「フリーランス」に興味があるけど、今一歩踏み出せない公務員の方
「フリーランス」をしているけど、他のフリーランスの実態が知りたい方
今回はこのような方向けに、フリーランス実態調査結果からいくつか項目をピックアップしてご紹介します。
なお、本記事は一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会(以下「フリーランス協会」)「フリーランス白書2020」より引用・転載しています。
- 平均勤務時間は会社員と同程度
- 収入は600万円未満が約65%、だけど1000万円以上も1割以上
- 「働く時間が減った」5割以上
- 「ストレスが減った」7割以上
- 「満足度が上がった」約9割
- 「収入がなかなか安定しない」5割以上
【フリーランスの実態】公務員を辞める前に知っておきたいメリット・デメリット
まずはフリーランスの定義や種類を、その後フリーランス白書2020の結果からフリーランスの実態をご紹介していきます。
フリーランスとは?
フリーランスの定義
フリーランスの定義は、その特性上あやふやな部分があり、しっかりとした定義付けは難しいところがあります。
「フリーランス協会」では次のようにフリーランスの定義を決めています。
(引用:フリーランス白書2020)
なお、日本国内における2020年の広義のフリーランス人口は「462万人」となっています。
(「フリーランス実態調査結果」(令和2年5月内閣官房日本経済再生総合事務局))
フリーランスの種類
フリーランス協会では下図のように区分しています。
(転載元:一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会「フリーランス白書2020」)
フリーランスの中にも、
- 開業届を出さずに活動する人
- 開業届を提出し、個人事業主として活動する人
- 法人化している経営者として活動する人
がいて、同じフリーランスといっても差があります。
開業届の提出や法人化については個人の自由なので、ある程度収益化ができてきたら検討して見る価値ありです。
具体的な職種一覧(一例)
【クリエイティブ系】
- デザイナー
- 編集者
- 映像ディレクター
- コピーライター
- フォトグラファー
- アーティスト
- アニメーター
- フードコーディネーター
- ハンドメイド作家
- Webデザイナー
- ライター
- ブロガー
- YouTuber
- CADオペレーター
【ビジネス系】
- エンジニア
- ライター
- コンサルタント
- 広報・人事・財務
- 士業
【職人系】
- スタイリスト
- 美容師
- フードコーディネーター
- ハンドメイド作家
- ハウスキーパー
- スポーツトレーナー
- 講師
- 1人親方
- トラック運転手
- シェフ
- ベビーシッター
- パソコンインストラクター
などなど、ありとあらゆる職種があります。
フリーランスの実態(フリーランス白書2020より)
平均勤務時間・現在の収入など
【平均勤務時間】
もっとも多いのが140時間以上200時間未満で、全体の約3割を占めています。
月に20日間働いている会社員が約8時間×20日で160時間となりますので、会社員と同じ程度働いているフリーランスが多いと言えます。
中には月に250時間以上働いている強者も5%いました。
【年収】
- 200万円未満が22.5%
- 200万円~400万円未満が22.9%
- 400万円~600万円未満が19.9%
となっていて、600万円未満が約65%という結果でした。
注目は1000万円以上の割合が約12%もあったことです。
仕事の獲得経路
受注経路については、人脈や過去の取引先などが大変多く、やはり最初は知り合いなど知人を頼って仕事を得ていくフリーランスが多いことが分かります。
フリーランスを始めた理由
フリーランスを始めた理由は、
- 自分の裁量で仕事をするため
- 働く時間/場所を自由にするため
- より自分の能力/資格を生かすため
などポジティブな理由が大半を占めました。
会社員時代との比較
会社員時代と現在のフリーランスでの働き方に関しての比較ですが、非常に象徴的な結果となりました。
- 働く時間が減ったという人が5割以上
- ストレスが減った人はなんと7割以上
- そして満足度が上がった人は約9割
とはいえ、収入が下がったという人が3割いることも見逃してはいけません。
フリーランスを続けていく上での課題
フリーランスが課題だと思っていることは「収入が安定しない」ことが一番多く挙げられました。
安定した給料が自動的に毎月振り込まれる会社員を経験しているからこそ、フリーランスになりより感じてしまう部分かと思います。
しかし、やはりフリーランスの人は能動的な方が多く、これらの課題を解決するために、「書籍などからの情報収集」や「社外セミナーへの参加」などを自分から積極的に解決策を探し求めています。
フリーランスの継続・成功に重要なもの
あまり差がありませんでしたが、特に6割を超える人が選んだのが、
- 「成果に結びつく専門性・能力・経験」
- 「自分を売る力」
でした。
これが全てを言い当てていると私も思います。
このどちらか片方だけ特化していても駄目で、この2つは必要条件です。
フリーランス職種別年収
次に職種別の年収ですが、大きな差がでました。
- 年収400万円未満:「クリエイティブ・Web・フォト系」約24%、「出版・メディア系」約17%
- 年収800万円以上:「エンジニア・技術開発系」約30%、「コンサルティング系」約23%
エンジニアやコンサルティングが高いのはやはり腑に落ちますね。
まとめ
ここまでフリーランスの実態をご紹介してきました。
巷でフリーランスに関して色々と噂されますが、今回紹介した「フリーランス白書2020」のように、客観的に調査結果から実態をみることは非常に大切なことです。
特に、これからフリーランスを始めたいと思われている方には大変貴重なデータがてんこ盛りです。
私個人的には、給料よりも満足度・勤務時間減・ストレス環境の低さを優先したい人はフリーランスに向いているのではないかと今回の調査結果をみて思いました。
引用・転載文献:「一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会「フリーランス白書2020」
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