)が身につきます。
ですが、最終的に、資産運用を始めるかどうかは、全て自分次第です。
資産運用を始めても、逆に失敗して資産が減ってしまう場合もあります。
でもそれは自己責任。
証券会社、投資先の企業、国、どこも助けてはくれません。
自分でこの厳しい世の中を渡り歩いていかなくてはいけません。
どうせ渡り歩かなくてはいけないのならば、少しでも自己防衛できる武器をもっていたほうが良くないですか?
その武器こそ、お金を勉強すること、つまり「金融リテラシー」を身につけることです。
何も知らず、自分の素手1本で、お金の欲望が渦巻いている世の中を渡り歩くよりは、武器をもって自分自身で自分を守っていきましょう。
以上「証券投資に関する全国調査 平成30年度調査報告書(個人調査)」の一部分を紹介させていただきました。
報告書には今回取上げなかった項目がまだ多数ありますので、興味がある方は、リンクを載せておきますので、ぜひご覧くださいね。
「証券投資に関する全国調査 平成30年度調査報告書(個人調査)」
今回の記事は、これから株式投資を始めようか迷っている人の判断材料になれば良いなと思い書きました。
少しでもそのような方の参考となれば幸いです。